そんな今回ですけど、原作の8話分の話に入っていきます。プリホリ回ですね⋯しかし、2021年のトロプリにさんごちゃんの家系が作ったとされるプリホリを無理矢理1999年に作るとか歴史改変にもほどがあるでしょうよって思いました。それでさんごちゃんがけしかけたってファンアートというか二次創作を見たことがあります⋯先に言っておきますけど、今回はるるかちゃんの出番はほぼありません。ただ、後編に重要な出番が待ってるのでそこまで楽しみにして頂ければと思います⋯恋愛マニアの人は読みながら待っててください。
それと、今回の話はまるまる前半をやりましたけども⋯少し文字数に余裕があったのでおまけの話も入れてます。恋愛シーンはありませんけど、キュアマスターの秘密が明かされてますので⋯よろしくお願いしますね?
それでは、また後書きにて。
side信義
「ポチポーチ、ポチポーチ!」
ある日の休みのこと、ポチタンがいきなりキュアアンサーぽい服を着てその真似事をしていた。相変わらず『ポチ』しか喋れない赤ちゃんかもしれないが、しっかりアンサーの仕草とかは完コピできている。そこがとにかく可愛いものだ⋯
「ポチタン、はなまる可愛い!」
「ああ、アンサーの仕草のモノマネもなかなか上手いぞ。みくるもそう思うよな?」
「はい、可愛さ100点満点⋯です!」
「お前達、いつもよりテンション高いなぁ⋯」
俺達がポチタンのことで盛り上がっていると、ジェット先輩が呆れたような感じで反応する。本当に彼はドライというか素直じゃないんだよな⋯実は可愛いものが好きだってのに。
「「だって可愛いんだもん!」」
「まあ、こういうことだよ。お前も素直に可愛いと言ってみろって!」
「別に⋯」
『ところでジェット⋯このポチタンのキュアアンサー風衣装はどうしたんだ?』
「作ったに決まってるだろう?」
「作った⋯って、ジェット先輩が?」
ドギーがキュアアンサー風の衣装についてをジェット先輩に訊ねると、それを自分で作ったと言い出す。これには流石にみくるも疑問を持つばかり⋯もちろん、俺とあんなもだけどジェット先輩ってこういう可愛いものを作るセンスもあるんだな。
「うん、ポチタンもプリキュアになりたそうだったからデザインを考えて作ってやったんだ。」
「そうなのか⋯良かったな、ポチタン。」
「ポチポチ〜♪」
「「⋯」」
「ん、何だ?」
「「すっごーい!」」
「うわあっ!?」
あんなとみくるがしばらく黙ってた中で突然大きな声を出して感心する。それに驚いたジェット先輩はポチタンサイズの妖精なのか動物なのか⋯そんな姿になる。
「こんな可愛いものを作れちゃうなんて凄すぎる!」
「ただでさえ可愛いポチタンがお洋服着て可愛さ100倍だよ〜♪」
「「ジェット先輩、天才!」」
「知ってる!」
2人がジェット先輩を褒め称えると、彼はまた人間の姿に戻りドヤ顔を決めて威張る。彼は案外お調子者な一面があるのか⋯そこら辺は222歳とて見た目の年相応だろう。
「なあ、ジェット先輩⋯さっきの姿ってことはもしかして、ポチタンと同じ妖精?」
「まあ、種類は違うけど。それがどうしたんだ?」
「いや、お前も妖精の姿になると可愛いなと思ってw」
「言っておくが見せ物じゃないからな?別に可愛いと言われたところで何も贔屓はしないぞ?」
「はいはい、分かってますよ。それで、前から思ってたけどさ⋯ジェット先輩が作ったプリキットとかデザインが可愛いよな?」
「うんうん、それ凄く分かる!」
「どうしてこんなに可愛いもの作れるの?」
「天才だから!まあ、でも⋯最初からこうだったわけじゃない。可愛いについてかなり研究したからな⋯」
「そうなんだね。でも、私達だけのものにするのは勿体ないよぉ⋯そうだ!ジェット先輩、お店やらない?」
「お店?」
すると、あんなはジェット先輩に向かって唐突にお店をやらないかと提案する。お店となると⋯ジェット先輩が作ったプリキットを売るお店ってことだろう。
「ジェット先輩が作ったプリキットを何か可愛いグッズにしてお店をやったら良いと思うんだ。」
「それ良い!2階の空いてる部屋をお店にしたらどう?」
「なるほど。その売上が探偵事務所の活動資金になるし、事務所の知名度アップにもなる⋯あんな、グッドアイデアだ!やるんだったら俺も手伝うとしようかな?」
「ありがとう、ノブお兄ちゃん!」
「一緒に成功させましょう!」
「うーん、でもなぁ⋯発明道具は探偵業務の為に作ってるんだよな。」
『ジェット、信義も言ったがこれはキュアット探偵事務所の為でもあるんだぞ?事務所に依頼のついでもしくはその逆としてもお店に来てくれれば⋯どんな目的だろうと事務所やお店を利用する人が沢山できて知名度が上がる。美味しい話だろう?』
「そう言われれば⋯一理あるな。」
「何で犬のお前が仕切るんだよ!」
『俺は犬じゃない!姿は犬だが⋯』
ドギーがお店が出来てのメリットを語ると、ジェット先輩は納得する。しかし、こういう流れで犬のドギーに仕切られるとは⋯タイムパトロールで支部長をしてるとはいえ、ここではただの犬なんだから自重しろよと言いたい。
「よし、決めた⋯お店やってみるか!」
「「やった〜!」」
「ポチ〜♪」
ジェット先輩がお店の開業を決めるとあんなとみくるとポチタンは大喜び。ジェット先輩の作る可愛い研究品を手に取ってもらいたいという一心ではあるが、とにかくジェット先輩を乗り気にさせれたのは大きいだろう。
「やるからには売れる商品作ってガッポガッポ稼ぐぞ〜!」
「まあ、そうだけども⋯お金のことだけじゃなくて可愛いものを作ることを考えろよ?」
「信義に言われなくとも分かってるよ。僕の才能を信じてくれ!」
(そう言われても頭の中の思考回路がお金中心になってるんだよなぁ⋯)
「はいはーい、あのグロスを商品にするのはどう?」
「良いね!私、メイクってちょっと憧れてて。」
「じゃあ、コスメショップで!良い香りがするもの欲しいなぁ〜♪」
そんなこんなであんなとみくるはプリキットの中のグロスからコスメショップにしないかと提案する。これにみくるはかなり賛同の様子⋯そりゃあ、この年頃の女の子はメイクに憧れるものだから無理もないか。
「お前達⋯自分が欲しいだけじゃないのか?」
「「えへへ⋯」」
「まあ、コスメショップってのも悪くはないんじゃないか?女性のお客さんとか集まりやすいし⋯俺は良いと思うけどな。」
「なるほど。それなら悪くないかもな⋯とりあえず、試作品を作ってみるとしよう!」
あんな達から提案されたジェット先輩は乗り気ではなかったものの俺の説得に納得して試作品を作りに向かうのだった。こうして、俺達の新プロジェクトは1歩ずつ前進していくことに⋯
side out
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その頃、ファントムのアジトでは会合が行われていて今はニジーがウソノワールやみんなの前でこの前の戦いの動画を流しつつプレゼンテーションをしているところだ。
「我らの行く手を阻む名探偵プリキュア、邪魔者はニジーが今度こそ、今度こそ片付けてご覧にいれましょう!」
「必要ない⋯」
「えっ?」
「未来自由の書には新たなマコトジュエルを示している。ジュエルを集めてくるのだ⋯」
「ですが⋯!」
「お前達はマコトジュエルを奪うことだけを専念せよ。」
ニジーはウソノワールの前で自分がプリキュアを倒すと高らかに宣言するも、ウソノワールはそれをする必要はないとキッパリ言い切る。ニジーもプリキュアに何度もやられて焦りがあるのだろうか⋯本来の任務を忘れてしまっている様子だ。
「それならば私めにお任せください。」
「ブラキッド⋯」
そんな時、2人の間にブラキッドが割って入る。これを見たニジーの表情にはますます余裕がなくなった⋯アピールに失敗するだけでなく任務も奪われるとなると彼の面目は丸潰れだ。
「邪魔しないでもらえるかな?これは僕の任務だ⋯君のようにウソノワール様から信頼されてるからといって好き放題するような人に任務を譲るつもりはないよ!」
「へぇ⋯何回もプリキュアに負けてマコトジュエルも奪われてるあんたがそれを言うのか?説得力が全然ないね。この前だって情だけで生き残ったのに⋯その恩を仇で返す気なのかな?」
「何だと⋯!?」
「ほほう。ブラキッド⋯マコトジュエルを奪える自信はあるのか?」
「ええ、もうプリキュアのやり手は見極めました。私が必ず任務を遂行いたしましょう!」
「頼りにしてるぞ⋯ライライサー。」
「ライライサー!」
そうして、ブラキッドはマコトジュエル探しの任務へと向かった。ニジーは自分の任務を奪われたことに納得のいかない様子もここは何も言わずにすんなりと引き下がることに⋯
「ブラキッド⋯あんな大口を叩けるってことは相当凄い怪盗なのかしらね?ウソノワール様から特命を請け負ってたらしいし⋯るるかはどう思う?」
「どうでもいい⋯興味ないわ。」
「あら、そう⋯本当に最近はアイスと織田信義以外無関心なんだから。」
(ブラキッド、ウソノワールの前でかなりの自信を見せるぐらいだから結構強い怪盗かもしれない。織田さんのことを思うと凄く心配⋯でも、きっと大丈夫なはず。)
るるかはマシュタンの前ですら表ではブラキッドに対して興味なさそうにするも内心では彼を警戒して信義のことを心配する。自分の好きな人ということもあるが、何よりもブラキッドが自信家であることが大きい⋯そんなことを考えながら彼女は今回のことを静観するのだった。
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side信義
「まずお店を開くにあたっては掃除からだ⋯あんな、みくる、気合い入れていくぞ!」
「「お〜っ!」」
こうして俺、あんな、みくるの3人でお店の開店に向けて売り場となる探偵事務所の2階の掃除をしたり店の売り場の配置を考えたりと準備を進めることに⋯俺としても商売業は未経験ではあるが、やれる限りのことはやりたいところだ。
「ここにズラッと商品を並べたいね!収納のケースとか欲しいなぁ⋯」
「師匠、この辺りにお花を置くのはどうでしょうか?」
「良いな⋯ここら辺はお花屋さんに頼んで俺が最高のお花を用意するよ。」
「本当に!?流石、ノブお兄ちゃん!」
「まあな⋯とりあえず、掃除が一段落したらジェット先輩の様子でも見に行こうか。どういうグッズを作ってるのか気になるだろうし⋯」
「そうだね!」
「私も凄く楽しみです。頑張りましょう!」
そうして俺達は掃除を順調なペースで終わらせた後でジェット先輩がグッズを作ってる研究室を覗き見する。一見すると何やら瓶を作ったようであるが、コスメグッズだろうな⋯
「よし、仕上げだ!」
(アイツ、何をする気だ?)
「プリプリ、プリティースマーイル♪」
すると、ジェット先輩は妖精の姿になってからお尻を振って楽し〇ごの『LOVE注入』のようなポーズをして瓶におまじないをかけた。その瓶は紫色の瓶に変わったのだが、色んな意味で何なんだ⋯?
「プリプリ⋯」
「プリティースマイル?」
「いいっ!?きゅ、急に入ってくるなよ!」
あんなとみくるがこのおまじないに反応すると、ジェット先輩に気づかれてしまい人間に戻る。しかも顔が赤いものだからかなり恥ずかしかったのだろう⋯
「しかし、ジェット先輩もこんな可愛いところがあるとはな⋯ハートも飛んでたぞ。」
「今のは何?」
「うっ、今のは仕上げだ!プリキットを小さくする時にやるみたいな⋯」
「これ?」
「ああ、妖精の特別な力をギュッと詰め込む感じだ。」
みくるがプリキットを収めている上着を裏をめくり、この力かと訊ねるとジェット先輩は照れ臭そうにそうだと答える。妖精の力でプリキットはこんな感じでコンパクトなサイズに凝縮されてたんだな⋯不思議だとは思ってたけど、本当に凄いもので馬鹿にはできない。
「そのゴーグル、何か特別な力があるの?」
「そういえば、ジェット先輩って何か作る時は常にゴーグルをはめてるよな⋯」
「いや、ゴーグルに力はない⋯これを付けるのはおまじないみたいなものだ。」
「その話、詳しく聞かせてくれないか?」
「ああ⋯僕は昔、仲間達と一緒に発明品を作ってて誰が1番優れた発明家なのかみんなで競い合ってたんだ。その頃の僕は発明で1番大事なのは機能で見た目は関係ないって思ってた。」
「今のジェット先輩とは真逆だね⋯」
「ええ、それでどうして今のように見た目も重視するようになったの?」
「そう思うようになったのは僕の師匠である先生がきっかけなんだ⋯僕の発明品は機能性としてはかなり良くて周りもそれ自体は気に入っていた。しかし、1番人気だったのは僕らの先生であるシニアンの発明品だったんだ⋯」
「「「シニアン?」」」
みくるがどうして今のようになったのかを訊ねると、ジェット先輩は自分の師匠の話を始める。なるほど、彼にも発明の師匠がいるんだな⋯俺がサルさんから刑事として育てられてきたように彼もそのシニアンって先生から発明のいろはを叩き込まれたはずだ。
「そのシニアンから教わったんだよ。さっきの『プリプリ、プリティースマイル』というおまじないを⋯そのおまじないをかけることで使う人が笑顔になるって言われて、その際にこう言われたんだ。『発明品は暮らしや仕事を便利にする。でも、心を豊かにすることも忘れてはいけないよ?』って、それに続けて『笑顔を作るドキドキワクワクも大事』とも言われてね。それから僕も発明品に可愛さを加えるようになったんだ。」
「そうなのか、良い師匠と出会えて良かったな。」
「ああ。シニアンのおかげで今の僕がいるんだ⋯」
そうして、ジェット先輩は今に至った過去を俺達に話した。本当に話を聞くだけでも彼の師匠であるシニアンさんは本当に発明に真剣で素晴らしい師匠だということがよく分かる⋯それだけでない、発明の際に使う人の笑顔とか考えてることが深くて感銘を受けるばかりだ。
「確かに、ジェット先輩が作った物を見ると自然と笑顔になっちゃうよね?」
「とっても素敵な先生だね。」
「これはシニアンが使ってたゴーグルで工房を卒業する時に譲り受けたんだ。」
「ジェット先輩の宝物だね!」
「まあな⋯」
ジェット先輩は自分がかけてるゴーグルに触れては師匠であるシニアンさんのことを思いながらあんなの言うことに共感する。俺はキャリア組だから交番勤務を経験してないので、交番を卒業するというイベントはもちろん経験はしてはいないが⋯交番勤務を経験したサルさんや内岩一課長からはその交番の当時の上司から制服のネクタイを譲り受けたという話を聞いたことがある。あと、他にもノンキャリアの同期や先輩も同じイベントを経験していたとのこと⋯ジェット先輩の話を聞いてると俺も交番勤務を経験したかったと思わされる。
side out
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「未来自由の書はここを示したか⋯」
時同じくしてキュアット探偵事務所の前、そこには今回ファントムでマコトジュエル奪還を任されたブラキッドがいた。どうやら未来自由の書の予言を頼りにここまで来たようだ⋯ここにマコトジュエルの宿る何かがあるのだろう。
「ここは、キュアット探偵事務所⋯だと?イギリスで任務をしてた時は本部はほぼ動いてない状態だったぞ?なるほど、やはりプリキュアの復活と共に日本支部も復活してたのか⋯」
ブラキッドは建物の中のジェットや信義達の動きを見ては事務所の復活に興味を示す。彼がイギリスで特命を任されていた時には既に事務所はほぼ動きがなくファントム本部への帰還を命じられた中だっただけに動きがあるというのは彼にとっては吉報と言える。
「ここにマコトジュエルが現れたとしたら丁度良い⋯ついでに名探偵プリキュアも完膚なきまでに痛めつけて、マコトジュエルを盗んでみせる⋯この俺、ブラキッドがな!」
そうしてブラキッドは笑みを浮かべてから作戦を実行していくのだった⋯果たして、彼はどんな作戦を仕掛けるのか?魔の手は徐々に迫りつつある。
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side信義
それから俺達は開店に向けてジェット先輩が開発した機械を用いてグッズの増産体制へと入っていく。ここに至るまでには俺達だけでなくドギーも力になってくれたのだ⋯本当に姿は犬なのに役に立つものである。
「よし、こんなものかな?」
「ドギーもありがとな⋯お前のおかげだよ。原材料とか色々探してくれて助かったぞ?」
『まあ、俺は犬だから公には動けないからな⋯ただ、この時代には俺の部下がちょうど任務のためにいたからそいつに頼らせてもらったよ。』
「凄い、ドギーの周りにはそんな人がいるんだ⋯一度会ってみたいなぁ〜。」
「私も!その人ってどういう人なの?」
『それはお前らでも教えられない⋯タイムパトロールの潜入捜査は極秘事項だからな。俺の仲間のことを一般人に知られてその動向を見られたらこの時代に潜入しているスパイや犯罪者から命を狙われる可能性がある⋯それを避けるためだ、理解してくれ。』
「「はーい⋯」」
あんなとみくるは口を尖らせて少し納得してないものの渋々同意する。まあ、俺の時代においてもスパイ防止法が検討されてるぐらいだから情報保護ってのはドギーの時代でも大事にされてるんだろうな⋯もしかすると、その未来にはスパイ防止法以上に強固なインテリジェンスに関する法律もあるのかもしれない。まあ、そこは後でドギーに訊いてみることにしよう⋯
「よし、できたことだから⋯行くぞ!プリプリ、プリティースマイル♪」
そうしてジェット先輩はシニアンさんから教わったおまじないを全力で愛を込めて完成品にかけていく。絵面はなかなかシュールかもしれないが、彼の過去を聞いてからだとこれが物凄く大事な作業だと思ってしまう。
「「プリプリ、プリティースマイル♪」」
そんな中であんなとみくるも便乗しておまじないをかけていく。やっぱり女の子の方がやった方がより絵になるなとは思うが⋯とりあえず生産分は全て完成したという感じだ。
「ふふんっ♪」
「ほら、ノブお兄ちゃんも!」
「いや、俺はやらないぞ⋯」
「こんにちは、カメリアインテリアです。ご注文の収納ケース持ってきました!」
俺が危うくやらされそうなタイミングでカメリアインテリアのちほさんがノックしてはやって来る。ひとまずは助かったが、もう来るとか仕事が早いな⋯
「ちほさん、急に頼んだにも関わらずありがとうございます。2階の棚の整理に使いたいと思ってて⋯」
「分かりました、2階ですね?」
「お願いします!」
「こんにちは、フラワーショップ花森です。鉢植えや切り花、色々持ってきました!」
それに続いて今度は今回頼んだ花屋であるフラワーショップ花森の花森さんがやって来た。俺の時代にもある花屋さんを辿ってこのお店に連絡をしてみたのだが⋯どうやら、この当時から存在していたようでそのまま頼んだというわけだ。
「花森さん、ありがとうございます。お店に飾ってみて決めたいと思ってますが大丈夫ですか?何なら僕も運ぶのを手伝うので。」
「助かります。もちろん、飾ってから決めて頂いて大丈夫ですよ?」
「すみませんね。」
「ジェットくん、いつものスイーツ持ってきたよ!」
さらに、今度はパティスリーチュチュの店長である浅井たいらさんもこの探偵事務所を訪れる。彼はジェット先輩が注文したケーキを持ってきたようだが⋯
「店長、いつもありがとう!」
「お礼を言うのはこっちだよ。ジェットくんはウチの常連だからね!」
「ちょっと待って、お金取ってくる。」
「OK、じゃあケーキを冷蔵庫に入れとくね。」
ジェット先輩はそう言ってお金を取りに行き、たいらさんはケーキを冷蔵庫に入れに行った。どうやら話を聞く限り、ジェット先輩はこのお店の常連のようだ⋯たいらさんからも名を知られてるとは。もしも常連だったら割引券とか持ってるのだろうか?そうだとしたら、今度るるかちゃんとデートする時に使いたいものだ。
「あっ⋯!?」
ジェット先輩が財布を手にしたその時、いきなり開いてしまい小銭が散らばってしまう。彼はシニアンさんから譲り受けたゴーグルを外してから小銭を拾おうとした。
「私達も手伝うよ?」
「サンキュー⋯」
こうしてあんなの行動を皮切りに俺達も小銭拾いを手伝うことに⋯しかし、この時代って本当に不便だと思ってしまう。当時のお金は札と小銭しかなくて電子マネーという選択肢がなかったからな⋯何でもかんでもポケットマネーかあるいはクレジットカードだった。俺は両方の時代を生きている人間ではあるが、今の方が色々扱いが難しいところはあるものの便利だと思っている。
「やっと取れた⋯みんな、ありがとう。」
「気にすんなって!」
「ポチ!?」
「さて⋯」
ジェット先輩が置いていたゴーグルを手にしようとしたその時、置いた場所にはゴーグルがなかった。まさか、いきなりなくなるだなんて⋯何が起きたんだ!?
「うわあああああ!?」
「ジェットくん、どうしたの?」
「どうしたんですか!?」
彼の騒ぎによってたいらさんや花森さんに加えてちほさんも集まる。それもそうだ⋯自分の師匠であるシニアンさんから譲り受けたものが消えたのだから騒ぐのも無理はない。
「ないって⋯まさか、ゴーグルか!?」
「そうなんだ、確かに置いたはずなのに⋯」
「私達に任せて!あんな、師匠⋯」
「うん!」
「俺達がジェット先輩のゴーグルを見つけてやるから!安心してくれ。」
「頼んだ⋯」
「ああ!オープン、プリキットミラールーペ!」
こうして俺達はジェット先輩のゴーグルをプリキットミラールーペを頼りにして探すことに⋯これがあればどんな紛失物でも足跡を頼りにありかが分かる優れものだ。
「カバーを外して⋯」
「「「ルーペモード、オン!」」」
そうして、ミラールーペのカバーを外してからルーペモードに切り替える。これで浮かんできた足跡から誰がジェット先輩のゴーグルを持ち運んだのかが分かるはずだ。
「ミラールーペがあればどんな手がかりだって見つけちゃう!」
「足跡が浮かんできた⋯沢山だな。どれが誰なんだ?」
「私達の足跡は消して!」
あんながルーペに俺達の足跡を消すように指示すると、俺達の足跡が消えて3人分の足跡だけが残った⋯俺達以外の3人となると、この事務所に来た3人ってことになるだろう。
「これは⋯」
「はなまる発見、足跡は3つ!」
「3つの足跡は⋯ちほさん、花森さん、たいらさんのもの。」
「つまり、ジェット先輩のゴーグルを盗んだ犯人は3人の中の誰かってことだ。まあ、厳密に言えばその3人の誰かに変装したファントムのやつだな⋯」
「ポチタンが反応してたのはジェット先輩のゴーグル?」
「ポチポチ!」
「そうだとしたら、ゴーグルにマコトジュエルが宿っててそれを誰かが変装して盗んだと⋯皆さん、今回の事件の犯人はこの中にいます!」
「何ですって!?」
「ええっ?」
「いや、僕は違いますよ?何を言ってるんですか!」
「とりあえず⋯あんな、みくる、事情聴取だ!」
「「はい(うん)!」」
「ご注文頂いた収納ケースを置いて、それから店内を見て回りながらインテリアのアイデアを考えていました。」
「ケーキを探偵事務所の冷蔵庫まで入れに行ってました。」
「持ってきた花を2階に運ぼうと階段を上っていたら声が聞こえたから慌てて戻ってきたんですよ⋯」
そうして、俺達は容疑者の3人にそれぞれ事情を聴くことに。それぞれの言い分を聞いた上で精査していきたいのだが⋯それぞれに一見したらアリバイがありそうだった。
「みんなの行動や証言におかしいところはない⋯」
「一体誰が?ノブお兄ちゃんは何か分かる?」
「俺にもさっぱりだ⋯証言の通りだと3人にそれぞれアリバイがあるからな。」
「そうですけど⋯誰なんでしょうか?」
「ポチ〜⋯」
俺達が誰が犯人なのかを話し合っていると、ポチタンの腹の虫が鳴っては突然人前で喋りだした。まずい⋯ポチタンのことがバレたらややこしくなるってのに!
「えっ、今⋯ポチ〜って。」
「ポーチが喋った!?」
「き、気のせいだよ!?ねっ、ノブお兄ちゃん?」
「お、おう⋯そんなポーチが喋るとか非現実的なことなんてありませんよ!なあ、みくる?」
「そ、そうですね。すみません⋯今のは私のお腹の音なんです。ポチポチお腹空いたなぁ⋯なんて!(苦笑)」
「アハハ⋯元気なお腹の虫ですね。」
俺達が必死にポチタンのことを誤魔化していると、花森さんは純粋にみくるの腹の虫だと受け止めて笑い出す。しかし、彼だけ喋るポチタンを見た上での反応が違った⋯そして、閃いたのだ。
「「「見えた、これが答えだ!」」」
「犯人は⋯」
「あの人だ!」
「ああ、事件解決としますか!」
こうして、これらの反応から俺達の中でジェット先輩のゴーグルを盗んだ犯人が分かった⋯ファントムの人間が誰に変装してるのか、この事件も解決の時だ!
おまけ
『キュアマスターの由来』(side信義)
「ねえ、ノブお兄ちゃん⋯」
「どうしたんだ、あんな?」
「ノブお兄ちゃんが変身したプリキュアってどうしてキュアマスターなの?」
コスメショップ開店プロジェクトを考え出した数時間前のこと、朝ごはんを食べてる中であんながある1つの質問を俺に投げてきた⋯本当にあんなは本物の方もいきなりな質問を投げてくるものである。
「どうしてってそりゃあ俺がキュアマスターに変身したんだからそうだろ。それ以外に答えはないと思うんだけど⋯」
「信義の言う通りだ。選ばれたんだから変身してるんじゃないのか?」
ジェット先輩も俺の答えに同調して逆にあんなに問う。俺はキュアマスターの力に選ばれたからキュアマスターになった⋯その答えで満足ではないだろうか?
「そういう意味じゃないの!どうしてノブお兄ちゃんがキュアマスターなのかなって⋯」
「どういう意味だよ。詳しく教えてくれ⋯」
「名前の法則だよ。私はキュアアンサーであんなだから『あん』があるでしょ?みくるはキュアミスティックで『み』と『く』があって響きがそれぞれ似てるけど、ノブお兄ちゃんは名前に『マスター』の要素がないのにどうしてキュアマスターなのかなって疑問に思ったの。」
「そう言われてみれば確かに⋯あんな、よく気がついたね?」
「よく考えたらこういう法則を見つけたんだよ。それで、どうしてなの?」
『それは俺の名前だからだよ。』
あんなの気づいた法則を聞き、俺が答えに悩んでいるとこの質問に答えられそうな先代キュアマスターのドギーがやって来た。どうやら彼の名前であると本人(犬)は言ってるようだが⋯
「名前?でも、ドギーって確か名前はドギー・ケントって言ってたはずだと思うけど⋯師匠、私の記憶は合ってますよね?」
「ああ。もしかしてと思うが、ミドルネームか?」
『その通り、俺のミドルネームは『マスター』なんだ。つまり、本名はドギー・マスター・ケント⋯俺のミドルネームがそのまま変身するプリキュアの名前になったんだよ。まあ、これを付けたのは変身システムであるジュエルキュアライセンスフォンを開発した博士なんだが⋯安直すぎるって今でも思うものだ。』
ドギーは俺の問いを肯定する。しかし、名前を付けてくれた博士に対して彼は愚痴を吐く⋯本名のミドルネームがマスターであることをここで知れたのだが、それをそのまま変身するプリキュアの名前に使われたら当然不満だろう。俺に例えればキュアノブヨシになるようなものだからな⋯
「でも、ドギーのミドルネームがマスターって凄くかっこいい!みくるもそう思うよね?」
「ええ、何でもできるって感じがタイムパトロールの支部長に向いてるって感じがして素敵だよ♪」
『ふっ、それほどでもない⋯』
(おいおい、こんな犬を調子に乗らせるなよ⋯ってか、ドギーって案外天狗になるタイプなんだな。)
「そうなると、ニジーが言っていたキュアアルカナ・シャドウはこの法則からしたらるるかさんなのは間違いないかも⋯だって、アルカナには『る』と『か』があって響きも似てるから。もしかしたら、やっぱり本当にファントムの仲間なんじゃないかな?」
「そんなことはない!るるかちゃんのような心優しい子がファントムの人間なんて⋯俺は絶対認めないぞ?お前、二度とそれを言うなよ!?」
「ご、ごめん⋯」
「師匠、落ち着いてください。まだるるかさんがファントムの仲間だと確定したわけじゃないですよ?それが嘘であることを証明するのに私達も協力しますから。今は朝ごはんを食べましょう?」
「そうだ、探偵に限らずどの職業にも冷静さも大事だ。ここで怒ってたって何も始まらないぞ?」
俺があんなに対して立ち上がって怒鳴ると、みくるとジェット先輩から諭されてから我に返る。本当に俺はるるかちゃんのことに対して神経質になりすぎていた⋯それは自覚していたもののやはり反射的に言ってしまうんだよな。
「そうだな。あんな、ごめん⋯いきなりお前に怒鳴ってしまって。」
「ううん⋯私の方こそごめんなさい。法則を見つけたことを自慢したいあまりノブお兄ちゃんの気持ちを考えてなかった⋯大丈夫、みくるも言ったけど私もるるかさんがファントムの仲間じゃないと証明する為に協力するから。一緒に頑張ろう?」
「もちろんだ。るるかちゃんは必ずファントムの嘘から守ってみせる⋯俺がこの手で。」
「お前だけじゃないぞ?あんなやみくるだっている⋯もちろん、僕も力になりたいと思ってるからな。それを忘れるなよ?」
「ジェット先輩⋯ああ、ありがとう。」
「とりあえず、暗い話はこれで終わりにしようよ。ところで、ジェット先輩がもしもプリキュアに変身したらキュア何になるんだろう?」
「なっ!?」
「うーん⋯安直にキュアジェット?」
「おおっ、キュアジェットか⋯安直だけどなかなか面白い名前だな!みくる、良いセンスしてるぞ?」
「そうですか?ありがとうございます♪」
「ノブお兄ちゃんは何になると思う?」
「俺か⋯キュアジャックはどうだ!響きも良いしかっこいいだろ?」
『だが、ジャックってトランプ的には王子だろ?こういう幼いジェットには合わないんじゃないか?』
「確かにw」
「お前ら⋯僕のことで遊ぶなぁあああああ!!」
俺達が思いっきりジェット先輩をいじると、彼は顔を赤くしてとうとう怒ってしまった。やっぱり、ジェット先輩が222歳ってのは無理があるんじゃないかって思ってしまうものである。しかし、さっきまでるるかちゃんのことでピリピリしてた中であんなが笑顔になるネタを提供してくれた⋯本当にコイツには感謝しかない。いつもありがとな⋯あんな。
いかがでしたか?あんなちゃんとみくるちゃんが言い出しっぺになったコスメショッププロジェクトですが⋯ポチタンの衣装やらプリキットが皮切りになってジェット先輩の可愛いグッズを広める作戦に出ました。それで歴史を変えてる認識はあるんかって思いますけど、そもそもジェット先輩が発明したプリキットって現実にあったら1999年の人達はひっくり返りますよ?ドラえもんの秘密道具レベルの技術ですもんね。その発明のアイデアも師匠ありきですね⋯信義も猿田という刑事の師匠がいて今がありますし、何よりも今は弟子達も育ててますから。しかし、あのおまじないは演じてた梶くんは思い切ったなと思いますよ⋯思い出すだけで黒歴史かとw
そんなこんなで順調に開店準備を進めるも、そこに迫るはブラキッド⋯ニジーから仕事を横取りするというウソノワールからの信頼の具現化ですけど、そんな彼が何をするのか?次回明らかになりますけど、その中でゴーグルが盗まれるという。犯人というかブラキッドが変装したのはたいらさん、花森さん、ちほさんの3人⋯しかし、信義達は変装された人を特定!果たして!?
るるかちゃんに関しては今回は静観となりますね⋯そして、おまけではキュアマスターの秘密が明かされました。なんと、ドギーのミドルネームの『マスター』から来ていたという⋯その中でちょっと信義も取り乱した場面もありましたが、最後はコメディフルで締めました。こんな感じで文字数に余裕があったらおまけもやるかもしれないので、今後もご期待ください。
次回は8話分の後編です。前書きにも書きましたが、この回の最後に恋愛模様が動きますのでね⋯感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをして待機をよろしくお願いいたします!
それでは⋯