海鳴産地の魔導戦鬼(旧題:ややガイオウモンのマジカル戦記) 作:町コアラ
魔導戦鬼の嘱託魔導士生活 その1
宮園武道が地球を後にして一か月と少し、7月に入り暑さも強くなってきたある日。高町なのはは月村すずかと共にアリサ・バニングスの家に遊びに来ていた。
「やっほーフェイトちゃん。そっちはどう?」
『元気でやってるよ。なのは、すずか、アリサも元気?』
「うん!」
「げんき!げんき!」
「こっちは結構暑くなってきたわねえ」
通信相手はフェイト・テスタロッサ、彼女は現在管理局の本局で過ごしていた。軽い世間話に花を咲かせる4人、そこに菓子や飲み物をカートで運んでくる白い影、バニングス家に送られた8体のポーンチェスモンズ(白)の内の2体である
「
『『ポーンッ』』
アリサ・バニングスが声を掛けると一礼し去っていった彼らの首には数字が書かれた赤いスカーフが巻かれている
『いい子たちだね』
「そうなの、普通の来客のときにには置物のフリしてもらってるけど普段から家の手伝いとかしてくれてるからホントすっごい助かってるわよ。すずかの家の
「そうだね。うちのメイドたちも助かってるって喜んでたよ」
ちなみにそちらは青いスカーフに数字が入っている
「うちのコテモンもとっても優秀なの。タケくんが自分の家の古文書やらから棒術、槍術、それに管理局の訓練法とかをデータにして詰め込んでくれたからレイジングハートも訓練メニューの参考になるって有難がってるよ。本人も打ち合いにも付き合ってくれるし本当に優秀…優秀なんだけど…」
『だけど?』
「実用性により過ぎなの!すずかちゃんが知ってる子には鶴のしおりなんて結構ロマンチックなの送ってるのに!いや分かってるの。他意は無いとかなんならずっと高価なの送ってもらってるのも、それでも、こう、あるじゃない!」
横の2人も頷く。守るための機能もりもりで自分たちをとても強く想ってくれていると分かっていても理屈とは別に納得できない乙女心というものがある。もちろん本人に文句を言うなんてできるはずもなく
『あー、そういえばエイミィさんに言われてた女の子に送るものとはちょっと違うんじゃないって言われてたのコレのことなんだね…』
「そして一か月経ってタケくんが送って来たのがこの子たちなの」
そう、まさに今、次元を隔てて尚、画面を通じて交信できる
『モニタモン
元々いた3体とは色違いのピンクの衣装のモニタモンズであった。モニタモン同士をつなぐ回線*2、ステルス機能光学迷彩付き、女性AI搭載の歩く防犯カメラ。おまけで近くに居ると携帯の電波もアンテナMAX。これで外でも魔法が使えない時でもしっかり守れるね!
「この子たちは決して悪くない!悪くないの!すっごく便利だし!今フェイトちゃんとお話できるのもこの子のおかげなんだけど!」
『女の子に送る物ってそういう意味じゃねえって話デスワヨネ』
送り込まれた本人がツッコミを入れる有様であった
一方、バニングス邸でのガールズトークに夢中の少女たちから離れた場所で空中に立つ3つの影があった
「どうだシャマル。彼女らの人形たちは」
「今解析完了したわシグナム。そうね、守る、守る、守るって意思をひしひしと感じる性能ね。一体訓練用になる子は居るみたいだけど戦闘用は全くいないわ。すっごい過保護って言いたいけれど実際わたし達が目覚めちゃったし、杞憂とは言えないわね」
「そうだな…我らが主はやての下で目覚めたから良かったものの野心家な者が主であったなら蒐集のために彼女らを襲っていたかもしれないな…そうでなくともヴィータが先手必勝しかけたしな」
「悪かったって…ただ、他はともかく訓練用がいるところの高町…な、なぬ…何とかっつう奴は魔導士だろ?ほっといていいのか?」
「良いも何も関わらないのが一番だろう、襲うなんてことをすればすぐさま駆け付けるだろうな、あの守りを手配した主が」
「はやてちゃん曰く転校したっていうお友達の背え高のっぽの男の子。やっぱり彼よねえ」
「だろうな。月村という子の家に主はやてが招待された際に黒い甲冑たちが件の男児によって送られたことは聞いたそうだからな。あくまで装飾品というていでだが」
「やっぱ、はやてにはなんにも伝えないでおくのか?協力関係も無理か?」
「無理…だろうな。恐らくだがその男児が異界に行った伝手は、送り込まれたものが破壊活動ができないものというところから見て管理局やそれに準ずる秩序側の組織とみるべきだ。闇の書の主が目覚めているとなれば問答無用で襲ってくるだろうな。以前闇の書で事件が起きてからさほど年月も経っていないようだし、今の主は優しい心の持ち主だからなんて向こうからすれば言い訳にもならないだろう」
「そんなこと言って一番残念がってそうだよなシグナム」
「そうそう、魔法とかそういうの抜きにしても剣が達者で有名だったらしいもの」
「否定はしないがやはり、たらればの話でしかない。向こうが管理局と出会うより前であれば良き
「ま、それもそうか。じゃああっちが害のある奴らじゃないことが確定した事だし帰ろうぜ」
「ザフィーラにずっと任せっぱなしなのも悪いものね」
そうして3つの影は消えていく、もはや相まみえることなど無いことを願いながら
場面はバニングス邸に戻る
「それでタケくんたちはどうしてるの?相変わらず忙しい?」
『そうだね…タケミチ…というかユーノとクロノと3人一緒に飛び回ってるよ』
◆◆◆
「てめえらもう終わりなんだよバカが!!」
とある管理世界のとある廃工場前、バインドで締め上げられた次元犯罪者が尚も粋がる
「で、なにが終わりって?」
呆れたように聞き返すのはクロノ・ハラオウン、その横にはユーノ・スクライアもいる
「ハッ!てめえら魔導士は魔法使えなきゃなんにもできねえだろうが!さっき
「へー、そりゃすごい」
「うん、まあ、そろそろかな」
しかし2人は落ち着きを払ったまま、それにイラつきを隠せない次元犯罪者は続ける
「ほんとに分かってんのか?あの化け物みたいに強い編み笠のガキ、おめえらチビどもの兄貴分なんだろうが結局魔法が頼りだろうが!すぐにあの野郎の首を___」
「誰がチビだって?」
「ひっ!?」
「まあ落ち着きなよクロノ、それにあなたも残念だけど叶わない望みだね」
「は?」
「そりゃあ__」
言い終わらないうちに何かがきりもみ回転しながら工場の屋根を突き破って飛んできて、ちょうど3人の目の前に転がってきた
それは件の機械兵の首だった
「首だけになったのはそっちだもの」
「毎度毎度、人型の相手になると首をもぎ取ってくるなお前、そんなんだから首狩り族なんて呼ばれ始めるんだぞ」
「だれが首狩り族だ」
「ハハハ、もう慣れたらいいんじゃないかな?」
先の2人に宮園武道を加えた3人組は本局に戻って来ていた。この3人、本局でも既に有名になりつつあった。例えば犯罪者のみがいるビルがあればクロノが指揮し、武道が突っ込み、ユーノが結界で閉じ込めればしばらく悲鳴があがり、収まる頃には掃除完了である。そんな案件が何度かあった
「あ~クロスケ、ユータローにタケボー見っけ!」
そんな3人にも天敵がいる。リーゼ・ロッテである。彼女はクロノの体術の師匠でギル・グレアムの使い魔で猫型で何より女性にあるまじき距離の近さであった
「タケミチ、ユーノ、任せた!」
クロノは逃げようとして、ついでに2人の足にバインドを施す。つまりは生贄である。
「「ふざけんなクロノてめえ!!」」
武道は持ち前の反射神経でクロノの腕を掴み、ユーノはバインドを施し返す
「君らは弟弟子みたいなもんじゃないか!?兄弟子を立てるもんだろ!」
「「弟弟子を師匠に差し出す兄弟子がいてたまるかあ!!」
三人仲良く捕まりましたとさ