side:ミヨ
ーーーああ、夢を見ている。しかも、これは俺が初めて視た…
ヤチヨの言うところの
ジリリリリリン!!!
「ん…」
目覚まし時計の音で目を覚ます。時間を見ると6の針を指していた。
そのままの流れでスマホを起動すると時間が
「壊れたか…?まあ15年前から変えてないしそんなものか」
『ふあぁぁぁぁ…もうあさぁ?』
そんな声がタブレットから聞こえてきた。
「いや、いつもより早いからまだ寝ててもいいと思うぞ」
『ん~~~、おきまぁす』
その声に、俺はこう言った。
「そうか。…おはよう、ヤチヨ」
『うん、おはよう!ミヨ』
「ヤチヨ、今日の予定は?」
俺がそう聞くと、ヤチヨは少し考えたあと答えた。
『んーとね、お昼にオタちゃんとの撮影があって、夜は配信かなあ』
「なるほど、俺は変わらず店だな。あ、黒鬼さんたちとのKASSENの約束が夜にあったか。
忘れてたな」
『も~、それこの前も忘れて帝さまたちに高いスキン買わされてなかったっけ?』
「そんなこともあったな…あれは痛い出費だった」
『気を付けてね!』
「ああ、ありがとう」
『ふふ…』
「どうした、ヤチヨ?」
『いやぁ、まさか
「いつの話をしてるんだ…
しかもあの後俺が美味い料理を作れるように料理を教えてくれたのはヤチヨだろうに」
『まあ私に教えたのはミヨだけどね~』
「う~ん、無限ループ…」
『そんなことより、いろはの様子はどう?元気そう?』
「酒寄か…まあ、ウチにいるときはリラックスできていると思うが。
というか、
『いいなーミヨはいろはとしょっちゅう会えて』
「ヤチヨが頼んできたのに!?…それに、『いろはとは時が来るまで必要な時以外会わない』って決めたのはお前だろうに」
『ぶ~、正論でパンチするの禁止ー!
…わかってるけど羨ましいものは羨ましいのです』
「ま、それもあと少しの辛抱だ…
がんばれ、ヤチヨ」
『…うん、ありがとう』
「じゃ、そろそろ俺は出るな」
『うん、いってらっしゃいミヨ』
そう言って玄関のドアを閉める。
さて、と前を向いたときにふと朝の壊れた時計を思い出し、それが自分やヤチヨが妙に重なってしまって自嘲気味な笑いがこぼれた。
「ハハッ…俺もそろそろ限界かな。
なあ、
ーーーその言葉に返事はなかった。
午後の開店の少し前、いつもより疲れた様子の酒寄が店にやってきた。
「おつかれさまです…」
「そう言ってる酒寄がお疲れの様子なんだが…
お茶でも飲むか?今アイスティーを淹れたんだが」
「アリガトウゴザイマス…」
とても疲れている様子の酒寄の前にアイスティーの入ったグラスと、ガムシロップのポーションを一緒に出す。
「で、どうしたんだ?そこまで疲れてる様子だと何かあったか?
もしかして、俺が言ったことが当たったりしたか?」
「良いことなのかはまだわかりませんけど、まあ普通じゃないことが起こったのは確かですね…」
ハハッ…と力のない笑みを浮かべる酒寄に、苦笑しながら
「ま、まあ何か困ったことが言いなさい。微力ながら力になるよ」
「あなたが神か…!」
「さてはまだちょっと余裕あるなお前?一応言っておくが本心だぞ」
「あ、それはわかってます。
いざとなったら頼らせてもらいますね」
その言葉に、"多分頼られることは無いんだろうな"と思いながら
「ああ、任せなさい」と言った。
その日の夜ーーー
店を閉めた俺は<ツクヨミ>の中にいた。
朝言っていた黒鬼こと『ブラックオニキス』と対戦するためだ。
「よっ、ミヨさん。今回はすっぽかされなくて良かったよ」
そう言ったのは『ブラックオニキス』リーダー、帝アキラ。
「確かに、あなたは忘れやすいようだからな」
そう刺してきたのは、同じくメンバーの雷。
「でも、また忘れたら高いスキン買わせられたからちょっと惜しかったかも♡」
と俺のトラウマを刺激してきたのは、同じくメンバーの乃依。
「勘弁してください…」
と、割と本気の懇願をしたところで、帝が言った。
「じゃ、これからミヨさんとの対戦コラボ、始めるぜ!よく見とけよ子ウサギども!」
ーーーそう、俺は不定期だがそこそこの視聴者を持つ配信者、葦原ミヨとして活動している。
今回は同じくゲーム配信を主にしており、何度かコラボしている『ブラックオニキス』とのコラボ配信だ。とは言ってもあまりこちらの勝率はよろしくない。良くて3:7といったところか。
:お、始まった。
:がんばれー!
:また奢らされそうになってて草
「こっちも始めていくか。
お、応援ありがとう。今回は勝率上げたいな。
あと草じゃないんだが?あの人たちマジで容赦なかったんだからな」
:草
:草
:草
「だからー、ハア…まあいいか。それで帝さん、今回は何で対戦するんだ?」
そう帝に向けて言うと
「今回は、ずばりかくれんぼだ!一人の鬼とその他がフィールドに散らばり、見つけたら攻撃して捕まえるっていうルールだな!」
「これは俺が鬼になったら無双できちゃうかも?燃えてきた~♡」
「…ま、頑張るか」
ーーーそして、時間は過ぎ…
「じゃ、今日の配信はこれで終わり!最後まで見てくれてありがとうな!」
と言って帝さんは配信を閉じ、俺も同じタイミングで配信を閉じた。
メンバーに言ってこちらに来た帝さんは
「いや~今回もありがとうな、ミヨさん」
と言ってきた。
「こちらこそありがとう、帝さん」
「いつも言ってるけどアキラでいいって。
それにしても毎度思うけどどうやって乃依の不意打ちを防ぐでもなく避けてるんだ?
結構な頻度で避けてたからあいつ珍しくムキになってたぞ?」
と聞かれたため、俺も苦笑しながら
「まあ、"目"がいいんでね」
と返した。
「そんなレベルじゃないと思うんだがなー。ま、いいか、とりあえず今日はここらで失礼するわ」
「ああ、またよろしく」
そう言って帝さんは退出していった。
「さて、俺も出るか」
「あ、いたいた!お~い、ミヨ~!」
と、誰かが声をかけてきた。
「この声は…ヤチヨか
珍しいな、<ツクヨミ>で話しかけてくるなんて。
こんなところを誰かに見られたら炎上するかもしれないぞ?」
と言うと、ヤチヨは胸を張って
「ふふーん、このワールドには他に誰もいないから大丈夫なのです!
それにしてもヒドいなー。私に会わずに帰ろうとするなんて」
「いつも会ってるだろ…」
とヤチヨの様子がおかしいことに気が付かずに返すが、ヤチヨの目を見てすぐにやってしまったことに気づいた。
「へえー、そんなこと言うんだー。私のことを本当の意味で理解しているあなたが?」
と、こちらを黒々としたすべてを吸い込むブラックホールのような目で見ながら言った。
「いや、今のは失言だった。すまない」
「ううん、いいよ。」
と言ったが、少し空気が悪くなったままだったため、切り替えるために
「じゃあ、帰るか。今日の配信はどうだった?」
と言うと、ヤチヨは意図を察してくれたのか「今日はね~」と話し始めた。
しかし内心では、ヤチヨの先ほどの目を思い出し、心が限界に迫っていることを確信し、願わずにはいられなかった。
"どうか一刻でも早くあの
と。
昨日2話だけ投稿したと思っていたら3話とも昨日投稿していたど素人ことあさらこです。
昨日初めて感想をいただき、面白いと言ってもらえてめっちゃうれしくなりました。
ありがとうございます。
幕間で書いたちょっとした"仕掛け"について、わかる人はわかるんじゃないかな、と思います。
結構露骨に出していると思うんですが…どうですかね?表現ってムズカシイネ。
あ、あと幕間の最後のあれは
次の話題ー
超かぐや姫のオリ主ものはやっぱり少ないですね。まあ母数自体が少ないんですが。
あさらこが書き始めたのはそう言ったところも理由にあるので、というか大半なので誰かいっぱい書いてくれねえかな、と思ったり。
今話も見てくださってありがとうございました。
それじゃ、また気が向いたときにでも。
…なんか今回湿度高めだったな
解釈違いだったらすんません