超かぐや姫!〜地獄の付添人を添えて〜   作:あさらこ

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ああ…なるほど。そういうことだったのかあ。


第14話

side:ミヨ

いろはがかぐやと一緒にいたいとみんなに協力を頼んだ日から何週間かが過ぎーーー

ついにかぐやの卒業ライブの日がやってきた。

俺はかぐやを連れて、ヤチヨとライブ会場の下見にやってきたのだった。

 

 

「…ここでライブするんだー…!」

と流石に圧倒されている様子のかぐやに対し

「いろはの希望でねー☆」

「ヤチヨ!」

と、答えながらやってきたのは運んできた直後におそらくスタッフと打ち合わせにどこかへといなくなっていたヤチヨだった。

ヤチヨは、犬DOGEを撫でまわしながら、「君には、ご迷惑をおかけしますね~」と言い、

こちらにも目線を投げてきた。

俺は、苦笑しながら小声で「迷惑なんか掛かってないよ」とつぶやいた。

かぐやは、俺の言葉は聞こえていなかったようで、ヤチヨを見て「わたしがヤチヨだったら、もっと虜にできたのかな」と舞台から見える景色を見ながらポツリと言った。

俺はそれを聞いて、いろはに対する思いだと感じ、思わず「それは違う」と言いかけたが、それよりも早くヤチヨが口を開いた。

「ノンノン☆かぐやじゃなきゃできなかった!…行ってらっしゃい、かぐや。かぐやならぜ~んぶ大丈夫!やっちょが保証しちゃう!」

とどこか実感を含んだ言葉に、かぐやは

「ちょ~無責任!…だけどそのノリ、割と嫌いじゃなかった!」

と、強気な元のかぐやに戻ってそういうのだった。

 

ーーー

「ただいまー☆」

「見送ってきたぞ、いろは」

と、控室に戻ってきて、その場にいたいろはにそう言った。

「あ、ヤチヨ、ミヨさん。おかえり、かぐやの様子はどうだった?」

「喜んでたよ。燃えるーってさ」

「すごくワクワクしてたな」

「そっか。ありがとう、二人とも」

「どういたしましての板挟み~☆」

「こんなことくらいなんてことないよ」

と、いろはに返した俺たちだったが、いろはが何か思い詰めているような表情をしていることに気が付いた。

いろはは、俺たちに向かって

「もし私がヤチヨだったら、もっと虜にできたのかな」

と先ほどのかぐやと同じように聞いてきた。

ヤチヨは「え…?」と目を見開いて固まった。

すぐにいろはが変なことを言ったと謝ったが、

ヤチヨは「ううん、大丈夫。ただ、少しびっくりしちゃっただけ。両想い…だったんだね」

とほほ笑んでいたが、俺には泣きそうになっているように映った。

 

 

『各所、準備OKです』

と、ライブ開始のメッセージが表示される。

とそこでヤチヨが

「ごめんね、やっちょはここから先にはいけないことになってるんだ」

と言うと、いろはは

「そういう運命だから?」

と聞く。

ヤチヨは苦笑して「いろはなら…大丈夫!」

とエールを送り、いろはを送り出すのだった。

…そこでいろはが俺を見てきたが、俺は

「すまん、ちょっとヤチヨと話したいことがあってな。先に行っててくれ」

と言うと、いろはは苦笑しながら

「遅れないでくださいね、ミヨさん」

と言いながら先に会場に向かって行った。

 

「さて、ヤチヨ?ここなら他に誰もいない。今なら泣いても大丈夫だ」

と言うと、ヤチヨはこちらに抱き着いてきて、泣きながら

「ミヨ…!いろはがああいう風に思っていてくれたなんて、わたし知らなかった…!

ああ…!私たちが旅してきたこれまでは無駄じゃなかったんだね…!」

と言ってきた。

…そうだ。ヤチヨ(かぐや)は今までいろはと再会するために頑張ってきたんだ。あの言葉は、きっと今までのすべての苦痛、辛さが報われるような言葉だったに違いない。

「よかったな、ヤチヨ」

 

「さて、じゃあ俺も行くかな」

「うん、頑張ってきてね!ミヨ!」

そうヤチヨに背中を押されて俺は会場へ向かう。

…俺たちは、この行為が徒労に終わると知っている。だけど、それが諦めて何もしない理由にはならないーーー!

 

ーーー

side:???

ライブ開始直前、聞きなじみのある声が響く。

MCを務めるのは、忠犬オタ公だった。

『何という急展開!突如現れたフリーダム、超新星のかぐやの卒業ライブ!泣いている場合じゃないぞ、最後のファンサだ!目に焼き付けろ!!!』

と涙交じりの声に負けじと、会場中から歓声が響く。

そしてスポットライトが中心を指し、現れるはーーー今日の主役、かぐやだ。

かぐやは舞台の中心へ進み、

「みんな、ありがとぉーーー!!!今日でお別れみたいなんだけど、悲しくはしたくないんだ!みんなでお見送りして、ハッピーに卒業させて!」

と言う。

ファンはそれに涙を流しながら歓声を上げ、いよいよライブが始まるーーー

と思った瞬間、大きな桃が七つ、落ちてきた。

かぐやのほうを見るが、かぐやも想定外なのだろう、目を見開いている。

桃の中から現れてきたのは、かつてしのぎを削った黒鬼と、あまり知らないがインフルエンサーの二人、そしてかぐやといろPのリアルでの知り合いだという葦原ミヨ。そしてそして、かぐやの相棒のいろPだった。

インフルエンサーの二人、そしてかぐやといろPのリアルでの知り合いだという葦原ミヨ。そしてそして、かぐやの相棒のいろPだった。

 

side:彩葉

「かぐや…ライブの余興だと思ってよ。私たちは私たちで精一杯やるから。万が一勝っちゃったら、『Luna』でミヨさんや、みんなと一緒に全部のせのパンケーキ食べよ」

「もちろん、何枚でも食べていいぞー」

私とミヨさんがそう言うと

かぐやは涙を浮かべながら

「そっか…そっかぁ・・・!みんな、自由だーーー!」

とひまわりのような笑顔で言うのだった。

 

かぐやが歌い始めると、月人たちが空に数百の花の中から出現した。

ミヨさんは初手から「招来」を使って数を大きく減らしてくれ、黒鬼や二人も善戦できていた。

しかしーーー段々と強くなっていくだけでなく、すさまじい勢いで数を増やしていく月人を前に、仲間たちは次々とやられていってしまった。

 

そして、かぐやの元に月人が集まっていくのを見て、私もかぐやの元へ走った。

でも、周りを月人に囲まれてしまって動けない私を見て、

かぐやは船のようなものに乗り、月へ帰ろうとしていた。

かぐやが何かを言っているが、聞こえない。

待って、待って、待ってよ…

「待ってよ!!かぐや!」

私がそう叫ぶとーーー

 

「ああ、そうだ。帰るには、まだ早い」

はっと横を見ると、そこには、ぼろぼろの姿をしたミヨさんがいた。

ミヨさんはかぐやのほうを見て、自分の姿を見ると

「ああ…なるほど。そういうことだったのかあ」

と苦笑して言った。

 

…?月人たちが、ミヨさんのほうを一斉に向いている…?今まで眼中になかったみたいなのに、なぜ…?あれは、警戒している…?

 

ミヨさんは、何度もうなずくと

「さて、それじゃあこれから…」

と言葉を溜め、言った。

「みんな、俺の人生の終わりに付き合ってもらうぞ…!」

と、その体から花弁を散らしながら。

 

 

………ミヨ……?

こんなことは私の時にはなかった…

一体、何をしようとしているの……?」




どうも、ど素人ことあさらこです。

うーん、やっぱり戦闘シーンを書けないですねぇ…
みなさんどうやって書いてるんでしょうか…?

次の話題
あさらこは闇落ちしました。

それでは今回はここまで、また気が向いたときにでも。


(^^)
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