3級フィクサーパンチ   作:アリマリア

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 前回のエグみを消すべく、平和な日常回です。





ダウナー系アブノーマリティに毎脱走カスの嘘を流し込まれる話

 

 

 

-反復21,917回目-

 

 

 

 憤怒の従者が時たま収容されていることからも分かる通り、現在L社地下本部では、本来弾かれて支部やブラックリスト(という名のボツ)行きになったアブノマも収容していたりする。

 

 時には、ワンピースの青髪少女が杭をぶっ刺そうとしてくることもあるし。

 時には、収容室の構造を無視してクッソでけえ豆の木が生えることもあるし。

 時には、多分強めなんだろう血鬼さんがアブノマとして収容されることもあるし。

 時には、でっけえ脚の生えた城が出て来て、余りのサイズに収容室がぶっ壊れることすらある。

 

 まあでもそういう手合いは、抽出率自体がかなり低かったり、あるいは抽出に他アブノマ収容とかの条件があったりして、あんまり出会えなかったりもする。

 原作Lobotomyで出て来なかったのは、そういった遭遇率の低さ故かもしれない。

 

 ……いやまあ、残酷なことを言えば、企画会議でボツになったんだろうけどね!

 

 

 

 あと、余りに害悪過ぎるヤツは、俺とアンジェラの協議の上で、以後の抽出対象から弾かれる。

 

 コギト注入式のアブノマ抽出は、ある程度指向性を持たせることができるため、こういった選り好みもできるわけだ。

 

 カルメンみたいな抽出運がカスすぎる人もご安心である。

 

『私、今思うとすごい引きしてたわよねぇ。まともに管理できるの、あの一般人と騎士ちゃんくらいだったし。

 コナー、迷惑かけてごめんね♡ お礼のキッス、ちゅっ♡』

 

 ペナルティ・キッスじゃん。

 

 今や懐かしいねえ、あの地獄みてえな収容状況。

 歌う機械とか寄生樹とかすごかったもん。俺も何回か危うく吞まれそうになったし。

 

 俺だけじゃなくて、いつかはゲブラーにも謝ってやれよなお前な。

 歌う機械とか、いつも面倒見てくれてたんだから。

 

 

 

 あとL旧研時代の収容アブノマで言うと、今でこそ優良枠だけど、当時の女王もすごかったよね。

 

『ギクッ』

 

 ヒステリックになったら俺くらいしか治せないし、治っても俺が収容室を出たら確定でヒステリックになるというクソ仕様のせいで、まともにコミュることもできんかったし。

 

『う、うぅぅぅ……あんまり当時のこと言わないでよぅ、恥ずかしい……』

『女王よ、それが黒歴史というものです。いつもの私の気持ちです。わかりますね? もうあの詠唱はやめましょう』

『え~? 可愛いしカッコ良いよね? 「ラブリースレイブ☆ジャスティスロード」!』

『うぐっっっ……!!』

 

 この女王、これで全く悪意がないからすごい。

 魔法少女現役時代も、こんな感じでみんなを引っ張って言ってたんだろうな。

 

『え~? 騎士ちゃん以外の2人は、魔法少女、結構乗り気だったよ?』

『わ、私は、元々騎士という堅い職業でしたので……それに年齢も、少女と言うには少々気恥ずかしい領域にあったと言いますか、その……』

 

 いや、わかる。その気持ちわかるよ騎士。

 分不相応な肩書を名乗ったり呼ばれたりするのは、恥ずかしいもんだよな!

 

 だから君たちも、こんな雑魚にめちゃくちゃ期待を寄せるのは、やめよう!

 人を分不相応に評価して持ち上げてると、ロクなことにならないぞっ!

 

『いえ、主は我が最愛の主ですので』

『コナーは私の3級フィクサーだし』

『主くんは私と愛を証明する人だからねっ♡』

 

 どうして;;

 

 

 

 ……あれ? 何の話してたっけ。

 この子らと話すの楽しくて、ついつい脇道に逸れがちなんだよな。

 

 あ、そうだ、原作には出てこないアブノマの話ね。

 

 現在のL社地下本部は、俺の提言により、ガチの害悪アブノマ以外は基本収容していく方針となっている。

 

 光の種シナリオにおいては、E.G.Oの種類≒戦力だ。

 多少は唾棄だろうがなんだろうが収容し、装備だけかっぱらってチェックポイントを使う方が効率が良い。

 

 TT2を使えない俺たちからすれば、道中の事故要員を増やすことにもなるが……。

 それでも、Xの完走率を少しでも上げるべきだろう、という判断である。

 

 え? アブノマが凶悪だとXの心が折れる?

 それはXが悪いよXが~。

 

 どうせそんなところで折れるんなら馬鹿難易度の46日目以降は突破できねえんだから、根性見せなさいよッ!! 男でしょうがッッ!!

 いえすみませんこの時代に男だ女だは関係ありませんよね^^;

 性別なんぞ関係なく根性見せろッッ!!!

 

 

 

 その代わりと言ってはなんだが、原作登場のアブノマの内若干一名だけはブラックリストに放り込んだので、今後現れることはなくなった。

 

 具体的に言えば、可愛い以外に存在価値のない唾棄こと、肉の灯篭もとい肉の提灯だ。

 

 装備も使えねえし、クリフォトカウンターは1だし、減少条件がゴミカスだし、500REDダメージで事故の元だし。

 ガチで使いようがないカスはNG。

 まだ墓穴の桜の方が回復ってメリットがある分マシだわ。

 

 じゃあな提灯。俺のいないL社に抽出されただけの凡夫。ンナナ!

 二度とその愛らしい顔見せんじゃねえぞ~!

 

 

 

 それと、原作からのアブノマの変化で言えば、抽出リストだけではなく……。

 L旧研やアイン、カルメン関係のアブノマは、変異していたり、そもそも登場しなかったりもする。

 

 罪善さん、静オケなんかは、管理人Xが到着するまで抽出されないし。

 ペスト医師/白夜に至っては、俺のオリチャーの結果なのか、何時まで経っても現れない。

 

 地中の天国、もとい喰いこむ天国こそ、性質や姿が変わっていないけど……。

 

 雪の女王なんか、恐らく「カイとゲルダ」というアブノマへと変化したものと思われ、管理要綱も全然別のものになってしまっている。

 脱走時は上半身だけのゲルダが暴れ回るの、結構グロテスクなんだよなアレ。

 

 あとは……血の風呂が「赤色のベッド」に変異したのを知った時は、とうの昔に捨てたはずの羞恥が込み上げてきたわよ。

 なんて記憶をアブノマにしとんじゃアホカルメン!!!

 

『ふふっ♡ 私の人生で最も鮮烈な記憶だからね♡』

 

 張り倒すぞ!!!!!

 

 

 

 ……こほん。

 とにかくだ。

 

 俺とアンジェラは、割とガンガンアブノマたちを収容してきた。

 

 だが、そうしていれば当然、事故が起きることもあるわけで。

 

 たまにではあるが、地獄みてえな状況が発生したりもするんだわ。

 

 

 

 具体的に言えば、さっきまでのL社地下本部みたいな。

 

 

 

 * * *

 

 

 

『……出現アブノーマリティ、仮称「F-01-311」鎮圧完了。

 職員は各自持ち場に戻り、待機しなさい』

 

 

 

 施設にアンジェラの淡々としたアナウンスが響き……。

 俺は、ほうと、大きく息を吐いた。

 

 そうして、エメラルドの守りを貫いた夜空剣を引き抜き、軽く振るって鞘にしまう。

 

 いやぁ、嘘をつく大人は強敵でしたね……。

 

 

 

『強敵っていうか、相変わらず意味がわからないわよね?

 なんで職員たちはパニックになってこっちに襲いかかって来るの?

 なんで職員にしか効かないはずの再生リアクターが、あのアブノーマリティに効いてるの??

 なんでアンジェラからはめちゃくちゃな指示が飛んでくるの???』

 

 そりゃまあ、嘘をつく大人だし。

 

 アレはその名の通り、詐欺とか詐称とか誤認とか誘導のプロフェッショナル。

 職員に敵を誤認させたり、自分の立場を偽ったり、アンジェラからの命令を誤魔化したりするのは、赤子の手を捻る……いや、旅する一団を騙すくらい簡単でしょうよ。

 

 

 

 オズシリーズのアブノマが3体以上脱走すると発生するイベント、「オズ」。

 

 イメージとしては、原作の三鳥によおる「黄昏」イベントに近いそれは、コツさえ掴めば簡単なあっちと違い、割と容赦ない高難易度のイベントになっている。

 

 まず、ほよカスが降らせた家がエメラルドの玉座に変化し、一斉脱走したオズシリーズのアブノマたちは一直線にそこを目指す。

 

 そうして、全員がここに入った時点で、イベントが本格的に開始。

 その部門のメインルームに、ALEPH級アブノーマリティ、「嘘をつく大人」が降臨する。

 

 

 

 ……で、問題は、だ。

 この嘘をつく大人が、マジで容赦のない能力を持っていやがること。

 

 嘘をつく大人は、エメラルドの玉座がある場所に出現し、そこから動くことこそないのだが……。

 

 なんとあ奴、自分と同じフロアにいる者を、問答無用で強制的に「嘘」状態──殺人性パニックにするのだ。

 

 これは特殊なパニックであり、嘘状態の職員は嘘をつく大人だけは狙うことなく、その隣で敵を待ち受けるようになる。

 つまるところ、職員を白夜の護衛使徒みてえな状態にするのだ。

 

 もうこの時点でヤバすぎる。実質職員立ち入り禁止じゃんね。

 

 じゃあウサギチームを行かせたらどうなるかって?

 奴さんたち、面白いくらい真剣に殺し合ってたぜ! 何ここ孵化場?

 

 

 

 おい、それじゃどうやって鎮圧すんだ……って話なんだが。

 ここで大事になってくるのが、オズシリーズのアブノマたちだ。

 

 三鳥イベントと違い、コイツらは玉座に入ったら卵になったりするわけではない。

 施設のランダムな部屋に再出現し、「嘘」状態になったような演出と共に、周りに攻撃し出すのだ。

 

 この状態の彼ら彼女らは、WHITEとBLACKダメージ以外に免疫持ち。

 これらの攻撃で鎮圧されることで「嘘」状態が解除され──つまりはパニック解除、正気に戻って騙されていたことに気付き──彼女たちはマジギレし、オズをぶん殴りに行く。

 

 ただ、オズはかなり強いので、彼女たちは普通に負ける。

 負けた彼女たちは「嘘」状態にされ、施設の中に再出現。

 再度それを鎮圧して、嘘をつく大人を殴ってもらう……という流れだ。

 

 うん、めんどくせぇ!!!

 

 

 

 更に、オズもただぼんやりとこれを見ているだけではなく。

 定期的に聴覚や視覚に誤謬を起こすことで、事故を誘発してくる。

 

 クリフォト暴走が起こっているように見せかけたり。

 収容室のネームプレートを誤認させたり。

 管理人から見た職員の情報をバグらせたり。

 管理指示が来たように見せかけて(つまりは魅了して)自分の元に職員を呼び寄せたり。

 

 とにかくうざったい妨害行為を連打連打連打!

 ハチジハァァァンでさえここまで節操なしじゃねえぞ!!

 

 その上、自分は再生リアクターを利用して、微量ずつとはいえ回復していく。

 まさしく高みの見物状態である。

 

 クッッッソめんどくせぇ!!!

 

 

 

 ……だが、そんなクソカスにも弱点がある。

 いや、これは多分設計上の弱点ってわけじゃなくて、半ばグリッチみたいな仕様の穴なんだけど。

 

 コイツの「嘘」は、俺に通じないのだ。

 

 や~い、お前の嘘、井戸を通して対象を洗脳するタイプ~~~!

 都市の人々の井戸を使ってない俺はそれ受け付けませ~~~ん!! ざんね~~~ん!www

 

 本来はアブノマで鎮圧しなきゃいけなくてクソダルいコイツも、俺なら普通に戦えるし、なんなら単騎で鎮圧まで持っていける。

 うお~、さいこ~~!! 仕様の穴を突いてズルするのが一番気持ち良いんだから。

 

 

 

 ちなみに、俺の仲間たる騎士と女王には、普通に「嘘」が有効だった。

 既に確認、実験済みである。

 

 カスの嘘をつく大人は人の心の突かれたくない部分に嘘を吐いてくるので、2人が「嘘」状態になると……。

 俺にバチクソ殺意を向けて、斬りかかったり魔法撃ったりして来る。

 

 そうなると、まあ、酷い。

 事の最中、戦いの荒れ具合もそうだが……。

 何より、2人が正気に戻り、俺と敵対したってことを悟った事後が。

 

 騎士は自刃しようとするわ、女王は懐かしのヒステリックモードになって縋って来るわで、反復1回潰して2人を慰めるべくデートすることになったんだから。

 

 捨てないでって言われてもさ、捨てるわけねえだろうがよ。

 一応とはいえ、君たちの主──いや騎士はともかく女王の主なの俺?──やぞ。

 

『その節はご迷惑をおかけしました……』

『うぅ、ごめんなさい……。「恋人」のメジャーアルカナもそうだったけど、洗脳タイプの敵、嫌い!』

 

 ええんやで~、そう言う時もあるある。

 逆に俺が正気を失うことがあったら、君たちもよろしくね☆

 

 

 

 そんなわけで。

 加護と送迎、それから「嘘」に混乱する職員たちの制止と、オズシリーズのアブノマ共の鎮圧を2人に任せ……。

 

 嘘をつく大人は、俺が単騎で鎮圧することになる。

 

 相手は終末鳥級のALEPHなので、強いは強いのだが……。

 コイツはクソめんどくさい妨害特化タイプなため、そこまで戦闘力は高くない。

 

 精々、時々大技としてランダム属性100の4連撃を打ってくるくらいだ。

 流石にそれは直撃すると痛いので、躱せる時は躱し、それもできなきゃ「白」で反射することにしてる。

 

 義体化していた生身の頃はともかく、箱の体になった今は、4色武装はどうしてもかさばる。

 そのため普段は部屋に安置し、持ち歩いていないが……。

 こういうやべー相手の鎮圧の時とかは、騎士や女王に持ってきてもらい、使うこともあった。

 

 特に「白」は、自動飛翔&追従機能を持ってるので、戦闘の邪魔にならずめちゃくちゃ便利だ。

 クッソデカくて持ち歩きにくくて機能もどうしようもない「黒」さんは、爪の垢を煎じて飲んでくださ~~い!

 

 

 

 そんなわけで、基本は夜空剣をぶんぶん。

 

 魅了されてのこのこ入ってきた職員が襲いかかってきたら、「白」の「霧」を展開すると共に、愛の女王から受け取った新E.G.O「愛の魔法で君の許へ」を振るい、パニック鎮圧。

 

 大技が来たら回避し、できなかったら「白」の「祈り」でやり過ごすか、騎士たちに転移魔法陣を開いてもらって一旦退避。

 

 こんなことを5分から10分くらい続けていれば、さしものALEPHアブノマも死ぬってもので。

 

 今、俺の目の前には、エメラルドの破片と、オズシリーズの幻想体の卵たちが転がっている。

 

 今回もなんとか鎮圧を終えられて、ひとまず安心といったところだ。

 

 

 

 * * *

 

 

 

「ぅ、あ……だ、ダァト様……その……」

 

 唐突に声をかけられて振り返れば、そこには、教育チームの職員がいた。

 

「ん? おお。やあ幹細胞-642! 僕はダァトだ!」

「な、名前を憶えていただけたのですね!」

 

 そりゃあね、お前と会うのも数百数千回目だし。

 ……しかし改めて、すげえ名前だね君ね!

 

「無事か? 怪我はある?」

「そっ、その、はい! 無事です! おかげ様で怪我の一つもありません!」

「そりゃあ重畳……って言いたいトコだけど、なんか浮かない顔じゃん。どしたん? 話聞こか?」

「……その、ダァト様こそ、ご無事ですか。私、先程……」

「ああ、そのこと」

 

 確かに、幹細胞-642はさっき、「嘘」状態でノリノリで斬りかかって来た。

 多分俺がアブノマか何かにでも見えてたんだろう。

 

 だが、まあそんなことを引き摺っても何にもならない。

 そもそもコイツ以外にも、5人くらいから襲われてるので、一々怒ってちゃ始末も付かないってもので。

 

 

 

 俺は軽く肩をすくめる……ように体を揺らし、答えた。

 

「嘘をつく大人の『嘘』状態は広義のパニック状態にあたる。

 職務規定上、お前のそれは故意の叛意ではなく事故として扱われる。安心しなさいな」

「いえあの、そうではなく……セフィラの方に切りかかってしまうなんて、私、なんてことを……!」

「んん……あー、そっか、お前はまだ勤めて間もなかったか」

 

 前の幹細胞-642は序盤から在籍してた中央本部のベテランだったので、頭の中でごっちゃになってた。

 

 この反復内では、彼は教育チームに勤め始めた教育チームの新人だ。

 そりゃあ、こういう現場には慣れてないか。

 

 

 

「ま、気にするな。少なくとも俺は気にしてないぞい!

 パニックになった職員に襲われるなんざ、ここじゃよくある話だからねぇ。

 お前もその内、される側でも味わうことになるかもね~」

「え、ええっ? その、そういった事態は必ず未然に防ぐ、とのことでしたが」

 

 あー、ホドのマニュアルか。

 まあそりゃ、そう書いてるわな。それ以外に書きようがないとも言う。

 

「そりゃそれができればベストだが、今回みたいに事故は起こるさ。

 ホドがテキパキと事前に防ぎ、俺がなんやかんや事後を片付ける。そういう役割配分って感じ」

「は、はあ、なるほど……」

「それより、アンジェラから持ち場に戻って待機って命令出てたぞ。

 懲戒行きになる前に、早く教育チームに戻っときな。ぼやぼやしてると、こわ〜いセフィラに捕まっちゃうぞ〜?」

「あ、はい! 改めて、ありがとうございましたっ!!」

 

 たたたっと、不慣れ故の懸命さが見える小走りで去っていく、幹細胞-642。

 

 相変わらず可愛がりがいのありそうなヤツだ。

 またウチの職員になってくれる日が待ち遠しいね。

 

 

 

『コナーはああいう小動物系がタイプなの?』

 

 ちがわい。Lobotomyの職員はなんだかんだクセの強い奴が多いので、ああいう素直な職員は貴重なの。

 

 あと、何でもかんでも恋愛に繋げるそのスイーツ脳、そろそろ卒業した方がいいっすよ、歳なんすから^^;

 

『え? 私は生物卒業したから永遠の20代よ? コナーもそうでしょ』

 

 え、歳ってそういうルール?

 精神だけになったり箱の体になったら年齢カウントなしなの??

 

 ……あーあ、カルメンと一緒に歳を取っていきたかったナー。

 一緒に生きられないなんて残念だナー。

 

『と思ったけど、やっぱり精神も変化していく以上歳を数えることは必要よね!! 一緒にちょっとずつ年齢を重ねていきましょうね、コナー♡』

 

 チョロw

 

『騎士ちゃん、むしろ言質引きずり出されちゃった主くんの方がチョロいんじゃない? これ』

『主はそういう点も可愛らしくて素敵ですので』

『確かに……!』

 

 は? チョロくないが?

 俺ほどこの都市で自我が確かな人間もそうおらんが??? 調律者も太鼓判押すレベルなんだが???

 

 

 

 ……ともあれ。

 まあこんな感じで、三鳥枠のイベント幻想体戦も、そこそこ攻略できてる。

 

 今のところ、勝ち目がないのは虚無の道化師だけで、終末鳥はギミックが分かってる分ほぼ100%勝ててるし、嘘をつく大人さんも今や勝率9割越えだ。

 

 まあ、そもそも戦う想定されてない陰陽の東洋龍とかは、戦ったことすらないけどね。

 あと、俺でも知らんアブノマとか、それらの合体イベントとかが急に生えて来ることもあるので、そういうのは初見じゃちょっと無理だが。

 なんだよ白黒林檎の白雪姫イベントって、俺のデータにないぞ!

 

 

 

 ただ、俺が自己判断でこれらイベントを解決できるのは、管理人X到着……いわゆる、DAY 1までだ。

 

 Xが来たらソイツの判断に従わにゃならんので、たとえば「あの終末鳥ってヤツ鎮圧してきて♡」って言われたら「全免疫のバケモンに勝てるわけないだろ♡」って思いながらも戦わにゃならん。

 

 まあ終末鳥自体は攻撃がスローペースでいなしやすいし、30分程度なら稼いだるけどさ……ほんまあの周のX赦さんぞ。

 

『懐かしいね、主くんと騎士ちゃんがずっとあの鳥さん? と殴り合ってたの』

『3級フィクサーコナー活躍集part61に収録済み!』

 

 それいる???

 

 

 

 ……ていうかそもそも、イベント系ALEPHって普通に強いんで、あんまり相手したくないんだけどね。

 

 例えば、ゲブラーがアブノマ絶対殺すマンに覚醒した後から管理人X到着までの間に、嘘をつく大人が出たりすると悲惨だ。

 ゲブラーが怒りのままに突っ込んで「嘘」状態にされてしまい、色々と終わる。

 

 アイツ、生前に比べるとバチクソ弱体化してるんだけど、それでも流石の赤い霧、強いんだよなぁ。

 E.G.Oを発現することもあって、乱雑にミミクリー振り回すだけなのにバチクソに攻撃が重い。

 

 しかも隣には一応ALEPH級アブノマである「嘘をつく大人」もいるわけで……。

 1対2となると、流石にキツいんだわ。

 

『そう言いながら、ちゃんと毎回勝ってるじゃない』

 

 そりゃあね、キツいとは言ったけど勝てないとは言ってませんよ。

 赤い霧の相棒として、今の色々欠けたアイツには、意地でも負けられないっての。

 

 ま、今回はまだゲブラーの自我がしっかりせず、あんまり怒ってもない段階だったんで、セフィラvsセフィラの激闘はなかったけどね。

 

 

 

「さてと……」

 

 嘘をつく大人を鎮圧すると、鎮圧報酬のE.G.Oがもらえる。

 「偽りの玉座」という名のそれは、例の如くかなりつよつよだ。

 

 せっかくだし、今後のイベント防止も兼ねて、ウチのロンドンに着せたろ。

 

 ……まあこのE.G.Oも、管理人が来たら廃棄しなきゃならんのだけどね!

 

 今やってるのは、あくまでセフィラたちが業務に慣れるための体験版。

 本番は管理人X到着からで、データの引継ぎは不可能ときた。

 

 そのため、E.G.Oも職員も収容状況も、引き継ぐことはできない。

 E.G.Oとか収容状況はまだ良いとしても、親しくなった職員に毎回別れを告げるのは、結構キツかったりもするんだが……。

 

 ま、そこに関しちゃ割り切るしかないな。

 

 まだまだ反復の旅は続く。

 

 ……自分の製造意義に従って、今も真面目に事態を収拾しようとしてるだろう子がいるんだ。

 俺が先に挫けるわけにはいかんしね。

 

 今日も今日とて、シナリオはとんでもなくスローペースで進行中である。

 

 

 

「今はひとまず、オズシリーズの卵運びますかね」

『主ちゃん、お疲れ様! それから、ねえねえ、今日の晩御飯なあに? アンジェラも気にしてたよっ!』

「今日は……そうだな、回鍋肉モドキでも作るかな。楽しみにしててね♡」

『やったー! アンジェラにも教えちゃうねっ!』

『女王、まずは主のお手伝いです! ……主よ、私たちもそちらに、卵の運搬のお手伝いに参りますね』

「騎士、ありがとね……優しすぎ、きゅんっ♡」

『わ、私も行こうと思ってたもんっ!』

『こういう時に体がないのが心苦しいわねぇ。頑張れ♡ 頑張れ♡』

 

 

 







(Limbus近況報告)

 蜘蛛の巣の刀良秀を鏡で振り回してきた感想

 あなや~^^ イサンたちをあなや~した後敵を斬ったら全員死ぬなり~^^

 これ見たことある。
 肉体言語の階で、孤独なフィクサーと笑う死体の山積んでEGO発現して、誰にも手が付けられなくなったゲブラーだ。

 ……と思って舐め腐ってEXTREMEフル制約に挑んだら、すさまじいマッチ火力の猛威に会いました。
 三千大世界でなんとか薙ぎ払えてよかった……!
 ちょうど良く頑張ったら勝てる高難易度、そうそうこれこれ〜! プロムンといえばこれ〜!
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