名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか?僕も何気に執筆はやってますけども⋯YouTubeやらテレビの誘惑に負けて配信とか番組とか観たりしてます。でも、やる時はやってるんで⋯ご安心ください。

そんな中で今回からは7話分に突入します。あんなちゃんが学校に転入してきて事件に巻き込まれるわけですが⋯一見したら信義が絡む可能性は?いや、作りますよ。どんな感じになるのか楽しみにしていてくださいね?

それでは、また後書きにて。


#15 また始まる学校生活

sideあんな

 

「はい!ということで、今日からこのクラスで過ごすことになりました⋯」

 

「明智あんなです、よろしくお願いします!」

 

 私、明智あんな⋯今日からまことみらい学園の中等部に編入することになり、そのクラスは2年1組。本来だったら私は4月から中学3年生なのだが、ジェット先輩やノブお兄ちゃんの働きがけとかタイムスリップしてきた関係もあってみくると同じクラスになり人生で2回目の中学2年生をやることになった。時代が違うから教えられる内容とか色々も違ってくると思うけど、ほとんどは大して変わらないよね?何回2年生をやったとしても勉強とか学校行事は頑張れる気がした。みくるもずっと一緒にいることだし♪

 

「こちらこそよろしくね!」

 

「よろしくな!」

 

「分からないことがあったら何でも聞いてね?」

 

「ただし、俺には勉強以外で!」

 

『アハハw』

 

 私が挨拶をすると、クラスメイトになるみんなが私のことをみんなが心から歓迎する。本当にこの時代の人達はみくる以外も優しいんだね⋯違う時代からやって来たこんな私でも受け入れてくれるなんて心が温かくなるよ。

 

「それじゃあ、挨拶も済んだところで明智さんの席だけど小林さんの隣ね。」

 

「はい!」

 

 クラスの担任の先生はみくるの隣の席が空いているからそこに座るようにと案内する。みくるとクラスが同じになるだけじゃなくて席も隣同士だなんて⋯彼女も手を振って笑顔で歓迎した。本当に今日の私ははなまる幸せである。

 

「ねえねえ、明智さんってどこから来たの?」

 

 休み時間に教科書を整えているとクラスメイトの女の子の1人からどこから来たのかを訊ねられる。私としてはここで嘘をつきたくはないけど、2027年から来たとは言えないし⋯

 

「えっと、理事長が入れてくれて⋯」

 

「部活とかやってた?」

 

「携帯持ってる?メル友になろう!」

 

「め、メル友?」

 

『私も!』

 

「ええっ!?」

 

 私が1つ質問に答えると、次から次へとクラスメイトから質問が飛んでくる。部活に関しては何もしてなかった所謂帰宅部だし、メル友?意味の分からない言葉まで出てきて私の頭は混乱してしまう。それを聞いてか他のクラスメイトのみんなもそのメル友になりたいと言い出した。

 

「えっと、えっとぉ⋯」

 

「あんな、ゆっくり答えていこう?」

 

 私がパニックになっていると後ろにいたみくるが肩を支えて落ち着かせる。こういう時にみくるは凄く頼りになって緊張がなくなるような気がして安心できた。

 

「ごめんね。この時期に転校してくるのって珍しいからつい⋯」

 

「あんなって呼んでも良い?」

 

「うん、もちろん!」

 

「オカルトとか信じる?7の月の噂とか。」

 

「7の月?」

 

「最近話題になっているんだよ?1999年7の月、地球に大魔王がやって来る⋯って話。」

 

「まあ、あくまでも噂だけどね。」

 

「へぇ⋯」

 

 そんなこんなで私はクラスメイトから7月に大魔王がやって来るというオカルト話を聞いた。1999年にはこういう恐ろしい話があったけど、2027年では日本に関してはみんな平和で楽しく暮らしている⋯もしかしたら噂止まりの話かもしれないけど、ネットとかが今よりも普及してなかったからこれが話題になってたかもしれない。

 

「そういえば2人って同じ家に住んでるんだよね?しかも、イケメンで名探偵の織田信義さんとは一緒に住んでるらしいけど、2人とその人ってどんな関係なの?」

 

「あの人、突然この街にやって来ては数々の難事件を解決していくだけでなくジャ〇ーズのアイドルのような王子様で⋯地元では超有名人だよね〜。」

 

「「ふふん⋯」」

 

「何を隠そう⋯」

 

「私達も実は⋯」

 

「「探偵やってるの!」」

 

「こちらをどうぞ。」

 

『ええ〜っ!?』

 

「しゅばばば!」

 

 私とみくるはみんなの前で探偵の証であるプリキットブックを見せつけてから名刺をクラスのみんなに渡す。名刺を受け取ったみんなは凄くびっくりしていた⋯まあ、中学生で探偵をやるって普通じゃないからかもね。

 

「探偵?」

 

「凄いじゃん、みくる!それで、織田さんとはどんな関係なの?」

 

「私の師匠で⋯」

 

「私の従兄なの。」

 

「マジで!?どうして言ってくれなかったの?」

 

「どんな事件もはなまる解決!」

 

「キュアット探偵事務所に何でもお任せ!」

 

「そしてそして、私達はなんと⋯名探偵プリキュ⋯「ああ〜っ!?」⋯みくる?」

 

 私が勢いのままに自分達が名探偵プリキュアであることを明かしかけてしまうと、みくるがそれを制止する。しまった⋯私のしたことが!嘘をつけない私の悪い癖だ。

 

「プリキュアだってことは秘密だよ?(小声)」

 

「そうだった⋯(小声)」

 

「ポチポチ〜♪」

 

 さらに、こんな時にカバンの中に入れて一緒に連れて来たポチタンまでもが反応する。次から次へと⋯プリキュアのこともポチタンのことも秘密だってのに!

 

「何の音?」

 

「携帯?」

 

「ポチポチ!」

 

「「うわあっ!?」」

 

「えっと、その⋯」

 

「これは⋯」

 

 私達がポチタンについてをどう説明しようか迷ったその時、中休み終了5分前のチャイムが鳴る。これは助かったと言えるのだろうか⋯命拾いした。

 

「鳴っちゃった⋯」

 

「また後で話そうね?」

 

「「はぁ⋯」」

 

 そうして、他のみんなは次の授業に向けての準備を進めて教科書とノートを用意したり次の場所へと移動していくことに。3時間目は理科室で理科が行われるので、私達も移動の準備をすることにした。

 

「ポチ!」

 

「やっぱり。」

 

「しーっ、だよ?」

 

「ポチ♪」

 

 周りが教室を去ってからカバンを開けると、ポチタンが顔を出す。私はポチタンに静かにするようにと注意した⋯存在がバレると色々まずいからね。とりあえず、みんなに名探偵プリキュアのこととかポチタンのこととかバレてないか不安だ⋯

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 その頃、怪盗団ファントムのアジトでは今日も今日とて会合が行われていた。アゲセーヌはその中でも自分の塗ったマニキュアを気にし、ニジーに関してはこの前の失態からか意気消沈の様子である。しかし、彼は何とか首の皮一枚繋がり奈落の底に落ちるのは回避した⋯この強運を活かして巻き返しはあるのだろうか?

 

「ふむ、違う時代から来たプリキュアか⋯」

 

「ウソノワール様、ここは私、ブラキッドに任務をお任せください。こういう事実が分かった上で、マコトジュエルのありかも未来自由の書によって把握しております。失態を犯すやつらには任せられないでしょう⋯どうか私めに!」

 

「ブラキッド。そうだな、ここはお前に⋯」

 

「お待ちください、ウソノワール様!」

 

 ブラキットに任務を託されるのが既定路線なりかけたその時、ゴウエモンがそこに割って入る。これにブラキッドは嫌悪感を顔から出した。

 

「何だ、ゴウエモン⋯」

 

「ここは俺に任せてはもらえないでしょうか?マコトジュエルのありかはこっちも把握していて、ここは自分が適任と思った次第です⋯今回の場所ならキュアマスターは出ないでしょうし、今回こそ好機だと思っております。」

 

「ゴウエモン、これは俺の仕事だ⋯変装も何もろくにできない上に失敗したあんたは引っ込んでろ!」

 

「お前さんこそ、ウソノワール様に良い顔をしようとして出しゃばりやがって。俺はそういうのが大嫌いなんでね⋯」

 

「嫌いなら嫌いで結構。ただ、俺はあんたのような低スペックでパワープレイな怪盗とは違って何でもできる天才だしウソノワール様から選ばれたエリートだ。いや、あんたを怪盗と呼んで良いんだろうかね?」

 

 ゴウエモンとブラキッドはウソノワールの前で出番を取り合っては互いに罵倒し合う。このアジトには緊迫した空気が伝ってしばらく静まり返った。

 

「ふむ⋯ゴウエモン、勝算はあるのか?」

 

「もちろん。それと、今回も新人を連れて行こうと思っているのですが⋯よろしいですか?」

 

「良かろう。キュアアルカナ・シャドウは我々ファントムの頭脳的存在だ⋯お前が信頼しているのなら連れて行っても構わぬ。」

 

「ありがとうございます。そういうわけだ、新人⋯お前達にも来てもらう!」

 

「はぁ?何であたし達が⋯!」

 

「うん、分かった。(織田さんのことだから未来自由の書に反してきっと今回も来てくれるはず⋯今日こそ会えるなら。)」

 

「えっ!?るるかが言うなら⋯」

 

 ゴウエモンの誘いに対して、マシュタンは反抗的だったもののるるかが一言で同意したことで渋々同意することに⋯しかし、るるかの方は信義に会えると思って同意しており別にゴウエモンの頼みに合意したわけではなかった。

 

「そういうわけで必ずやマコトジュエルを手に入れましょう、ライライサー!」

 

「ライライサー⋯」

 

「お待ちください!本当に私じゃなくてゴウエモンに任せるおつもりですか?考え直してください!」

 

「ブラキッド、お前にはより重大な時に出動を命じる⋯それまでは動くな。ライライサー!」

 

「ライライサー⋯」

 

 ブラキッドはゴウエモンに託したウソノワールに対して反論しようとするも、時が来るまで動くなと言われては逆らえなかった。そうして、ゴウエモンとるるか(とマシュタン)が任務へと向かうことに⋯ブラキッドは悔しさのあまり唇をぐっと血が出るぐらいに噛み締めた。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

 あんなとみくるが学校での時間を楽しんでいる中、俺も一応学校に来ていて今は理事長室でこの学園の理事長と話をしていた。俺はあんなの保護者でもあるし、この前の事件の解決にも貢献したしな⋯どちらかと言うと後者のお礼の面が強くて呼ばれたわけだ。ちなみに、服装に関しては正装で今日に関してはきっちりジャケットも着てきた。

 

「今回は事件の解決に貢献してくださりありがとうございました。流石はみくるさんのお師匠さんですね⋯」

 

「いえいえ、私は大したことをしてませんよ?ただ、みくるとあんなに探偵としてのいろはを教えただけですから⋯あの子達の探偵力だと私は思います。」

 

「そんなことはございません。織田さんは数多くの事件を解決されてきた名探偵ではありませんか⋯そんな謙遜なさらずに。」

 

「いやぁ、参ったなぁ⋯それと、この度は私の従妹のあんなを受け入れてくださりありがとうございます。こんな私達のようないきなりここに来たよそ者にここまで尽くしてくださって、理事長には頭が上がりません。」

 

「いえいえ、あなたの従妹のあんなさんが編入試験を受けて合格した結果です。それに、織田さんはこのまことみらいの誇る名探偵ですから⋯そんな人の頼みならもちろん断れませんし、その期待に彼女が応えただけですよ。」

 

 理事長は笑顔で俺からのお礼に答える。本当にこの学園の理事長は俺のことを信頼しているというか⋯こんな他の時代から来た人間を何も迷わず受け入れてくれた懐の深さには頭が上がらない。しかも、話によるとみくるの探偵活動の支援もされていたとのこと⋯生徒のやりたいことを尊重できる素晴らしい理事長さんだ。

 

「ところで、織田さんはどちらのご出身ですか?」

 

「和歌山県の和歌山市ですね。和歌山は世間的には田舎なんて言われてますけど、その中では都会の方で育ちました。」

 

「そうなんですね。和歌山って確か近畿というか関西でしょう?」

 

「もしかして、関西弁というか訛りが出てないことが気になったりとかされますか?私、実は大学進学の時から従妹であるあんなの家に住んでまして⋯そこで生活していくうちに関西弁は抜けました。まあ、たまに関西ら辺の人に会ったら方言が出ますけどね⋯住み込んだ当時はなかなか方言が抜けなくて大学の人達から『田舎臭い』とか言われまして、そこから訛りを矯正するのは大変でしたよ。」

 

「なるほど。相当な努力をなさったんですね⋯」

 

 俺が理事長の質問に答えると、彼女は感心するように納得する。昔は関西から出たことがなかったものだから従妹のあんなや叔母さんですら関西弁で接していたのだが、大学に進学してあっちに住むことになってからはあんなや叔母さんの力を借りて標準語をマスターして今があるってわけだ⋯標準語を覚えたばかりの時はぎこちなかったけど、今ではむしろ標準語の方が自然と出るようになったのは言うまでもない。

 

「そういえば、一つお聞きしたいことがあるのですが⋯よろしいでしょうか?」

 

「はい、何でも。」

 

「この学園に森亜るるかという生徒はいませんか?私の知り合いでして⋯」

 

「森亜⋯るるかさん?申し訳ありません。そのような生徒はこの学園の中等部にも高等部にも⋯」

 

「そうですか。だとしたら、違う学校なのでしょうね⋯まことみらいにはここ以外にも沢山学校はありますし。こちらこそいきなり変なことを質問して申し訳ないです。」

 

 俺は思い切ってこの学校にるるかちゃんが通っているのかを質問するも理事長は首を横に振りそういう生徒はいないと告げる。まあ、学校はこのまことみらい市内にも沢山あることだし⋯それに、プライバシーにも関わる問題だからいるにしても答えられないだろう。るるかちゃんに会いたい欲が思わず出てしまった。

 

「いえ、お気になさらずに⋯そのお知り合いの人に会えると良いですね。」

 

「はい⋯」

 

 理事長から励ましの言葉を頂くと、そのタイミングで俺のジュエルキュアライセンスフォンの着信音が鳴る。もしかして、薫風さんからだろうか?そうにしても間が悪い⋯

 

「出ても構いませんよ?」

 

「ありがとうございます。少々お待ちください⋯もしもし?」

 

『ノブお兄ちゃん!今、学校にいる?』

 

 理事長が出ても良いとおっしゃったので通話に応じると、その相手とはあんなだった。ボイスメモから繋いでいるのだが、今は授業中のはず⋯

 

「学校にいるけど⋯今は理事長室で理事長と話をしてる最中だぞ?それに、授業中だろうが⋯」

 

『そうだけど、大変なことになってて⋯ノブお兄ちゃんに助けてほしいの!』

 

「どうしたんだ?まずは落ち着け⋯何があったかを教えてくれるか?」

 

『理科室に行こうとしたら体育館に来てて⋯みくるも一緒なんだけど、何がどうなってるのかよく分からないよ。』

 

「体育館な⋯分かった、すぐそこに向かうから大人しく待ってろよ?」

 

『うん。気をつけてね?』

 

 俺はひとまずあんなとの通信を切ってジュエルキュアライセンスフォンを閉じる。理事長は交信を終えるまで待っていて、その様子を見て心配そうな表情を浮かべていた。

 

「何か事件が起きましたか?」

 

「はい。理事長⋯お話の途中申し訳ありませんが、少し席を外させて頂きます。ほんのちょっとで戻ってきますので⋯」

 

「構いませんよ?その様子ですと学校の中で事件が起きたでしょうし⋯無事に解決できることを心から願ってますよ。」

 

「ありがとうございます。それでは!」

 

 そうして俺は理事長室を飛び出してからあんなとみくるがいる体育館へと向かうことに。待ってろよ⋯あんな、みくる。すぐに助け出すからな!

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideるるか

 

「ゴウエモン、本当に大丈夫かしら?」

 

 ゴウエモンが作戦を実行してからしばらく経ってのこと、私達が木の上で様子を見て彼を待っている中でマシュタンが上手くいってるかどうかを心配する。ブラキッドも言ってたけど、ゴウエモンは怪盗の基礎スキルとも言える変装も頭脳戦の駆け引きもニジーやアゲセーヌと比べたら劣っているのは確かだ⋯不安になるのも仕方ない。

 

「大丈夫。彼は罠を仕掛けるのが上手いから⋯」

 

「そういえばそうね。あの2人にはこの罠を乗り越えられるのかしら?」

 

「多分無理ね。でも、織田さんがいたら分からないかも⋯」

 

「そうは言っても大人でこの学校の関係者ですらない織田信義が都合良くこの学校の敷地内に⋯」

 

「体育館は、あそこだ!待ってろよ⋯あんな、みくる!」

 

 マシュタンがこの学校に織田さんはいないとはっきり言うと、その張本人が通りかかる。木の上にいる私達のことに関してはもう自分の従妹と弟子のことしか頭にないから気づいていない様子だ⋯

 

「いたわね。未来自由の書にはいないと記されてたはずなのに⋯どういうこと?」

 

「分からない。でも、織田さんの行動が予言を狂わせてるのは確かね⋯本当に面白い人。」

 

 私は未来自由の書に縛られない織田さんの動きと一生懸命な姿を見て思わず笑みがこぼれてしまう。やはり、イレギュラーなことが彼の周りで起きているのは行動を起こしている織田さんが違う時代から来た人間であることが大きい⋯その中で真剣にこの時代でも頑張ってる彼の姿を見ていると、敵だとしてもかっこよくて素敵だ。

 

「感心してる場合じゃないわよ!仮にも敵でしょ!?本当に恋を覚えてからるるかは変わったんじゃないかしら?」

 

「そうかな?でも、彼のおかげで私は前を向いて生きていけてるのは確かかも。さて、織田さん⋯あなたはゴウエモンが仕掛けた罠から2人を助けられるかしら?」

 

「今のいたずらな笑み、小悪魔みたいで可愛いわよ?流石はあたしの見込んだるるかね♪」

 

「そう?ありがとう⋯」

 

 私が織田さんの背中を見ながら彼を挑発すると、マシュタンがその時の表情を見て可愛いと褒める。正直、私は自分が可愛いのかどうか自信が持てない⋯その中で相棒のマシュタンや恋をしている織田さんが可愛いと言ってくれるのは凄く嬉しいことである。ちょっぴり照れるかもしれないけど、もっと自分磨きをしていけたらな⋯なんて。

 

「とりあえず、アイスを手に入れてきたからあたし達で分けて食べちゃいましょう?ゴウエモンには内緒ね♪」

 

「うん⋯アイス、食べたかった。」

 

 そう言ってマシュタンは2人で分けるタイプのソーダのアイスバーを取り出してはそれを分けようとする。しかし、力配分を誤ったのか半分以上大きいのと3分の1しかないものに分かれてしまった。

 

「ごめんなさい。」

 

「気にしないで。マシュタンは大きいのを食べて?私はこれ(小さいの)で良いから⋯」

 

「ありがとう。それにしても、あなた⋯気になるわよね?違う時代からプリキュアといいあの妖精の存在。」

 

「うん⋯ニジーはあの妖精がプリキュアに与えた力で負けた。きっと不思議な力を秘めてるはず⋯織田さんとキュアアンサーが違う時代から来たことと何か関係があるかも。」

 

「ええ、その匂いがプンプンするわね⋯」

 

 それから私達は木の上でアイスを食べながらゴウエモンの帰りを待つことに⋯織田さんのことも応援したいところだが、ひとまず作戦の成功が最優先。あの妖精に対して手荒な真似だけはしないでほしいところだ⋯

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

「あんな、みくる!俺だ⋯中にいるのか?返事をしてくれ!」

 

 それから俺は体育館の前までやって来てドアを開けようとするも鍵がかかってるのか開く気配がない。中にいる2人に呼びかけても声は聞こえず。まずいな⋯

 

(仕方ない⋯あまり使いたくない手だが、やるしかないな!)

 

 俺は左隣の直接体育館の中に入れる入口の前に移動しては後ろに下がって勢いをつけてからドアに体当たりをする。それを2度、3度⋯何度も繰り返していく。これは密室殺人が起きた時に現場に突入する時に使うスキルであるが、まさかこんな場面で使うことになるとは。

 

「(扉が歪んできた⋯あと1発で壊せる!)うおおおおお!!」

 

 何回か体当たりして歪んだドアに俺がまた体当たりをすると、ドアが壊れて中に入ることに成功⋯そうして走って2人の前へと向かった、あんなとみくるはどうやら無事のようだ。

 

「あんな、みくる⋯待たせたな!」

 

「ノブお兄ちゃん!」

 

「師匠!」

 

「大丈夫か?何があったのか詳しく教えてくれ。」

 

「うん⋯実はみくるの作った地図に従って理科室に向かって、理科室に入ろうとしたらいきなり体育館に飛ばされたの。」

 

「いきなり?地図?どういう地図だ⋯みくる、見せてみろ。」

 

「これです。私が転校してきた時に迷ってしまって⋯その経験から作った地図ですけど。」

 

 みくるがそう言うと俺に彼女が書いた手書きの地図を手渡す。転校してきた⋯となると、彼女も転校生なのか。自分の経験から地図を作っていたみくるは本当に用意周到と言える。

 

「教室を出て、それで理科室に行ったんだよな?体育館の方向って全くの真逆だぞ⋯それと、下にある変なイラストは何だ?」

 

「変だとは失礼ですね⋯これはポチタンです!あんなは似てるって言ってくれてたし、ポチタンも似てると喜んでましたよ?師匠には私の芸術センスが分からないんですか?」

 

「ポチポチ⋯!」

 

「(ポチタン、めちゃくちゃ首振ってるぞ⋯本当にみくるは絵心なさすぎるよな。本当にア〇トークのあの企画に出るべきレベルすぎる⋯)とりあえず、入口はぶち壊した。あとはここから抜け出して⋯」

 

「ノブお兄ちゃん、ドアが!」

 

 すると、さっき壊したドアが元に戻って俺達はこの体育館に閉じ込められてしまった。何がどうなってるんだ⋯本当におかしなことがこの学校でも次々と起きている。

 

「ようこそからくり迷路へ!」

 

 体育館のステージの上から声がしてその方を向くと、そこにはゴウエモンの姿があった⋯これは彼の仕業なのだろうか?本当にファントムは俺とあんながこの時代に来てから変な問題ばかり起こしていて本当に迷惑だ。

 

「ゴウエモン!」

 

「またマコトジュエルを盗りに来たのね?」

 

「ちょっと待って⋯からくり迷路?もしかして、あなたの仕業なの?」

 

「いかにも。今回の罠は全て俺が仕掛けた⋯このゴウエモンの力でこの学校全体を謎がひしめく異空間、からくり迷路に変えてやったのさ!キュアマスターがここにいるとは思わなかったが、まさかドアを壊すパワープレイでこじ開けるとは。頭脳派のお前さんも脳筋なところがあるようだな⋯」

 

「脳筋も何も従妹と弟子が密室に閉じ込められたら誰だってドアをぶち壊してまでも突入するだろ!それで、その迷路を脱出するには何をすれば良いんだ?」

 

「ふんっ⋯お前達には謎を解いてもらう。どれか1つでも謎が解けなかったら、永遠にこの迷路から出られない!」

 

「永遠に!?」

 

「そんな⋯」

 

 俺がどうしたら迷路を抜け出せるかをゴウエモンに訊ねると、やつは謎を解かないと永遠に抜け出せないと言い出す。これにみくるとあんなは絶望⋯謎が解けないと抜け出せない、そんな中でどんな謎が出るのかが不安だからだろうな。

 

「面白い、だったらその謎を全部俺達で解いてやるよ!それなら抜け出せるんだろ?」

 

「もちろん、俺はこういうことで嘘をつく主義ではないんでね⋯謎を解いたら脱出できるぞ?早速、最初の謎に招待してやろう。」

 

「「「うわあああああ!?」」」

 

 そう言ってゴウエモンが手を叩くと、足元に黒いトンネルができてはその中へと吸い込まれていく。そうしてトンネルの先には背もたれのない椅子と化学用品が並ぶ部屋があってそこに落とされた。

 

「理科室?」

 

「ドアも開かないよぉ⋯」

 

「ポチ〜!」

 

 そんな俺達が最初にゴウエモンから招かれた場所はみくるが言うには理科室だった。確かにそんな感じだもんな⋯理科室以外にこの部屋を何と表現すれば良いのだろうか?

 

「あっちのドアも開かないな⋯」

 

「閉じ込められたってこと!?」

 

「何とかしないと⋯」

 

「ポチ!」

 

「あっ、鍵穴⋯鍵を探せってわけか。」

 

 ドアが開かなくて手詰まりになりかけた時、ポチタンがドアにある鍵穴を指差す。これでどうすれば出られるのかの道筋はできた⋯鍵を見つければ良いというわけである。

 

『脱出せよ、ドアを開けるには鍵が必要。理科室の注意を守り鍵を見つけよ⋯』

 

 そんな時にゴウエモンは天の声として俺達に鍵を探せと呼びかける。理科室の注意を守って鍵を探す⋯とりあえず、理科室の中でやったらダメなことをしない限りはどんな手を使っても良いということだろう。

 

「ここから出るには鍵を見つけないとってことね。」

 

「そういうことだな⋯」

 

「よーし、そうと分かれば!」

 

「ポチ!」

 

「おい⋯あんな、ポチタン!?」

 

 俺とみくるが慎重に鍵のありかを考えようとした時、あんなとポチタンは無鉄砲に理科室の中を探し回る。本当にどちらも無計画というか慎重さがない子供だ⋯

 

「ない、ない、ない!」

 

「ポチィ!」

 

「どこにもな〜い!!」

 

「理科室の注意を守り鍵を見つけよ⋯」

 

「注意か。何を注意すれば⋯?おい、みくる、あんな⋯これを見てくれ!」

 

 何を注意すれば良いのか、俺とみくるで辺りを慎重に調べ回っているとある1枚の貼り紙を目にしてみくるとあんなをここに集めた。そこには『FIRE』と炎のイラストが描いてあり、恐らく『火を使う時は注意せよ』という意味だろう。

 

「どうしたの、ノブお兄ちゃん?」

 

「この張り紙を見てほしい。」

 

「『FIRE』?」

 

「火の絵もありますね。火を使う時は注意せよって意味じゃないでしょうか?」

 

「確かに!理科室って火を使うし気をつけなきゃだよね。」

 

「そうだ。理科室はガスバーナーとかアルコールランプとかを使う部屋だ⋯もし、大きな火が出たらすぐに消さないと、理科室の中にある薬品とか他のアルコールランプに燃え移って大変な事態になるからな。」

 

「火を消す⋯この火を消せば良いんだよ!」

 

 俺が絵を見た上で火の扱い方を説明すると、それをヒントにしたのかあんながこの火を消せば良いと答える。火を消すとはいえ、どうするのか⋯

 

「ポスターの火を⋯どうやって?」

 

「それは⋯こう!」

 

 みくるがどうやって火を消すのか疑問に思うと、あんなは三角フラスコに水を入れてはポスターに思い切ってかける。すると、火のイラストが消えてから火に覆われたところも消えて『F』が鍵になった。

 

「鍵だ⋯あんな、ナイス推理!」

 

「えへへ、ノブお兄ちゃんがヒントを与えてくれたおかげだよ。ありがとう!」

 

「さあ、まずはこれで理科室を出ましょう!」

 

 そうして、みくるに言われて俺は鍵を鍵穴にはめてから回していく。すると、ガチャリと音がして無事に解錠された⋯これで理科室からの脱出には成功である。

 

「「「やった〜!」」」

 

『まずまずだな⋯だが、次の謎がお前達に解けるかな?』

 

「解いてみせるさ⋯俺達3人揃えば無敵の名探偵だからな!」

 

「そうだね、ノブお兄ちゃん!」

 

「師匠、かっこいいです!」

 

「そうか?とりあえず、この調子で行くぞ!」

 

「「お〜っ!」」

 

「ポチ〜♪」

 

「「「また〜!?」」」

 

 俺達は謎を解いた勢いで理科室を出て次の迷路の行き先へと向かうことに⋯しかし、またもや真っ逆さまになって別の場所へと落ちていった。

 

「いてて⋯お前ら、大丈夫か?」

 

「何とか⋯」

 

「この教室は⋯音楽室!?」

 

 そうして次にゴウエモンから招かれた部屋は音楽室⋯黒板には五線譜があり、上には偉大なる音楽家の肖像画が飾られてあった。そこで待っている謎とは⋯!?




いかがでしたか?あんなちゃんは無事に転入してみくるちゃんと一緒になるも次から次へと好奇心旺盛なクラスメイトに話しかけられたりで大変なことに。ポチタンがバレかけて冷や汗でしたね⋯本当に赤ちゃんは怖いです。

ちなみに、信義のまことみらいでの評価ですけども⋯いきなり現れた名探偵って感じで事件を解決した実績とか色々語り継がれています。しかも、(この当時の)ジャニーズのアイドル級にイケメンであることでも定評でかなり人気だとか⋯そんな人物と同じところに住んでるってのも有名になってます。

そんな信義は理事長と話をしていましたけど、その中で彼の関西弁というか訛りについてが明らかになりました。過去の回想では関西弁バリバリでしたけど、大学に進学して明智家に住むようになってからはあんなちゃんと叔母にあたるあんなちゃんのお母さんの協力により標準語をマスターして訛りがなくなったとのこと。あと、彼の一人称事情については普段は『俺』ですけど、公の場で年上とか相手の時は『僕』、偉い人が相手の時は『私』と3つ使い分けています。なので、セリフの一部によって信義が喋ってるのかと思う部分はありますけどもご注意ください。

ファントムの方はブラキッドが出動しようとするもウソノワールに良い顔をしようとして出しゃばってる彼を気に食わないゴウエモンが強奪し、るるかちゃんを連れて行くことに⋯そのるるかちゃんは信義に会うためではありますが、ついて行きます。そこで迷路のトラップを学校に仕掛けました⋯その謎を3人は解けるのでしょうかね?1つは解くのに成功しましたけど。

るるかちゃんは恋を覚えて結構原作より光ってるなとは感じます。次回は後編⋯それぞれどうなるのかお楽しみに!

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