…あ、今回で一応最終回らしいですよ。』
side:彩葉
ふと、意識が浮上していくのを感じる。目を開けると、そこは<ツクヨミ>に初めてログインするときに訪れた、あの水面と鳥居だけが存在している場所だったが、様子がおかしい。
鳥居は朽ち、水面は下が見えないほど暗く、空は雲に覆われている。
そして、その朽ちた鳥居のそばに人影があった。あれは、間違いない。ミヨさんだ。
「ミヨさーーー」「来ないでくれ」
ミヨさんの名前を呼んで近寄ろうとすると、ミヨさんに拒絶された。
「ミヨ…?なんで…?」
そう、ヤチヨが声を震わせながら言うと、ミヨさんもまた、声を震わせながら言った。
「三人とも、あいつから聞いたし、俺の記憶を見ただろ…?俺は発生したことから罪があった。誰が何と言おうと俺がそう感じているし、なにより俺はあの終わり方に満足しているんだ。みんな勝手に自分を使って消えた俺のことを忘れて、幸せに暮らせる。
…それでいいじゃないか!俺はかぐややヤチヨ、いろはのことを守ることができて幸せ、後のことは大吾郎に任せた!これのどこが、ハッピーエンドじゃないっていうんだ!?」
段々と感情が昂ったのか、ミヨさんが声を荒げて言うと、ヤチヨがミヨさんの方へ歩いて行ってーーー殴った。………殴ったあ!?
「ミヨが…ミヨがいないじゃない!!!ミヨのことを忘れる!?八千年も一緒にいたのに、あれだけ二人で旅をしてきたのに、あの大きすぎる空白に、なんの違和感もなく忘れることなんてできるワケないよ!それに、なんで自分はいてもいなくてもいい存在のように語っているの!?あなたがいなくちゃダメなの!あなたが…ミヨが!いなくちゃ私たちは幸せになんてなれないの!
……いなくなるなんてやめてよぉ…。おいていかないで…。独りにしないでよぉ…。」
「ヤチヨ…」
殴ったことに私たちが動揺しているうちに、ヤチヨが声を荒げてミヨさんに怒っていたが、段々と涙声になり、最終的にはミヨさんに抱き着きながら泣いてしまった。
そうしていると、ミヨさんはおろおろとしながら
「だ、だってヤチヨ…かぐやは今までいろはと再会するために頑張ってきたんじゃないか。ならその望みが果たされたのなら、いろはと居ることができればそのままハッピーエンドに行けるんじゃないかって思って…いろはさえいれば俺は用済みだなって、いろはになら全部任せられるなと思ったからああしたんだが…」
「ミヨさん…。あのですね、誰かがいれば他は全部いらないなんてことはありません。ミヨさんが私の代わりになれないように、私もミヨさんの代わりになんてなれないんです。
…そもそも、誰にも相談しないで勝手に消えるなんて、しないで、くださいよぉ…」
「いろはまで!?…ご、ごめんな?俺が悪かったな?」
「それは本当にそうだよ!ミヨ!…わたしだってミヨのこと思い出したとき、本当に、本当に悲しかったんだからあ…!」
「かぐやも!?……わ、わかったから、ちゃんと現世に戻ってみんなと一緒に生きるから!」
「…本当に?私たちに泣かれたからじゃなくて?」
私たち全員が泣いて、おろおろしていたミヨさんは現世に戻ると言ってくれたけど、ソレは果たし
てミヨさんが望んで言ったことなのか疑ってしまう。
ヤチヨが代表して聞くと
「…俺に価値はない。みんなにこんなに泣かれた今でもそう思ってる。でも、それでも、ここまで俺を助けに来てくれたみんなを見て、こんな俺でもいていいんだ、って少しでも思えるようになりたいんだ。」
そう言って、優しく笑った。
そうして、私たちが泣きやんで落ち着いたころ、頭上から声が聞こえてきた。
『ふふふ…長い自己否定の時間は終わりましたか、私』
「ああ、そりゃあ見てるよな、俺。…まあな。こんなところに来てまで救おうとしてくれるなんて、俺は良い
ん?今、聞き捨てにできない言葉が出ていたような…
『友人、ですか?』
「ん?ああ、まあヤチヨ以外とは子供と大人で立場が違うかもしれんが、友人だろう?」
『ああー…。その、頑張ってくださいね、私。…あなた方もですが』
「ん?なにを頑張るって言うんーーーちょっと待って。なんでそんなに目に光がない状態でこちらに来るんですか三人とも!?」
「ミヨにはそろそろ本当に自覚させないとね…」「私もあんなこと言われたのに黙ってなんていられないよ…」「ふふふ…カクゴシテクダサイネ?ミヨさん?」
「ちょっ、なんかヤバい!俺、早くここから出してくーーーう、うわあああああ!?」
『はあ…。女心の理解は、あと何千年かかることやら…。さて、では戻しますよ。
あ、私は星の中にそのまま帰るので、戻った時には葦原ミヨの人格なのでそこはご安心を。
葦原ミヨの存在も、戻れば勝手にうまいこと世界の修正力でどうにかなるので心配いらないですよ。…聞いてませんね、これは。追いかけっこになってますし。
さて、それではまたいつかどこかで…さらばーい☆
……これ言ってみたかったんです』
side:ミヨ
そうして俺たちは現世に戻ってきた。
俺は今までどおり、配信者をしつつ『Luna』で料理を作っている。
変わったことといえば、一緒に住むようになったヤチヨにしょっちゅう抱き着かれたり、かぐやといろはの家にたまに泊まりに行くことがあったり、三人に目に光のない状態で見られたりなど、いろいろとあるのだが、それははまたどこかで。
とにかくこの後は、俺たちは面白おかしく、そして幸せに暮らせた…かも?
未来視ができる俺が言うのもなんだが、未来はわからないからこそ面白いってことで。
それではまたいつか、気が向いたときにでも話ができたらいいな。
それでは、さらば~い☆
…俺も言ってみたかったんだよな、これ。
「いや、蛇足ですよミヨさん」
あ、やっぱり?
どうも、ど素人ことあさらこです。
…はい!本編はこれで終わりです!
というのも、本編はこのミヨ君救出で終了と決めていたので。
ただ、この後もこれまでのように毎日とはいきませんが、気ままに後日談や番外編を投稿しようとは考えています。個人的に書かなくちゃいけないのが一つ残っていますからね!
…できればイチャイチャとか修羅場が書きたいなあ。
次の話題
いやー、二週間超毎日投稿するってなかなか大変でしたね!まあ意図はしてなかったんですが。
さて、皆さんここまでお付き合いくださりありがとうございました!
ランキングに載ったりなどもあって、超かぐや姫!の熱がすごいことを再確認しました!
次の話題
この話が投稿された後、この日のうちに活動報告にリクエスト募集のお知らせを張ると思いますので、後日談や番外編で書いてほしいものがあれば、どしどし送ってください!
いつかのあさらこが書くと思いますので!
それでは、この話を見てくださった方々、本当にありがとうございました!
…質問コーナーとか、需要ないです?