名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。中1日で投稿できるように頑張って書いてきました!この週末は結構執筆に時間を割けたものだと思ってます。たんプリ原作も何かとエクレール候補の匂わせとか結構あってますけども⋯まず少なからず昨日の放送でのエリザちゃんはちょっと候補の1人ながら薄いなと思いました。あんなテンションな高そうな子だとは音声解析からは思えませんし⋯とりあえず、今後の展開はマシュタンなり何なりにでも占ってもらいましょうかね。

そんな今回は8話分の後半戦で前半でほのめかしていましたが、ブラキッドの初戦です。どれだけ名探偵プリキュアを苦しめるのか⋯そこも注目してください!そして、色んな意味で今後が大事になるので最後まで見逃せませんよ?

それでは、また後書きにて。


#18 開店、ようこそPretty Holicへ!

side信義

 

「待て、ジェット先輩のゴーグルを返してもらおうか!」

 

 俺達(ジェット先輩、ポチタン、ドギーも含む)は事務所の外に出ては逃げようとした犯人を追いかけてはその姿を捉える。その犯人の正体とは花屋の花森さんだ⋯

 

「ゴーグル、何を言ってるんですか⋯僕は何も盗んでませんよ?」

 

「とぼけても無駄だよ、『ポーチが喋った!』ってみんなが驚いていたのにあなただけが驚かなかった!」

 

「私達以外ポチタンのことを知ってるのは怪盗団ファントムだけ⋯」

 

「変装できることを考えたら、どうせまたニジーかアゲセーヌだろ。正体を現せ!」

 

「ふふふ⋯お見事だね、名探偵さん達。でも、あんたらは1つだけ推理を間違えている⋯」

 

「何だよ?」

 

「俺はニジーでもアゲセーヌでもないんだよ!」

 

 そうして花森さんに変装したやつは衣類とかを全て脱ぎ捨てて変装を解く。そこにいたのはニジーでもアゲセーヌでもない見知らぬ怪盗だった⋯白いタキシードとシルクハットがトレードマークで同じ怪盗とてニジーやアゲセーヌよりも大物感のオーラを感じる。

 

「お前は!?」

 

『ジェット⋯知ってるのか?』

 

「ああ、イギリス国内では指名手配されてる怪盗とは聞いている。名前はブラキッドだが⋯まさか日本に来ていたとは。」

 

「よく知ってるな坊主⋯そう、俺はブラキッド。ウソノワール様に仕えしエリート怪盗だ!」

 

「「「ブラキッド⋯」」」

 

「ブラキッド⋯お前、僕のゴーグルを返せ!それはシニアンの思いの込もった大事なものなんだ!!」

 

「知ったこっちゃないね。俺はウソノワール様の為にマコトジュエルを回収しただけだ⋯それをウソノワール様から命じられてわざわざ日本に来たというのに。また名探偵プリキュアの邪魔が入るとは⋯まあ、それも今回限りだ。俺があんた達を完膚なきまでに倒してやる。嘘よ覆え、It's show time!ハンニンダー!」

 

「ハンニンダー!」

 

「シニアンのゴーグルが!?」

 

 そうして、ブラキッドはジェット先輩のゴーグルにトランプを刺してゴーグルをかけたハンニンダーを生成する。ジェット先輩はそれを見て動揺してしまう⋯それもそうだ、シニアンの代からの宝をハンニンダーにされて冷静でいられるはずがない。

 

「安心しろ、ジェット先輩⋯お前のゴーグルは俺達が取り返してみせる。あんな、みくる⋯行くぞ!」

 

「「うん(はい)!」」

 

「「「オープン!」」」 

 

「「ジュエルキュアウォッチ!」 

 

「ジュエルキュアライセンスフォン!」

 

「「「プリキュア・ウェイクアップタイム!」」」

 

(変身中⋯)

 

「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」

 

「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」

 

「百鬼夜行を斬り犯罪撲滅!名刑事キュアマスター!」

 

「「「名探偵プリキュア!」」」

 

「私の答え、見せてあげる!」

 

 そうして俺達は変身を済ませて名乗りまで決める。今回は未知の相手が生み出したハンニンダーに挑むことになるが、平常心で挑めば怖くない⋯この時まではそう思っていた。

 

「ハンニンダー、手加減は無用だ。遠慮なくプリキュアを圧倒しろ!」

 

「ハンニンダー!」

 

 ハンニンダーはブラキッドの指示を聞いて、挨拶代わりにビームを放つ。しかし、これは避けてからそれぞれ3方向に阿吽の呼吸で分かれる。

 

「はああああっ!」

 

「ハンニンダー!」

 

 ミスティックが真っ先に攻撃しようとすると、ハンニンダーは急に狙いを定めては的確にビームを放ってくる。この寸分の狂いのない攻撃はまさにロックオン機能がついてるのではなかろうか?

 

「ミスティック、危ない!」

 

「えっ⋯きゃああっ!?」

 

 俺が何とか叫んで呼びかけるもミスティックは防御が不十分だったかビームをもろに食らってしまい落下した。何というチート能力だ⋯適当な乱射ではなく的確に勢いよく当てるだなんて。

 

「ミスティック!」

 

「ハンニンダー!」

 

「うわああっ!?」

 

「「アンサー!」」

 

 さらにハンニンダーは後ろに回り込んでいたアンサーの方を向いてからビームを放ち、避ける余地もなく命中して吹き飛ばされる。後ろの気配まで感知できるのか⋯これでは手も足も出ない。

 

「ううっ⋯」

 

「どうして、気づかれたの?」

 

「何とも呆気ないな⋯今の名探偵プリキュアは。このハンニンダーにはロックオン機能が内蔵されていて、しかも360度感じ取れるセンサーまでもがある。どうだ、恐れ入ったか?」

 

「だったら俺が!」

 

「マスター!?」

 

『馬鹿、何をするのか分からないのに無茶するな!』

 

「果敢に挑むか⋯ロックオンされてるのも承知でとは馬鹿の一つ覚えだな!だったら望み通りに藻屑になりやがれ!!」

 

「ハンニンダー!」

 

「はあっ!」

 

「何!?」

 

 ハンニンダーは俺に狙いを定めてビームを放つが、ベガを抜いてからそれで斬り裂く。俺ならではの強みが出たと言える⋯何とかギリギリの凌ぎではあるがな。

 

「俺にはベガがある、これさえあれば何でも斬れるんだよ!」

 

「くっ⋯ハンニンダー!」

 

「ハンニンダー!」

 

「遅い⋯はあああっ!」

 

「させるか!」

 

 ビームを斬って、俺はハンニンダーまでもを斬ろうと強襲する。これで決まったと思ったのだが、その寸前でブラキッドが白銀で杖の形をした剣を出しては攻撃を受け止めた。

 

「何!?」

 

「悪いな⋯俺もあんたと同じ剣使いなんでね。とどめは刺させないよ?」

 

「だったら、その剣を⋯ぐうっ!?」

 

 俺がその剣を折ろうとベガを振ろうとしたそのタイミングで何をしたのか⋯いつの間にか俺の利き肩の方である右肩にトランプが刺さっていて、痛みのあまりにベガを落としてしまう。肩に触れると血が出ていて神経までは行ってないもののかなり深く刺さってしまった⋯何とかトランプは抜いたものの血が止まらない。

 

「お兄ちゃん!」

 

「師匠!」

 

「『マスター!』」

 

「ブラキッド、何をした⋯」

 

「ああ、これで撃ったんだ。トランプ射出銃で⋯俺が剣だけしか使えないと思ったのかな?本当にあんたの推理は素晴らしいとは聞いてるけど、行動というか思考があまりにも単純すぎる⋯残念な男だよ。」

 

 ブラキッドはそういってから少し大きめに作られた銀の銃を見せてから俺を罵倒する。俺の行動や思考ってそんなに単純だったのか⋯こいつを他のファントムのやつと同じレベルだと思ったが、どうやら甘く見てた自分の方が誤算のようだ。

 

「しかし、こんな古いゴーグルのために命も厭わないなんて本当に馬鹿な集団だ⋯俺の知る名探偵プリキュアはもっとクレバーだったよ。なのに、すっかり落ちぶれたもんだ⋯こんなゴーグルぐらい新しく買えば良いのにな。代わりなんていくらでも世の中に溢れてるだろうによ⋯」

 

「代わりなんてあるわけがない⋯ジェット先輩のゴーグルには師匠であるシニアンさんの思いも込もってる世界に一つだけの宝物だ。お前らに渡すわけにいかない!」

 

「マスター⋯」

 

 俺は怪我をした右ではなく利き手ではない左手だけでベガを握り立ち上がる。とにかくジェット先輩の宝物であるゴーグルを守るために俺は戦うのみ⋯アンサーとミスティックが届かないところにいる以上は俺がやるしかないんだ!

 

「そんな片手でしか剣を持てないのに何ができるんだ?はあっ!」

 

「ぐっ、ちっ⋯(ダメだ、片手しか使えない中だと攻撃ができない。どうすれば⋯)」

 

「ふんっ!」

 

「⋯!?」

 

 俺は何とか片手でベガを握って相手の攻撃を食い止めようとするも利き手でない左手では力は足りず、ブラキッドによってベガを弾き飛ばされてしまう⋯これではもう為す術がなくなってしまった。

 

「チェックメイトだな⋯」

 

「ぐっ⋯!」

 

「「はあああっ!」」

 

 俺が剣で斬られようとしたその時、アンサーとミスティックが勢いよく飛び蹴りで襲いかかっては攻撃を受け止める。しかし、対するブラキッドもこの蹴りに負けていなかった⋯

 

「お兄ちゃんは⋯」

 

「師匠は⋯」

 

「「私達が守る!」」

 

「うざったらしいんだよ、お前ら!」

 

「「きゃあああ!」」

 

 ブラキッドは剣を振り抜いてまとわりついていたアンサーとミスティックを弾き飛ばしては地面に叩きつける。こいつは技が多彩というか力が強い⋯とうとうそんな男は堪忍袋の緒が切れたのか先ほどと比べて口調が荒くなった。

 

「アンサー、ミスティック!」

 

「終わりだ、キュアマスター。お前はよくここまで名探偵プリキュアのリーダーとしてチームを引っ張ってきた⋯その功績を称えて俺がとっておきの死の魔法で殺してやる。デス・ルミナススター!」

 

 ブラキッドは杖を掲げてから黒い星の形をした弾幕を放とうとする。これに当たったら俺は間違いなく死ぬだろう⋯ここでベガを取りに行こうとしてもその前に直撃は避けられない。どうすれば⋯?

 

「さらば、キュアマスター!」

 

「⋯!」

 

「なっ!?」

 

「「「「『えっ!?』」」」」

 

 弾幕をブラキッドが放とうとしたその時、突如として俺の横を斬撃が通ってそれが彼の杖を持っていた右腕に命中してそれを吹っ飛ばした。一体何が起きてるんだ!?ジェット先輩やドギーもそして俺達も声を揃えて驚いた。

 

「なっ⋯俺の右腕が、誰だ!?」

 

 ブラキッドが腕を切断された右肩を押さえていると、上半分が白で長いスカートが青紫のドレスを着ていて青紫のロングヘアーをした女性が俺達の前に現れた。手には俺と同じ警棒の剣を持っており、顔に関しては俺達から見て後ろ姿なのでよく分からないが、助っ人であることは確かだろう。

 

「大丈夫ですか、キュアマスター。」

 

「ああ、大丈夫だ。あんたは⋯」

 

「私は通りすがりの戦士、名乗るほどの者ではありません⋯」

 

 その女性は俺の方を向いてから声をかける。彼女は目を隠したいのか目のところにベールを被っていて口だけが見える状態⋯しかし、どこかで聞いたことのある凛々しい声であるような気はするが。気のせいだろうか?

 

「くっ、誰だか知らないが勝ったつもりでいやがって⋯」

 

「見て、ブラキッドの腕が!」

 

「繋がって元に戻った!?」

 

 すると、ブラキッドの斬れた右腕が右肩とくっついては元に戻る。まさか修復までしてしまうなんて⋯これにはアンサーとミスティックは後ろで驚くばかりである。

 

「俺はこのシルバーマジカルロッドを持っている限り、その部分を切断されても魔力で修復できるんだよ⋯この乱入者め、まずはお前からだ!」

 

 ブラキッドは女性に対して杖の剣を振って攻撃を仕掛ける。しかし、その動きを読んでいるのか女性は冷静に捌いていく⋯この戦い慣れた感じ、俺達よりも強いのは間違いない。

 

「ふんっ、たあっ!」

 

「遅いですね⋯それがあなたの限界ですか?」

 

「何を⋯!」

 

(凄いな、この人⋯俺よりも剣のスペシャリストじゃないのか?本当に何者なんだ⋯!?)

 

「はあっ!」

 

「ぐっ⋯!?」

 

「ブラキッドの相手は私がします、その隙に皆さんはハンニンダーを!」

 

「分かった⋯アンサー、ミスティック!」

 

「はい!でも⋯師匠、右肩は?」

 

「心配するな。左は動く⋯それに、そこまで深くは刺さってないからしばらく違和感はあるだろうがすぐ治るさ。」

 

「良かった⋯それでね、2人とも。作戦があるの!」

 

 3人で集まると、アンサーは早速俺とミスティックに作戦を授ける。それを聞いた上で俺もミスティックも納得⋯流石は俺の従妹だ、機転が早いな。

 

「行くよ〜!」

 

「ハンニン、ダー、ダー!」

 

 そうしてアンサーはまず上空高くへと飛び上がっていき、ハンニンダーへと襲いかかろうとする。そこをやはりロックオンで狙いを定めるハンニンダーでビームを放ち、それを避けていく。しかし、そこから彼女は何もせずただ単に敵の手中に捕まった。

 

「何を考えてるかは知らないが、ジ・エンドだ⋯くっ!?」

 

「よそ見をしてる場合じゃないですよ?」

 

「くっ⋯」

 

「ジ・エンドなのはお前らの方だ、ミスティック!」

 

「はい、やあああっ!」

 

「ハンニン、ダー!?」

 

 ミスティックは左サイドから回ってマントを翻してからハンニンダーの視界を遮る。これでまず人質になったアンサーを手放すことになり、そのまま俺と共に攻撃態勢へ。

 

「「アンサーマスターWアタック!」」

 

 そのまま俺の左とアンサーの右でWアタック(パンチ)をお見舞いする。食らったハンニンダーは吹き飛ばされていく⋯これが俺達従兄妹の絆ってものだ!(ちょっと説得力が薄いかもだが⋯)

 

「なっ!?」

 

「はああっ!」

 

 そうして女性の方もブラキッドのやけくそな攻撃に対抗して的確に杖を真っ二つに斬り裂く。これでどちらも制圧に成功⋯これで戦況は逆転した。

 

「馬鹿な⋯俺のシルバーマジカルロッドが!」

 

「今です!」

 

「ありがとう。アンサー、ミスティック!」

 

「「うん(はい)!」」

 

「「「オープン、プリキットミラールーペ!ポチタン!」」」

 

「ポチ〜!」

 

「「「マコトジュエル!」」」

 

「見て⋯」

 

「感じて⋯」

 

「謎を解く!」

 

 そうして、俺達はプリキットミラールーペを起動してポチタンの出したマコトジュエルをセットする。俺に関しては動く左手だけで何とかはめてそのままダイヤルを回した。

 

「「「これが私(俺)達のアンサーだ!プリキュア・フライングスペクトル!」」」

 

 俺達が呪文を唱えると、フライングスペクトルをハンニンダーに放つ。ハンニンダーは今回もまた無抵抗のままそのまま食らっていき、浄化されていくのだった。

 

「「「キュアっと解決!」」」

 

「ハン、ニン、ダー⋯!」

 

 ハンニンダーが消えるとジェット先輩のゴーグルが元に戻り、オレンジのマコトジュエルが出てきた。これがシニアンさんの代から込められた結晶である。

 

「ポチポチ、キュアキュア〜♪」

 

 ポチタンにそのマコトジュエルをセットすると、ポチタンは喜んでそのジュエルは吸収された。また一つポチタンは養分を得て成長していくことに⋯

 

「これで勝ったと思うなよ⋯俺は決して名探偵プリキュアには負けてない!」

 

 そう言ってブラキッドは魔法陣を生成してから負け惜しみを残して消えていく。これで平和にはなったが、それと同時にあの助けた女性もいなくなっていた。

 

「逃げられたか⋯」

 

「あの女の人もいないよ?」

 

「あと、ドギーも!女の人にはお礼を言いたかったのに⋯どこに行ったんでしょうか?」

 

「まあ、また次会った時にお礼を言えば良いさ。しかし⋯あの人、何者なんだろうか?」

 

「とりあえず、考えるのは後だ。お前達⋯ゴーグルを取り返してくれてありがとう!ひとまずマスターは肩の方を発明している治療キットで見せてくれるか?」

 

「分かった。しかし、ジェット先輩は用意周到だな⋯治療キットも開発してたなんて。」

 

「まあな⋯探偵としての調査の中で怪我することもあるだろうし、作っておくことに越したことはないんだよ。さあ、事務所に戻ろう!」

 

「おうっ!」

 

「「うん!」」

 

 そうしてジェット先輩はゴーグルをはめ直して、俺達を事務所へと導くのだった。今回のことで色々と思うことはあるのだが、とにかく今は平和に戻ったことを喜びつつ明日のお店の開店に向けて準備しないとな⋯あと、肩も治療キットで治るのならそれも受けるとしよう。それから本物の花森さんも来たりで開店準備に向けての動きは幕を下ろすのだった⋯

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「申し訳ありません、ウソノワール様⋯マコトジュエルの奪取に失敗いたしました。」

 

 ブラキッドはアジトに帰ってから早速今回のことをウソノワールに報告すると共に自分の失態を冒頭で謝罪する。自信を持って臨んだはずが失敗してしまい彼の中には怒られるのではという恐怖感が巡っていた。

 

「ふんっ、大口叩いた癖にこのザマとは世話ねぇな。お前さんも謙虚さを覚えた方が良いと思うぜ?」

 

「つーか、あんたも失敗だなんてあたし達に出来損ないとか言える立場じゃないっしょ?こんなやつから見下されたとかマジチョベリバ〜⋯」

 

「まったくだ⋯よりにもよって僕から任務を奪ってまでも負けに行くだなんて。君は確かにこなしてきた仕事はエリートかもしれないけど、本当に見苦しいよ?」

 

「黙れ、俺は名探偵プリキュアに負けちゃいない!悪いのはあの青紫の女なんだ⋯あいつが乱入しなかったら俺はプリキュアに勝ってたんだよ。このエリートの俺が名探偵プリキュアに負けるはずがない!」

 

 ブラキッドは自分が見下してきたゴウエモン、アゲセーヌ、ニジーから寄って集って罵倒される。これまでエリート気取りしてきたツケが回ってきたのだろうか⋯これに対して彼は今回の理由をつけて反論した。

 

「青紫の女⋯これもまた未来自由の書にはない存在だ。どこまでも私の邪魔をするとは⋯やはり、名探偵プリキュアと共に排除せねばなるまい。」

 

「それでしたら私にもう一度チャンスを!今度は同じ失敗はいたしません⋯あの女が来るのを前提に組み立てます。」

 

「ブラキッド⋯お前はしばらく休むが良い。」

 

「何故でしょうか?私にかかれば今回のミスを取り返すだけの働きはできます!だから⋯」

 

「見て分からぬか?お前のシルバーマジカルロッドは壊れている。その修復期間だ⋯」

 

「そういえば⋯申し訳ございません、ウソノワール様。しばらく修復に充てさせて頂きます。」

 

「そのようにしろ。ライライサー⋯」

 

「ライライサー!」

 

 ウソノワールからの休養進言に対してブラキッドは現状を見て逆らうことができず従うことに⋯彼の魔力の大半と剣を担っているシルバーマジカルロッドが壊れている以上、トランプ射出銃だけでは戦えないという判断の末下されたのだろう。流石にボスであるウソノワールから見抜かれては逆らえる余地はなかった⋯

 

(名探偵プリキュア⋯これで勝った気になるなよ?次こそは俺がお前達を終わらせてやる。もう今回のようには行かないぞ⋯!)

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 時同じくして、先ほど名探偵プリキュアの3人を助けた青紫の髪をした女性は人のいないところまで移動する。それと同時に彼女の身体が光り出すと、髪は青紫のロングヘアーから黒髪のショートになり、ドレスからレディースのスーツへと衣装が変わっていった。どうやら彼女は変身してブラキッドと戦っていたようである。

 

(良かった、あの人を助けることができた⋯これで未来は守れたかな?)

 

『やっぱり、お前だったか⋯』

 

「その声は⋯先ほどぶりですね。」

 

 女性が変身を解いたのと同時に追ってきたドギーが背後から声をかけ、女性の方も振り返る。しかし、彼女はドギーが犬の姿をして喋ってることに違和感を持つことはなかった⋯

 

『ああ。さっきはお店の開業に向けて手伝ってくれたのは助かったが、今回のことばかりは任務においての違反行為だ⋯お前が何をしたのか分かってるのか?』

 

「それは申し訳なく思ってます。ですが⋯私は未来が変わることを許したくなかったので。あの人をこの時代で死なせるわけにはいかなかったんです⋯」

 

『その気持ちは分かる。だが、俺と約束しただろう?任務を全うするまで会わないと⋯』

 

「分かってます。ただ、あの人がボスの力を継いでキュアマスターになったと聞いた時からいてもたってもいられなかったんです。そんな時に会えて、助けることができて安心しました⋯それだけで悔いはありません。」

 

『とにかく、今は任務に専念しろ。プリキュアのことはこっちで何とかする⋯お前はこの時代にいる指名手配犯を捕まえるという任務があることを忘れるな。』

 

「分かってます⋯私にお任せください。」

 

『頼んだぞ⋯』

 

 そうして女性はドギーに意気込んでからこの場を去り、また今の配属先へと戻っていった。どうやら彼女はタイムパトロールでドギーの部下らしいのだが⋯果たして、この女性の正体とは何者だろうか?そんな背中をドギーは黙って見送るのだった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

 翌日、俺達は昨日の夜まで時間をかけた開店準備を経てからいよいよ開店の時を迎えることに⋯2階の部屋の中には沢山のコスメショップが並んでいる。店名に関してはあんなに命名権を委ね、『Pretty Holic』と名前をつけてもらった。ジェット先輩の開発した可愛いが沢山詰まっている場所である。

 

「とりあえず、開店に向けて準備完了だな⋯」

 

「そうだね。とりあえず、折角まだ時間があるし何か試しに使ってみようよ!」

 

「あんな⋯それは流石にまずいんじゃない?全部売り物だよ?」

 

「それなら問題ないよ。サンプル用は別に取ってあるからな⋯とりあえず、これを試しに使ってみてくれ。3人分作ったんだ⋯」

 

 そう言ってジェット先輩から渡されたのはそれぞれのイメージカラーをモチーフにした瓶である。あんなには紫、みくるにはピンク、そして俺には銀の瓶が渡された。

 

「この瓶の感じはフレグランスか?」

 

「その通り!これはプリティーアップフレグランスといって、それぞれのプリキュアをイメージした香りを込めてみたんだ。手や身体に使ってみな?」

 

 ジェット先輩から言われて、俺達はそれぞれのフレグランスを手に吹きかけてみる。俺はフレグランスよりもボディーシート派だから物は試しようであるが、どんな香りがするんだろうか?

 

「「はぁ〜、良い匂い♪」」

 

「本当だ⋯爽やかな香りがする。」

 

「だろ?」

 

「それはそうと、ジェット先輩⋯昨日はありがとな。おかげで右肩もすっかり治ったよ。」

 

「どういたしまして。でも、まだ完全に治ったわけじゃないからな?肩のケアもしっかりすることだ。」

 

「分かってるって!」

 

「あんな、みくる〜!」

 

「お店ができたと聞いて遊びに来たよ〜。」

 

「りえ、ゆみ、いらっしゃい!」

 

 そんな時にお店の看板に釣られたのかあんなとみくるのクラスメイトと思われる女の子2人がお店を訪れに来た。みくるも真っ先に2人を歓迎する。

 

「あんな、『Pretty Holic』ってどういう意味なの?とても可愛くてお洒落な名前なんだけど!」

 

「夢中になれる可愛いものがいっぱいって意味だよ。沢山あるからゆっくりしていってね!」

 

「「うん!」」

 

「いらっしゃいませ。」

 

「あなたは⋯」

 

「織田信義さん!」

 

「よく知ってるね。この事務所の主任探偵をしている織田信義です⋯いつも従妹のあんなと弟子のみくると仲良くしてくれてありがとう。りえちゃんとゆみちゃんだったかな⋯2人からは君達のことをよく聞いてるよ。」

 

「ありがとうございます!もし良かったらサインとか頂けませんか?私、織田さんの大ファンなんです!」

 

「できれば買った商品にサインを!」

 

「もちろん。どれでも好きなものを買ってね!」

 

「やった〜♪」

 

「ありがとうございます!」

 

 そうして、りえちゃんとゆみちゃんはあんなとみくると談笑しながらもこの店で商品を購入していく。もちろん、彼女達が買ったものに俺がサインを書いたのは言うまでもないだろう⋯2人は物凄く喜んでいた。

 

「ありがとうございました!」

 

「こちらこそ。あっ、そうだ⋯あんな、みくる!折角だしこれから遊びに行かない?」

 

「良いね!みくるも遊ぼう?」

 

「でも、お店の方は⋯」

 

「安心しろ。俺とジェット先輩が店番をしといてやるから⋯お前達は気兼ねなく遊んでこい!」

 

「師匠⋯分かりました。お言葉に甘えさせて頂きますね?」

 

「僕もちょっと買い物をしなくちゃいけなくなった⋯信義、1人で店番できるか?」

 

「ええっ、お前もかよ⋯まあ、任せてくれ。」

 

「サンキュー。」

 

 こうして、あんなとみくるはクラスメイトにして親友の2人と遊びに出かけてジェット先輩は買い物の為に外出した。ドギーは犬だから店内にいないから3人も去ると俺は一人ぼっちである。とりあえず、お客さんがそんなに来ないことを祈るとしよう⋯俺、こういう接客は慣れてないんだよな。

 

(15分後⋯)

 

「暇だ⋯」

 

 それから店番を1人でしていたが、なかなかお客さんが来ない。こういう時間帯もあるのは覚悟してたけど、実際に来てみると案外暇である⋯だからといってドギーを連れて来るわけにはいかないし。どうしようか⋯そう思っていると店のドアが開く。

 

「いらっしゃいま⋯せ?」

 

「こんにちは、織田さん。」

 

 そのドアを開けてやって来たのはなんと、るるかちゃんだった。それにしても、今日も今日でぬいぐるみのマシュタンを抱いていて可愛いものだ⋯久しぶりに会ったけど本当にこの子は見るだけでも元気をもらえるし癒しになる。

 

「るるかちゃん!よく来たね。どうしてここに?」

 

「キュアット探偵事務所に足を運んでみたら面白そうなお店があって⋯来てみたの。随分とおしゃれなコスメが並んでるけど、織田さんの趣味だったり?」

 

「いや、俺はそういうのは分からなくて⋯これは従妹が言いだしっぺなんだよ。それで、コスメを作れる人に頼んで作ってもらってね⋯」

 

「そう。じゃあ、織田さんのおすすめとかは?」

 

「それならフレグランスとかどうかな?特に銀のやつは爽やかな香りがするよ。サンプルがあるから使ってみて?」

 

「ありがとう⋯うん、良い香り。」

 

 るるかちゃんはキュアマスターの銀を意識したフレグランスのサンプルを受け取ってからそれを手に吹きかけると、彼女はその香りを気に入ったのか穏やかな笑顔を見せる。とりあえず、俺仕様を気に入ってくれたのは嬉しい限りだ⋯

 

「そうでしょ?他にもグロスとかアイシャドウとかはどうかな⋯るるかちゃんだってメイクをしたくなる年頃だと思うし。」

 

「そうね。私も実は前からお化粧に興味があったの⋯それで、勉強もしてきた。だから、グッドタイミングかもしれない⋯ありがとう、おすすめしてくれて。」

 

「良いんだよ。それで、これらは全部買うのかな?」

 

「うん⋯ファンデーションは自分のがあるから。アイシャドウとグロスとフレグランスを頂くわ。」

 

「ありがとう。代金は1830円ね⋯」

 

「2000円から。」

 

「はいよ。お釣りは170円ね⋯今日は来てくれてありがとう。お客さんがいない時間帯だったから来てくれて助かったよ⋯」

 

「ううん、気にしないで。それと、これを受け取ってほしいの⋯」

 

 商品を受け取ったるるかちゃんはその代わりなのかスカートのポケットからチケットらしき紙を1枚出してから俺に手渡す。そのチケットとは明後日、まことみらいスタジアムで行われるまことみらいベイスターズと阪〇タイガースの試合のものだった⋯しかも、座席的にバックネット裏である。

 

「まことみらいベイスターズの試合のチケット⋯もしかして、君も同じチケットを?」

 

「ええ、私はあなたの隣の席。明後日⋯その、私と一緒に野球を⋯見ませんか?」

 

 るるかちゃんは俯き、顔を赤くしながら少し弱々しいながらも俺を誘おうとする。あまりの緊張なのか彼女は敬語で訊ねてきた⋯こういうところもなかなかというかかなり可愛いものである。

 

「もちろん。俺も野球は好きだから⋯君と一緒ならなおも大歓迎だよ。明後日、楽しみにしてるね?」

 

「良かった⋯ありがとう。その、集合場所はスタジアムの最寄りの駅で。待ってるから⋯それじゃあ。」

 

「うん、ありがとうございました!」

 

 そうしてるるかちゃんは待ち合わせ場所を指定してから店を出る。彼女と夜空の下で野球観戦デートか⋯神様はとんでもなくロマンチックなシチュエーションを用意してくれたようだ。ここで彼女に気持ちを伝える時がやって来た!待っててくれよ、俺は必ず君に伝えるから⋯恋に年齢は関係ない、ならばそれを実現してやるのみだ!

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideるるか

 

「やった⋯織田さんをデートに誘えた♪」

 

 私は店を出てから嬉しさのあまりにその気持ちを口にする。今回の作戦の実行に向けてかなりの準備をしてきたから、それが実ったことが何よりも嬉しかった。

 

「良かったわね、るるか⋯ついでにコスメグッズも手に入って。」

 

「うん⋯とても可愛い。」

 

「ええ、悪くないわね⋯なかなか良いセンスじゃない!もちろんるるかもよ♪」

 

「ありがとう。それじゃあ、マシュタン⋯帰ったらお化粧の修行に付き合ってもらうから。」

 

「OK、あたしに任せなさい!織田さんがますます好きになるメイク、教えてあげる♪」

 

「楽しみ⋯」

 

 そうして私達はまた戻ってからお化粧の修行をすることに⋯織田さんに告白できるチャンスはこれでできた。とにかく、このチャンスを活かしてから野球で言うサヨナラホームランを打ちたいところだ。織田さん、待ってて⋯私の気持ち、必ずあなたに伝えるから。どうか、私の初恋が成功しますように⋯




用語説明
シルバーマジカルロッド
ブラキッドの武器となる杖兼剣。魔法を使ったり、剣としても使ったりする。

デス・ルミナススター
ブラキッドの最終魔法技。これを放ち命中した者は名のごとく星となる。(死ぬ)

いかがでしたか?ブラキッドの初戦⋯なかなか手強かったですね。ハンニンダーはアンサーとミスティックを軽く仕留め、ブラキッド自らもマスターを圧倒する戦闘スキルで怪我を負わせ追い込みました。しかし、そこにやって来たのは謎の女戦士⋯ブラキッドを足止めするどころかシルバーマジカルロッドを斬る活躍を見せ、それでハンニンダーを3人の連携技で浄化してマコトジュエルとジェット先輩のゴーグルを奪還しました。それで、ブラキッドは休養を命じられますが、その中で謎の女に迫ったドギー⋯どうやら彼女はドギー率いるタイムパトロールの隊員にして彼の部下であることは判明し、その任務とは指名手配犯の逮捕。それと、信義の関係とはいかに⋯ここは今後明かされることになるでしょう。

そして、Pretty Holicが開店すると共に恋の方に関しては動きを見せることになり⋯原作とは違いるるかちゃんが本人としてあんなちゃんやみくるちゃんやジェット先輩がいない中で来店。そして、コスメを買うと共に告白シチュとして野球観戦デートを仕掛けることに。これに信義も乗り、るるかちゃんもですけどお互いに告白準備へと向かいます⋯それが次回からのオリジナル回なんですよね。ついに、次回とその次でこの2人の恋に決着がつきます!果たして、その決着とは?普通だったら終盤に恋の決着はつくものですけど、ここで決着がついたとしても物語はまだ続きますのでね⋯どうぞ今後もお楽しみに!(そもそも謎の戦士の線とか色々回収してませんからね⋯)

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回をお待ちください。それでは⋯


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