チュートリアルお兄さん(呪い)   作:夜神桜

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番外編13 逆ハーレムルート(違う意味での地獄)

最初に言っておく。

俺は別に、モテたいわけじゃない。

チヤホヤされたいわけでもない。

 

平穏に生きたいだけだ。

 

ただ――

神はそれを許さない。

 

アルセウスは今日も暇だった。

 

俺はいつものように日本にいた。

スマホでハーメルンを眺めていた。

「すごく平和だ…」

 

俺はスマホを握りしめた。

「……アルセウスのやつ、いつも思うが

俺の人生をなんだと思ってんだ」

 

その瞬間。

スマホが震えた。

 

着信。

【アルセウス】

 

俺は叫んだ。

「やめろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

しかし神は止まらない。

 

光。

転移。

召喚。

強制イベント。

 

俺の視界は白く染まった。

目が覚めると、そこは神殿。

 

まただ。

 

豪華な床。

高い天井。

玉座。

 

そして白い馬。

アルセウス。

 

『零』

 

俺は言った。

「……用件は」

 

『次の試練だ』

 

俺は言った。

「やめろ」

 

『今回は』

 

『逆ハーレムだ』

 

俺は固まった。

「……は?」

 

アルセウスは淡々と告げる。

『男たちに好かれてみろ』

 

俺は叫んだ。

「俺はノーマルだ!!!!!!!!!!」

 

アルセウスは言った。

『だから面白い』

 

俺は叫んだ。

「面白さで世界を動かすな!!!!!!!!!!」

 

光が走る。

次々に転移。

人影が現れる。

 

まず。

レッド。

 

無言で立っている。

目が怖い。

圧が強い。

 

俺は呟いた。

「……終わった」

 

次。

グリーン。

「へぇ?ここどこだよ」

 

次。

ゴールド。

「え、なにこれ?ドッキリ?」

 

次。

シルバー。

「……なんか嫌な予感がするな」

 

次。

ユウキ。

「え!?零さん!?なんで!?」

 

次。

マサル。

「……え、なんですか?」

 

次。

ハルト。

「うわ、すげぇ神殿!」

 

次。

サトシ。

「うおおおお!!また神いるんだ!!」

 

次。

N。

「……ここは、世界の外側?」

 

次。

ダイゴ。

「おや、最高に楽しい展開じゃないか」

 

次。

サカキ。

「……ふざけているのか?」

 

最後。

アカギ。

「……なるほど。神の戯れか」

 

俺は息を止めた。

「……濃いな」

 

濃すぎる。

悪の組織のボスまで混ざってる。

 

何でだよ。

 

全員が俺を見た。

空気が止まる。

 

そして。

サトシが真っ先に言った。

「レイ!!また会えたな!!」

 

俺は言った。

「会いたくなかった」

 

サトシ「ひどい!!」

 

ハルトが言った。

「零さんって、やっぱすげぇな!」

 

俺は言った。

「すごくねぇよ」

 

ユウキが言った。

「え、え?俺ら、何で呼ばれたの?」

 

マサルが言った。

「嫌な予感しかしません」

 

ゴールドがニヤニヤしながら言った。

「これさ、絶対面白いイベントじゃん」

 

シルバーが真顔で言った。

「やめろ。巻き込むな」

 

グリーンが腕を組む。

「……で、相変わらずだな零」

 

Nが静かに言った。

「君が……世界を揺らす存在なんだね」

 

ダイゴが笑った。

「よし!石集めしよう!」

 

サカキが低い声で言った。

「……私は帰りたい」

 

アカギが言った。

「帰れないな。ここは神の領域だ」

 

俺は言った。

「やめろアカギ、解説すんな」

 

アルセウスが言った。

『静粛に』

 

全員が黙る。

レッドだけは黙ったまま。

 

アルセウスは告げる。

『これより逆ハーレム試験を開始する』

 

俺は叫んだ。

「試験にするな!!!!!!!!!!!!」

 

アルセウスは言った。

『ルールは簡単だ』

 

『この中から一人選べ』

 

俺は固まった。

「……は?」

 

全員が固まった。

 

サトシ「え?」

 

ハルト「え?」

 

ユウキ「え?」

 

シルバー「は?」

 

ヒビキ「え?」

 

マサル「え?」

 

グリーン「え?」

 

N「え?」

 

ダイゴ「ん?」

 

サカキ「……は?」

 

アカギ「……ふむ」

 

レッド「……」

 

俺は叫んだ。

「アカギだけ納得すんな!!!!!!」

 

アルセウスが淡々と言った。

『選ばねば、永遠にループする』

 

俺は震えた。

「……またそれかよ」

 

アルセウスは続ける。

『毎日、告白イベント』

 

『毎日、嫉妬イベント』

 

『毎日、抱きつきイベント』

 

『毎日、手を繋ぐイベント』

 

『毎日、修羅場』

 

俺は叫んだ。

「男同士で何やらせる気だよ!!!!!!!!!!」

 

アルセウスは言った。

『安心しろ』

 

『お前が望むなら健全にする』

 

俺は即答した。

「健全で頼む!!!!!!!!!!」

 

【第一試練:告白イベント(圧が強い)】

 

空間が変わる。

なぜか観覧車。

密室。

逃げ場なし。

 

しかも――

相手はレッド。

 

俺は死んだ。

レッドは無言で窓の外を見ていた。

 

俺は震えながら言った。

「……なんで最初がレッドなんだよ」

 

レッドがこちらを見る。

そして一言。

「……お前」

 

俺は言った。

「はい」

 

「俺、とうとう殺される?」

 

レッドは言った。

「……違う」

 

俺は言った。

「違うのか」

 

レッドは小さく言った。

「……お前は強い」

 

俺は言った。

「そ、そうだな」

 

レッドは続けた。

「……お前と戦うと、楽しい」

 

俺は言った。

「それはまぁ、ありがとな」

 

レッドは一歩近づく。

「……だから」

 

「……ずっと、そばにいろ」

 

俺は叫んだ。

「怖い怖い怖い怖い!!!!!!!!」

 

観覧車が揺れた。

俺は死ぬかと思った。

 

【第二試練:嫉妬イベント(地獄)】

 

次の瞬間、空間が変わる。

ポケモンセンター。

俺が椅子に座る。

 

周囲に男たち。

完全に囲まれてる。

 

ゴールドがニヤニヤして言う。

「なぁ零、今のレッド、絶対告白してたよな?」

 

俺は言った。

「してない」

 

シルバーが言った。

「いや、してたな」

 

ユウキが言った。

「え!?レッドさんってそんな感じなの!?」

 

マサルが言った。

「……レッドさん、恐怖なんですが」

 

グリーンが舌打ちした。

「チッ……あいつ、抜け駆けかよ」

 

ダイゴが笑った。

「なるほど!恋のライバルってやつだね!」

 

Nが静かに言った。

「零、君は……愛されている」

 

俺は言った。

「愛されなくていい」

 

サトシが叫ぶ。

「なぁレイ!じゃあ俺ともデートしようぜ!!」

 

俺は言った。

「お前は普通に友達だろ!!」

 

サトシ「やった!!」

 

俺は叫んだ。

「喜ぶな!!!!!!」

 

【第三試練:手料理イベント(男の飯)】

 

空間が変わる。

なぜかキッチン。

 

アルセウスの声。

『零の胃袋を掴め』

 

俺は叫んだ。

「やめろ!!!!!!!!!!」

 

最初にダイゴがエプロンを着た。

「よし、僕はサンドイッチでも作ろうかな」

 

俺は言った。

「それは普通にうまそう」

 

次にサトシが叫んだ。

「俺も作る!!」

 

俺は言った。

「お前はやめとけ」

 

サトシ「なんで!?」

 

ゴールドが言った。

「俺、適当にやるわ」

 

俺は言った。

「適当が一番怖い」

 

マサルが冷静に言った。

「……塩と砂糖、間違えないようにします」

 

俺は言った。

「頼む」

 

ユウキが笑った。

「俺、ホウエン料理得意だよ!」

 

俺は言った。

「お前は信用できる」

 

シルバーが真顔で包丁を握った。

「……肉を切る」

 

俺は言った。

「お前、目が殺し屋なんだよ」

 

グリーンが言った。

「おい、俺が一番うまいに決まってんだろ」

 

Nが言った。

「料理は……ポケモンの心も癒す」

 

俺は言った。

「お前は哲学すんな」

 

サカキが言った。

「……私は料理などしない」

 

アカギが言った。

「……食事は栄養摂取だ」

 

俺は叫んだ。

「お前ら!!恋愛試験に来てんだぞ!!!!」

 

レッドは黙って肉を焼いていた。

異常に上手い。

 

俺は思った。

(こいつ……何でもできるな……)

 

【第四試練:ツンデレイベント(サカキ)】

 

空間が変わる。

なぜか高級レストラン。

 

俺の隣に座るのは――

サカキ。

 

俺は震えた。

「……一番やばいの来た」

 

サカキはワイングラスを持ち、静かに言った。

「零」

 

俺は言った。

「はい」

 

サカキは言った。

「君は……才能がある」

 

俺は言った。

「それはもう知ってる」

 

サカキが微笑んだ。

「なら、また私の元に来い」

 

俺は言った。

「悪の組織にまたスカウトすんな!!!!!!」

 

サカキは淡々と言う。

「待遇は良い」

 

俺は言った。

「そういう問題じゃない」

 

サカキは続ける。

「世界は支配されるべきだ」

 

俺は言った。

「恋愛の話しろ!!!!!!!!」

 

【第五試練:アカギの哲学告白(意味が分からない)】

 

次。

アカギと二人。

 

夜の湖。

月明かり。

 

雰囲気だけは完璧。

 

アカギが言った。

「零」

 

俺は言った。

「なんだよ」

 

アカギは静かに言った。

「君の存在は、世界の歪みだ」

 

俺は言った。

「嬉しくない」

 

アカギは続ける。

「私は君に興味がある」

 

俺は言った。

「やめろ」

 

アカギは言った。

「君がいると、退屈が消える」

 

俺は叫んだ。

「告白が哲学なんだよ!!!!!!!!」

 

【最終試練:選べ】

 

全員が並んだ。

 

アルセウスが言う。

『選べ』

 

俺は震えながら言った。

「……無理だろ」

 

サトシが言った。

「俺はレイと旅したい!」

 

ダイゴが言った。

「君は最高の石仲間だよ」

 

ユウキが言った。

「零さんといると安心する!」

 

マサルが言った。

「……あなた、放っておけません」

 

ゴールドが言った。

「ま、俺が一番相性いいと思うけど?」

 

シルバーが言った。

「……お前は守る」

 

グリーンが言った。

「お前、意外と面白い奴だな」

 

Nが言った。

「君は世界を変えられる」

 

サカキが言った。

「君は私の側に立つべきだ」

 

アカギが言った。

「君は、私の理想の外側にいる」

 

レッド「……」

 

レッドは黙ったまま、俺の方へ歩いた。

そして一言。

「……選べ」

 

俺は叫んだ。

「お前が言うな!!!!!!!!!!!!!!」

 

俺は頭を抱えた。

そして結論を出した。

「……アルセウス」

 

『何だ』

 

俺は言った。

「俺は選ばない」

 

アルセウスが言う。

『なら永遠にループだ』

 

俺は言った。

「いや」

 

「俺は、神を選ぶ」

 

全員が固まった。

 

アルセウス「……?」

 

俺は叫んだ。

「お前が責任取れ!!!!!!!!!!!!!!」

 

沈黙。

数秒後。

 

アルセウスが静かに言った。

『……それはルール違反だ』

 

俺は言った。

「知らねぇよ」

 

『零、お前は』

 

『本当に面倒な人間だな』

 

俺は言った。

「お前にだけは言われたくない」

 

アルセウスが光を放つ。

空間が歪む。

男たちが消えていく。

 

サトシが叫ぶ。

「レイ!!また会おうな!!」

 

ダイゴが笑う。

「次は石集めをしようか」

 

ユウキが言う。

「零さん!今度ホウエン来いよ!」

 

マサルが小さく言う。

「……無事でいてください」

 

ゴールドが手を振る。

「じゃーな、モテ男!」

 

シルバー「……死ぬな」

 

グリーン「次は負けねぇ」

 

N「君の未来に、幸あれ」

 

サカキ「……惜しい人材だ」

 

アカギ「……興味深い存在だった」

 

そして最後。

レッドだけは消える寸前、俺の耳元で言った。

「……逃げるな」

 

俺は叫んだ。

「逃げるわ!!!!!!!!!!!!!!」

 

俺は日本に戻った。

コンビニの前。

ホットスナック。

冷めたコーヒー。

いつもの景色。

 

……平和。

 

俺は深く息を吐いた。

「……終わった」

 

スマホが震える。

通知。

 

…今はそれどころじゃない

 

俺はスマホを閉じた。

そして空を見上げた。

「……神よ」

 

「人類は、もうダメかもしれない」

 

雲の隙間に金色の輪。

アルセウスが絶対笑っている。

 

俺は呟いた。

「……お前は笑ってんじゃねぇ!!!!!!!!」

 

番外編13 完

(※八雲零は「恋愛イベントは性別関係なく地獄」だと悟った)




これでこの作品は終わり!…え?アニポケ主人公のルートとZA編?知らない子ですね
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