名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。ついに満を持して連載開始を迎えられました!たんプリの二次創作ですけどももう既に連載を始めてる人はいるようですね⋯キミプリの時は自慢じゃないですけど、僕が1号でした。本当ですよ?

とりあえず、まだ始まったばかりの作品ではありますけども⋯原作の成長と共に僕の作品の方も追いかけていきたいと思うので、沢山楽しみましょうね!ちなみに僕はアルカナ・シャドウことるるかちゃん推しです。まだ原作未登場ですけどね⋯オープニングでは敵対してるのにエンディングだとアンサーやミスティックと一緒に踊ってるのはシュールですねw

それでは、まずは1話目⋯よろしくお願いいたします!


時を超えた出会い、名探偵プリキュア始動編
#1 探偵を夢見る少女との出会い


side主人公

 

「内岩一課長、お疲れ様です!」

 

 俺の名前は織田信義(おだのぶよし)、1999年11月1日生まれの今年で28歳になる男だ。職業はマコトミライタウンにある地元の警察本部の捜査一課に所属する刑事で階級は自慢じゃないが、俺は所謂キャリア組の人間なので同世代の刑事より高めの警視で係長に抜擢されている。

 

「ご苦労さん。織田、事件の全容は?」

 

 俺は現場にいらっしゃった上司に挨拶してその上司が挨拶を返す。そんな俺は和歌山出身で元和歌山県警本部長(定年済み)の父さんと厚生労働大臣を務める母さんの下で2人兄弟として育ってきた。兄はSAS〇KEに出ていた『史上最強の消防士』という異名で有名な竹〇敏浩さんに憧れて消防士を目指した末に今では地元の消防局のレスキュー隊長を任され、弟の俺は小さい頃から刑事ドラマを観たりした中で刑事を夢見て大学からマコトミライタウンにある親戚の家で生活をしつつそこにある名門大学で頑張りキャリア組で警察になり、警察庁本部での仕事を経て3年前の4月に今の地元の警察本部の捜査一課の刑事として配属され、昨年秋にあった昇進試験の合格が発表されてそれと同時に捜査一課3係の係長に抜擢されて現在に至る。

 

「警察への通報によると、11時頃に回覧板を回しに来た自治体仲間の近所の女性がインターホンを鳴らしても反応しないこの家の住人の泉憲司(いずみけんじ)さんの様子を見に家の中だけでなく彼の部屋に入ると左胸にナイフが刺さって亡くなっているのを発見したそうです。」

 

「それで、織田はこの事件をどう読む?」

 

 俺が事件の全容を説明すると、内岩純志(うちいわじゅんし)捜査一課長が逆に質問を返す。亡くなった泉さんはリビングで待機しているが、妻と中学生ぐらいの息子との3人暮らし。亡くなるまでの間に関しては奥さんと息子はお出かけをしていたのか不在だった思われる⋯状況に関しては刺さってるナイフを両手で握っていたので恐らく自殺ではないだろうか?

 

「第一発見者の女性と泉さんのご家族にはアリバイがあるので、私が思うに両手で握って迷いなくナイフを刺してる状況から自殺だと思ってます。まるで武士の自害みたいですね⋯奥さんや息子さんから不憫な扱いを受けてたんでしょうか?」

 

「一見すればそう見えるな⋯」

 

「甘いな、ノブ⋯これは自殺なんかじゃねえよ。」

 

 俺と内岩一課長が話していると、白髪に白髭を生やした猿田拳賀(さるだけんが)さんが自殺じゃないと反論。彼は定年間近の58歳の大ベテラン刑事でみんなからは『サルさん』と呼ばれ慕われている。本来だったら何らかの役職に就いていると思われているが、実は高卒のノンキャリアで捜査一課配属されてから一貫してヒラ刑事をしているという⋯階級も交番勤務時代に巡査部長に昇進してからずっとこのままで『階級が上がったら現場で自由に行動できないから』とずっと昇進を断ってきた。そんな彼は俺が捜査一課に配属された時のお世話係で彼が育て上げてきた刑事達は数知れず⋯もちろん、前の係長で今の管理官も育て上げて内岩一課長もサルさんに育てられた。

 

「サルさん、どういうことです?」

 

「岩もよく見てみろ。こんなにも自分の部屋に家族の写真を飾ってる旦那が家庭環境が辛くて自殺すると思うのか?これは間違いなく殺人だ。」

 

 内岩一課長が訊ねると、サルさんは部屋の机を指さしてから今回の事件が殺人だと断定する。現場の部屋の机には奥さんやら息子との思い出の写真が沢山飾ってあってその中には息子が優勝した大会のトロフィーも飾ってあった。トロフィーは野球ボールの形をしていたし、息子は坊主頭だったから彼は野球少年であることも紐解ける。ここから事件解決のヒントも見えてきたかもしれない。ちなみに、彼は俺のことを『ノブ』、内岩一課長のことを『岩』と呼んでいる。

 

「殺人⋯ということは外部犯。」

 

「とりあえず、織田とサルさんはここら辺の人達から情報を収集してくれ⋯サルさん、よろしくお願いします。」

 

「ああ、任せろ。行くぞ、ノブ!」

 

「はい!」

 

 そして、俺はサルさんと一緒に泉家近辺を回ってから泉さんがどういう人なのかとかを調べ回ることに⋯サルさんの考察が当たって殺人だとしたら犯人もここら辺の人だと思われる。とにかく、現場は自分の足で向かい話を聞くべし⋯サルさんから教わったことだ。

 

「サルさん⋯泉さんのご家族はかなり辛いと思いますよね?」

 

「当たり前だろ。自分達がいない間に家族を殺された辛さがどれだけのものになるのか⋯俺はそんな悲しみを抱いた人間を何人も見てきた。本当に許せねえな⋯」

 

 俺が残された奥さんと息子がどういう心境なのかをサルさんに訊ねると、彼は怒りを滲ませながら質問に答える。この人も色んな現場を経験したものだからその辛みが分かると共に腹立たしい感情がいつも出てくるんだろうな⋯これがサルさんの正義感の強さというものだ。

 

「ノブ、携帯鳴ってるぞ?現場ではマナーモードにしてろと言っただろうが⋯」

 

 ちょうどこれから聞き込みをしようとしたタイミングでいきなり俺のスマホの着信音が鳴り出す。相手は兄貴⋯こんな時にかけて来やがって!

 

「すみません。ちょっと僕、出ますね⋯何だよ兄貴、俺は今仕事中だぞ?」

 

『何や、今日は非番かと思ってかけたんやけど事件が起きたんか?』

 

 そんなこんなで俺が出ると兄貴である織田信幸(おだのぶゆき)が開口一番マイペースな感じで話し始める。彼が地元で『英雄』と呼ばれてる消防士とは全く思えない雰囲気だ⋯でも、普段は熱血で派手でかつ豪快に立ち回っててなおかつ優しいという俺の中でも身近な教科書みたいな存在だ。そんな彼はもう既に結婚していて奥さんである義姉さんと2人の兄妹を育てている。

 

「そうだよ⋯で、兄貴はこんな時に何か用?」

 

『そんな冷たいこと言うなや。もうここ1、2年ぐらい信義とは会うてへんから声聞きたい思うて俺はかけたんやけど。通話も2ヶ月ぶりやし⋯っていうか、お前もマコトミライタウンに染まったなぁ。すっかり標準語が板についてるやんけ。』

 

「仕方ないだろ?地元の方言を使う機会があんまりないんだから⋯正直、方言も忘れつつあるよ。とりあえず、俺は元気にしてるから心配すんなって!年末年始は事件もあって行けなかったけど、今年のゴールデンウィークこそは事件も何もなかったら休暇を取って叔母さんやあんなとかを連れて一緒に実家に帰るからさ。」

 

『そうか⋯あんなとも久しぶりに会いたいなぁ。もう春になれば中3で今日が14歳の誕生日なんやろ?今日の捜査が落ち着いて家に帰れたら派手に祝ってやるんやで?』

 

「分かってる⋯じゃあ、母さんと父さんと義姉さんにはよろしく伝えといてくれよ?」

 

『分かってるって⋯それと、お前ももうええ歳なんやからそろそろ結婚相手とか見つけた方がええで?母さんも孫の顔が見たい言うとったから。』

 

「今は刑事として忙しいんだよ。母さんにもそう言っといて?」

 

『分かったよ。ほな、また⋯』

 

 そうして兄貴は通話を切った。思えばここ1、2年は事件とか天候不良が連休と重なってなかなか和歌山に帰れなかったからな⋯とりあえず、そろそろ同居させてもらってる親戚達と一緒に実家に顔を出さないととは思った。しかし、母さんは冗談半分で言ったとしても旦那である父さんが元刑事だったんだからさ⋯ちょっとは配慮してほしいというか孫ハラすんなよって言いたい。ちなみに、会話に出てきたあんなというのは俺の従妹のことで年はかなり離れているが、俺にいつでも甘えに来てくれる良い子で一緒に遊んだりしている、その一方で俺は宿題とかの勉強、あんなは俺に最近の流行をお互いに教えあったりしていて仲は良好だ。そんな従妹がめちゃくちゃ可愛くて仕方ないんだよなぁ⋯

 

「話は終わったか?」

 

「はい。すみません⋯僕の兄貴、空気がちょっと読めない人なので。今、マナーモードにしました。」

 

「まあ、家族が恋しい気持ちは分かる。でもな⋯何度も言うが、刑事というのは事件ファーストだ。事件に代わる大事なものなんざぁこの世にはありゃしねえ⋯それを肝に銘じておけよ?」

 

「分かってます。」

 

「待って、それ私のペンダント!」

 

 サルさんは真剣な表情で事件に対する向き合い方を俺に改めて教える。普段はいつも笑顔で豪快な兄貴のようなおっさんであるが、事件に入ると真剣そのもので⋯本当にこの人ほどまっすぐな刑事はいないだろうなと思ってしまう。そんなことを思っていると1匹の秋田犬が銀に光る宝石のついたペンダントを咥えて走っていてそれを持ち主と思われる女性が追いかける。宝石泥棒の犬か?リードも首輪もついてないから恐らくは野良犬だろう。

 

『ええか、信義⋯困ってる人がいたら必ず助けないとアカンで?どんな時、どんな場面でもや⋯』

 

「どうした?」

 

「サルさん、聞き込みの方お願いします。僕、ちょっと用事ができたんで!」

 

「おい、ノブ⋯待て!」

 

 俺は聞き込みをサルさんに託して泥棒の犬を追いかけることに⋯ペンダントを盗まれた女性が困っている様子を見て子供の時に父さんからいわれたことが脳内に響き助けずにはいられなくなった。サルさんは事件ファーストとは言ってたもののやっぱり俺には困ってる人を見捨てるなんてできない!

 

「警察です。あなたのペンダント、僕が取り戻しますから⋯任せてください!」

 

「お願いします!」

 

 俺は女性に走りながら警察手帳を見せてから追撃役を交代して俺が犬を追いかける。しかし、この泥棒犬は犬にしては脚が速すぎだ⋯警察犬のシェパードでもない秋田県なのにどういうことだ!?

 

(こっちだって刑事として何人もの犯人を追いかけた身、脚力で負けてたまるか!)

 

 俺は車のミッションのギアを上げるような感じで全力で追いかける。すると、犬との差はかなり追いついてあっという間に交差点で捕まえた。

 

「捕まえた!お前、犬のくせに宝石を盗むとは良い度胸してるな?今回は逮捕しないから早く渡して立ち去れ!」

 

 俺は泥棒犬を抱いてから口に咥えている銀の宝石が手錠のような型に埋め込まれていて水色のチェーンがついているペンダントを引き剥がそうとするもなかなか犬は離そうとしない⋯秋田犬ってこんなに野獣だったかと疑問に思うし、なかなか厄介だ。

 

『やめろ、これは俺にとっても世界にとっても大事なものだ!手を離せ!!』

 

「えっ?」

 

 すると、泥棒犬からなのか野太くもダンディーな稲〇徹さんというかデ〇レンジャーのボスのような男の声が脳に伝わる。こいつがテレパシーで話しているのだろうか?それでも俺は何とかペンダントを犬の口から引き剥がすことには成功した。

 

「とりあえず、確かに取り返したぞ!」

 

『返せ、それは任務の上で大事なものだ!』

 

「刑事さん!私のペンダント、取り返せましたか?」

 

『人が来た⋯やむを得ん!』

 

「お、お前⋯何を!?うわあああああ!!」

 

 ペンダントの持ち主である女性が合流したその時、泥棒犬が突然と身体を光らせると辺りの景色が一瞬にして真っ暗になり謎のトンネル空間へと吸い込まれていった。俺はどうなってしまうのだろうか⋯そして、この犬はマジで何なんだ?

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

(おっ、トンネルを抜けたか。まったく、一体何なんだ⋯って、えっ?)

 

 トンネルから抜けて辺りの景色が開けたが気がついたら俺は上空に浮いていた。しかも泥棒犬を抱えた状態で⋯これって空から降っちゃうパターン?『親方、空から女の子ならぬアラサー男が!』ってか!?

 

「うわあああああ!?」

 

「「ええええええっ!?」」

 

 とりあえず、俺は犬だけは守ろうと背中から落ちたが芝生の上だからちょっと痛い程度で済んだ。しかし、女の子2人にこの様子を見られては驚かせてしまった⋯何と説明すれば良いのか?でも、この2人⋯遠目からだったけど見覚えがあるような気もした。

 

「また人が⋯大丈夫ですか?」

 

 そんな中で真っ先に探偵のような服を着てそれらしい帽子を被っている女の子が真っ先に俺に駆け寄る。しかし、この子⋯妙に既視感がある。初対面のはずなのに⋯

 

「叔母⋯さん?」

 

「お、『おばさん』?いきなり何なんですか!?私はまだ今年中学2年生になるんですけど⋯あなた方が年上なのに失礼ですよ?」

 

 俺はその声をかけた女の子が自分の叔母さんに顔立ちとかが似てて、思わず『叔母さん』と呼んでしまった。そして、当然のごとくその子は怒り出してしまう⋯見たところ従妹と同い年ぐらいだもんな。それに、自分と顔が似てる人は世界中に3人いるとも言われてるし⋯恐らく叔母さんに顔が似た1人なのだろう。

 

「ノブお兄ちゃん!ごめんね、みくるちゃん⋯この人は私の従兄なの。お兄ちゃん、いきなり会って初対面の女の子に『おばさん』は失礼だよ?みくるちゃんに謝って!」

 

「ご、ごめん⋯」

 

 俺の怪我の心配よりも先に謝罪を求めるこいつは明智あんな。今日誕生日を迎えて春から中学3年生になる俺の従妹だ⋯俺は彼女とその母親である叔母さんらと大学時代から一緒に住ませてもらっていて、あんなとは年はかなり離れていながらも実の兄妹のように仲良くさせてもらっている。

 

「ところで、あんな⋯ここがどこか分かるのか?」

 

「私もよく分からないの。でも、キュアット探偵事務所の前ってことは確かでみくるちゃんがそこの探偵になろうとしてたのは確かなんだ⋯」

 

「へぇ、探偵ね⋯みくるちゃんだっけか。俺は〇〇県警本部捜査一課の係長をしている織田信義と言います。さっきは君のことをおばさんと言ってごめんなさい。これ、警察手帳ね⋯」

 

 俺はあんなと一緒にいたみくるちゃんという子に自己紹介してから警察手帳を見せる。本物の警察手帳を見た彼女はしばらく黙っていたものの目をキラキラと光らせていた。

 

「凄い、本物の刑事さんだ!探偵と同じぐらいかっこいいですよね〜。私も実はこのキュアット探偵事務所の探偵になるべく試験を受けに来たんです!あと、さっきのことは許しますから気にしないでください。本物の刑事さんに会えて心が興奮してますから!」

 

「それは良かった。それで、みくるちゃんは探偵になるんだよね?俺も刑事視点で見ていて探偵の仕事は素晴らしいものだと思ってるよ。頑張って!」

 

「ありがとうございます。それにしても、あなたの従妹さん⋯羨ましいなぁと思います。妖精もいるし事務所の名探偵だし!」

 

「ポチ?」

 

(何を言ってるんだ、この子は?あんなは別に探偵でも何でもないぞ⋯)

 

 みくるちゃんはあんなを見てから探偵への憧れに胸を躍らせる。そういえば、あんなと一緒に空飛ぶぬいぐるみのような生き物が一緒にいるよな⋯こいつは本当に何者なのだろうか?今日は喋る秋田犬の宝石泥棒といい色々非日常的なことが起きている。

 

『取り込み中失礼する⋯お前、いい加減例の物を返せ!あれが俺には必要なんだ!!』

 

「ええっ、秋田犬がおじさんの声で喋ってる!?」

 

『俺はおじさんじゃない!タイムパトロール日本支部の支部長、ドキー・ケント。今は訳あって秋田犬の姿になっているが本来は人間だ。』

 

 あんなが喋る犬にびっくりすると、その犬は名前と身分を名乗り上げる。どうやら本来は人間とのことらしいが、この姿で言われる以前に人間であるという証拠がないと説得力がない。

 

「タイムパトロール?もしかして、SF作品とかに出てくる時空を守る人達なの?まさか実在してたなんて⋯びっくりだよ。」

 

 みくるちゃんはタイムパトロールの存在を知り、ますます好奇心を深める。今日だけで空から降ってきた刑事やらSFの世界だけの存在と思われたタイムパトロールとの遭遇も経験してればな⋯もう興奮することだろう。ただ、どうしてあんながここにいるのかは謎であるが⋯

 

『SFだけの存在じゃないが⋯まあ、そういう組織もあると頭の片隅に入れてもらえれば幸いだ。それよりもお前、例のアレを返すんだ!』

 

「返せって言われても⋯泥棒のお前が言えるセリフか?まあ、それよりもあんな⋯どうしてお前は靴下なんだ?」

 

「あっ、実は私⋯さっきまで自分の部屋にいたんだけど、この妖精さんと一緒にここに転送されてしまって。」

 

「なるほど、実は俺もドギーと似た形で転送されたんだ⋯とりあえず、ドギーの話とかあんなの詳しい話は後回しにして今は靴を買おうか。今日はお前の誕生日だからな⋯プレゼントとして良い靴を買ってやる!」

 

「本当?ありがとう、ノブお兄ちゃん!」

 

 こうして俺はあんなやみんなを連れてまずは靴屋へと向かうことに。ただ、ここら辺の土地勘はあまりないのでひとまずみくるちゃんにお店の案内を託した。しかし、街中を歩いてみると妙に見慣れた景色が広がっていたような気もする⋯初めての街のはずなのに妙だな。

 

「どっちの靴が良いか決まったか?」

 

「じゃあ、ピンクの靴で!⋯だけど、良いの?これ、税抜きで3000円もするけど?」

 

 それから俺達は靴屋の店内であんなの靴を買っているわけだが、彼女はピンクの靴を選んだ。この間までにあったことを簡潔にまとめると、靴屋に行く前にまずペットショップに立ち寄り、ドギーのリードを購入して彼を靴屋の前で待たせている。あと、1月のはずなのに何故か春並みに暖かったからコートを脱いだ⋯地球温暖化が進みすぎなのだろうか?

 

「良いんだよ、兄ちゃんの稼ぎからしたらこんなもん安いもんだ!まあ、Switch2とソフトを買った時はちょっと冷や汗かいたけどな⋯」

 

「Switch2?話からして聞いたのないゲーム機ですね⋯どういうゲーム機なんですか?」

 

「みくるちゃん、Switch2を知らないの?Switch2は任天堂が出した1番新しいゲーム機でコンパクトだけど映像が綺麗で色んなゲームで遊べるゲーム機だよ。そんなみくるちゃんはどんなゲームを持ってるの?」

 

「私は任天堂なら64ですね。64でポ〇モンとかテトリスとかやってます!私が知らない間にそんなゲーム機が出てたなんて⋯64とかソニーのプレステーションが最新機器と思ってました。」

 

「「えっ?」」

 

 あんながみくるちゃんにどんなゲーム機を持ってるかを質問すると、衝撃的な答えが返ってきてしまう。64やプレステーションが最新機器?何を言ってるんだこの子は⋯俺とあんなは声を揃えて絶句した。そういえば、今気づいたことだけど店内にあるテレビもまだまだブラウン管だしどんだけこの街は文明が遅れてるんだろうか?ただ、街並みに関しては俺とあんなが住んでいるマコトミライタウンと一致するところがいくつかはあるんだよな⋯何がどうなってるんだ?

 

「私、何か変なことを言いましたか?」

 

「ううん、大丈夫⋯ねえ、ノブお兄ちゃん?」

 

「ああ。何でもないから気にしないで!」

 

「そうですか。それはそうと、あなた達が部屋や交差点から落ちてきたなんてありえませんよ!」

 

「本当だって!」

 

「ポチポチ♪」

 

「ポチポチじゃ分からないよ?」

 

 みくるちゃんは俺達がここへ来た経緯に関して疑問を持っていると、あんなは本当だと答える。俺がドギーによって転送されたのは事実だとしても、肝心のあんなの相棒の妖精はさっきからおしゃぶりをしたままで『ポチ』としか喋らない⋯これとあんなが謎の地へ転送されたこととどう関係してるのだろうか?

 

「この子、おしゃぶりをしているし赤ちゃんですね?だから喋れないのかと⋯」

 

「えっ?でもさっき⋯」

 

「何らかの理由で赤ちゃんになり喋れなくなった、今の推理でどうでしょう?探偵テスト合格ですか!?」

 

「ちょっと待ってくれ。俺もあんなも君にテストを出した記憶はないんだが⋯そのテストって何なんだ?」

 

「その質問なら、簡単です!名探偵は色々な事件を調べて解決し、人々を助ける⋯みんなの憧れ、希望。私はそんな名探偵になるために探偵テストを受けに来たんです!」

 

 みくるちゃんはグングン迫りながら俺とあんなに探偵になりたい強い気持ちをぶつける。しかし、これは試験ではないしそもそも何も関与していないことをこの子は知らない⋯俺達はたまたまキュアット探偵事務所とやらの前に転送された通りすがりの人間なのだが、この様子だと伝わりそうもない。

 

「名探偵って凄いんだね⋯」

 

「よしっ!」

 

「凄いのは分かるが俺とあんなは⋯」

 

「ポチ、ポーチー♪」

 

「えっ、うわああああっ!?」

 

 俺とあんながこの探偵テストとは無関係であることを伝えたその時、あんなの相棒の妖精が突然何らかの力を使っては彼女を引っ張ってどこかへと連れて行く。まだ会計も終わってないのにあの妖精は空気が読めないのだろうか⋯

 

「ちょっと!?」

 

「とりあえず、俺が払うよ。すみません、店員さん⋯さっきの靴の代金払いますね。」

 

「はい、お値段は3150円です。」

 

 店員さんにお金を支払おうとしたが、店員さんが告げた代金に俺は一瞬驚いてしまった。3150円?それだと消費税はざっと計算して5%しかかかっていない⋯今は消費税10%の時代だぞ?ここだけ未だに消費税5%の文明なのか?

 

「とりあえず、これで。」

 

 俺は店員さんに1000円札3枚と100円玉2枚を払う。3200円でお釣りは50円⋯色々とおかしいことになってるけど、こればかりは計算が合ってほしい。ただ、店員さんの表情が険しくなる⋯

 

「すみません⋯この1000円札、偽札ではないでしょうか?1000円札の人物が北里柴三郎で見覚えのないデザインですし⋯それと100円玉の年号の『令和』も見たことないですね。どういうおつもりですか?」

 

「えっ?(もしかして、この人⋯北里柴三郎の今の1000円札を見たことがないのか?あと、今の年号も知らないって⋯ありえないだろ!?何がどうなってるんだ?)」

 

「すみません!この人、どうやらよその国かどこかから来たみたいなので⋯私が払いますからどうかお許しください!」

 

 そんな感じでみくるちゃんは店員さんに謝ってから3150円ちょうどを支払う。その1000円札をよく見たらその札に描かれていたのは夏目漱石だった。夏目漱石って2世代前じゃないのか?今の子ですら野口英世の1000円札までしか見たことないのに⋯

 

「確かにちょうどですね。今回は不問にします⋯次、同じことをしたら警察に通報しますからね?」

 

「すみませんでした⋯」

 

 そんなこんなで俺は店員さんに謝ってからみくるちゃんと一緒に待たせているドギーと合流してからあんなを追うことに⋯しかし、俺とあんなが飛ばされたここは本当にマコトミライタウンなのだろうか?色々とおかしなところがありすぎだ。消費税率が5%だし、最新機器に関することが古い上に今の紙幣を見たことがない点⋯恐らくここはマコトミライタウンを模した仮想現実と考えるのが妥当かもしれない。とにかく、そうだとしたらこの空間から抜け出さないとな⋯




登場人物紹介

織田信義(おだのぶよし)

(脳内)CV:花江夏樹

身長:182cm

体重:68kg

誕生日:11月1日

年齢:満28歳

この物語の主人公。和歌山県警本部長をしていた父親と元医者で厚生労働大臣を務める母親の間に産まれ、本人はマコトミライタウンにある地元の県警本部の捜査一課3係の係長に秋から抜擢された。キャリア上がりで階級はこの前の昇進試験に合格して警視。『目の前の困っている人を助ける』、その父親の教えを大事にしている。原作主人公のあんなは彼の従妹。

内岩純志(うちいわじゅんし)

(脳内)CV:内藤剛志(脳内特別出演)

身長:186cm

体重:65kg

誕生日:5月27日

年齢:満53歳

マコトミライタウンにある警察本部の捜査一課をまとめる課長。階級は警視正、ノンキャリアながらも捜査一課課長まで上り詰めた凄腕刑事。事件解決に向けて普段は冷静沈着も心の中は燃えている。

猿田拳賀(さるだけんが)

(脳内)CV:中博史

誕生日:5月2日

年齢:満59歳(現時点では58歳)

捜査一課3係に所属する大ベテラン刑事。階級は巡査部長でここ30年近くは階級は上がっていない。同期達が警視総監やら刑事部長とかの重役に就く中で彼は捜査一課に配属されてからずっとヒラ刑事として現場の最前線に立ち続ける。信義やら一課長の内岩とかの育成係も担当していた。

織田信幸(おだのぶゆき)

(脳内)CV:小西克幸

身長:188cm

体重:80kg

誕生日:10月31日

年齢:満33歳

信義の兄で和歌山在住の消防士でレスキュー隊長を務め、現在は結婚していて2人の兄妹を育てている。地元では英雄扱いされているが、性格は消防士とは思えないぐらい豪快というか派手好き。幼少期から憧れてた消防士はSAS〇KEオールスターズの竹〇敏浩。

ドギー・ケント

(脳内)CV:稲田徹

誕生日&年齢:不明

体長:70cm

体重:60kg

タイムパトロール日本支部の支部長。訳があり今は秋田犬の身体に魂として憑依しており、銀の謎の宝石を奪還に成功するも信義に絡まれてしまい彼と共にタイムスリップ⋯ドギーの目的とは一体?


いかがでしたか?最初の方は刑事ドラマのような雰囲気がありましたね。その中で信義とドギーは出会いタイムスリップ⋯そして、叔母にそっくりなみくるちゃんと何故かそこに一緒にいた従妹のあんなちゃんとも会うことに。あんなちゃんもポチタンのあれこれに巻き込まれて大変な目に遭っていましたが、その中で彼は歩く街並みに異変を感じました⋯しかし、一見すればマコトミライタウン。ただ、話とか価値観とか色々おかしなところを発見⋯まるで8番出口の異変のごとく間違い探しみたいな感じです。そこで信義はどうするのか⋯そして、あんなちゃんとみくるちゃんの運命は?次回こそはいよいよプリキュアに変身します。どうぞお楽しみに。

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回お会いしましょう!
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