超かぐや姫!〜地獄の付添人を添えて〜   作:あさらこ

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俺はどれだけ、傷つくかぐやを見ればいいんだろうな。
※グロ注意です。苦手な方はブラウザバックをお勧めします。


第19話

side:ミヨ

俺という存在の罪深さを自覚した時よりまた二千年ほど後、それまでもかぐやと俺は様々な人たちと出会い、打ち解け、そして別れを繰り返して言った。大概は喋るウミウシを前に上位存在だと崇め、それを連れている俺はそのしもべだと思われることが多かった。そして天候などを操れはするが、通常状態だと封じられていて使えない役立たずの俺とは違い、かぐやはどうやら天候を予測することができるらしく、まさに上位の存在として崇められていった。

しかし、そんな便利だが力のないものは、往々にしてよからぬ輩に狙われるものである。

 

とある集落に逗留していたある夜、かぐやを連れ去ろうとした輩が5人ほど、かぐやと俺が住む住居に侵入してきた。

かぐやもそうだが、俺も非力そうな見た目をしていたことが原因でもあったのだろう。

石でできた斧や黒曜石の槍などで俺たちを脅した。

怯えているかぐやを見た俺は、何とかしなくてはと思い、初めて自分で人を殴った。

 

ーーー破裂した。俺の力が通常の人類の範疇に無いことを知っていた俺は、普段は常人に見えるように繊細に力を制御していた。しかし、それまで崇められるか、みんなで助け合ってきた経験しかなかった俺は、初めて誰かに害意を向けられたことや、かぐやに危害が及ぶことを恐れた俺は知らないうちに力の制御が利かなくなっていたのだろう。

その後は地獄だった。一人が破裂して死んでいるというのに、目先の欲にとらわれた醜い人間たちは次々と襲い掛かってきた。あるいはそうすることで目の前の化け物への恐怖から逃げようとしたのだろうか。俺ももう人を殺したことで感情が、考えがぐちゃぐちゃになって気づいたころには俺は血まみれで、あたりには哀れな人だったものが転がっているだけだった。

 

俺はその状態のまま、かぐやに近づこうとして、かぐやからの「来ないで!」という怯えの混ざった言葉を受け、立ち止まった。ーーー考えてみれば当然だった。かぐやから見れば、俺は多分人をなんのためらいもなく虐殺する化け物のように映っただろうから。だから俺は、他にかぐやをさらおうとする輩が来ないか朝まで見張り、朝日が昇ったのを確認して、その場から逃げ出した。

どこでもよかった、かぐやから離れられれば。だから近くの山に入っていき、そこへ籠った。あまりかぐやから離れていない距離に留めてしまったのは、やはり自分がかぐやを監視するための存在だからだろうか。そう自嘲気味に笑っていると、かぐやが山の麓にほかの人間を連れてやって来ていた。俺を探しているのだろうか。だが、俺は自分が怖かった。いつまたあのような惨劇を作り出さないか。そしてそれをかぐやに見せてしまわないか。

 

そうして何か月かが過ぎ、冬になって雪が降りだした。

流石にもう来ないだろうと思ったが、一応確認してみると、かぐやが雪に埋もれながら来ているではないか。

俺は慌ててかぐやを救い出し、住んでいた洞穴へ連れて行った。

そうして(あちらからすれば)数か月ぶりの再会に、俺が何を言えばいいのか迷っていたところ、

かぐやが「ごめんなさい!」と謝ってきた。

その言葉を聞いたとき、俺は不思議に思った。そして「なぜ謝るのか。どう考えても悪いのはかぐやの前であんな惨状を作り出した俺だ」と問うと、「それでもあれは私を守るためにやってくれたことで、感謝しなくちゃいけなかったのに拒絶しちゃったことはいけないことだった」と言った。

俺はその言葉を聞いて、「ああ、かぐやに重荷を背負わせてしまった(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」と思った。かぐやは本当は俺のような化け物など怖くて仕方がないに違いない。それでも俺を思って謝ってくれたのだ、と。

この出来事があって、より一層罪の気持ちが強まった。

ーーー早く、早くあの終わりよ来てくれ。

そう願わずにはいられなかった。

 

あの洞穴で生活して一年ほどが過ぎた。かぐやが「そろそろあの集落に戻らないといけないね」

と言ってきたため、集落に戻ることになった。初めは俺みたいな化け物が戻って大丈夫だろうか?と俺は戻らないほうがいいのではないか。そう思っていたが、かぐやから「むしろ強い用心棒がいてくれて安心だ、ってみんな言ってたよ」と言われたため、集落に戻る決心をした。

そうして、みんなが待つ集落へ戻るとーーー

 

地獄が広がっていた。

みんな死んでいた。どこもかしこも生きている人なんていなかった。

どうやら別の集落の人間が来て物資を奪おうと戦を仕掛けてきたようだった。

でも、一人だけ生き残りがいた。茂みの奥で男の子が震えながら隠れて泣いていた。

そして、俺たちがいると気が付くと、近づいてきて、光のない目でこう言ったのだ。

「なんでもっと早く来てくれなかったの?お前たちがもっと早く戻ってきていればみんな今日も生きていたかもしれないのに」と。

その言葉に俺とかぐやは打ちのめされた。そして後悔した。もっと早く戻ってきていたら、俺(私)が自分(ミヨ)の力に怯えていなければこんなことにはならなかったのではないかと。

 

生き残りの少年は、次の日の朝にはいなかった。

多分、一人でどこかに消えたのだろう。俺も、かぐやももう探す気力なんてなかった。

その後、俺は気力がない中で、集落の人たちの亡骸を埋めた。その後、かぐやと祈りをささげた。

次はちゃんと最後まで幸せに生きられますように、と

そんな中でかぐやが俺にすがるようにこう言った。

「ミヨは私の前からいなくならないよね…?」と。

 

俺はあの終わりが、かぐやを置いていく未来であると知っていたが、嘘をついた。

「ああ、俺はかぐやの前からいなくならない。約束するよ」と。

その後、俺たちは何もなくなった集落を後にした。

 

まだまだ地獄は続く。




どうも、なぜか曇らせ描写になった途端有り得ないくらい筆が進んだど素人ことあさらこです。

おかしい…あさらこはハピエン厨のはずなのに…
ま、まあ、原作のかぐやちゃんはこんなことにはなっていないと思うので、みなさん安心してください。

あと、今回から3つほどタグを増やしています。
前書きなど、注意をよく読んでから読むようお願いいたします。

ちなみに、今回の描写にあったミヨ君の力の封印ですが、主に現実改変が使えなくなっています。膂力など、体に元々身についているものは封じられていません。「魔法は使えないけどステータスはそのまま」という例えで合っているでしょうか?
未来視、魂を見る目は目自体に宿っている体質のようなものなのでノーカンです。

それでは今回はここまで、また気が向いた時にでも。

この章の話、果たして需要あるんだろうか…
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