海鳴産地の魔導戦鬼(旧題:ややガイオウモンのマジカル戦記)   作:町コアラ

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文才ほしい


俺たちの戦いかた

 テスタロッサたちが去ったあとはちょいと詰め寄られた。

 

「で?あの子どういう関係なのよ?」

「どうって、説明しただろ。」

「リズさんの元教え子ってだけじゃないでしょアレ。」

「まぁ、俺がそのリズ姉さんを取って行っちまったみたいなとこあるからちょいと複雑なんだよ。」

「それだけ?」

「…たぶんな。」

「「ふぅん…」」

 

 バニングスや月村にはここんところ怪しまれつつある。嘘は言ってない…うん

 

 それからは普通に子供らしく遊んで過ごした。卓球したり結構良いご飯食べたり、また温泉行って恭也さんや士郎さんとサウナに行ったり…ただここ数日悩んでいた頭をせっかくの温泉だからと意図的に緩めていたのもあって、すっかり抜けていたことがあった。

 

 そもそもなんであいつらがこの温泉に来ていたか、もうちょい考えを巡らせていたら分かりそうなもんの答え合わせはすぐにすることになる。

 

 夜中、リニス含めた大人と高校生組は現在も起きて談笑中なので、リニスにはそのまま万が一の時の旅館の守りを頼んで俺、高町、ユーノは抜け出してジュエルシードの反応に向かう。俺は男組が他は起きて話してるので1人と一匹で寝ていたが、緩めすぎて完全に寝てた。一緒に寝てたユーノが起こしてくれなかったらヤバかった。

 

「大丈夫タケミチ?まだ疲れが…」

「ただでさえ経験値はあちらが上の二人組だ。そうも言ってられないだろ?大丈夫。無茶はしない。」

 

 高町と合流前にユーノが心配してくれるが行くしかないだろ。高町もジュエルシードもテスタロッサも全部放っておいて寝直せるほど神経太くない。

 

 

***

 

 

 

『はい…はい…分かりました。こちらの守りは任せてください。』

 

 宮園武道以下3名がジュエルシード回収に向かっていたころ。リニスは念話でその場の守りを任されながら大人組との会話を続けていた。

 

「ほんと昼間は驚いたわね。まさかリズさんの以前の教え子と鉢合わせするなんて。武道くんもグロッキーだったのがあの子たち見つけたとたんシャッキリしちゃって何事かと思ったわ。」

「すみません桃子さん。遠いところに住んでいるのでまさかここで鉢合わせるなんて思わず…」

「気にしないで!リズさんにはなのはもいつもお世話になってるんだから。」

 

 リニスは宮園武道の保護者として高町なのはをはじめ周りの子ともよろしくやってるので保護者の評判は結構よかったりする

 

「あいつがここんとこ難しい(つら)してたのあの子たちが原因か…」

「恭ちゃん心配してたもんね~」

「全く、あいつはため込み過ぎなんだ。年上にもう少し甘えろって話だ。」

「恭也さんや美由希さんも心配かけてしまってすみません。本来こちらでケアすべきことなのですが…」

「謝ることはありませんリズさん。武道くんには以前、私が大怪我をしたときになのはの面倒を見てもらいましたからむしろもっと面倒を掛けてきてほしいぐらいです。」

「すずかもお世話になっていますし、私たち月村家のことも頼ってくださいね。アリサちゃんのご両親も同じことを言うと思いますよ。」

 

 月村すずかの姉である月村忍も高町士郎に同調する。

 

「ありがとうございます皆さん…」

 

 リニスは思う。確かにアルフが言うようにこんなにも周りに恵まれた環境なのだろう。しかし、だからこそタケミチは止まれない。両親の死から程なくして魔導士でしか解決不可能な事件。実際あの子抜きでの解決は難易度が倍増では済まない。優しい周りを守らねばという思いが、下手をすればフェイトよりも酷い呪いを自分自身に掛けている。どうすればあの子の重荷を軽くできるのだろう___ と

 

「ところでリズさん。なのはが急に道場に来始めたことや武道くんがここ最近、夜中に出歩いている件についてもあの2人組の子たちとなにか関わりがあるのではないですか?」

「……へ?」

 

 高町士郎の目がリニスを真っ直ぐ見つめていた。

 

 

***

 

 

 そのころ3人は既にジュエルシードを封印したフェイト・テスタロッサとその使い魔のアルフと対峙していた。

 

「よお、半日ぶりってとこか?」

「…来たんだね。」

「言ったはずだよ。これ以上邪魔するなガブッといくしかないって。」

「そうもいかないのさ。」

「私たちも放っておけないから。」

「なら仕方がないねえ。」

 

 アルフは狼の姿に変わり襲い掛かる。狙いは高町なのは。弱い方から片付ける狙いである。しかし__

 

「アンタの相手は俺な?」

 

 二刀にて行く手を阻まれる。

 

「飛ばせユーノ!」

「転送!」

「なにっ!?」

 

 これは宮園武道たちの予定していたこと。連携が厄介なら分断しようという作戦。それは功を奏し2人の姿は消え、少し遠くの場所に移動した。

 

「結界に転送。そっちも優秀な使い魔だね。」

「ユーノくんは使い魔じゃないよ、大切な友達。ねえ一応聞きたいんだけど、話し合いで終われないかな?離れた立ち位置の第三者だから出せる知恵もあるかもしれないよ。」

「…なんで君がこっちに残ったかと思ったらまだそれを言うの?私たちはジュエルシードを集めるもの同士、なら戦う以外に道は無い。」

「そういうことを簡単に決めつけて諦めたくないから。」

「君のそれは周りに守られてきたから言えることだ。現にあの傘の子の苦悩の半分も背負っていない。今も2人の友達に守られている君に何ができるの?話合うだけじゃ、言葉だけじゃ何も変わらないし、伝わらない。」

「なっ!?そんな言い方__」

「賭けて、それぞれのジュエルシードを1つずつ。ずっと守られてきた君にできるか分からないけど。」

 

 プチンッ

 

「っふうーーー。そうだね、フェイトちゃんの言う通りかもね…でも、私だって鍛えてきたんだから!ユーノくんごめん、手を出さないでね。」

 

 高町なのはがレイジングハートを構える。

 

「じゃあ、始めよう。」

 

 フェイト・テスタロッサがバルディッシュを構え、少女たちの戦いが始まった。

 

 

 

 

 一方、転移で飛ばされた宮園武道とアルフも戦闘を開始していた。

 

「いいのかい?あんたがこっちで、白い子にうちのフェイトがどうこう出来ると思ってるのかい?」

「さあどうだろな。まずは言葉を尽くしてみるってのが俺たちの選択だ。」

 

 牙を避け、爪をいなし、一見防戦一方であるが

 

「なんのつもりだい?反撃してこないのかい?」

「リニスの家族を傷つける?冗談。」

「同情のつもりかい?」

「そうカッカしないでくれ、沸く気持ちに嘘はつけないんだ。それにまだ未熟でさ、刀使ってケガさせずって難しいんだよ。」

「じゃあそのふざけた考えをできないようにしてやる!」

 

 見下されたと感じたアルフは激昂し、速度を上げて突っ込んでいく。

 

「はい、そこ。」

 

 しかし、届くことは無い。赤い綱がアルフの体を絡めとる。

 

「ぐうっ!?」

 

 そのまま首筋に刃をあてられる。

 

「そのままじっとしてな。」

「さっきのは嘘かい?怖い子だこと。(設置型のバインド!?しかもこの強度じゃ千切ることも厳しい、どんな魔力で編んでんだい!)」

「悪いが挑発させてもらった。まあ全部が嘘じゃねえよ「できれば」が付くのと優先順位があるってだけだ。」

「やっぱりあんたはフェイトのほうに行くべきだったよ。あの子じゃフェイトの覚悟に貼り合えない。前みたいに…」

「本人が直接話してみたいってんだからしょうがなし。それにあんたら勘違いしてるっぽいけど高町が話し合いを大事にしてるのはお花畑だからじゃない。むしろけんかっ早いところがあるからこそ、話し合いの選択肢を簡単に消さないっていう覚悟だ。あともう一つ、テスタロッサは一体いつ高町と戦ったんだ?」

「は?」

 

 その時、桃色の閃光が夜を照らした。

 

 

 

 ズドンッ ズドンッ

 

 砲撃は止まず、一定の距離を保って放たれ続ける。

 

(この子、本当にこの前と同じ子?)

 

 フェイト・テスタロッサは目の前の少女の変わりように困惑していた。先ほど軽い打ち合いであったが威力で押し負けた。それを目くらましにして接近戦に持ち込んだがそれも杖術にて対応される。総合力はいまだ自身のほうが上であると確信している。しかし、侮っていれば痛い目を見るのはこちらであることが分かる程度には強くなっている。

 

 高町なのはは元々運動音痴と思われていたが真相は違う。カンの冴えは父や兄姉にも勝るとも劣らない。いままで運動に興味が無かったことで体が作られることがなく、頭脳と体のラグが起きていた。それが今回の事件をきっかけに体を鍛え、技を学ぶことでこの短い期間で解消されつつあった。

 

「そこっ!」

「くっ!舐めるなあ!!」

「っきゃあ!」

 

 しかし快進撃もつかの間、経験値の差は流石に大きい、さらに高速で接近した雷撃と鎌の組み合わせにより肉薄されていき、ついには杖を弾かれ空いた胴体に蹴りを一撃くらってしまう。

 

 地面に墜落しそうになるも踏ん張りを効かせ頭から墜落することは避けた。しかし後ろから鎌を首筋にあてられ決着がつく。

 

「ハア、ハア、驚いたけどこっちの勝ち。さあジュエルシードを_」

「そっちもケリが着いたか。見たとの1対1の引き分けでいいか?」

 

 現れたのは縛られたアルフとそれを連れる宮園武道

 

「ごめんよ、フェイト…」

「じゃあ言い方はあれだけど人質交換といこうか。」

 

 

***

 

 

 それから俺たちははお互いに刃を収め拘束を解いた。

 

「なんで後ろから襲わなかったの?君とアルフは一足先に決着が着いてたのに…」

「この場で勝ったとしてそのあとどうしろって?家で監禁か?こっちは普通の生活もあるんだ見張る人手も足りないから、そういうのもあってこっちはやっぱり和解が一番理想なんだよ。ま、被弾したらヤバそうなのがあったら割って入る準備はしてたよ。」

「……」

「どうだ?言葉だけじゃないのは分かったと思うが。」

「ここは退く。だけど返答は変わらない。…もう、侮らないから次は容赦できない。そう思っておいて。」

「じゃあ私、次はもっと強くなってるから!」

「次はこうはいかないからね傘小僧!白いちびっこもちょっと鍛えてフェイトに勝てるなんて考えてたら大間違いだからね!」

「なんだその妖怪みたいな呼び方。」

 

 そうして2人は夜の闇に消えていった。

 

「おつかれ2人とも、でもよかったのかな?僕結界の維持しかしてないけど。」

「俺たちにとっては一番重要まであるんだからいいんだよ。あいつらにも言ったけどこの場で勝ってもそのあとどうしようも無いんだから」

「フェイトちゃんたちが根負けして今の状況を話してくれるまで食らいつくってことだね。私頑張るよ!」

「ほんとはリニスから聞いたことを2人にもちゃんと話したほうがいいかもしれないんだけどな…」

「大丈夫。直接フェイトちゃんから聞けるぐらいじゃないと意味ないことなんでしょ?タケくんが悩んだうえで黙ってるのわかってるから。」

「僕もそこはタケミチを信用してるからね。前にタケミチ自身が言ってたみたいにそれで彼女たちの反感を買ったら意味ないしね。」

「ありがとな2人とも、じゃあ宿に帰るか。」  

 

 

 

 

 

 

 

 

「お帰り3人とも(・・・・)、うん、まあ、なのはと2人で夜の散歩とかのやんちゃだったら、なんなら歓迎まであったんだけどな。」

 

 恭也さんが待っていた。

 

「ということでお話の時間かな?リニスさん(・・・・・)から色々聞かせてもらったけどやっぱり本人たちからもちゃんと聞きたいからね。お疲れのとこごめんだけどね。」

 

 美由希さんが背後から挟むように出てきた。

 

 

 そうして俺たちは全員の待つ部屋へと帰ることになった。




はい、全バレしました。なのはさんはリニスもいるので原作よりも早い段階で強くなってます。だけど経験値はまだまだ足りないので勝てはしません。
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