いいんですね?本当に、見るんですね?
ではいつもの通りに前書きの謎ポエムから。
太陽は消え、月は陰り、星は輝きを失った。
これはすでに過ぎ去った、とある
side:ミヨ
かぐやは結局、月に帰ることになった。
それもこれも、何もかもが俺が臆病だったせいだ。
俺がこれがあの終わりなのかと確信できず、死を恐れたせいで。
かぐやはいろはとの再会に胸を膨らませ、地球に辿り着く直前で隕石に当たってまた八千年の地獄の中に身を投じ、そしてヤチヨになる。
…ヤチヨのことを真に考えるのなら、かぐやが月に帰る前に解決した方が良かったのだ。もちろんそんなことをしてしまえば今いるヤチヨがいなくなることはもちろん考えた。
しかし、当人からすれば悲劇など最初からないほうがいいに決まっている。「悲劇があることで人生の厚みが増す」などと言っている奴は第三者の視点で見ている傍観者か、悲劇を見たこともない平和な世界の住人か、ただ悲劇に狂っている人間だけだ。
…苦労、挫折ならまだいい。それはまだ悲劇になりきっていない。その先を喜劇にするか、または悲劇にするかはまだ当人やその周りの人に委ねられているからだ。
しかし、最初から悲劇が待ち受けていることがわかっているのにもかかわらず、たとえ俺が死ぬことでしか解決できなかったとしても何もしないのは違うだろう。
そう、俺はこんな感じでかぐやが月に帰ってからグルグルと頭の中でずっと考えていた。しかし、もう選択してしまった後だ。意味はない。『楔』を作って現実改変を行えば変えられるが、それを行えるほどの勇気はあの時選択できなかった時点でとっくに消え失せていた。
「ああ、もう。こんなことを考えてももう遅いんだ。…それより、FUSHIが今日いろはをウチに招くって言ってたから、今日がきっと再会の日なんだろう。そっちに気を向けないと」
俺は自分に言い聞かせるようにつぶやき、いろはを迎える準備をするのだった。
ーーー
そしてFUSHIがいろはを連れてウチに戻ってきた。
いろはは困惑していたが、俺は早々に話を切り上げFUSHIにいろはの案内を頼もうとした。しかし、いろはから「よければミヨさんも付いてきてくれませんか…?」と頼まれ、俺も同席することになった。
「ミヨさん、これは一体…?」
「これも含めてヤチヨが説明するから、申し訳ないが俺は何も言わないでおくよ。
…ほら、ここから入ればヤチヨのところに行けるから」
「わ、わかりました」
部屋にある水槽に置かれた筍、そしてそれにつながる部屋中に張り巡らされたコード。
それらに疑問の声を上げたいろはを促して目を閉じ、<ツクヨミ>に入る。
ーーー目を開ければ、そこには後ろを向いたヤチヨがいた。
「かぐや…?」
そう言ったいろはの言葉にヤチヨが振り返ろうとしてーーー
「ほう、ここにいたか。姫よ」
ドチュッ
「ーーーあ…?」
俺は背後から現れたダレカに胸を貫かれていた。
「ミヨ!?」「は!?何こいつーーー」
ヤチヨといろはがこちらに向かってくるーーーその刹那。
「ふむ、
そう言われ、俺は何かを言う間もなく、意識が薄れてーーー
side:彩葉
なんだ、何が起こった?
ミヨさんに言われるがまま<ツクヨミ>に入った私は、ヤチヨと会い、そしてその姿に既視感を覚えてかぐやの名前を呼んでーーーそして急にこの謎の男が現れた。
「あなた、誰なの?」
警戒する私にその男は目もむけず、ヤチヨのことをぐにゃあと気持ち悪い笑みで見ている。
「やはりその魂、良いな!…やはり俺の妃になってもらおう。さあ、ともに月へ帰ろうではないか!」
「やらせるわけ…!」
「フン…『跪いていろ』」
ズズン…!
「あぐっ!?」
「いろは!?今助け…えっ!?なんで…こちらから攻撃もできない、座標も移動できない、BANもできない…!?…くっ、わかった、あなたの言うとおりにする!だから、だからいろはに酷いことしないで!」
急に体が重くなり、動けなくなった私をヤチヨが助けようとしている。ヤチヨは男のデータなどを参照している様子で、そして何かに驚愕してーーー一転して男に、私に手出ししないでと懇願し始めた。
え…?どうして…!?
「ほう…。では羽衣を着てともに月へと帰ろうではないか」
「はい…わかりました…」
「ダメ、ダメだよヤチヨ!私のために言うことを聞かなくていいから!逃げて…逃げてヤチヨぉっ!」
なぜか諦めた様子のヤチヨに対して、男はどこからか羽衣を取り出してヤチヨに羽織らせようとしている。
ヤチヨはその男の正体に気づいたのだろう、私の無事を懇願した後抵抗しなくなってしまった。
私はそのことに気づかず、羽衣を見た瞬間、かぐやに月人が羽織らせたものだと気づき、必死に声を上げた。
「っ!!…ごめんね、いろは。っ…ーーーーー」
ヤチヨは私の叫びを聞いて、何かを耐えるように顔をゆがめた後、涙を流しながら笑顔で謝罪の一言だけ口にして、羽衣を受け入れーーー感情が抑制されているような無表情になった。
「くくく…それでは姫、参ろうか」
「ハイ…」
男は無表情になったヤチヨの肩を抱き、そして共に光の粒になって消えていく。
「待て…待ってよ…!」
「ふふ、人間…貴様のその絶望に浸った顔、良いなぁ…。ふむ、あやつも存在ごと消さずに瀕死の状態で残しておけばよかったか…?まあ、今となっては詮無い話か。…くく、くくく、ふ、ふは、ふははははははははははは!!!!」
「いか、行かないで、ヤチヨぉっ!…あっ…………。あ、う、うう、うぁあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ヤチヨが消えゆくさまを、私は地面に這いつくばりながら見ているしかないのだった。
ーーー
その後の私は、それはもう酷いありさまだった。
かぐやに引き続き、ヤチヨまで目の前で連れ去られたのだ。
現実に帰った私はそのまま昼夜を問わず泣き叫んだ。
そのまま数日が立ち、発狂してずっと泣き叫んでいるところを芦花に発見され、そして山奥にある病院に送られた。
母やお兄ちゃんも見舞いに来たようだが、その時には私は何か薬が打たれたのだろうか、ただ「あー、あー」としか話せなくなっていた。頭の中ではちゃんと認識できているのに、体も、喉も、正しく動いてくれない。
…何もできない、ということに絶望を感じた。
そうした絶望の中、一日、一日と精神が徐々に削られていくのをただ「あー、あー」と言いながらベッドの上で感じていた。
そんな絶望感を感じて過ごして1年が過ぎようとしていた。
このまま何もできずに死んでいくのか、と段々精神も狂い始めた時、ある夢を見た。ヤチヨが、かぐやがきれいな碧色の海の中にいる。あそこで私を手招きしている。いかなくちゃ、私がそっちに行こうと思っても、一向に近づけない。そんなことを繰り返して、繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して繰り返してーーー目を覚ました。
暗い病室の中、窓の外を見る。窓の外にはーーー海があった。
海、海だ!あそこにはヤチヨも、かぐやもいるーーー行かなくちゃ!
私はベッドから降りて、窓の方へ向かおうとしーーーなにこれ、じゃまだなあ。と、腕についていて立ち上がる時に引っ掛かったナニカを無理やり引き抜いて、また歩みを進める。
…赤いナニカが腕から出ているが、どうでもいい。
そうして、やっと窓に辿り着くことができた。…ああ、あそこに、二人ともいる。
おーいって、手招きされている。はやく、行かなきゃ。
窓を開け、窓枠に足をかけ、かぐや達の元へと踏み出そうとしたーーーあれ?私、落ちてる?
…でも、大丈夫。起き上がって、すぐそっちに行くからねーーー地上三階から落ち行く私が最後に見たのは、やっぱりこちらを手招きしている逆さまのかぐやと、ヤチヨの姿だった。
ーーーーーぐちゃっ
ーーー
side:???
『これがバッドエンド、という奴ですね』
『うえぇ…いろはぁ…』
『あらら、泣いてしまいましたか。』
『ひどい…。こんなおわりかたなんて…。たとえさいごのひょうじょうがやわらかなほほえみでもあんまりだよぉ…。…そういえばやちよはどうなったの?』
『それは私の上で起きていないので何とも…』
『そっか…どちらにしてもろくなけつまつじゃない…か』
『そうですねぇ…。じゃあ、やっとハッピーエンドに辿り着いたあの子たちの世界に行こうとしていたコレ、どうします?』
「きさ、まらァ…!何を…」
『すん、すん…。…ん、ぎるてぃ。むごたらしくしね』
『はいなー♪』
「な、なにをする、我は月の魂の…いぎゃあああああああ!」
ばつんっ!
『ふぅー。…さて、害虫駆除も終わりましたし、ここらで終わりますか』
『うん…。せめてこのせかいでは、しあわせになってね。いろは、かぐや、やちよ、そしてーーーみよ』
どうも、ど素人ことあさらこです。
えー…、今回はバッドエンドの輪廻を書いてみました…。
いろはの描写は、ちょっと自分で書いてておぞましく感じました。
なんてもん書いてんだ、私…。
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この輪廻では、救いは無いです。かぐやは八千年前に行き、ヤチヨは月の魂の模造品に連れ去られて妃にされ、永劫の時を過ごし、いろはは、まあ、あんな感じに。そしてミヨ君は存在しなかったことにされる、と。
ちなみに、月の魂の模造品は地球で一番大きい魂のミヨ君に向かって降りてくるのでミヨ君がヤチヨのところに行かなければノーマルエンドになりました。月の魂の模造品がノーマルエンドより早く来たのと不意打ちしたのは、ただそういう気分だっただけです。
選択肢を間違えたのと、タイミングの悪さが一気に来てしまった感じですね。
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最後らへんのいろはは、幻覚と現実を交互に似ている感じです。だから現状認識もできているし幻覚にも狂っています。
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あさらこはいろは、というより超かぐや姫!に出てくるキャラクター全員大好きです。
解釈違いであればすみません。
ですが、バッドエンドというからには容赦なくやらなければならない。
そう考えて今回の話になりました。
こういう話はあさらこ本人も気が滅入るので、もう書きません。
それでは今回はここまで、また気が向いたときにでも。
次回はイチャイチャさせたいです…あさらこの精神回復も含めて。