海鳴産地の魔導戦鬼(旧題:ややガイオウモンのマジカル戦記) 作:町コアラ
「って、きゃああ!!??」
自分のカッコに驚いてる。自称アリシア・テスタロッサはとっさに自分の手で隠している。
「ちょっと!?どうにかしてよ君!?君の脳内イメージなんだよ今の格好!!」
そういや俺の方はバリアジャケットだ。あれ?でも仁王がいないな…
「どうにかってどうすんだよ」
「なんでもいいから服着てるの想像してよー!」
「んなこと言わても…」
そういえばやっぱりテスタロッサそっくりというか小さい版って感じだなあなんて考えてしまった
ポン と音がしたかと思えば
猫耳メイドになっていた
「…へえ~こういうのが趣味なわけ…まあ人の趣味にどうこう言うつもりはないけどさあ…」
「違わい!インパクトあった格好がよぎっただけだ!」
「無理しなくていいんだよ?結構刺さったからよぎっちゃったんだもんねえ、クスクス」
ブチッ
ポン また音がしたかと思えばアリシアはモニタモンの格好になっていた
「な゛っな゛にごれ、お、重い!?頭が重い!」
「成程、こうすりゃいいわけだ」
これなら殴ったりしなくてもわかせられる
「ご、ごめんなさい!からかってごめんなさい!もうしません!もうしませんから!真面目な話があって来たから!これ何とかしてください!」
最終的に学校の制服になった
「で?話ってなんだよアリシア(仮)さんよ」
「(仮)って、まあいきなりだったもんねそう簡単には信じられないか…それじゃあ真面目な話にいくよ。私、地縛霊みたいもので君は今死にかけてます」
「そうか」
「驚かないの?」
「死人と会話してる時点で俺の走馬灯とか俺自身がそっち側に近づいてるってことだろ」
少し思い出して来た。確か俺はプレシアが放った雷からテスタロッサを庇ったんだった
「いや自分が死に掛けなことにはちょっとビビろうね…フェイトも大変だねこれは…」
「それで俺はこれからどうなるんだ?」
「君さあ、さてはどっかで死にたがってた人?自分の生に関心なさすぎじゃない?」
「別に死にたいわけじゃない…死んだ時に父さんたちに恥じない生き方してるだけだ」
「だから死人に会いたいなんて口走っちゃったわけかジュエルシード持ったまんま」
「まさか」
「たぶんだけどね、ゆがんで叶ってすぐ近くにいた私には繋がったって感じじゃないかな」
「あ、あっぶねええ!もっと変なことにならなくて良かった!」
「でもさあ、君は君の人生をちゃんと生きたほうがいいよ?あんな他人を庇って我が身を盾にするなんて良くないよ?君にだって待ってくれる人とか_」
「じゃあなんで父さんたちはそうしたんだよ?」
「え?」
おもわず声が大きくなる
「それが出来る力があったんならそうすることが正しいことだからやったんだろうが!俺を置いてくことになったとしても!」
「…ごめんね、お説教みたくなって」
「いや、こっちもアンタにいっても仕方ないことだった…」
気まずい空気が流れる…沈黙を破ったのはアリシアだった
「えと…気を取り直して、まずは直近の問題から片付けようか…」
「…そうっすね」
「まず、君は死にかけではあるんだけどそれは精神が今ここに居るからで戻ろうと思えば戻れます。すごい丈夫な体だね、日頃の鍛錬の賜物なんだろうね」
「じゃあ問題ってのは」
「外、現実なんだけど大変なことになってる。端的に言って地獄みたいな雰囲気です」
「うっ」
そう言われるといっきにやらかした気になってくる心配させてしまっているんだろうなあ
「まず、君は死にかけではあるんだけどそれは精神が今ここに居るからで戻ろうと思えば戻れます。すごい丈夫な体だね、日頃の鍛錬の賜物なんだろうね」
「それなら早いとこ戻りたいけど…それの案内のためだけに出てきたわけでもないんだろ?」
「察しが良くて助かるよ…私が頼みたいのはママの事なんだけど」
やっぱりそうきたか
「その義理は無いのは分かってると思うけど」
「うん、だから君のメリットもちゃんとあるよ。成功すればもうママもずっとおとなしくなってくれると思う」
「…いったい何がしたいんだ?」
「ママには子離れしてもらいます」
***
一方で宮園武道の体はユーノ・スクライアとリニスにより回復措置が行われていた
「ダメですよタケミチ!あなたはこんなとこで終わっていいわけがない!」
「戻って来てよ!タケミチ!」
「タケくん起きてよ!こんなのないよ!」
「お願い、行かないで…まだ君と話したいことがあるのに…!」
そこから少し離れたところでプレシア・テスタロッサはクロノ・ハラオウンによって捕縛されていた
「何か言い訳はあるか…?」
「………」
もはやこの惨状を生み出した本人でさえ消沈していたその時
ドクン
宮園武道の体が起き上がった。
「タ、タケくん?なの?」
しかし違和感、その双眸は空色に光っていた
『ごめんね、ちょっと体借りてるよ。本人には了承済みだから、みんなデバイスおろしてほしいな」
その声は宮園武道ともう1人誰かの声が被さって聞こえていた。その声に気づいたのは_
「アリシア…?」
プレシア・テスタロッサだった
『久しぶり、本当に久しぶりだねママ」
それはアースラを含めた周りを驚かせた
「「そんな馬鹿な!?」」
クロノとリンディのハラオウン親子の声がだぶる
「「「アリシア…!?」」」
ここでそろったのはフェイト、アルフそしてリニス
「ってフェイトちゃんの…お姉さん!?」
「なのは、お姉さんじゃなくてオリジナルっていうか」
『うん、白い子は…なのはちゃんだったね?フェイトのお姉ちゃん、いい表現だね。ベージュのユーノくんは正しい解説ありがとうね。肉体に縛られて魂もずっとここに居たよ。少なくともそう自覚してる。細かい解析は管理局の人たちにまかせます」
「アリシア!」
プレシアは駆け寄ろうと身じろぎする。しかし…
『はい、ママ。色々悩んできたことも知ってるけどそのままでね。この体の持ち主のタケミチくんやフェイトを含めて凄いたくさんの人にいっぱい迷惑…どころじゃないことしてきたの分かってるよね?」
「っ!」
『今日はちゃんとお別れするために体を借りてるんだから…この子の言う通りちゃんとお別れをしよう。それ出来なかったことが歪んじゃったことの始まりなんだから」
「でも!私はあなたを守れなかった!約束もできずじまいで…だから!」
『そう、そうだね…私も本当に悲しかった。でももっと悲しいのはママが戻れない過去に囚われて前に進めなくなっちゃったこと。そんなママやママに生み出されたフェイトが悲しい思いをしていることが私の未練。ママはフェイトをはじめとしていろんな人にゴメンナサイをしてそのあとどうしていくかはママ次第。ただタケミチくんとはほぼ確実に無理だと思っててねママ。繋がって分かったけど手を出しちゃいけないものに触れすぎたから、あとはフェイトをフェイトとしてちゃんと見てあげてね、私はずっと大好きだよママ」
「う゛う゛ぅぅぅ」
プレシア・テスタロッサはその場に崩れ落ちる。本人から別れを告げられたことで過去を強制的に断ち切られた。荒療治であるが確実に過去との決別はなされた。お互いに
『フェイト…ちょっとこっち来てもらってもいい?」
「あ…うん」
フェイト・テスタロッサは近づいていく。そこに嫌悪などの色はいっさいなかった
『今までごめんねフェイト…私のこと…恨んでる?」
「大丈夫。なのはに言われてお姉ちゃんって感じ、凄いしっくりきた。」
『ありがとう…ママのことも見捨てないでいてくれて…1人にしないでくれて…」
そういって抱きしめた
「あ…」
『あーあ、ずっとこうしていられたらいいのにね。タケミチくんの体で良かった、ホントの体でも年齢通りならこのくらいの身長差にはなれるはずだから…」
「でも、そういってもいられないんだもんね、お姉ちゃん」
『うん、そろそろお別れして体返さないとだから…フェイトのこと大好き。そういってもいい?」
「ありがとう…私も大好きだよ…お姉ちゃん」
2人の目にも涙が浮かぶ、だけど笑顔だ
『リニスは…私の事分からないんだもんね」
「アリシア…」
『大丈夫!リニスはリニスの生を楽しんでタケミチくんのこと大事にね!…あとアルフ、ちょっと蚊帳の外みたくしてごめんねフェイトのこと引き続きお願いね」
「あ、ああ任せておきな!」
使い魔たちとも別れをすませ
『さて、なのはちゃんにユーノくん!友達の体借りちゃってごめんね。もう返すからできればフェイトとも仲良くしてね!」
「「は、はい!」」
『うん、いい子たちだ…あとは管理局の人もここまで割り込まないでいてくれてありがとうございます。」
「いや、こちらとしてもどうしていいか考えあぐねていたから…何しろ前代未聞の事態だからな」
『親子そろってお騒がせしてすみません。そろそろお暇しますね、ママやフェイトのことよろしくお願いいたします」
「あ、ああ、適切な処遇を約束する。ただプレシア・テスタロッサに関してはどうしても罪が重くなると思うが…」
『正直に言ってくれてありがとうございます十分です。船にいる方々もお騒がせしました」
そうしてその時はくる
『それじゃあ、詰めこんで忙しくなっちゃたけどいよいよお別れです。タケミチくんの事皆色々みてあげてね、プライバシーもあるから内容は言えないけどしっかり捕まえてなきゃだめだよ!…それじゃあねママ。何度でも言うけど大好きだから!」
そうして目から光が消えていく。アリシア・テスタロッサはようやく死を迎えることが出来たのだ
あと1,2話くらいで無印終わるかな