チュートリアルお兄さん(呪い)   作:夜神桜

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第67話 コメント欄が神に監視されてる

俺は思った。

コメント欄が荒れるのは、まぁ分かる。

ネットだから。

 

悪の組織が喧嘩するのも、まぁ分かる。

あいつら現実でも喧嘩してるし。

 

サカキが一言で黙らせるのも、まぁ分かる。

上司だし。

 

でも。

でもだ。

俺はパソコンの前で、目を見開いたまま固まっていた。

 

なぜなら。

新しい感想が投稿された通知が来たからだ。

 

感想者名を見た瞬間、俺の脳が停止した。

 

【感想者】

アルセウス

 

俺は声が出なかった。

「…………」

 

いや。

違う。

これはなりすましだ。

 

絶対そうだ。

 

さすがに神がハーメ○ンで感想を書くわけがない。

あるわけがない。

 

俺はそう自分に言い聞かせながら、震える指でその感想を開いた。

そして。

俺は死んだ。

 

アルセウス:

「読んだ。概ね良い。だが誤解を招く表現が多い。修正せよ」

 

俺は叫んだ。

「修正せよじゃねぇよ!!!!!!!!!!」

 

何様だ。

いや、神様だ。

神様だった。

 

俺は頭を抱えた。

「うわ……最悪だ……」

 

俺はさらにスクロールした。

アルセウスの感想は、続いていた。

 

アルセウス:

「特に、私が暇人であるかのような描写は不適切だ。私は忙しい」

 

「また、私が零を玩具扱いしているという点も誤りだ。私は観察しているだけだ」

 

「それと、零が『女癖が悪い』と誤解されているのは私のせいではない。零の行動による」

 

俺は机を叩いた。

「全部お前のせいだろ!!!!!!!!!!」

 

俺は即座に返信を書いた。

感想返し。

作者返信。

 

震える指で打つ。

【作者返信】

「全部あなたのせいです。あと忙しいならコメント書かないでください。」

 

送信。

 

俺は心臓バクバクで待った。

数秒後。

返信が来た。

 

アルセウスが、さらに感想を追記してきた。

 

アルセウス:

「返信が早いな。零は暇なのか?」

 

俺は叫んだ。

「○すぞ!!!!!!!!!!」

 

俺は慌てて周囲を見た。

 

もちろん自室だ。

誰もいない。

 

なのに俺は、なぜか小声になっていた。

「……お前、どこで見てんだよ」

 

すると。

感想欄に、新たな書き込みが追加された。

 

アルセウス:

「見ている」

 

俺は震えた。

「いや、怖すぎるだろ!!!!!!」

 

コメント欄が一気にざわついた。

感想が次々と流れる。

 

・「!?!?!?!?」

・「え、アルセウス本物?」

・「神が感想欄に降臨してて草」

・「作者終わったな」

・「アルセウス様、続きをお願いします」

・「神が“概ね良い”ってレビューするの面白すぎる」

・「これもう公式だろ」

 

俺は頭を抱えた。

「公式にするな!!!!!!!!!!」

 

さらに。

悪の組織たちが反応し始めた。

 

ギンガ団幹部(匿名):

「……神よ。貴方が降臨するとは」

 

プラズマ団員(匿名):

「いやいや、感想欄で神と会話してる零やっぱり何者だよ」

 

フレア団(匿名):

「美しい……神の降臨……」

 

スカル団(匿名):

「え、マジで神!?やばwww」

 

俺は叫んだ。

「お前らテンション上げるな!!!!!!!!」

 

その時。

また新しい感想が投稿された。

 

今度は、レビュー。

 

レビュー欄。

星評価。

投稿者名。

 

俺はそれを見た瞬間、目を疑った。

 

【レビュー投稿者】

アルセウス

【評価】 ★★★★★

 

俺は絶叫した。

「満点つけるな!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

てかその機能あるからそれでして!?

 

レビュー内容。

アルセウス:

「零は愚かだが面白い。今後の成長に期待する」

 

俺は顔面蒼白になった。

「お前、何目線だよ!!!!!!!!!!」

 

いや神目線だ。

神様だった。

 

…さっきも言った気がするなこれ。

 

そのレビューが投稿された瞬間、PVが跳ね上がった。

 

ブックマークが増える。

評価が増える。

感想が爆増する。

 

俺の小説は、神のレビューによってバズった。

バズり方が異常。

もはや爆発。

 

俺は画面を見つめながら呟いた。

「……これもう俺が書いてるんじゃなくて、神がプロデュースしてるだろ」

 

すると。

感想欄に新しい書き込み。

 

アルセウス:

「その通りだ」

 

俺は叫んだ。

「認めるな!!!!!!!!!!!!」

 

その瞬間。

スマホが震えた。

L○NE通知。

 

【ヒカリ】

 

俺は慌てて開く。

 

ヒカリ:

『零……神様が感想欄にいるんだけど……』

 

『あなた、今度は何したの……?』

 

俺は震えながら返信した。

「俺も知らない」

 

送信。

既読。

すぐ返信。

 

ヒカリ:

『絶対嘘』

 

俺は叫んだ。

「信用しろ!!!!!!!!!!!!」

 

その時。

新たな感想が追加された。

 

名前。

【レッド】

 

俺は心臓が跳ねた。

内容。

 

レッド:

「神が監視してるなら更新しろ」

 

俺は叫んだ。

「神が監視してるから更新しろって何だよ!!!!!!!!」

 

さらに感想。

サカキ:

「アルセウス。余計なことをするな」

 

俺は目を見開いた。

「サカキ、神に喧嘩売ってんのかよ!!!!!!!!」

 

そして。

アルセウスが返信した。

 

アルセウス:

「貴様こそ余計なことをするな」

 

俺は椅子からずり落ちた。

「終わった……コメント欄が終わった……」

 

神と悪の組織が。

ネット上で。

レスバしている。

 

ハー○ルンで。

レビュー欄で。

PVが爆増しながら。

 

俺は呟いた。

「これもう……俺の小説じゃなくて……世界の会議室だろ……」

 

すると。

感想欄にまた新しい書き込み。

 

アルセウス:

「零。続きを書け。皆が待っている」

 

俺は震えながら言った。

「……皆って誰だよ」

 

即座に返信。

アルセウス:

「全てだ」

 

俺は死んだ目で、パソコン画面を見つめた。

 

俺はもう逃げられない。

 

神に監視されながら。

全地方の人間に読まれながら。

悪の組織に圧をかけられながら。

レッドに続きを要求されながら。

 

俺は小説を書き続ける。

 

そう。

これはもう。

俺の人生じゃない。

 

神の娯楽番組だ。

 

俺はキーボードに手を置き、泣きそうな声で呟いた。

「……分かったよ」

 

「書けばいいんだろ……書けば……!」

 

その瞬間。

感想欄に最後の一文が追加された。

 

アルセウス:

「よろしい」

 

俺は叫んだ。

「圧が強ぇんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

次回

「更新した瞬間、現実で事件が起きた」

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