超かぐや姫!〜地獄の付添人を添えて〜   作:あさらこ

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そして彼のものは接触を図る。


第17話

side:彩葉

今日はなんと…なんと!あのヤチヨと!ついでにかぐやと家でご飯を一緒に食べる日なのだ!

ちょっと興奮して昨日は一緒に寝ていたかぐやに「はよ寝なさい!」と怒られてしまうまで全然寝付けなかった。

そして今!私とかぐやはヤチヨと合流してご飯の買い出しをしているのである!

もちろんかぐやとヤチヨは有名人のため、変装をした状態で。

「ヤチヨ、今日は何が食べたい?」

「ん?二人が食べたいものでいいよー」

とどこか遠慮しているヤチヨに、私は言った。

「そんなこと言わずに、ね?今日がヤチヨと初めて食べるご飯なんだから、ヤチヨのリクエストも欲しいな」

「ん~、そうだなー…。あ!じゃああれ食べたい!オムライス!」

「オムライスね、了解。ちなみにもっと豪華なのでもよかったのになんでオムライスなのか聞いてもいい?」

と聞くと

「だって、わたし(かぐや)に初めていろはが作ってくれたのがオムライスだったでしょ?」

と照れたようにはみかみながら言う。…~~~~~!!!!

「わ!いろは、だいじょぶ!?鼻血出てるけど!」

閑話休題。

 

「あ、危なかった…。あのまま天に召されるところだった…」

「ほーんとにいろはってばヤチヨのこと大好きだよね~~~…」

とかぐやがむくれながら言う。ごめんて。

そうしてその後、オムライスの材料を作った後、

かぐやとヤチヨがキッチンに立ってオムライスを作ってくれた。

ヤチヨは「八千年ぶりだから不安だあ~~」とおっかなびっくりだったが。

 

「おいしかった~~!やっちょは大満足です☆」

そうヤチヨが言う。しかし、ヤチヨはどこか釈然としない様子でいる。

「ヤチヨ…?」

わたしが名前を呼ぶと、ヤチヨは意を決したようにこちらに聞いてきた。

「さっきのオムライスの話なんだけどね。…いろは以外にも思い出があったんだ。

あったはずなんだけどね。なんでか思い出せないんだ。

それだけじゃない。わたしが過ごした八千年にも誰かがずっといてくれたはずなんだ。でも思い出せないの…誰がいたのかも、どんなことがあったのかも。……二人はそんなこと、無い?」

そう聞かれとっさに「無い」と言いそうになったがーーー一つ、あった。

「私も、あるよ。ヤチヨ。私の場合は、バイト先に行こうとすると、全然関係のない空き家に行ってしまうことかな。しかもそこに行くと必ず泣いちゃうんだよねー。」

と言い、続いてかぐやが

「かぐやもあるよ!わたしはこの料理のレシピ!どこで手に入れたのかまるで覚えてないんだよね…。ネットにも載ってないし、かといってわたしが自分で考えたのだとしたら、覚えていないのがおかしいし…」

そうみんなが言って、悩んでいると…犬DOGEとFUSHIが同時に「ピピッ」と音を立てた。

「「お?あのデータの解析が終わったのかな?…もしかしてかぐや(ヤチヨ)も?」」

と二人が異口同音で言うけど、私には何が何だかまるで分らなかったので

「ふ、二人とも、何を言って…?」

「あ、ごめんねいろは。や、なんかFUSHIの中にすっごく大きいデータがあってね。解凍してもらってたんだー」

「かぐやも同じー。でもこっちはそんなに多くなかったねー。」

二人の作ったAIになんでそんなデータが急に…?

「うーん、じゃ、スマコン付けて開いてみよっか☆」

「そうだね!」

「ちょいちょい、大丈夫なの?」

「んー。じゃあかぐやのだけ開けてみる?多分そんなに多くないはずだし」

と言うと、かぐやは「そうだねー。よいしょっと」とデータを空間内に出し始めた。

「さて、どんなデータなのかなーっと……え?」

 

警戒しながらデータを見る。これは…写真や動画?それにこれは、かぐやの視点?

でもおかしい、どの写真や動画にも覚えはあるのに、そこに知らない男の人が写ってー…

「ミヨ…?」

「あぐっ!?」「うあっ!?」

思わずと言ったようにヤチヨの口からこぼれた名前を聞いた瞬間、頭に強い痛みが襲った。

横を見ると、かぐややヤチヨも頭を押さえてうずくまっていた。

 

やがて頭痛が収まると、私たちは思い出していた。「葦原ミヨ」と名乗っていたあの人のことを。

ヤチヨはあまりにもショックだったのか、ソファに横になって「ミヨ…ミヨぉ…」と泣いている。

かぐやもヤチヨに寄り添ってうつむいている。

それはそうだ、最後に見た光景はそれだけショッキングな光景だった。

自分が地球の魂だと言ったあの人は、帰ろうとしたかぐやを私たちの元に戻し、自分を犠牲にすることで月人がもうこちらに来れないようにし、ヤチヨにも肉体を与えたうえで自分の記録をすべて抹消していたのだ。…本当に、自分勝手すぎますよ、ミヨさん。

 

そうしてその場にいる全員が黙っているところで、犬DOGEの端末からまた音がした。

何かと思って見に行くとそこには「『Luna』に来いーー葦原ミヨ」という一文だった。

「ねえ二人とも、これ見て!」

と言って見せると、それまで虚ろになっていた目に、次の瞬間には光が宿っていた。

「これって…ミヨが送ってきたってこと?」

「いや、それはわからない。そもそもミヨさんはこんな口調じゃないし、もしかしたら罠かもしれないけどーーーどうする、ヤチヨ?」

とこの中で一番付き合いのあるであろうヤチヨに聞くと

「行く。ミヨに関するたった一つの手がかりだから」

と即答で言ってきた。

「わかった。それなら、今日は寝て、明日の朝行きましょう。多分時間は関係ないし、こんな夜遅くに行ったらそれこそミヨさんに怒られちゃうよ。」

と言って次の日に行くことにしたため、その日はそれぞれ考えを整理するため、眠るのだった。

 

ーーー翌日

「さて、行こうか。みんな、準備オッケー?」

「うん」「いつでも」

「よし、それじゃあ出発!」

と意気込んで言ったが、家と『Luna』は割と近くにあるため、すぐに着いた。

そして、扉を開けようとしたところでーーー

「そのまま開けようとするのはおやめなさい」

という声が響いた。

バッ!と振り向くとそこには、以前助けたおじいさんが立っていた。

「ええっと、あなたは確か…」「大吾郎くん?あなた、なんでここにいるのかな?」

思い出そうとして、ヤチヨが知り合いだったのか名前を呼んで質問した。

ヤチヨは、ミヨさんのことで焦っているのか若干言葉にトゲがあった。

「お久しぶりです。ヤチヨーーーいえ、かぐや様。

なぜ、と言われましても。私は私の役割を果たしているにすぎません。

……酒寄彩葉さま。あなた、石を持ってはいませんか?

それがあれば、その家に施されている封印を解くことができるのです。」

 

と言われ、そういえばと無意識に持っていた石を取り出した。

さっさと店に入ろうと石を近づけようとすると、大吾郎さんから声がかかった。

「お待ちください。最後に一つだけ。ミヨさんは自分が消えた後あなた方が苦しまぬようにと自身の存在が消えるように仕向けた。ですが、あなた方はその気遣いを無下にしている。それは、良いのですか?」

そう問われると、私たち三人は

「…大吾郎くん。私はね、ミヨがいないともう生きていけないの。たとえミヨが幸せになってほしいと願っていたとしても、ミヨがいなければ意味がないの。だから、私は行くよ。」

「わたしはそこまで重くないけど…。ミヨがいないとハッピーエンドにならないの!そのことをわからせるために私は行くよ」

「あの人には恩があります。まだ返してもいないのに押し売りされるだけされて、いなくなられては困るんです」

と答えた。

その言葉に満足した様子の大吾郎さんは

「うむうむ。ならば行くがよろしい。…あの人にはわしも恩があるのです。どうか、よろしくお願いします」と頭を下げてきた。

その言葉にうなずいた私は、石を扉に近づけた。すると…「キンッ」という甲高い音がした。

石はいつの間にか消えていた。

私は二人と目を合わせ、扉を開けた。

すると、中にはーーー

『ふむ、来ましたか。酒寄彩葉、かぐや、そしてアレと八千年を生きたかぐやーーーいえ、今は月見ヤチヨと言ったほうが良いでしょうか?』

と、ミヨさんの姿をしたナニカがカウンターに座っていた。

 

そしてこちらに言ってきた。

『さて、あなた方にはある選択をしてもらいに来てもらいましたが…その前に自己紹介でもしましょうか。私は今現在あなた方が踏みしめている大地そのもの、つまりはこの惑星、あなた方の言うところの"地球"の意思です。

ーーーあなた方は、アレを…葦原ミヨを復活させたいですか?』

 

とーーー




どうも、ど素人ことあさらこです。
いやー、大吾郎さん大好き♡
さて、今回はついに大本が出現しました。
古来より死者をよみがえらせるには試練がつきもの。
そして、神話ではことごとく失敗に終わっていますが…はてさて、どうなりますかね?

あと、あさらこの表現が下手で誤解されてる方がいらっしゃるかもしれませんが、ミヨ君は自分の存在(権能や肉体、魂)を消費して楔に変えたので、ミヨ君自身は楔になっていません。
イメージとしては「MPが足りないからHPを消費して魔法を使った」の究極版ってところですかね?

それでは今回はここまで、また気が向いたときにでも。

次回、もしくは次々回から地獄付き添い編、開幕…!

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