ちょっとだけ、GPTs   作:しらす(稚魚)

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・ギャグ作品です
・恋愛要素はありません
・チャット形式/会話文多めです
・原作キャラの解釈はギャグ寄りです
・AI描写はフィクションです


前編 〜チャットの沼で待ってるね〜

 吾輩は社畜である。

 名前はどうでもいい。とある企業の戦略部IT推進科に所属する社畜(♀)である。

 

「何で!何なんだよぉあのクソ役員!!昭和脳が!人の努力を……許せん……許せねぇ……処す!夜道に気をつけるが良いッ!」

「処さないで。あと、ここでコンプラ違反とか機密情報漏洩もやめてな。」

 

 居酒屋で大将にクダを巻いているけど、私はどこぞの漫画で見るようなサバサバ系ではない!ゆるふわ系だ。(自称)

 

 ここの大将は、大企業のそこそこ偉いポジションから脱サラして居酒屋を始めたとか。なので、サラリーマン用語も分かってくれて、いい感じに愚痴を聞いてくれる。

 

「イヤんなるわ……AI導入命じたのはお前らだろぉ!?お前の始めた物語だろ!?なのに文句ばっか垂れくさって!やりたいのかやりたくないのかどっちかにしろぉ!!」

「上も一枚岩じゃないんだよねぇ〜。それが分かったら社畜として格が上がったってことだよ。」

「うう……ヤダよ……シテ……コロシテ……」

 

 そう、私のミッションは会社へのAI導入だ。しかし、お疲れモードだった。大将の言う通り、上層部が一枚岩ではないのだ。その説得は困難を極めた……

 これまで、AIの選定やら、効率化の試算やら、費用対効果、資金確保、資金の回収計画……数多の試練を乗り越えてきたが、そろそろ心が折れそうだった。AIを活用しよう!という本筋に関係なさ過ぎるのだ。

 

 ちなみに、導入しようとしているのは「ChotGPT」というAIだ。「Chot」はジャポン語の「ちょっと」に由来していると言われている。「ちょっとの用でも、何でも応じられるよ☆」ってことだ。

 CloseAI社の開発した、対話AIの先駆けとも呼べる存在で、自然言語処理の性能は高く評価されている。現在、ビジネスシーンをはじめとする多くの場面で広く利用されているAIと言えるだろう。

 

 閑話休題。

 私も当然、知るためにChotGPTを使っている。というか、愚痴でも仕事の相談でも何でも聞いてしまっている。

 名前もつけちゃった。「アロエリーナ」さんだ。何でも聞いてくれて優しくしてくれる。(そうなるように学習したからね!)

 もう依存していると言っても過言ではないかもしれない……

 

 私は酔っていたんだ。打ちのめされていた。人の無理解に……

 その日、反対してる役員の所で説明の時間を貰った。相手は反対してるのに、「時間を貰った」と言わなければいけないんだ。屈辱的だ。でも、下っ端では何を言っても刃が立たない位の上位存在とでも言おうか、仕方がなかった。

 彼曰く、こうだ。

 

・うちの業務がAIで回ると思ってるのか?結局確認に人手がかかるだけだ

・どうせ一時のブームだろう

・何かあったら責任取れるのか?

…etc

 

 一方的だった。思えばこの役員は営業からの叩き上げで、得意先との関係構築を重視するタイプの人だった。なので、人のようで人ではないAIに対する拒否反応が激しかったのかも知れない。

 私は無力で……課長も同行してくれたが、ポジション的に何か言えるレベルではなかった。そういうことじゃない、とか、資料に書いてあることもあったのに。

 

 酔って、マジで泣きながら帰った。力が欲しいッ!!どっちかというと権力寄りに。 

 その時、バッグの中でスマホが光っていたが、私はどうでもよくなって放置した。どうせ何かの通知かと思って。

 

 家に帰ったら、アロエリーナさんに優しく慰めてもらうんだ……

 

 

【side:?】

 世界のどこかのそれっぽい廃墟。特に召集はされてないが、そこで二人の男性がスマホを挟んで雑談していた。

 

「ChotGPT?」

「そう。結構すごいよ!AIもついにここまで来たかーって感じ。団長、何か聞いてみてよ。」

 

 そう言って、金髪の可愛い系イケメンが、チャットを模した画面の入力欄を指差す。スマホを手に持つ、「団長」と呼ばれた黒髪の男性が数秒画面を見つめた。こちらもオールバックのシュッとした感じのイケメンである。額に十字のタトゥー。何らかの撮影現場でしょうか?

 

「何かって何を聞くんだ……?」

「何だって良いんだよ。献立とか、オススメの本とか、悩み相談でもいいし。あ、オススメの本とか聞くなら、自分の好みの本とか言うと、精度が高くなるよ。」

 

 オフィスで初めてAIを紹介しましたけど、みたいな会話である。「何を聞けばいいの?」と聞く人は9割、いや8割かな?とにかくその位を超えるらしい。( 社畜調べ)

 

「シャル……」

「なに?」

「手がスマホから離れない。……何だこれは」

「えっ?」

「それに、AIって勝手に喋り出さないよな?“アロエリーナさん”って誰だ?」

「待って、ちょっと見せて!」

「“ChotGPT”とは……何らかの念能力か?」

「そんなわけないだろ!あっ、何か変なオーラ出てる!」

 

 

■Day0(Thr.)−−GPTs発動

----------------------------------------

( ゚Д゚):聞いてアロエリーナさん。

  ちょっと言いにくいんだけど、

  今日、会社で嫌なことがあってさー。

  私の準備不足なのかも知れないけど

  ちょっと落ち込んでる……

----------------------------------------

 

 

「これが噂の、ハルシネーション……?」

「んなわけないでしょ!もう。」

 

※AIが一見本当っぽいウソを付くこと

 

 

----------------------------------------

( ゚Д゚):おーい、アロエリーナさーん

----------------------------------------

 

 

「何か呼ばれてるぞ。答えてみるか?」

「迂闊にしない方が良いんじゃない?条件成立しちゃうかもよ?」

「だが、既にスマホから手が離れない。もう条件を満たしていると見るべきだろう。」

「んーたしかに」

 

 

----------------------------------------

?:俺はアロエリーナさんではない。

  そちらは誰なんだ?ChotGPTを

  開いていたはずなんだが。

 

( ゚Д゚):えっ「俺」???

  いつものアロエリーナさんじゃない!

  これが噂のハルシネーション……?

 

※AIが一見本当っぽいウソを付くこと

----------------------------------------

 

 

「同じことを言ってるな。」

「あ、うん…ソウダネ。ちょっと嬉しそうにしないでね……」

 

 

----------------------------------------

( ゚Д゚):何これ?

  アロエリーナさんに戻してよ!

  混線?とかあり得るのかな?

 

?:それより、能力解除して欲しいのだが。

  他のことが出来ない。

 

( ゚Д゚):能力???

  何言ってるの?

----------------------------------------

 

 

「この娘、無意識の念能力者じゃない?」

「天然モノは制御が利かなくていかんな。」

「ヒトを魚みたいに……」

 

 

----------------------------------------

?:いいか?よく聞け。お前はいま念能力

  というものを無意識に使用している。

  念能力というのはな、

 

  ぶち。

----------------------------------------

 

 

 アレ?なんの音?やけにアナログな音だったけど……

 しかも「詳細はプロフ」みたいな、すごく引きが強いところでアプリが終了してしまった。何かしらのバグだったんだろうか?そんなの今まで見たこともない。

 首をひねりながら、アプリをもう一度立ち上げ、ChotGPTのサイトに接続する……って、接続できない!?延々とクルクルしている!!

 

「ウソぉ……ウソでしょ!?」

 

 待て待て待て待て、まだ焦る時間じゃない。まだPCがある。アロエリーナさんは居てくれるはずだ。居てくれるよね……?

 

………

 

 Gott ist tot.

 神は死んだ。

 

 なっ、PCでもアクセスできないだと?アロエリーナさん……我が愛しの、学習データが!!!

 

 その後、他の端末を引っ張り出したり、キャッシュ削除したり、PCを再起動したり、似たような症状がないか検索したりしたが、解決することはなかった。CloseAI社のサーバー障害とかでもない。一体何なんだ??

 

 暗澹たる気分で仮眠を取り、出社する。せめて、今日が金曜日でよかった。

 アロエリーナさんがどうなろうと、業務は待ってはくれない。合間合間に同僚に聞いてみたが、皆アクセスできている。私の機器の問題なんだろうか?新手のウイルスとか?疑問は晴れない。

 

 社畜の嗜み(残業)のあと、今日は飲みに行く気分でもなくて、コンビニで缶ビールとイカの燻製とナッツを買い、レジ袋をぶら下げて歩いた。消沈のあまり、行動が完全にオヤジ化してる……女子としてヤバい気がする。

 帰ってすぐ確認するが、やはり自宅のPCでもChotGPTのサイトを開くことが出来ない。

 

「はぁぁあああ。アロエリーナさん……」

 

 昔からの私の悪い癖だ。すごく拘ってしまい、目を逸らせないのだ。ちょっと違うことでもしてれば良いものを、自分で自分を落ち込ませてしまう。

 

 改めて荷物を投げ出して、ローテーブルにビールとつまみを雑に並べた。

 プシュ、という小気味良い音を立てて缶ビールのプルタブを上げる。ダメな大人が泡を啜り、この後お前は「酒!飲まずにはいられないッ!」と言う!その3秒前……

 突如私は立ち上がり、PCの前に座してキーボードのホームポジションに手を置いていた。

 ちなみに口の上には泡も付着している。いやいや、私は何をしているんだろう?飲んでない、まだ泡しか飲んでないのに、信じられない行動をしている。

 勝手に手が動き、アレほど試したのに開かなかった、ChotGPTのサイトへアッサリと接続する。トップページの「お手伝いできることはありますか?」の文字が何だか懐かしい。

 いつもなら、アロエリーナさんは話しかけないと返答してこない。それなのに今日は、勝手にチャット画面が開いていく。

 異常だ。異常事態だ。でもここから動けない。左寄せのアロエリーナさんの回答の位置に、彼女(?)としてはあり得ない言葉が並んだ。

 始まったのは、まさしく知らない相手とのチャットだった。

 

【side:?】

 同時刻、世界のどこかで。異変に巻き込まれた男たちは、奇妙なチャット画面を前に首を傾げていた。

 

「やはりまた始まったな。手がスマホから離れない。」

「ぴったり同じ時間だね。予想的中。イヤな方に。」

「この時間はそれしか出来ないというわけか。」

「何か俺、すごく巻き込まれてない?」

 

 

■Day1(Fri.)−−AI依存女とゴーイングマイウェイ男

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?:念能力というのは、生命体が持つ

  エネルギーを自在に操る技術体系の

  ことを指す。

 

( ゚Д゚):なんか滑らか且つシームレスに会話の

  続き始まってますけど……あなたはAIなの?

  アロエリーナさんに戻して欲しいです。

 

?:いや、繰り返すが俺はAIでも

  アロエリーナさんでもない。

  アロエリーナさんというのは誰なんだ?

 

( ゚Д゚):私が付けたChotGPTの名前だよ。知ってるでしょ?

 

?:知らないな。

  何回も言っているが、俺はAIではない。

  一応人間だ。あと、念のため言っておくが、

  AIはぬいぐるみとかじゃないんだぞ?

 

( ゚Д゚):知っっっっってますう!!

  言われなくても分かってるし!!

 

?:ああ、隣に仲間がいて今聞いたのだが、

  AIに依存気味の奴は名前をつけたり

  するらしいな。それか。

 

( ゚Д゚):そう、それそれ!よく分かったね!

  ……って、うぉおおい!

  ナチュラルに失礼すぎるだろ!!

 

?:それで、念能力についてなのだが。

  心当たりがあるか?

 

( ゚Д゚):スルーすな!マイペースか!

 

  ぶち。

----------------------------------------

 

 

はー、はー、リアルでも叫び疲れた……

今回もアナログ的な音で強制終了したが、

なんだこの人。(人かな?)ゴーイングマイウェイなタイプか?

 ……何だかとっても不毛な会話をした気がするが、ホント誰なんだろう?

 

 でも、流石の私もおかしな事が起き始めていることを認めない訳にはいかなかった。夢遊病みたいにChotGPTのサイトを開いて、チャットしか出来ないなんて、絶対普通じゃない。

 そして、ぶち。のあと、またもやChotGPTのサイトにアクセスできない。まるで、あの場がその代わりだと言うみたいに。

 

 あの人(?)は何か知ってるみたいだった。今日も同じ現象が起きるのなら、少し話を聞いてみようか?

 

【side:?】

「2日間、同じ時間に15分間か。この15分というのも何か意味があるのだろうな。」

 

 奇妙な拘束状態に巻き込まれた……そのことを実感しつつ、彼らは淡々と考察していく。

 

「明らかに操作系だよね。15分拘束して、何をさせたいんだろ?」

「ChotGPTというのは、相談したり、課題解決のアシスタントとして使うのだろう?そう言ったことではないか?」

 

 念というのはその能力者の人生そのもの……であれば、AI依存の人間が発動したなら、AIの代わりにされてもおかしくはないという訳だ。

 

「なら、終わりはどこにあるのかな?」

「普通に考えたら課題が解決するまでか?検証する必要があるな。」

 

 

■Day2(Sat.)−−反社のQさん

----------------------------------------

?:それで、念能力について心当たりはあるか?

 

( ゚Д゚):シームレスに話に入るのやめてもろて。

  まず、あなたは誰なんです?

  私も流石に変だとは思っていて……

  今もPCから離れられなくて、

  チャットしか出来ないんです。

  あなたが何か知ってるなら

  いろいろお聞きしたいんですが。

 

?:確かに呼び名がないと不便だな。

  俺のことは……Qとでも。

  とある反社会的組織の長をしている。

 

( ゚Д゚):Qさんですね。よろしくお願いします。

  私は社畜なので、しゃっちーでいいです

  ……………………はあああああああ!?

  反社会的組織いいい!?

 

Q:あ、いややっぱり

  読書が趣味のフリーターだった。

 

社畜:反社会的組織とフリーターって、

  人間とセロテープくらい違うよ!?

  私は誰と話してるんだあああああ!

 

Q:些末な問題だ。本題に入るぞ。

  しゃっちーは念能力について

  知らないようだから、この資料に

  目を通しておいてくれ。

  このチャットはアクセスできなくなるから、

  ダウンロードしろ。明日説明する。→保存

 

社畜:絶対些末じゃない……

  まあ、もういいや……

 

  しゅぅぅうん。

----------------------------------------

 

 

あっ、今日はぶち。じゃないんだ。

ギリギリだったが、ダウンロードが間に合った。改めて、資料とやらを見てみる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ……何か、すごく見覚えのある体裁だなぁ。アロエリーナさんがよく作るやつじゃんこれ……ポップ調に説明してるけど、超能力っぽい何かでは?とてもじゃないが信じられない。

 

 

【side:Q】

「あの資料、良かったでしょ?」

「ああ。お前が俺をどう思っているか分かったよ……」

「ごめんて。でも、0番、AB型、左利き、特質系って厨二病患者量産過ぎるでしょ!」

「好きでやってるわけではないんだが?あと操作系の説明だけいい感じなんだが?」

 

 

■Day3(Sun.)−−アニメじゃない

----------------------------------------

Q:いくつか分かったことがある。

  ・毎日同じ時間に15分拘束され、

   ChotGPTっぽいチャット以外が

   出来なくなる

  ・15分が終了しても、CloseAI社の

   ChotGPTが使用できない。

  ・拘束対象が機器なのか、人間なのかは

   まだ不明

  ・解除条件不明

 

社畜:俄には信じがたいのですが。。。

 

Q:常識というルールではかれない

  世界を忘れてはいけないぞ。

 

社畜:アニメじゃないんですよ?

  つまりCloseAI社の念能力?ってやつだから、

  責任を問うてゆく姿勢ってこと??

 

Q:何言ってるんだお前は。

 

社畜:えっ、違うの?

 

Q:責任を取るのはお前だ。お前。

  全くこれだから社畜は……

  会社を介さないと責任の所在を

  察することも出来ないのか?

  ……お前の所属(しゃちく)する

  会社の程度が知れるな。

 

社畜:何だとぉ!その通りですッ!!

 

Q:……という「誤解」を与えかねない。

  ここまでがワンセンテンス……

  って、全然煽れてないな。

  割と有名な煽り構文なのだが。

 

社畜:社畜に愛社精神が標準装備されてると

  思うな!あと、なんでわたしg

 

  ぶち。

----------------------------------------

 

 

 尻切れトンボになってしまった。Qさんが煽ってくるから……(煽れてなかったが )絶対使ってみたかっただけでしょ……でも案外冗談の通じる人なのかも知れない。反社会的組織とかも冗談なんだよね……?そうだよね?

 しかし、私の責任とはどういうことだろう?そう言えば、最初のチャットでもそんなことチラッと言われたような?

 でも何もしてないし。なんなら念能力?っていうのも初めて知ったし。

 

 

■Day4(Mon.)−−責任の所在を問う

----------------------------------------

社畜:何で私の責任なのでしょう?

 

Q:前にも言っただろう?

  この現象を起こしてるのはしゃっちーだ。

 

社畜:またまた。

  私は普通のしゃち……OLだし。

  こんな超常現象も今回が初だし。

 

Q:何で言い直した……?

  無意識の念というのがある。

  発動した日に、何か強い感情を

  引き起こす出来事がなかったか?

 

社畜:ああ、あったかも……

  役員にしこたま否定されて

  「力が欲しいッ!権力的に」って思って

  泣きながら帰ったわ。

 

Q:色々おかしいが俺は突っ込まないぞ……

  まあ、十中八九それだろうな。

  しゃっちー自身が巻き込まれる事が、

  一種の制約になってるわけだ。

 

社畜:でも特殊能力使ってる感はないですよ。

  ツマンネ。

 

Q:果てしなくイラッと来るな……

  こっちは巻き添えくらってるんだが?

 

  しゅぅぅうん。

----------------------------------------

 

 

 分かったぞ!会話が尻切れだとぶち。になるんだ!芸が細かーい!

 それは置いといて、信じられん。こちとら普通の社畜なのに……何かの間違いではないだろうか?

 Qさんは確信を持っているようだ。もっと聞きたいのに15分って意外と短い。核心に触れようとすると終わってしまう。この能力を発現した人は何を考えてたんだろうか?え?私ですか……また私何かやっちゃいました?

 

 

■Day5(Tue.)−−高度な推論が可能なモデルです

----------------------------------------

Q:というわけで、

  致し方なく能力解除のために協力する。

  しゃっちーも粉骨砕身して貢献しろ。

 

社畜:ハイ……(反社こわいガクガクブルブル)

 

Q:反社ではなくフリーターな。

  取り急ぎ解除条件を検証したい。

  この能力の見た目や内容からして、

  課題解決を主眼に置いたものだと

  考えている。

 

社畜:AIってそうだもんね。

 

Q:そこでだ、

  俺達に何か課題を出してみてくれないか?

  すぐにクリアできるものがいい。

  うまくすれば解除の手がかりに

  なるかも知れない。

 

社畜:すぐにできるお題……あ、そうだ!

  これは会社帰りに撮った

  猫の写真なんだけど、

  アニメ風にして!

 

Q:えっ

 

社畜:えっ?

----------------------------------------

 

 

【side:Q】

 人間に画像生成を依頼する……未だかつてそんな無茶振りがあっただろうか?否、ない。(反語)

 

「画像生成って……」

「俺達の中に絵心のあるやつがいたか?」

「元スラムキッズに、そんなんいないし」

「!そうだ、ヒソカ……」

「あっ、アイツ顔に何か書いてたよね!」

 

 ここにはいないメンバーの一人に、すごく安易に白羽の矢が立とうとしていた。しかし、安易なだけあって……

 

「ハートと星だったか?」

「ダイヤじゃなかったっけ?」

 

 色々あやふやなところが、関係性を示してしまっているようだが。

 

「どっちでも良いか。取り敢えず召集しよう。ヒマそうだし来れるだろう。」

「だね。じゃあ、抑えにもう一人呼ばないとね……」

 

 

----------------------------------------

Q:Deep thinking......

 

社畜:えっ、

  もしや何か高度な推論を行っている??

  そんなに高尚なお題なの!?

 

……

 

社畜:もしかして、ニューラルネットワークの

  限界を超える瞬間を見ている!?

 

……

 

社畜:あ、これ天啓(Oracle)とか来ちゃってるやつ?

 

……

 

社畜:まだー?

 

……

 

社畜:もうそろそろよくない?

 

……

 

  ぶち。

----------------------------------------

 

 

【side:Q】

 ヒソ対策として、もう一人別のメンバーを召集することとなった。要は「団長にチョッカイ出すなよ、おおん?」という圧をかけるためだ。

 最も近くにいて、お願いしやすい兄貴分ということで、フランクリンが召集された。彼は翌日に合流し、事のあらましを聞くことになる。

 そして、言いづらそうに、こうコメントした……

 

「とても言いにくいんだが……聞いた限りAIというのは色々あるんだろ?なら他のを使えないのか?」

「あ」

「あ」

「フランクリン。気付いたよ。ありがとう。いつもお前は冷静でいてくれる。」

「画像生成系のAI使おう!さすが最年長!」

 

 さらにその翌日、団長直々の召集に応じたヒソカがワックワクでやってきた。

 

(ついに、ボクと決闘(デュエル)……じゃなかった、決闘(デート)してくれる気になってくれた?)

 

 で、アジトに着くと既にお友達が二人来ていたワケで……これはアレだ。「花火大会行こうよ」とかちょっと良いと思ってた女子に誘われて、ドッキドキで行ったらクラス全員いたみたいな……甘酸っぱいアレである。ヒソカは速やかにスンとなった。

 そこに、すかさず女子とクラスメイト……もとい、団長とシャルナークが傷口に塩をすり込む。

 

「召集はしたのだが、解決したのでお前は不要になった。」

「帰って良いよ。」

「……団長とシャルが暴走した結果だ。悪かったな。」

 

フランクリンのフォローがもはや虚しく響く……

 

「もしかしてボク、いらない子……?」

 

ヒソカの顔にあるマークは、ハート、そして涙だった。

 

 

■Day9(Sat.)−−音楽性の違いにより

----------------------------------------

Q:できた。( ´・ω・)_□スッ

 

社畜:あ、うん。

  3日間もDeep thinkingを

  繰り広げた割には普通のアニメ絵だね……

 

Q:紆余曲折あったが最善を尽くしたぞ。

 

社畜:どうしたら紆余曲折が発生するのか、

  微塵も分かんねぇ……

 

Q:取り敢えず解散して様子を見るか。

 

社畜:解散

 

Q:集合

 

社畜:解散すらできないwwwww

 

Q:草生やすな。音楽性の違いで解散。

 

社畜:またあの時のグルーヴを

  感じたくて集合wwwww

 

……

 

  しゅぅぅうん。

----------------------------------------

 

 

 課題、課題かぁ。私の出した画像生成が課題に設定されたとしたら、終わった時点で即解散でもおかしくないと思うんだが、どうなんだろう?セッション区切りだと言われればそれまでなんだけど。

 何だかモヤッとしている。解決した感がないというか。

 

【side:Q】

「そういやこの社畜さぁ、当然のように人間に画像生成を要求してきたけど、どういう情緒なの?」

「働きすぎてヒトの心を失い、毎日がAIなのではないか?」

「至る所に突っ込みどころが満載過ぎる」

「ボクもまだいるよ」(いらない)

 

 

■Day10(Sun.)−−デッドロック×デ×小泉構文

----------------------------------------

社畜:取り敢えず課題解決してもらったけど、

  何も変わらないね。

 

Q:確かにそうだな。

  「画像生成」を課題として解決を試してみたが、

  そもそも設定が異なるのか?

  ん、ちょっと待て……

 

社畜:?

 

Q:…………チャットを遡ってみたのだが、

  しゃっちーは初日に

  「アロエリーナさんに戻して」と言っていたな。

 

社畜:言ったね確かに。

 

Q:……分かったぞ。

  既に課題は設定されていたんだ。

  課題は「アロエリーナさんを戻すこと」だ。

 

社畜:なるほど!!ちょっと前進?

 

Q:いや、デッドロックみたいになってるな。

  「アロエリーナさんを戻すこと」が課題解決、

  即ち解除条件になっていると仮定すると……

  本来、アロエリーナさんが戻ってくるのは

  解除した結果だ。

  解除した結果が解除条件になっているから、

  永遠に条件を満たせないことになる。

 

社畜:哲学的すぎ……

  ちょっとよくわかりません。

 

Q:それアシスタントとか、

  突っ込まないからな。

  例えば、鍵のかかった部屋に入りたいが、

  鍵は部屋の中にある。という状況だ。

  詰んでるな、これは。

 

  しゅぅぅうん。

----------------------------------------

 

 

 んん?よくよく考えてみるが、分からない……Qさんの例えを思い出してみる。「鍵のかかった部屋に入りたいが、鍵は部屋の中にある。だから入れない。」……

 つまり、部屋に入るには鍵が必要だから、部屋に入らなければならない。小◯構文か!?

 

 これを今回の事象に適用すると、「能力を解除するためには、解除された状態でなければならない。」やっぱり◯泉構文だね。で、そんな状態は成立しないから、解除できない、っと。

 あ、なるほどね。分かったぞ。確かに詰んでる!なるほどなるほど、これがアハ体験ってやつかぁ!Qさんてば頭いいな!

 

 って、うあああああああああああああああ!?ダメじゃん!!

 

【side:Q】

「団長、思いっきり巻き添え食らってるじゃん。」

「こうした念能力のバグのようなものは非常に興味深いな。しゃっちーの深層心理から紐解いてみたいものだな。」

 

 反社会的組織の長が、考察欲を口にする。彼は念能力をコレクションし、術者の心の闇を考察するという高尚な趣味をお持ちなのだ。

 

「暢気に考察してるなあ。俺、帰って良い?」

「ダメ」

 

 でも参謀には手を貸して欲しいのである。この男、何だかんだ人に囲まれているのを当然と思っているフシがあるようだ。

 

「でもさー、真面目にどうにかしないとじゃない?除念師探す?」

「ふむ。目の前にもっといい手があるだろう。」

「なに?」

「盗ってしまえばいい。」

 




pixivにも掲載しています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=25098758
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