side:彩葉
「人生の、終わり…?何を言ってるん、ですか…?」
突然のミヨさんの発言に、私は正直「かぐやが帰りそうなのに何を言っているんだこの人は」と内心で思った。
すると、
「そうだよな、いきなりだと何言ってるのかわからないよな」
とミヨさんが言った。続けて
「まあ、俺がこれから何をするかと言うと、だな…。簡単に言うと『現実改変』ってやつだ。
詳しく言うと…いや、見てもらったほうが早いかな」
と言って右手を上げ、グッと握ると、
「うええ、なんでわたしいろはのところにいるの!?」
「それはこっちが聞きたいよ…!…え、っと、今のはミヨさんがやったんですよね…?」
正直何が何だか、と言ったところでおそらくこの現象を起こしたのであろうミヨさんに聞くと
「ん?ああ、そうだよ。俺がやった」
とあっけらかんと言ったため続けて
「何をしたんですか…?」
と聞くと、かぐやも気になったのか
「そ、そうだよなにしたの、ミヨ!そ、そりゃあ助けてくれたのはうれしいけどさ!
なんかKASSENでダメージを受けてる時のエフェクトがずっと出てるんだけど!?」
というと、ミヨさんは衝撃的なことを口にした。
「それはそうだよ。だって実際、
「……え?」
「だって今、俺は俺の全存在をこの瞬間の全事象の固定のために消費している最中だし」
というぶっ飛んだ話が急に出てきた。
「ちょ、ちょっと待ってください!事象の固定!?それに全存在を消費!?
訳が分かりません、そもそもなんでそんなことができるんです!?」
と困惑していると、後ろから声が聞こえてきた
「今の話、ほんとなの…?ミヨ」
その声はヤチヨだったが、今までに聞いたことがないほどに声が震えていた。
「ああ、来たのか。ヤチヨ」
「質問に答えて!!!」
悲鳴交じりに叫んだヤチヨに、ミヨさんは苦笑しながら
「そうだな…何から話したものか。まず、俺は常々ヤチヨが幸せになる方法を探していた。
で、それにはいろはが必要不可欠だ。そうだろ、…この後八千年の旅をすることになる
ヤチヨがかぐや!?
その言葉に私は思わずヤチヨのほうを見た。しかしヤチヨはミヨさんに集中しているようでこちらの視線に気が付いていないようだった。
ミヨさんは続ける。
「そこで最初に考えたのは、そもそもの原因のこの後かぐやがこちらへ帰ってくる際にぶつかる宙にある「大きな石」を現実改変で消すことで、かぐやが八千年前に行くことを防ぐ方法だった」
「え!?待ってわたしそんなことになるの!?」
とかぐやが驚いて言うと
「そうだ、かぐや。そして長い時間をかけて君はヤチヨになる。
…でも、でも隣で見ていた俺はその先が地獄だと分かっているのに君を見捨てることがどうしてもできなかった。もし介入してしまえばパラドックスに巻き込まれて世界ごと消え去ってしまう恐れがあると分かっていながら、な」
そのあまりの愛の大きさに絶句してしまう。
「それで、さっきの話に戻るが、さっきの方法は不可能だということが分かった。パラドックスはもちろん、そもそも俺のこの権能が使えるのは地球の中だけだ。遥か彼方にある「大きな石」にはどうしたって届かない。
だから俺は、今この瞬間、かぐやと月人がいるときが最高のタイミングだと気づいたんだ。
地球内だったら月人にも俺の権能は使える。だから今やっているように「この場から消え、二度と地球に関連するところに来ることはできない」と改変してやれば、かぐやが自分で帰ること以外で月にもどることはない」
なるほど、確かにそれならば今この瞬間が適切だったのはわかる。
…だが、その前に聞かなければならないことがある。
「じゃあさっきミヨさんが言っていたパラドックスはどうなるんですか?」
「ああ、それが今俺が死にかかってることの話に戻るんだが。そのまま現実改変を使うとパラドックスが起きて世界ごと消える。だから俺は、自分自身を世界を固定する楔に変えたんだ。
なんでできるのかって?それは俺が、『地球の魂のデッドコピー』だからだ。
そんな俺が魂の一片まで自分を使って世界を固定する楔になるんだ。そりゃあパラドックスも起きない」
「で、でもそれじゃ、ミヨが消えちゃうじゃん!わたしを救ってくれたのにミヨがいなくなっちゃうんじゃ、そんなの全然ハッピーエンドじゃないよ!」
「それは大丈夫。世界の改変が終わればもともと俺はいなかったようにみんなの記憶も改変されるから。それに、ヤチヨもこの世界にみんなと一緒にいられるように存在を固定して肉体があるように改変する。ほら、それなら消えた人はいない。な?ハッピーエンドじゃないか。
…お、そろそろ改変が終わる。これでお別れかな」
「そ、そんな…」
そこで、ヤチヨが口を開いた。
「いや」
「
「いや、いやだよ!ミヨぉ!私を置いていかないで!
あなたがいなくなったら、私はこれから、どうすればいいの!?
ミヨがいないと、ミヨがいないとこれ以上生きる意味なんてないのに…!
本当の意味で、一人になっちゃう…」
「大丈夫。いろはやかぐや、君のファンもたくさんいる。もうさみしくなんかないさ。
…あんまり話すと、未練ができちゃいそうだしな。そろそろ行くよ。
ごめんな、
…大好きだったよ」
と言いながら、笑顔で月人と一緒に花弁になって、ミヨさんは消えた。
「…!ミヨ、ミヨぉ!うああああああああああああああああ!!!!!」
ヤチヨの泣き声がその場に響き渡る。
グワン…
急に世界が回る感覚に私たちは気を失うのであった。
そして、起きたころにはーーー
「あれ、なんで私、泣いてたんだろう…?」
私たちは、何があったのかも忘れ去っていたのだった。
その瞬間まであった、大切な人との顔も、声も、何もかもを。
どうも、ど素人ことあさらこです。
いやあ、自分が書きたいものを書ききった後ってすっきりしますね!
めっちゃ楽しかった…!
え~、捕捉しますと、今回のミヨ君が行ったことはいつぞや私が語った
バッドエンドに似たものです。
変更点としては
・バッドエンドとは違い、輪廻が終わる直前ではなく、月人の襲来というそもそもの原因を排除した
・ヤチヨをかぐやからの地続きの存在でありながら、個人として肉体を与えて存在を確立させた
と言ったところでしょうか。
色々な矛盾はミヨ君が楔となって事象を固定しているので、強引に押し通されます。
あと、これでかぐやはループから脱却しました。
よーし、これで輪廻は壊れてかぐやが八千年前に行くことは無くなったし、ヤチヨも一個人として存在が確立したし、いろははかぐやがいなくならなくてハッピーだしでヤチヨもかぐやもいろはもッピーエンドに連れていけましたね!
それでは今回はここまで、また気が向いたときにでも。