超かぐや姫!〜地獄の付添人を添えて〜   作:あさらこ

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ミヨ(さん)に子供ぉ!?


親と子、のお話

side:ミヨ

始まりは、ヤチヨのこんな言葉から始まったと思う。

「子供っていいよねぇ」

そう、ヤチヨは<ツクヨミ>の中でいろはやかぐやと俺のプライベートルームでダラダラしているときにふとつぶやいた。…この言葉から始まる話が、のちにちょっとした修羅場になるとも知らずに。

 

「急にどうしたの?ヤチヨ」

いろはがヤチヨに聞くと、ヤチヨは笑顔で

「この前ミヨと買い物に行ったときに公園に寄ったんだけどね、そこにいた子供たちを見てたら、やっぱり子供っていいなあって考えてたの」

「ああ…なるほど、そういうことね。てっきり抜け駆けしようとしているのかと思ったよ。

…まあ、ヤチヨに限ってそんなことしないよねぇ?」

ひいっ、若干いろはのヤチヨを見る目が怖い!

 

「あはは、まっさか~☆何よりもミヨの意思が大事だからね~、やっちょはそんなことしないよ~。…私は結婚して家庭を持つの、いつでもいいけどね?」

そう言ってきたヤチヨの流し目にドキッとするが、同時にいろはとかぐやの絶対零度の目に射抜かれ、そちらにもドキッとした。…後者は恐怖でだが。

 

「ヤ~チ~ヨ~?舌の根も乾かないうちにそんなことを言うなんて、私たちに対する宣戦布告かな~?」

「おおっ、良いね~★このミヨと(大体)八千年間一緒にいたやっちょさんとやり合う~?さすがにいろはでもミヨの独り占めは許せないよ?逆も然りだけど」

「望むところ…!恋愛に年月なんて関係ないことを証明してあげる…!あとそれはそれで恥ずい」

いろはとヤチヨの二人の言葉に若干胃が痛くなってきている俺に、向こうに参加しなかったかぐやが近づいてきた。

 

「ね~ミヨ。ミヨはどう思う?子供について。ほしいとか、ある?」

その言葉に、俺は少しの間考え、

「子供ねえ…。そもそも俺は人間みたいな機能ないしなあ…。いれば毎日楽しそうだし、幸せそうだと思うが。金銭面的にも問題ないしな。…まあまだ、キミたちに対して不誠実を働き続けているのでそこを何とかしなくちゃなんですけど」

「ああっ、ミヨがしおれて行ってる!だ、大丈夫だよ~、ね?」

「ううっ、その優しさが沁みる…」

向こうはバチバチしてて、こっちは若干どんよりしている…う~ん、カオス!

 

状況が混沌とし始めた時、全ての流れが変わる一言がまたしてもヤチヨから放たれた。

「…ん?そういえばさっき、ヤチヨ「やっぱり子供っていいなあ」って言った?」

「え?うん、言ったけど」

「なんかそれ、聞きようによっては昔子供がいたように聞こえない?」

その言葉に、何か悪寒がした俺は、急いで会話を止めようとしたが、かぐやが俺の口をふさいで話せなくさせ、

「ミヨ~?わたしとあっちのお話、一緒に聞いてようね~?」

と光が失われつつある目をこちらに向け、俺を促して座らせた。

俺はカタカタと震えながら、黙って二人の会話を聞いていた。

 

「あ~…。えっとねー、実は結構昔に一人、いるんだよね~」

そう照れながら言ったヤチヨを見たいろはは、

「………………………は?」

グルン!!!と鬼の面を想起させるような表情で、こちらを見てきた。

 

「ミヨサン…???どウいうことカ、セつめい、してモらえますヨね…?」

「ちょっと悪霊化しかけてないか!?ちょ、ヤチヨ!?いったい誰のことを言ってーーー」

「え、忘れちゃったの~?ほら、確か平安あたりで育てた…」

「んん?…ああ!シオのことか!なんだ、俺が誰かと子を為したのかと思った!」

「あははー、そんなことしてたらわたしが許すはずないけどね~★」

「なんかヤチヨも怖くなってる!?ナンデ!?」

「…も~!二人でイチャイチャしてないで、ちゃんと答えて!」

わちゃわちゃしている俺を後ろから覗き込んでいたかぐやが我慢の限界だったのか、語気を強めてこちらに問うてきた。

 

「イチャイチャ…なのか?「ミヨ…?」わかった、わかったから、落ち着いてくれ、かぐや。

ええっと、だなーーー」

 

ーーー

たしか、あの時は今で言うところの鳥取県のあたりで旅してたんだったっけ?そこで親がいないっていう子供と森の中で会ったんだ。まあ、多分口減らしで捨てられたんだろうな。でもその子は2歳くらいの幼い子で、このままだと獣に食べられてしまうとし、人も他の子供を育てる余裕はないだろうと思って、独り立ちするまで育てることにしたんだ。

まあ、最初の内は大変だった。なにせ一からの子育てだったからな。その子のいた集落になんかいけないし、他の集落に行くまで子供が耐えられるのかもわからなかったから、本当に俺とかぐやは知恵を出し合って育てたんだ。それで、話せるようになって、かぐやが主に教えていたっけ。俺を「おとーさん」、かぐや(ウミウシ)を「おかーさん」って呼んでたなぁ。……それにしてもよくウミウシを母と言えたな、あの子…。「ミヨ…?」あっはいすみません。

 

そ、その段階で名前を考えようって話になって、あーでもない、こーでもない。って考えて、結局「葦原満月(あしはらみつき)」って名前にしたんだよ。

あの満月のように、誰かを優しく照らせるような子になってほしいと思って。

 

それで、八歳くらいか、その時に読み書き計算を教え初めて、その後は色々な場所を一緒に旅したなあ。いろんな景色に目を輝かせてたっけ。…え?文字とか書けたのかって?そこらへんは不自由がないように、その時代の文字とかは星から勝手に頭に刻まれるんだよね。

そんな風に生活を続けていたある時に、15歳くらいの満月が「都に行って独り立ちして働きたい」って言いだしてな。俺もかぐやも、そろそろだとは思っていたから、動揺はなかったな。でも都に言って別れるまで、俺もかぐやもことあるごとに寂しくなって泣いたりして満月に慰められたな。

 

それで、都のところで、あー、そうそう。記憶で見た詩人いるだろう?あいつの部下が口利きしてくれて、都で文官として働くことになったんだ。

 

それで満月とは別れた。別れるときは三人ともぼろぼろ泣いてな。満月が「父様と母様の子になれ

て、私は幸せ者でした…!」って言ってくれて、さらに泣いたなー。

 

名残惜しく別れたけど、結局その後に満月と会うことはできなかった。風のうわさで神道の偉い人に気に入られてどこかの神社の宮司になったとか聞いてたけど。まあ、元気にやってたらそれで良かったしな。

 

ーーー

「…とまあ、こんな感じかな。どう、ヤチヨ。何か漏れとかある?」

「ううん、ばっちり!ありがとうね、ミヨ」

「…まさか、二人が子育て経験があったとは、驚きでしたね」

いろはやかぐやは驚きからまだ帰ってこれていないらしく、ちょっとボーっとしている。

 

「まあ、その後の地獄で擦り切れてしまっていたけどね。…そういえば、あの子の子孫とかまだいるのかな?いれば一目見てみたいけど」

「…え?もしかしてミヨ、気づいてなかったの?」

「え、なにを?」

「…う~ん、じゃあ大吾郎君の神社ってどこにあったっけ?」

「え、鳥取県だろ?」

「うん、じゃあその神社では何が祀られていたっけ」

「ウミウシの時のかぐ、やーーー?え、まさか」

 

俺が驚愕の視線をヤチヨに向けると、ヤチヨは瞳に涙を浮かべながら

「そう、大吾郎くんの神社は、あの子が、満月が建てたものだったんだよ。名前も月原神社って、わたしたちの名前だったりイメージが盛り込まれてるからね」

そう言われて、思わず俺も涙があふれ出てきた。そうか、あの子はあの時の俺たちを、間接的だけど救ってくれたんだな…

 

「なあ、ヤチヨ」

「なあに、ミヨ」

「今度、あの神社に行こうか」

「…うん、色々と報告しに行こうね」

「そうだな…」

感慨深くなっていた俺たちに、いろはやかぐやも寄ってきて

「それならわたしたちも行くー!!!」

「そうですね、いっそのこと四人で行きましょう?」

「さんせーい☆」

俺は三人を見て、満月に語り掛けるように心の中でつぶやいた。

 

満月、父様な、大切な人たちができたんだ。あとで連れて行くから、もう少し待っていてくれーーーと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、ど素人ことあさらこです。
今回は、ミヨ君たちの過去について書いてみました。
育てた子供を忘れるとは何事か!という人もいるでしょうが、それだけ道のりが地獄だったと考えてもらえると幸いです。

次の話題
あさらこが大吾郎さんが好きな理由の一つがこれです。色々と考えるのが楽しいんです。大吾郎さん関連。ちなみに、苗字が葦原でない理由は、何代か前に娘しか生まれなくて、仕方なく外から呼んだ男性の条件が自分の苗字にすることだったので泣く泣く変わってしまった、というところですね。…初代の時にお世話になった家系の人だったとか。名より血筋の継承という実を取ったということです。

次の話題
ヤチヨは一目見た瞬間に理解していました。ミヨ君については、よく大吾郎さんをかわいがっていたからわかっているものだと思っていたらしいですね。

それでは今回はここまで、また気が向いたときにでも。

あ、活動報告にリクエスト募集が張ってあるので、なにか見たいものがあれば書き込んでみてくださいね!

追記:誤字報告してくれる方本当にありがとうございます!!!
このお方々がいないと誤字祭りになっているので、毎話感謝しきりです…!
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