黒閃が死ぬほど撃てる天与呪縛の女の子   作:リアオットー

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縛り内容
・加茂渡愛を好きになること
・加茂渡愛と結婚すること
・他人から感謝されること
・浮気をしないこと
・他人を虐めないこと

躯倶留隊
・渡愛と試合して負けたら呪力を使わず筋肉痛になるまで訓練

禪院蘭太
・渡愛と試合をして負けたら3日間呪式無しで訓練参加


当主候補二人

「びええええええ!!!!!」

 

「うるっさ」

 

甚壱に負けた事を思い出した渡愛は真夜中にも関わらず大泣きした。

 

さっきまでぶん殴られて気絶していたとは思えない程の元気な鳴き声である、赤ん坊なら元気だねで済むが2桁に届こうという年齢のそれはただただうるさい。

 

直哉も癇癪に巻き込まれて定期的に弱い黒閃にぶん殴られているしその度に吹き飛びそうになるのを全力で術式を展開して止めることで傍目にはただ殴られているだけに見えるのがなんとも悲哀を誘う。

 

「直哉、大丈夫なのか?」

 

「阿呆ほど痛いわ」

 

殴られまくっている直哉のその発言に何も言えなくなる甚壱ではあるが勝者である甚壱の実力は確かに証明された。

 

「まぁ他の奴とはまともに戦ったんは辛うじて蘭太くらいやったし、経験での負けやね。」

 

「だが身体が成長すれば俺の方がそのまま押し切られるだろうな」

 

「そらそうや、甚爾君もこの阿呆も天与呪縛の中では上位の縛り結んでるやろしなぁ」

 

甚爾君は最初からフィジカルギフテッドの身体能力自体は持っとったけど、それでもまだ身体の出来上がってない子供の時はそれなりの強さくらいやった筈や。

 

それだけ身体が出来ているか否かは大きい。

 

黒閃でさえも大まかに元の威力の2.5乗であるので基礎値が上がればその威力は跳ね上がる。

 

殴り方を覚えればそれだけ威力は強くなるし、そもそも体を鍛えれば鍛えるだけ黒閃の威力は青天井。

 

デコピンでも首を吹き飛ばすような火力になるせいでよほどの難敵で無ければ経験を積むことすら難しい。

 

逆に甚壱の方もかなり焦れったかった筈だ、甚壱の本分は殴りを重ねたり一度に放出した術式による一撃の重さがメイン、相手の動きを制限し、焦らせ、集中力が明確に落ちるまで小手先の技術だけで凌ぎきった達人の見切りと判断の連続は彼にとって得難い経験になったはずだ。

 

実際、最後の一撃も万全の渡愛であれば間違いなく呪力防御が間に合い、逆に潰されていた筈である。

 

「アホみたいな縛りを結んでるアホらしいぶっ飛び方ちゃうか?」

 

「お前がそんな言葉を言うようになるとはな・・・。」

 

甚壱は心の底から意外そうな声を出して直哉を見た。

 

まだ渡愛が来てから数ヶ月と経っていない現在であっても明確に変わり、成長しているのが分かるのは直哉である、身体も成長しているが何より精神性が少し変わっている。

 

人を見下す癖は変わらず、しかし相手に出来ること、出来ないことのギリギリを見極めたり、相手から見た自分というものを意識して演技をしたり逆に本気になり正面から押し通したりと人との関わりに侮蔑以外の感情が乗るようになった。

 

「この阿呆に足りてないのは同格以上との戦いや、今は高専の基準でいえば一級上位ってとこやけど、術式の拡張やらでまともに戦えるようになったら特級呪霊位なら普通に祓えるんやないか?」

 

「特級ではないのだな?」

 

「こいつがそれやろうとするならこの術式じゃあかんなぁ、五条悟に勝てても国家転覆やらは不可能や、規模が足りん」

 

黒閃で広範囲に破壊を撒き散らす今でさえ、術式込みで一級の中でも上澄みであれば同じくらいの破壊は可能なのだ。

 

術式反転を自分で発動出来るようになったら、話は別やろけど、とは言わなかった。

 

アレは直哉だけしか知らないもの、順転しか使えない今なら五条悟には勝てても規模の大きい特級には勝てない。

 

逆に間違いなく勝てるのは九十九特級術師だろう、強さこそ特級であるが研究者気質であり戦闘能力がそもそも五条悟と比べても低い、火力で押せる相手しか相手に出来ず、引き出しの多い相手との相性は最悪に近い。

 

五条悟も六眼による呪力のロスの少なさと無下限による力押しがメインだが六眼による観察で相手の手札や起点を一方的に見れるのは反則であるし、成長途中である事を鑑みても現時点でまともに戦える相手のほうが少ないだろう。

 

「・・・禪院の利になるか?」

 

「不安は表に出さんほうがええで甚壱君、利にするんや」

 

「・・・俺も老いたか?」

 

「まさか、当主になるんは俺や、俺の対抗馬として全力で戦ってもらわな困るで」

 

「グズっ・・・」

 

「・・・いやお前袴ビッチョビチョやないか!!!」

 

締まらない、渡愛と居ると全く締まらない。

 

「はぁ・・・そう言えば扇のおっさん何処おるん?いい加減縛りの延長もきつくなってくる頃やから合わせるだけ合わせたいんやけど?」

 

「アイツは、子供を作っている。」

 

「はぁ?あの年になってか?元気やね」

 

「当主になれなかった事を悔やんで子供を作るらしい、女中が聞いた」

 

「聞いた奴は・・・死んでそうやな」

 

余りにも恥を上塗りするだけの理由を流した女中などあの扇が生かしているはずも無い。

 

「渡愛になんかされんようにこの家の空気変えていかなあかんかもなぁ」

 

「だがそれ故に呪いが強い側面もある、やりすぎれば没落だ。」

 

「それで内ゲバ満載の爆弾抱えるよりかはマシやろ」

 

「その負の側面筆頭だったお前が言うことではないな。」

 

「違いないなぁ」

 

クツクツと笑う直哉と甚壱、2人の当主候補の仲はそれほど悪くは無かった。

 

「甚壱君、俺が当主になっても甚壱君は重用したるわ」

 

「その言葉、そのまま返す」

 

二人は泣きべそをかいている渡愛をあやす片手間に双方の認識を改めていった。

 

甚壱は直哉の様子を見て渡愛の影響で驚くほどに丸くなったのだと。

 

直哉は甚壱に対して自分が思っているほど話の通じない男ではないのだと。

 

「呪具庫の中身、躯倶留隊に与えたほうがええかな?」

 

「渡愛への対抗手段確保のためか?破壊されるのがオチだぞ?」

 

「それもあるけど一番は躯倶留隊の損耗率低下がメインや、加茂家の方に怪しそうな奴がおる」

 

「渡愛を簡単に渡してきたからな、警戒しておいて損はないというわけか。」

 

それもあるけど、と直哉は心の中で考える。

 

渡愛の天与呪縛、自縄自縛の効果で他人との縛りが前提で作られた以上、作った奴が加茂家に居る。

 

そんな人物は情報網に乗っとらん。

 

多分、そいつが居るのは総監部の方だろう、常日頃から加茂家に居る様な人物ではないし、没落寸前の加茂家がそれほど優秀な人材を宣伝しない訳がない。

 

つまりは。

 

「俺の代でかなり面倒な事に成りそうやから、な。」

 

呪詛師による総監部の簒奪が起きている可能性がある。




羂索レーダーオン、コレが黒閃による洞察力の上昇ですか。

お楽しみの扇は双子生まれてからじゃないと描けそうになかった、まぁまだ直毘人おるしいけるやろ(震え)
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