海鳴産地の魔導戦鬼(旧題:ややガイオウモンのマジカル戦記) 作:町コアラ
現在、宮園武道と高町なのはとユーノ・スクライアとリニスはひと悶着あったものの先ほど乱入してきたクロノ・ハラオウンに次元巡行艦アースラ内部に通されて通路にいた。そこで
「いや、ほんとすいません、我ながら軽率でした。」
「いやこちらこそすまない、先日衝突した反応同士ががバリアジャケットを解除せずにジュエルシードの近くにいたものだから一触即発の事態かと勘違いして拘束してしまった。あの蹴りはその分ということでこれ以上は追及しない、随分大変だったようだし」
編み笠に鮮やかな着物の魔導士と黒髪黒コートに肩にトゲが付いたバリアジャケットに杖をもった魔導士が互いに謝っていた。
他3名はことが大きくならない模様を見てほっとしている
「ともかく、詳しい事情を直接聞きたいとのことで艦長がお待ちだ。あ、バリアジャケットは解除してくれ」
クロノ・ハラオウンの案内で通された4人の目に飛び込んできたのは桜の木に様々な盆栽、
要するに艦の中でできる限り日本庭園と茶会を再現した状態になっていた
「うふふ、皆さんお疲れ様。私がこの船の艦長のリンディ・ハラオウンです。どうぞどうぞ楽にして♡」
そこには緑髪をポニーテールに纏め、管理局の制服に身を包んだ女性、リンディ・ハラオウンが座っていた
「「「………はあ」」」
「?」
日本人2名とすっかり馴染んでるリニスはあっけにとられ、まだ日の浅いユーノは3人の反応の意味がよくわかっていない
「どうぞ。」
クロノ・ハラオウンに促されて各々席に着き、今までの経緯を話すことになった
***
ジュエルシードで起きた事件の事を俺たちは一通り話し終えた
「なるほど、そうですか…あのロストロギア、ジュエルシードを発掘したのはあなただったんですね。」
「はい。それで僕が回収しようと…」
ユーノの言葉にリンディ艦長が頷く
「立派だわ」
「だけど同時に無謀でもある。初めは現地で力を借りる予定ではなかったんだろう?たった一人で21個のロストロギアの責任を感じることは無かったんだから。」
クロノ執務官からはちょい厳しめの言葉が飛ぶ、まあ見つけただけで通報もしっかりしてたから義務は十分果たし終えてたってことを言いたいんだろうけど
「そう言わないでやってくださいよ、ユーノが来てくれなかったらもっと大変なことになってたんで」
「そ、そうです!ユーノくん居なかったら人手が半分になっちゃいます!」
「人手の問題だけでなく、情報もユーノから得たものが多いのでどうか多めに」
俺たち3人から擁護の声が飛ぶ
「ああ、いや責めてる訳じゃないんだ。うん、こちらの言い方が悪かった。」
「い、いえお気になさらずに…実際一人じゃどうにもならなくてなのはにレイジングハートを託さないといけなかったし、タケミチとリニスさんにも大分頼ることになったので指摘はごもっともですから」
少し気まずい雰囲気になりかけたところ
「まあその話はもういいでしょう。あとはフェイト・テスタロッサさんたちの事を詳しく聞かせてもらえるかしら?」
そういいながら軌道修正を図るリンディ艦長は自分の茶に角砂糖を落とし、ミルクを注ぐ
「タケくんあれ…」
「抹茶ラテみたいなもんだろ…とやかく言うもんじゃないって、言いたいことは分からんでもないけど」
「…?どうかしたかしら?」
「「いいえ!何も!」」
「ジュエルシード6つも渡した!?」
「それで最後に総取りする側を決める…と」
驚く執務官にまとめる艦長、まあどちらも良い反応ではない
「はい…まぁいっちゃあ悪いんですけどいつ来るかもわからない管理局あてにするわけにもいかなかったもんで…」
「君たちからすればそうなんだろうけども…!!」
俺の言葉に詰まる執務官。犯罪者と組んで行動ということだもの、いい気はしないものの半日早く来れていれば現在見つかっている分は確保できていた事実に挟まれている様子。あちらさんもサボったりしたわけでもないだろうから大変だよなあ
「あなたたちはまだしもフェイトさんの処遇、難しいわねえ親の問題があるとは言え自分の意思で犯罪を犯してしまっているから…」
「そんな…フェイトちゃん逮捕されちゃうんですか?」
「そんな顔をしないでなのはさん。プレシア・テスタロッサがどのように教育していたかにもよるから…それに関してはまだ聞かされてもらっていないプレシアの過去の情報が大事になってくるのだけど」
「そのことなんですけど」
今度は俺とリニスが顔を見合わせて・・・
「えー!?また私たちは聞かせてもらえないの!?」
「それを管理局の人らと話し合うから待っててくれよぉ、こっちも悩んでんだ。」
「まあ、落ち着いてなのは。大分プライベートかつデリケートってことは言われてるでしょ?僕らはちょっと待ってるから、でもねタケミチ僕等だって君たちの負担分けてほしいんだからね」
高町もめっちゃ首を縦に振ってる
「おう、分かった。でもな俺もお前らを軽んじてるとかそんなんじゃないからな」
そんなこんなで一旦二人には別室に行ってもらって俺とリニスが話すことになり、その間2人にはエイミィさんという女の人がついてくれることになった。
「「………」」
そして全部話した。2人とも眉間に皺が凄いことになってる。まあそうでしょうともほんっと頭痛の種のトップだったものなあ、さすがの本職でも黙り込むレベルと来た
なんて思っていると
「よく今まで抱えて戦って来たわ。とても凄いことなのよこれは」
褒められてしまった
「だけど律儀にも程がある。大人たちにバレた時に吐き出しても良かったじゃないか。」
たしなめられてしまった
「プレシアがアリシア復活の事しか考えていないのでジュエルシードもそのためなのでしょうが具体的にどう使うかまでは推測するしかありません。」
というリニスの言葉に
「わかりました。貴重な情報の数々ありがとうございました。こちらでもプレシア・テスタロッサの過去は調べますが、これならフェイトさんに関しても情状酌量の余地有りとなるでしょう。生まれから利用され付くしているようなものでしょうから。あとこれはなのはさんたちにはどう説明しましょうか…ほんとに大変だったわね。こんなこと彼女たちに話せないのも納得だわ。」
ということで再び合流
「すまないが、やはり君たちには黙っておいた方がいいということになった。だけどこの情報でフェイト・テスタロッサは情状酌量の余地ありとなる可能性は大分高くなった。」
「それは良かったんですけど、どうしても言えませんか?」
「知らなくていいこともあるんだ。黙っていてくれた彼に感謝するレベルの事態なんだから」
「そんなにですか…」
「そして今回の件に関しては時空管理局が全権と責任を持ちます。」
「「「「えっ」」」」
「君たちはそれぞれ元の世界に戻って元の日常を暮らすといい。ここまでで十分に働いてくれた。」
「リニスさんには需要参考人として話をまだ聞かないといけないけれどなんとか引き離さないようにしてみます」
「そうは言っても約束しちゃってることとか…」
高町が反論を試みるも
「それも気にすることじゃない。向こうも律儀ではいないだろう。」
「まあ急に言われて気持ちの整理もつかないでしょう。今夜一晩ゆっくり考えて、みんなで話し合って、それから改めてお話をしましょう。」
「送っていこう。元の場所でいいかな?」
こうして俺たちは元の場所まで送り返され、後日改めて話し合うことになった。
まあ、このまま引き下がるなんて絶対にありえなかったのでどうやって回収に参加するかの会議になったけどね