超かぐや姫!〜地獄の付添人を添えて〜   作:あさらこ

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超かぐや姫!のノベライズ版を買いました。なのでアニメ版では出てこない部分が多少出てくるかもしれませんが、ネタバレを踏みたくない人はここでブラウザバックをお願いします。
あと今日はこの話の前に一話投稿しています。順番はどちらから読んでも問題ありませんが、よろしければどうぞ。


第1話

side:いろは

あの光るゲーミング電柱を見つける運命の日の前日、私はいつも通りの日常を過ごしていた。

普通に学校に行き、優等生を演じ、終わればアルバイトに行く。

 

本来であれば『BAMBOOcafe』という隠れ家的なカフェで働く予定だったのだが、私は今、別のところでアルバイトに励んでいる。

 

なんでそんなことになったのかと言われれば、今から行くバイト先の、ちょっと不思議なところのある店長に誘われたからといったところなのだがーーー

「っと、危ない危ない」

 

いろいろと思い出していたらバイト先のドアの前に危うくぶつかるところだった。気をつけねば。

今の私に万が一にもケガを負って病院にかかるなんて余裕などないのだから...自分で言ってて悲しくなってきた。

 

カランコロンーーー

「お疲れ様です」

「ああ、お疲れ様、酒寄」

 

店に入って挨拶をしたところで、すぐに返事をしたのはこの店ーーー「Luna」の店長を務めている"葦原 見世(あしはら みよ)”だった。

 

「まだ午後の開店には早い時間だからちょっとお茶でも飲もう」

と言って淹れたてであろうティーポットを見せてくる。

「よく私がいつもより早いこの時間に来るってわかりましたね?」

「ん?ああ、まあ俺にはよく"視えている"からな」

 

そう、ここが店長の不思議なところだった。とても勘がいいのだ。

時々未来でも見えているのではないかと思うくらいに。

 

「そんなことは置いておいて、はい、今日のお茶のジャスミンティー。

いつも傍から見ていても忙しそうにしているんだからこの時間くらいリラックスしておきなさい。」

そう言って淹れたてのジャスミンティーを注いでくれる。

 

「あ、ありがとうございます」

そう言ってグラスを手で持ってストローで吸う。

するとジャスミンの良い香りが口腔内にふわっと広がった。

「…おいしいです」

「そうか、それはよかった。淹れ方を結構試行錯誤したんだ、好評で俺も嬉しいよ」

店長は自分の淹れたものがほめられたことが嬉しかったのか、柔らかく微笑んでいる。

 

ーーーそして、しばらく店長と私の無言の時間が過ぎていると、不意に店長が口を開いた。

「…そういえば」

「はい?」

「いや、そういえば酒寄と知り合ってずいぶん経つなって。最初はこっちのことを警戒していたのに、いつの間にかずいぶん馴染んだものだな、と」

「あれは店長がいきなり<ツクヨミ>の中で"うちの店で働かないか?"って誘ったからじゃないですか!いくらなんでも知り合って間もない異性に言うことじゃないですよ!」

「うぐ。それは…その、大変反省しております」

「まったく。反省しているのならその口下手なところを直す努力をしてください。」

 

そう。私がこの店で働くことになったのは、この口下手な店長のあまりにもな言葉がきっかけだった。

 

 

 

この人との初めての出会いは、私が<ツクヨミ>にログインするようになってすぐの頃だった。

まだまだ知らないことだらけで、とある城下町のようなワールドで道に迷っていた時に

「大丈夫か?」と言って手を差し伸べてくれた。

無事迷路のような道を脱した後も、この人はいろいろと世話を焼いてくれた。レアドロップアイテムの情報や、映えるスポットなどなど。

 

ある時不気味半分不思議半分でなぜかと聞いたことがあったが、

 

「恩返しだよ」

 

とよくわからないことを言っていた。

 

そんな付き合いがしばらく続いたとき、店長が「いつもより元気がない。ちゃんとご飯を食べているのか」と聞いてきた。初めての一人暮らしで母から解放された気分だった私だったが、バイトなどをしていなかったこともあってさすがに極貧生活が続いていて仮想空間内でも傍から見ていて限界だったようだった。

「大丈夫」

そう言ったが、店長の表情はますます険しくなり、しばらく考えていたと思ったら

「うちで働かないか?」

と言ってきた。

私はこの言葉に「何ですか、ナンパですか」と返して一歩引いた。

ーーーだってそうだろう。助けてもらいはしたが、普段たまたまあったときに会話するぐらいの人にいきなりこう言われても、現実でひどい目にあわされるようにしか思えなかった。

 

「違う。俺は現実で洋食屋をやっていてな。

働いていないのなら距離が近ければどうかと誘っただけなんだ。

だまされたと思って来てみないか。少しでも怪しいと思ったら来ないで通報してくれてもいい」と慌てて言ってきた。

 

その言葉に少し心を動かされた私は住所を聞いた後、実際に行ってみた。

そしてこの店の雰囲気が気に入った私はここで働くことになったのだ。

このあと、<ツクヨミ>でも私の友達2人も店長にいろいろと案内してもらうことになるのだが、それはまた別のお話ということで。

 

 

 

しばらくの間落ち込んでいた店長は、話題を変えるかのように努めて明るく振舞って言った。

「よ、よーし、じゃあお詫びと言っては何だが、酒寄の将来を視てやろう!」

「え、ほんとですか!」

無理に明るくなった店長をあきれた目で見ていると、そんなことを言ってきて私はテンションが上がった。

さっきも言ったが店長はやけに勘が良く、常連客の将来についてピタリと当てたことがあったのだ。

しかも何回も。

ただ店長の気分が乗らないと中々やってくれないのでこの店ではプチレアイベントとなっていた。

そんな店長のお言葉を聞き逃すまいと私は全神経を耳に集中して聞いた。

 

「ん~。そうだな、近いうちに酒寄は不思議で素敵な、自分の人生を左右するかもしれない出来事に遭遇する…かな」

そんな玉虫色の言葉を受けて私は叫んだ。

「なんか怪しい占い師みたいになってません!?期待してたのに!」

 

「すまん、こんな感じに視えたんだ」

 

「ハァ…まあ期待しないで待っておきますよ」

そう言うと店長は普段の倍ぐらい優しそう(悲しそう)に微笑んで言った。

「多分君が思っているよりもすぐだよ」と。

 

その後は特に代わり映えのないいつも通りのバイトが終わり、帰路に就いた。

いつの間にか、店長に言われたことも頭から抜けて。

 

「まさか店長が言っていたことってコレ~~~!?」

「あぶ~、キャッキャッ」

そして翌日、私は光るゲーミング電柱から出てきた赤ん坊を抱きかかえながら、そう叫んでいた。

 

 

 

 

 




どうも、ルビとか特殊タグの使い方がいまいちわかっていないど素人ことあさらこです。
へへへ…仕事が終わって見てみればしおり?は挟まれてるしお気に入り数が朝見た時の倍以上になってて叫んだぜ…
そしてそのテンションのまま一話書いちまった…しかも文字数も最高になってやがる…
何が言いたいかというと、評価してくれた皆さん
かんしゃっかんげっき雨アラモード☆ってことです。

物語に関して:いろいろと設定していることがあるのですが、その情報をあとがきでちょっと出そうか迷っています。
もし「もったいぶってないで出せやオラァ!!!」という人がいらっしゃったら感想等で教えてくれるとありがたいです。「ひいっ」と言いながら書くと思います。明日以降のあさらこが。

それじゃ、また気が向いたときにでも。
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