side:ミヨ
かぐや達がヤチヨカップで優勝し、引っ越しをして数日後。
俺はヤチヨに<ツクヨミ>にあるプライベートルームに呼び出されていた。
何の用かと不思議に思いながら行くとそこにはヤチヨのほかに、いろはとかぐやもいた。
「あれ、ミヨ!?ナンデ!?」
「な、なんでミヨさんがここに…!?」
「あー、うーん、その、だな…」
何と答えたものだろうかと考えていると、ヤチヨが
「やっちょが呼んだんだよー☆ミヨ、ごめんね~急に呼び出しちゃって」
「いつもは君付けなのに、呼び捨て…!?」
「い、いやそれはいいんだが…。なんでいろはとかぐやがいるときに呼んだんだ?」
「それはね~、二人には、私たちの関係を伝えるべきだと思ったの。」
「俺はヤチヨがいいならいいけど…。一応聞くけど大丈夫か?いろは…って」
「ミヨさんどういうことか説明してくださいはやくはやくはやくはやくまさか人に言えない関係だっていうんですかゆるせないゆるせないゆるせないゆるせないゆるせないゆるせない……」
「また怨霊になってる!?い、いやいろはが思っているような関係じゃ」
「そうだよいろは!私たちはいろはが思ってるよりもっと進んでるんだから!」
「みぎゃーーーー!?」
「いろはが倒れた!?」
「…からかうのはそこまでにしとけ、ヤチヨ」
「ちぇーっ、わかりましたよー。ほんとはね、ミヨは<ツクヨミ>できる前からの古い知り合いでね、いろいろと手伝ってもらってるの。」
「ほ、ほんとですか…?ミヨさん…」
いろははまだ脳破壊から脱せていないのか、光のない目で問いかけてきた。俺は怯みつつも、
「そ、そうそう、そうなんだよ!この前まで配信でコラボすると炎上すると思って関わってこなかったんだ」
「じゃ、じゃあそういうてえてえみたいなことは何もないんですね…?」
「………ぽっ♡」
「ミヨさんの嘘つきーーー!」
「俺何も言ってないんだがーー!?」
そう言って暴走するいろはをなだめるのであった。
決め手はヤチヨからの「いろはも同じくらい好きだよ!」という言葉と、ハグされたことによってキャパオーバーでの気絶だった。
そしたら今度はかぐやが怒り出し、騒ぎはさらに十数分続くのだった…。
ちなみに、
「まったく、なんであんなことしたんだ?」
と呼んだ理由を聞くと
「だって、二人からミヨの話がたくさん出てきて、私も自慢したかったんだもん…」
ということだった。
ーーー
あの一件からさらに時が過ぎ、ついにコラボライブの日がやってきた。
俺は会場に一般客としてライブが始まるのを待っていた。
そして、ついに幕が上がる。
「ヤオヨロー!みんなー!生きるのどうですかー!
いいことあった?それとも泣いちゃいそう?
…よしよし、全部大丈夫。
どんなに孤独な道のりでも、楽しかったなーって思い出が、足元を照らすよ。
それに、孤独だと思っていても、そばにはきっと支えてくれる人がいるから。
私たちはこの世界に一人ぼっちなんかじゃないんだよ。
…この瞬間も、忘れられない思い出にしたいから。みんな、一緒に踊ってくれる?」
そう言って、ライブが始まった。…あの前口上には、ヤチヨのこれまでが込められていた。
そうだよな、ヤチヨはこの瞬間、この思い出のために頑張ってきたんだもんな。
「…思いっきり楽しめ、ヤチヨ」
俺は万感の思いを込めてペンライトを振った。
ライブは、あっという間に過ぎて行った。
side:いろは
「みんなー!ありがとーっ!」
ライブが終わり、<ツクヨミ>中が熱狂に包まれる中、ソレは突然現れた。
まるで人形のような、頭が豪華な行燈のような、そんな違和感がカタチを得たような、そんな何かが。
ソレはかぐやに触れたかと思うと、かぐやは電池が切れたように座り込んでしまった。
私は攻撃したが、切ったところから謎の液体が出て、怯んでしまったところを囲まれてしまった。どんどん包囲を狭めてくる人型に対して焦っていると…
ゴゴゴゴゴゴゴ……!!!
「おい、誰の許可を得て好き勝手している。なあ、異邦人…!!!」
という、大気を震わせる怒りの感情が多分に含まれた声とともに、私たちを守るように周りをお札が回り始め、人型を吹き飛ばした。
ふと顔を先ほどの声のほうを向くと、そこにはとても怒っている様子のミヨさんがいた。
どうやらかぐやが触られたあたりで全速力できたらしい。
吹き飛ばされても立ち上がったり、増殖して向かって来ようとする人型に相対しながら
「ヤチヨ」
とミヨさんが呼ぶと、
「はいはい、おまかせあれ!そこの君たち、オイタはだめだよー!」とヤチヨが意思を汲んで指で何かを弾きながら人型を消滅させてくれた。
そして続けてヤチヨが残った人型に「まだやる?だったら私たちが相手になるけど」とミヨさんのほうを見ながら言うと、人型は驚くべきことに、それ以上抵抗することなく「モウシワケゴザイマセンデシタ…」と日本語を話しながら頭を下げ、消えて行った。
…見間違えじゃなければミヨさんのほうを向いて震えていたような…?
「かぐや、かぐや…反応なしか。いったん現実に戻ったほうがいいな。いろは、頼めるか?」
「わ、わかりました!」
私は急いで現実でかぐやを起こそうとスマコンを取った。
こうして、私たちの集大成ともいえるライブは、波乱の中で幕を閉じたのだった…
どうも、ど素人ことあさらこです。
今回はライブシーンを丸々飛ばしてキリのいいところまで書いたので少し短めです。
人型が震えていたのは、(彼らは知りませんが)地球の化身なミヨ君がガチギレしており、もしかしなくても本気で消滅の危機であったためです。原作の描写を見ていると、彼らには死の概念がない様子だったので、急に死を直観させられてビビってしまった感じで書いてみました。
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ついにリクエストの期限が終わりました。リクエストしてくださった方々、どうもありがとうございました。
ていうか、いつの間にかお気に入り200件超えていて飛び上がりました。
なんか急に多くの人の目に留まるようになったんですかね…?
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どうやらあさらこは、原作をそのまま絡めた書き方が苦手なようで、前話も今回もちょっと個人的に満足いく出来ではないです。申し訳ありません。
それでは今回はここまで、感想や質問など、送ってくださるとうれしいです。
それじゃまた、気が向いたときにでも。
ミヨ君、めっ!月人さんたちが怖がってるでしょ!