名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。ついにこの回が来ました⋯いよいよ山場ですよ!ついに恋愛戦線が決着します。信義もるるかちゃんも両想いの中、デートへ行ったもののあんなちゃんやみくるちゃんやジェット先輩も同行する事態に。おまけに事件まで発生するという⋯そんな中でどうなるのか?事件解決から最後の結末まで目が離せません!

最後までどうぞお楽しみに!


#20 新たなる敵、伝える気持ち

side信義

 

「いやぁ、まさか織田さん達も事件現場にいたとは。驚きましたね⋯」

 

 しばらく待っていると警察と鑑識が到着して事件現場の調査が行われていて、そんな中でサルさんが俺に声をかけてきた。係長の八重樫さんは鑑識の人と話しているところで、薫風さんも関係者から聞き込みをしている。

 

「僕も驚きました。デートをしていたら事件に巻き込まれて⋯この事件ですけど、僕は強盗殺人ではないかと読んでるんですよ。」

 

「奇遇ですね。俺もそう思ってたんすよ⋯ポケットの中が出てるとなると犯人は殺してから何かを盗んだと。」

 

「織田さん、管理官があなたにお会いしたいとこちらにいらっしゃってます。」

 

 俺とサルさんが話していると、聞き込みを終えた薫風さんがこの時代の県警本部の管理官と思われる男の人をここに連れて来る。口元に髭を蓄えてダンディーな顔立ちで⋯まるで三国志時代の策士家、諸葛亮孔明を思わせるような風貌だ。

 

「か、管理官!?カオル、お前⋯びっくりするだろうが!お疲れ様です。」

 

「お疲れ様です。それで、君が巷で有名な名探偵の織田信義くんと聞いていますが⋯」

 

「はい、私⋯キュアット探偵事務所で主任探偵をしている織田信義と申します。この子達は私の事務所の弟子と、今回の事件の協力者です。」

 

「「よろしくお願いします!」」

 

「⋯」

 

「ほほう⋯見たところ中学生ぐらいですが、織田くんの見込んだ弟子となると天才というところでしょうか?栴檀は双葉より芳し⋯なるほど。」

 

「せんだん?ノブお兄ちゃん、どういう意味なの?」

 

「白檀などの香木は芽を出したばかりの双葉の時から良い香りを最初から放つように、大成する天才は幼少の頃から非凡な才能を示すって意味よ。」

 

「るるかさん、物知りですね⋯師匠はご存知でしたか?」

 

「俺も知ってたが、まさか先に言われるとはな⋯るるかちゃん、君は本当に何者だい?」

 

「たまたま知ってた、それだけの話。」

 

 るるかちゃんは俺に代わって管理官が呟いた故事成語の意味を解説する。しかし、故事成語を呟く警察官というのはどこか既視感があるような気もする上に何となくその人に似てるような気もしてきた。

 

「申し遅れました⋯私、○○県警本部で管理官をしている諸葛公明(もろかつこうめい)と申します。以後お見知り置きを⋯」

 

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」

 

 管理官の諸葛さんが手を伸ばして俺は握手を交わした。本当にこの人は表情といい手を握る力強さといい真っ直ぐな警察官だということがよく分かる。

 

「それで⋯今回の事件ですが、君も現場を一通り見たことでしょう。どう読んでいますか?」

 

「ご遺体を見た限り、ズボンのポケットを漁られた跡があったので強盗殺人の線も視野に入れるべきだと思っています。薫風さん⋯被害者については調べてきましたか?」

 

「はい。今回の事件の被害者は徳本忠勝(とくもとただかつ)さん、41歳⋯ご友人とバックネット裏で野球観戦をしていたそうです。」

 

「そうなると⋯容疑者は第一発見者の女性、もしくはその夫、あるいはその友人、でしょうか?」

 

「恐らくそのようですね。」

 

「ちょっとちょっと、何をしてるんですか!」

 

「すみません。少しお待ちを⋯」

 

 すると、現場検証をしている刑事や鑑識のいるところでカメラを持っている男の人が刑事に怒られていた。それが誰かと思って確認してみると⋯そこにいたのは安達さんだった。

 

「安達さん?」

 

「織田さん!すんませんね⋯ちょっと殺人事件があったと聞いて、記者の本能のあまりで取材をしようとしたら怒られてしもうたんですわ。」

 

「織田さんの知り合いだったんですか⋯本当に勘弁してくださいよ!」

 

「申し訳ないです⋯」

 

「とりあえず、取材に関しては実況見分が終わり次第いくらでも構いませんよ。それでよろしいですね?」

 

「まあ、管理官がそうおっしゃるのなら⋯」

 

 安達さんを怒っていた刑事さんは急遽騒ぎを聞きつけた諸葛管理官の指示を受け入れてすんなりと折れる。口調は穏やかかもしれないが、部下の頭が上がらないとなると⋯この人のカリスマ性は半端ないものだ。

 

「トミさん、ご遺体を見て何か分かりましたか?」

 

 それから俺は鑑識の『トミさん』こと富岡優作(とみおかゆうさく)さんに被害者の遺体の見解についてを訊ねる。トミさんは俺の時代では大ベテランの鑑識官でサルさんと同期という間柄で鋭い観察眼が光る敏腕鑑識官だ⋯まあ、この時はまだ若手ではあるが。

 

「だからその名で呼ばないでくださいよ⋯とりあえず、確かなことは席の上で殺されたわけではないということですね。」

 

「別の場所?でも、このスタジアムの中で誰にもバレずにそんなことができる場所ってあるのかな?」

 

「恐らく、トイレかも。」

 

 トミさんからの見解を聞いた上であんなが疑問を投げかけると、るるかちゃんは事件現場がトイレではないかと答える。トイレとなると⋯容疑者と思われる人間の中だと立ち寄ったのは美佐という女性ぐらいだろうか?

 

「なるほど、トイレとなると個室の中ならば⋯犯行は可能ですね。」

 

「確か、遺体を見つけた美佐さんという女性がお手洗いに行ってたと言ってましたから⋯」

 

「待てよみくる⋯その人は女性だぞ?どっちのトイレで犯行に及んだかは分からないが、どっちにしても目立ってしまう。」

 

「とりあえず、ここに容疑者を集めて話を聞いてみましょう⋯ここは私にお任せください。」

 

「お願いいたします。」

 

 そうして諸葛管理官は容疑者と思われる人間を呼び集め、それぞれから事情を聞くことに⋯しかし、この人の行動は判断が早い。事件解決の為に次から次へと行動を起こすところはまさに軍師と言えようか⋯元の時代に帰ったら諸葛管理官の話をサルさんに聞いてみたいと思った。

 

「刑事さん⋯だから私はやってませんよ?」

 

「美佐は何もしてないし、俺も関係ないですから⋯」

 

「俺もやで?こちとら徳本さんが亡くなって動揺しとんねんて⋯」

 

「突然お呼び立てして申し訳ありません。早速ですが、皆さんのアリバイについてをお聞かせ願います。まず、第一発見者のあなた⋯お名前は?」

 

「野村美佐(のむらみさ)です。私はさっきまでトイレに行ってて、戻ってきたら隣の席の男性が⋯」

 

「犯人はトイレの中で犯行に及んだ可能性が高いと見られています。あなたはトイレの中で何をしてましたか?」

 

「何って⋯教えられるわけないでしょ!?」

 

「いくら刑事だからといって訊いて良いことと悪いことがあるでしょうが!」

 

「これは失礼。ところで、旦那さんのお名前は?」

 

「野村克樹(のむらかつき)です。俺は売店で夜ごはんとかを買ってましたよ⋯それで席に戻ったら美佐の前に死体があったんです。最初は疑いかけましたけど、その人は全く知らない人だからそんな真似は流石に美佐もしませんよ?もちろん、俺もですけど。」

 

「なるほど。それで、阪〇の帽子を被ってるあなたは?」

 

「前田光(まえだひかる)や。徳本さんは俺が経営してる工場の親会社の社長なんやけど同じ阪〇ファンとして今日は2人でまことみらいスタジアムに行ってたんよ。それでトイレに行っとったらこんな感じやった⋯どないなっとんねん。」

 

「とりあえず、トイレに行ってた間に何か変わったことはありませんでしたか?」

 

「せやな⋯確か、トイレの入れ違いにサングラスとマスクをした怪しい清掃員が出てきたことやな。何か物々しい感じやったわ⋯」

 

「おお、誰かと思ったらあのたこ焼きを盗んだ犯人に変装されてた兄ちゃんやんけ。まさかアゲセーヌに変装されるとは気の毒やなぁ⋯」

 

「は?あんた、何を言うてん?アゲセーヌ??」

 

 すると、安達さんは前田さんに対していきなり絡んでくる。これに対して当の本人は困惑しているが⋯なるほど、あの時にたこ焼きのピックを盗んだアゲセーヌに彼は変装を許していたってわけか。でも、どうして安達さんがアゲセーヌのことを?

 

「ポチポチ!」

 

「ポチ?」

 

「ああっ!?いや、これはその⋯」

 

「気にせんでええねんて。妖精さんは好奇心旺盛やなぁ⋯ホンマに可愛ええもんやで?」

 

 ポチタンがいきなり安達さんを見て喋りだすと、あんなは必死に誤魔化す。その中で諸葛管理官はその方を見て驚いていたが、安達さんは冷静にフォローした。

 

「安達さん、どうしてポチタンのことを一目で妖精だと言えるんですか?」

 

「ええっ、何となくや⋯関西人の勘ってやつやな!」

 

「織田さん、私⋯今回の事件の犯人が分かったわ。」

 

「えっ、るるかちゃん⋯分かったの?」

 

「ええ、犯人は安達さん⋯あなたよ。」

 

「「「ええっ!?」」」

 

 すると、るるかちゃんはいきなり犯人が安達さんであると高らかに宣言する。これには俺達は驚くばかりだ⋯これらの中に確証を持てる要素はなかったし、何よりも容疑者の対象でもないのに。

 

「な、何を言うてんねん!俺が犯人なわけちゃうやろ?そもそも事件はトイレで起きてて俺はたまたま取材しとったら殺人事件が起きたと聞いてすっ飛んできたんやて⋯証言の中に俺が犯人と言える要素はないやろ?」

 

「3人の話からあなたが犯人と言えるところはないのは確か。でも、ポチタンがいきなり喋った時に何も驚かなかった⋯ポーチのぬいぐるみが喋ったら普通は諸葛さんのように驚くはずなのに、何も感じずに妖精と言い当てた。」

 

「それだけで疑うんか?」

 

「もちろんそれだけじゃないわ。あなたは私達と会ってから今に至るまでに服を着替えている⋯ただ、1つだけ気づいていなかった。ネクタイにも返り血が付いてることに⋯」

 

 さらに、るるかちゃんは安達さんが服を着替えていたことも指摘する。言われてみれば⋯安達さんの最初の格好は白のワイシャツに青のネクタイだったが、黄色のワイシャツに着替えていた上に変わらなかった青のネクタイには赤いシミが付いていた。

 

「何故、俺だと言える⋯トリックとか目的とかも当ててるんやろうな?」

 

「それは徳本さんの持っていた阪〇日本一記念のライターを欲しかった為⋯そうでしょう?」

 

「は?何を言うてん⋯」

 

「あなたは取材と称して男子トイレへと招いてその時に彼を殺し、それで返り血を浴びたワイシャツを着替えた。それからあなたは前田さんが見かけた清掃員に変装して徳本さんの周りが野村さん以外空席であることを利用して隣に野村さん夫婦がいなくてみんなが試合に集中しているタイミングを利用して遺体を静かに置き、あなたは何事もなくその場を離れた。これであの時の状況はできあがる⋯そうでしょう、安達さん。いや、安達さんに変装した誰かさん⋯」

 

「変装⋯?」

 

「うそ⋯もしかして、ファントム!?」

 

「いや、ファントムじゃねえな⋯」

 

 あんなとみくるがるるかちゃんの推理を聞いて動揺していると、安達さんは薄らと笑みを浮かべた⋯いや、急に声色が変わっている。彼女の言う通りで雰囲気とさっきまでと違うし、別人だ⋯

 

「あんた、何者だ!」

 

「俺か?俺は⋯ジャック様だぁ!」

 

 そうして安達さんに変装した男は衣服とかを脱ぎ捨てると、長めの赤髪をした殺し屋のような感じの黒の特殊素材でできてそうな薄いロンTに黒のズボンを履き、腰にナイフを携えた男へと姿を変える。そして、彼はジャックとも名乗った。

 

「ジャック⋯!」

 

「ファントムじゃないってことは何者なの!?」

 

「俺はマコトジュエルを探す為なら手段も選ばない殺し屋兼野心家ってところだな。ちょうど徳本って男の持ってたこのライターにマコトジュエルが宿ってたものだから殺してまでも盗んでやったぜ?」

 

 そう言うと、ジャックはズボンのポケットから盗んだであろうライターを取り出す。そこには阪〇タイガースのロゴがあり、『1985年日本一記念』とも書かれてあった。確かにこれは関西にしか出回らなかったプレミア品だ⋯俺達の時代の鑑定番組に出せば500万ぐらいの価値はありそうである。

 

「これは⋯徳本さんの!」

 

「るるかちゃん、どうしてライターのこととか分かってたの?」

 

「席に向かう時に徳本さんはこのライターを大事そうに持っていたの。それで、彼を殺してまでも盗むならこうじゃないかと思っただけ⋯」

 

「てめえが何者かは知らねえが、見知らぬ人を殺して物を盗むなど絶対に許さん⋯逮捕だぁ!」

 

「猿田さん、ダメです!」

 

 彼の悪事に怒りを抑えられなかったサルさんは手錠を持ってジャックに襲いかかって逮捕しようとして薫風さんが止めようとしたその時、突如として時が止まったような感じで一瞬動けなくなり、それから体感1秒でいつの間にかジャックはこの場から消えていた。

 

「なっ⋯!?やつは?」

 

「とりあえず、僕達が追いかけます!るるかちゃん⋯君はサルさんと薫風さんと一緒にいるんだ。」

 

「う、うん⋯気をつけて。」

 

「行くぞ、あんな⋯みくる!」

 

「「うん(はい)!」」

 

 こうして俺、あんな、みくるはるるかちゃんをサルさんや薫風さんに託してジャックを追いかける。彼は恐らくあの時に時を止めたのだろう⋯非現実的なことではあるが、こういうことが目の前で起こっている以上は信じざるを得ないだろう。とにかく、マコトジュエルの為に強盗殺人に手を出したあいつだけは絶対に許さない!

 

「どこだ、ジャック!出てこい!!」

 

「言われなくても俺はここだぜ?」

 

「そこか!」

 

 俺達が球場の外に出てジャックを探していると、その本人の声が聞こえてその方向を確かめる⋯彼は球場のすぐ近くの駐車場で堂々と待ち構えており、その方へと向かった。

 

「何故逃げも隠れもしない?」

 

「理由は簡単だ⋯お前らを待ってたんだよ、名探偵プリキュア。」

 

「どうして私達のことを知ってるの?」

 

「まあ強いて言うなら俺が未来人だから⋯とでも言っておこう。俺はマコトジュエルを求めてあらゆる時代を巡ってきて、その中で1999年は沢山のマコトジュエルが眠っている最高の時代だよ。」

 

「あなた、マコトジュエルを利用して何をするつもり?答えなさい!」

 

「何をする?簡単なことだ⋯マコトジュエルを集めて俺はこの世界の王になるんだよ。何十年、何百年分の富を得て俺がこの腐った世の中をリセットする。それ以外に答えがあるのか?」

 

 みくるがジャックにマコトジュエルを集める目的を問うと、彼は王になると答えた。マコトジュエルにはそんな力があるのだろうか?いや、俺達の力の源こそがマコトジュエルだからそういう力があっても不思議ではない。

 

「その為にお前は人を殺すのか?」

 

「ああ⋯何かを得る為には何かを捨てなくてはいけない、だからその命を対価の犠牲にしたまでだ。俺はそうやって沢山のやつを殺してきたんだよ!」

 

「ふざけるな、犠牲になって良い命はこの世にあるわけないだろ!俺達が名探偵プリキュアだと分かってる以上、お前を倒して警察に差し出す!!」

 

「それができるならやってみろ!まあ、こいつで試してやるか。」

 

 そう言ってジャックはライターに宿るマコトジュエルを出してからそれを上空に投げてナイフを投げる。一体、こいつは何をするつもりなのだろうか?

 

「嘘よ覆え、現れろ⋯ネオハンニンダー!」

 

「ネオハンニンダー!」

 

 ジャックが念じると、マコトジュエルにナイフが刺さってマコトジュエルが黒く染まり野球ボールのハンニンダーが生成される。しかし、ファントムの人間ではないのにどうして⋯しかも、普通のハンニンダーと何かが違う。

 

「ネオ⋯ハンニンダー?」

 

「ファントムじゃないのにどうして?」

 

「俺の時代には選ばれし者にはネオハンニンダーを生成できる力があるんだよ。これさえあればこの時代のハンニンダーよりも強いものが作られる⋯さあ、お前らはこいつに勝てるかな?」

 

「あんな、みくる⋯」

 

「うん!」

 

「行きましょう!」

 

「「「オープン!」」」

 

「「ジュエルキュアウォッチ!」」

 

「ジュエルキュアライセンスフォン!」

 

「「「プリキュア・ウェイクアップタイム!」」」

 

(変身中⋯)

 

「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」

 

「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」

 

「百鬼夜行を斬り犯罪撲滅!名刑事キュアマスター!」

 

「「「名探偵プリキュア!」」」

 

「俺の答え、見せてやる!」

 

 そうして、俺達は変身を決めてから名乗りまでもを決める。ネオハンニンダーのポテンシャルがいかなるものかは分からないが、とにかく今回も勝ってるるかちゃんの前に帰ってくるのみだ。

 

「へぇ、キュアマスターか。まさか違うやつが継いでいたとは⋯俺が一度は完膚なきまでに痛めつけたけどな。」

 

「完膚なき?まさか、ドギーを犬の姿にしたのは⋯」

 

「いや、犬かどうかはよく分からねえが⋯どうやらドギーはお前らのもとで別の器を拾って生きてるんだな。一度時空トンネルの中で殺したってのに⋯しぶといやつだ。」

 

「だったら、ドギーの人間の身体はどこにあるの?」

 

「そんなこと俺が知るかよ!まあ、長話をしてる暇はねえ⋯ネオハンニンダー、この時代の名探偵プリキュアも始末しろ!!」

 

「ネオハンニンダー!」

 

 アンサーからの問いに対して知らないとキレたジャックはネオハンニンダーに指示を出す。野球ボールのネオハンニンダーは木製バットを出してはそれを振りながら攻撃を仕掛けた。

 

「おっと⋯!」

 

「うわっ!?」

 

「ダメ⋯近づけない!」

 

「だったら、俺がそのバットを斬る⋯はああっ!」

 

 俺はネオハンニンダーの持ってるバットを斬ろうとベガを抜いてから攻撃を仕掛けようとする。このバットさえ使えなければ何もできないはずだ。

 

「そうはさせねえよ、はあっ!」

 

「⋯!?」

 

 ジャックが手を前に出して叫ぶと、また自分が止まるような感じがした。こいつ、まさかと思うがやっぱり時を止める能力を使えるのか!?

 

「解除。」

 

「うわあっ!?」

 

 それから体感1秒ぐらいで金縛りのようなのが解けると、目の前ではネオハンニンダーがスイングをしていてそのバットに当たり地面に叩きつけられた⋯さっきと今で状況が明らかに違う。やはり、時を止めたとしか思えない。

 

「師匠!」

 

「お兄ちゃん、大丈夫!?」

 

「何とか⋯ジャック、何をした?」

 

「時を止めたんだ。俺には時を止める力があり、物の時間のコントロールもできるんだよなぁ⋯まあ、戻したり進めたりはできないが止めることができるだけでも最高の能力だと思うぜ?」

 

「くっ⋯」

 

「だったら、私達が⋯ミスティック!」

 

「うん!」

 

「待て、早まるな!」

 

「だったら、お前らには千本ノックをプレゼントしてやるよ。ネオハンニンダー!」

 

「ネオハンニン、ダー!ダー!ダー!」

 

 アンサーとミスティックは俺に代わって攻め込もうとする。そこでネオハンニンダーはボールを片手で持ちトスを上げてからノックを放つ。しかも千本ノックとボールが次から次へと飛んでくる⋯

 

「たあっ!」

 

「やあっ!」

 

 しかし、2人はそのボールをパンチとキックでかき分けて敵のネオハンニンダーに迫る。そして、隙ができた中をアンサーが切り開いていく。

 

「アンサーアタック!」

 

「そうはさせるか、ストップ!」

 

 アンサーアタックが決まりかけようとしたその時、ジャックはまた時を止める力を使ってきた。彼女も俺もミスティックもまた動けなくなってしまい、敵が何がどうなってるのか分からない。

 

「進め。」

 

「⋯!?」

 

「「アンサー!?」」

 

 時が進んだその時、あっという間にネオハンニンダーの放った弾丸ライナーがアンサーの頭に命中して俺のいるところまで飛ばされる。しかも当たり所が頭蓋骨ら辺と悪すぎだ⋯

 

「アンサー大丈夫!?」

 

「ミスティック、揺すったらダメだ!」

 

「どうしてですか、目を覚まさないんですよ?」

 

「今ので脳震盪を起こしてるんだ。その時に身体に刺激を与えたら後遺症が残る可能性もある⋯」

 

「そんな!?」

 

「打て打て、名探偵プリキュアを叩きのめせ!」

 

「ネオハンニンダー!」

 

「そうはさせない、ミスティックリフレクション!」

 

 俺がアンサーに付き添っている中でミスティックが前に出てネオハンニンダーの攻撃をミスティックリフレクションで防ぐ。こんな時に弟子を頼る形になるのは申し訳ないが、致し方ない。そう思っていると、俺のジュエルキュアライセンスフォンが鳴る。

 

「(こんな時に誰だ⋯)もしもし?」

 

『薫風です。織田さん⋯大変なんです!森亜さんがお手洗いに行ったっきり戻ってきません。』

 

「何ですって!?」

 

 通話に出ると相手は薫風さんだったようで、彼女からるるかちゃんがいなくなった旨が伝えられる。トイレに行かせたっきり戻ってこないって⋯確かに女の子だから男よりもトイレの時間はかかるにしても戻ってこないとは何事だろうか?あの時からざっと10分ぐらいは経ってるはずだ⋯

 

「ぐっ、ぐうっ⋯」

 

「もう限界か?こんなにも仲間が頑張ってるのに悠長に通話しやがって⋯このまま押し切れ!」

 

「ハンニン、ダー!ダー!ダー!」

 

「きゃあああ!?」

 

 俺が通話に集中していた間にミスティックは限界を迎え、バリアが破られてしまい彼女は尻もちをついてしまった。本当にこのタイミングで通話が来たのは間が悪いかもしれないが、薫風さんも緊急事態があったようだから恨むにも恨めない。

 

『織田さん、今⋯何があってるんですか?』

 

「すみません。通話切りますね⋯」

 

『あっ、織田さん!?』

 

 そうして俺は薫風さんとの通話を切った。るるかちゃんがいないのは緊急事態かもしれないが、アンサーもミスティックもやられたこの状況で通話している場合ではない。

 

「ミスティック!」

 

「大丈夫です⋯すみません、攻撃を防げなくて。何があったんですか?」

 

「るるかちゃんが行方不明になった。とりあえず、薫風さんとかサルさんが恐らく探してると思うからじきに見つかるはずだろうが⋯」

 

「何をごちゃごちゃと⋯お前らは年貢の納め時だ、この爆弾でジ・エンドだぜ!ネオハンニンダー!」

 

「ネオハンニンダー!」

 

 ジャックは大砲のような黒い玉の爆弾のスイッチを入れて、トスを上げるとネオハンニンダーがバットで振り抜いて俺達のところへ飛んでいく。

 

「こうなったら俺がベガで⋯たあっ!」

 

 俺が真っ先に突っ込んでベガで斬りに行くも爆弾はそれを弾いた。俺のベガにかかれば斬れないものはないはずなのだが⋯どうしてだ!?

 

「バカめ、斬れるわけねえだろ!この爆弾はどんな刃物ですら通さない金属でできてるんだよ。それでも名探偵か?この脳筋野郎!」

 

「アンサー、ミスティック!」

 

 俺はアンサーとミスティックの2人に呼びかけるも、爆弾はとんでもない勢いで向かっていてこれは逃げることも避けることもできないし、その上大きさと威力的にもミスティックリフレクションでは防げないし何よりもアンサーは先ほどのダメージでまだ意識を失っている⋯どうすれば!

 

(ダメだ⋯このままじゃ!)

 

 もうダメかと思ったその時、その爆弾は突然として上空に打ち上がってはそこで爆発する。一体何が起きたのだろうか?爆弾の軌道が変わった先にはそう、あの時俺を助けたと思われる黒いドレスを着た金髪の女の子がいたのだ。

 

「助かった⋯」

 

「ミスティック、無事か?」

 

「はい。でも、この人⋯」

 

「良かった、みんなが無事で。ここは私に任せて⋯」

 

 俺がミスティックのもとに駆け寄ると、謎の少女は笑みを浮かべてから『私に任せて』と言ってはネオハンニンダーに立ち向かう。出てきた順番は違えども謎の戦士が2人も出てきて彼女達は敵なのか味方なのか⋯

 

「う、うーん⋯あれ、ネオハンニンダーは?」

 

 謎の少女が戦いに行った中でアンサーの意識が戻り目を覚ます。俺は手を差し出してから彼女が立てるようにサポートして、アンサーは立ち上がる。

 

「アンサー!」

 

「良かった⋯大丈夫?」

 

「何とか⋯少しフラフラするかもしれないけど。ところで、何が起きてるの?私達の代わりに誰か戦ってる⋯」

 

「ああ。誰かは知らないが、助太刀に来てくれたようだ⋯何者なのかは俺も分からない。」

 

 アンサーは目の前で戦ってる謎の少女についてを俺に問う。しかし、本当に彼女は何者なのだろうか⋯顔に関してははっきり見えたが、その子はどこかるるかちゃんに似ている雰囲気を感じた。まさかとは思うが、彼女がファントムの人間が口を揃えて言うキュアアルカナ・シャドウにしてるるかちゃんなのだろうか?

 

「まさかお前も現れるとはな⋯こいつも圧倒しろ!」

 

「ネオハンニンダー!」

 

「⋯」

 

 ネオハンニンダーは攻撃を仕掛けるも、謎の少女は冷静にその動きを読んでるかのような感じで軽く避けていく。何だこの強者感のある動きは⋯身のこなしが軽い。

 

「小癪な⋯1発ぐらい攻撃を当てろ!」

 

「ネオハンニン、ダー!?」

 

 ネオハンニンダーはジャックの指示を聞いて攻撃を当てようとするも、それよりも前に少女の方はキックを浴びせてネオハンニンダーの方が転ぶ。相手の攻撃を制して仕掛けるとかあの紫の人といいこの子も強すぎる。

 

「何をしてる、千本ノックだ!」

 

「ネオハンニンダー!」

 

 ネオハンニンダーは起き上がるや否や千本ノック攻撃を仕掛ける。この無数の攻撃を少女はどう対処するのか⋯彼女は杖のカードを回して念じた。

 

「アルカナスターレイン!」

 

 少女が呪文を唱えると内周に7、外周に12の範囲から黒いビームを繰り出す。このビームは間違いない⋯俺やポチタンを助けたあのビームだ!やっぱりこの子だったのか⋯そのビームはボールを弾き飛ばしてはネオハンニンダーに命中する。

 

「ネオ、ハンニン⋯ダー!?」

 

「おいっ!?しっかりしろ!」

 

(アルカナ⋯もしかして、この子がキュアアルカナ・シャドウなのか?そうだとしたら、るるかちゃんも俺達と同じプリキュア!?)

 

「あの⋯」

 

「あとはあなた達が決めなさい。」

 

 アンサーはキュアアルカナ・シャドウらしき少女にお礼を言おうとするも、それを言う前に彼女は前線から退く。とりあえず、俺達がグダグダしていた中で好機を作ってくれた彼女には感謝しかない。

 

「アンサー⋯今がチャンスだからここで決めよう。師匠も!」

 

「うん!」

 

「そうだな!」

 

「「「オープン、プリキットミラールーペ!ポチタン!」」」

 

「ポチ〜!」

 

「「「マコトジュエル!」」」

 

「見て⋯」

 

「感じて⋯」

 

「謎を解く!」

 

「「「これが私(俺)達のアンサーだ!プリキュア・フライングスペクトル!」」」

 

 そして、俺達があの少女が作ってくれた好機を活かしてフライングスペクトルを放った。ネオハンニンダーは倒れて起き上がりはするも何もできずにそのまま食らうことに⋯

 

「「「キュアっと解決!」」」

 

「ネオ、ハン、ニン、ダー⋯!」

 

 そうしてネオハンニンダーは浄化されてライターは元に戻り、マコトジュエルも元に戻ってアンサーの手元に⋯そのマコトジュエルをポチタンの首元にセットした。

 

「ポチポチ、キュアキュア〜♪」

 

 マコトジュエルを吸収したポチタンは例のごとく喜び、また成長への1歩を進んだ。壊された駐車場一帯は元に戻りこれで平和は戻った。

 

「おもしれぇやつらだ⋯まあ、今回は退却してやる。また会おうぜ!」

 

 そう言ってジャックはこの場から姿を消した。こっちも逃げた彼を捕まえたかったところだが、もうそんな余力はなく逃がしてしまう形に⋯しかし、マコトジュエルも徳本さんの遺品も元に戻ったことだけでも幸いだろう。

 

「それじゃあ、私はこれで⋯」

 

「待って!」

 

 キュアアルカナ・シャドウと思われる少女が去ろうとすると、俺は彼女を呼び止める。俺としても言いたいことは山ほどあるからな⋯もしも、この子がるるかちゃんなら尚更話したいことは増えることだろう。

 

「君はキュアアルカナ・シャドウなのか?」

 

「そうだとしたら?」

 

「その、ファントムは君のことを仲間と言っていたんだよ。だから、君がファントムの仲間なのか⋯教えてほしい。それと、君は森亜るるかちゃんなのかも。」

 

「Need not to know⋯あなたが知る必要はない。でも、私はあなたを助けたいと思ってる、それだけよ。」

 

「そうか⋯だけど、助けてくれてありがとう。」

 

「⋯」

 

 俺がお礼を言うと、彼女は無言ながらも俺に優しく微笑んでからこの場をジャンプして去った。ファントムはキュアアルカナ・シャドウが仲間だとは言うもののもしかしたら実際は違うのかもしれない⋯もちろん変身前であろうるるかちゃんもだろう。そんな彼女を見送った俺らは変身を解除してまたまことみらいスタジアムの中へと戻るのだった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「これ、徳本さんのライターです⋯あなたが持っていてください。」

 

「ええんか?でも、これは徳本さんが大事にされてはったお宝やからなぁ⋯流石に気が引けるて。」

 

 スタジアムに戻り、俺は遺品のライターを徳本さんの親友である前田さんに渡す。渡された彼はかなり困惑している様子で、無理もないだろう⋯親友が亡くなってすぐに遺品を渡されても気持ちの整理はできないし申し訳ない気持ちもあるからな。

 

「私も前田さんがライターを持ってた方が良いと思います。大事な人との思い出が詰まった物はあなたが持った方が喜ぶと思いますよ?ねっ、みくる?」

 

「そうだね。徳本さんとの思い出、大事にされてくださいね?」

 

「君達⋯ホンマにありがとう。俺は探偵とか警察とかそういうのは信じへんけど、君達は例外や。また会った時はよろしゅう頼むで?ほな⋯」

 

 そうしてライターを受け取った前田さんは俺達にお礼を言った後に一礼してからスタジアムを後にする。その時の前田さんは笑顔だった⋯徳本さんを亡くしても前に進もうとする彼はきっと形見のライターと共にこれからを過ごすことだろう。

 

「ノブお兄ちゃん、ライセンスフォン鳴ってるよ?」

 

「ああ。誰なんだよ⋯もしもし?」

 

『信義、事件の方は解決したのか?』

 

「ジェット先輩か⋯とりあえず、盗まれた物は取り返した。」

 

『そうか。』

 

「とりあえず、事件の詳細に関しては後で話す。今回に関してはドギーにも加わってもらいたいんだが⋯今回の事件の犯人はドギーと関係がある人物だったんだ。」

 

『ドギーと⋯となると、まさかタイムパトロールに関わる犯罪者か!?』

 

「本人もそう俺達に宣言してたからそうだろう。あと、今日の戦いであんなに流れ弾が当たって脳震盪で一時意識を失ってた。とりあえず、ジェット先輩はあんなとみくると合流してから先に一緒に帰っててくれ。あんなには帰ったら安静にしておくように言っておくよ⋯」

 

『了解。それで、お前はどうするんだ?』

 

「俺はまだ一つだけやることがある。それを済ませたら帰るから⋯よろしく頼む。」

 

『分かった。僕はスタジアム近くのバス停で待ってるから、そう伝えといてくれよ?それじゃあ。』

 

 そう言うとジェット先輩はボイスメモからの交信を終える。とりあえず、彼は近くで待つということであんなとみくるにも伝えるとしよう。

 

「とりあえず、通話の中で話したようにあんなとみくるは先に帰っててくれ。近くのバス停でジェット先輩が待ってるらしい⋯それと、あんなは頭にボールを受けたから家に帰ったら今日は休むように⋯分かったか?」

 

「うん⋯でも、ノブお兄ちゃんは?」

 

「俺はやるべきことがまだ残ってる⋯それを終わらせたら帰るよ。」

 

「やるべきこと⋯なるほど、そういうことですね。だとしたら、あんな⋯私達は帰ろう?」

 

「みくる⋯そうだね。何となくだけど分かった気がする⋯頑張ってね!」

 

「師匠なら上手く行きますよ。」

 

「ありがとな。じゃあ、お疲れさん!」

 

「うん、また後でね!」

 

「お先に失礼します。」

 

 そうして俺は先に帰るあんなとみくるの2人を見送った。とりあえず、俺のやるべきことは今回行く前から決めていて、恐らく言うまでもないだろう。俺はるるかちゃんのもとへと向かった。

 

「お待たせ、るるかちゃん!」

 

「ううん、大丈夫。さっきまで警察の人と話してたから⋯」

 

「薫風さん、サルさん⋯本当にるるかちゃんが迷惑をかけました。申し訳ありません⋯」

 

「織田さんは謝らないでください。無事ならそれで俺達は良いんすよ⋯なあ、カオル?」

 

「はい。織田さん達に犯人を追わせてしまったこちらも反省しないといけませんし⋯とりあえず、そちらも無事で良かったです。」

 

「いえいえ。それで、警察の方はこれから本部の方に帰るんですか?」

 

「ひとまず私達は一旦戻りますね。ただ、近いうちにスタジアムに近い署の方に捜査本部を設立すると管理官から先ほど伝えられまして⋯近いうちに織田さんも参考人として来て頂くことになりますが、よろしいですか?犯人と対面して話をしたと思いますし。」

 

「はい⋯僕で良かったら力になるので、その時はよろしくお願いいたします。」

 

「それじゃあ、カオル⋯俺達も引き上げよう。では、また。」

 

「森亜さんもお気をつけて。」

 

 そうして、薫風さんとサルさんも現場を去ることに。警察の方も今後、ジャックに関する捜査で忙しくなるんだろうな⋯今回の事件も然ることながら、過去の殺人事件との関連性も調べられることだろう。とりあえず、2人を見送って俺はるるかちゃんと向き合った。

 

「るるかちゃん⋯その、本題に入る前に一つ訊きたいことがあるんだ。」

 

「どうしたの?」

 

「君はキュアアルカナ・シャドウって知ってる?」

 

「キュアアルカナ・シャドウ⋯知らない。どうしてそれを訊くの?」

 

「いや、知らないなら結構だよ⋯ごめんね。」

 

「変なの。」

 

 俺は思わずキュアアルカナ・シャドウのことについてをるるかちゃんに質問するも彼女は知らないと答える。やはり、ファントムのやつらが言ってたことは嘘っぱちなのだろうか⋯るるかちゃんがキュアアルカナ・シャドウというのは今日の行動からして信じられないことはないが、そもそも根本的にファントムの仲間だなんてありえないだろう。

 

「とりあえず、前置きはここまでにして本題に入るね。こういうのはもうスパッと言わないと⋯俺さ、君と出会った時からずっと可愛い子だなと思ってたんだ。それはもう、まずは顔ももちろんだけどぬいぐるみのマシュタンを抱いてるところとか女子力高くてナンパされるのも納得だしその中にも美人な部分があって笑顔が素敵だなぁって一緒にいて思ったよ。」

 

「照れるけど嬉しい⋯私も織田さんから助けられた時、凄く安心できたの。とても優しい声をしていて俳優さんのような顔立ちをして、しかも心が温かかった。そんなあなただからこそ私は笑顔になれたと思ってる⋯ありがとう。」

 

「照れるなぁ。それで、俺⋯初めて会った時から君のことが大好きだったんだ。もし、良かったら⋯俺と付き合ってください!」

 

 俺はるるかちゃんに思い切って自分の気持ちをぶつけるのだった。27歳でアラサーの俺が見た目的にあんなやみくると同い年ぐらいの女の子に告白するとは⋯未成年の子にこれはダメで元々だが、今よりも規制とかが緩いこの時代なら可能性はある。一か八かだ!

 

「嬉しい⋯織田さんも私のこと、好きだったんだ。良かった⋯実は私も、あなたと初めて会った時からずっと、好きでした。でも、良いの?私は15歳⋯今年で16歳だけど。」

 

「そうなの?いや、まあ⋯知り合いから言われたけど、恋に法律も何も関係ないからね。俺の方こそ、今年で28歳だけど大丈夫かな?おじさんに片足突っ込んでる年齢だけど⋯」

 

「全然、織田さんはたとえ何歳でもかっこいいから。その⋯これからもよろしくね。」

 

「うん、こちらこそ⋯これからは俺がそばにいて君を守るよ。名探偵の名にかけて!」

 

 そうして、俺はるるかちゃんと握手を交わしてそれぞれお互いの告白を受け入れた。これで俺達は晴れてカップルに⋯るるかちゃんの手は小さいながらも握ってると彼女の優しい心を感じることができる。彼女の方も笑顔を見せ、その顔が何よりも綺麗だ⋯スタジアムの照明に照らされ、周りの夜景ともマッチしていて素敵の一言に尽きる。

 

「あっ、そうだ⋯これ、渡しとくね。携帯電話⋯君と俺の連絡ツールだよ。これなら離れててもお互いの声を聞くことができるね⋯連絡先は登録してるから、連絡先から俺の名前を見つけていつでもかけて良いよ。」

 

「携帯電話⋯本当に良いの?」

 

「うん、料金は俺持ちだから好きに使って良いよ。これからもよろしくね⋯るるかちゃん!」

 

「こちらこそ、よろしくね⋯織田さん。大好き♪」

 

 そうして俺はるるかちゃんに携帯電話を渡すと、彼女は嬉しさのあまり俺のことをぎゅっと抱きつく。本当に彼女は俺との出会いから表情が豊かになったようだし、最初から可愛かったるるかちゃんはますます可愛くなった⋯だからこそ、俺は好きになったものである。織田信義、27歳⋯俺には12歳下の彼女ができました。まさに最高の春だ⋯




登場人物紹介

ジャック

(脳内)CV:森久保祥太郎

身長:187cm

体重:72kg

誕生日:不明

年齢:不明

未来の時代からやって来た犯罪者。マコトジュエルの為なら殺人もする根っからの悪で、人間としてのドギーも追跡してきた中で殺した。そんな彼は1999年を活動拠点としてマコトジュエルを集めており、目的は『世界の王になる』。その真意とは?モチーフはジャック・ザ・リッパーで時を止める力が使える。


諸葛公明(もろかつこうめい)

(脳内)CV:速水奨

身長:188cm

体重:74kg

誕生日:8月2日

年齢:満64歳(当時35歳)

県警本部の管理官で当時の階級は警視。諸葛亮孔明のごとく知的な策士家で数々の難事件の解決に貢献してきた。三国志時代の中国のことに詳しく故事成語を交えて話すこともしばしば。モチーフは『名探偵コナン』の諸伏高明。


富岡優作(とみおかゆうさく)

(脳内)CV:堀内賢雄

身長:181cm

体重:68kg

誕生日:7月30日

年齢:満59歳(当時30歳)

県警本部鑑識課に所属する当時の若手鑑識官。猿田とは同期の間柄で28年後の今では大ベテランな鑑識官で今の周りからは『トミさん』と呼ばれ慕われている。


野村美佐(のむらみさ)

(脳内)CV:杉本ゆう

身長:168cm

体重:旦那の克樹にすら秘密

誕生日:1月29日

年齢:56歳(当時28歳)

野球観戦していた野村夫婦の妻。トイレに行ってる間に近くの席の徳本の遺体が隣の席にあったのを発見したことで容疑者として疑われる。


野村克樹(のむらかつき)

(脳内)CV:森川智之

身長:185cm

体重:68kg

誕生日:1月26日

年齢:58歳(当時30歳)

美佐の夫。売店で買い物をしていた間に美佐が遺体の第一発見者になっていたものの彼女の言うことを信じたように奥さんを信頼できる良き旦那。


前田光(まえだひかる)

(脳内)CV:堀川りょう

身長:179cm

体重:60kg

誕生日:2月1日

年齢:65歳(当時37歳)

徳本と野球観戦をしていた男。殺害された彼とは取引先の社長(徳本)と下請け(前田)という関係だが、それぞれ同じ出身で同じ球団が好きということから親友同士になり野球観戦をしていた。探偵や警察のことは信頼していないが、信義達の姿勢を見て探偵を少しは信頼するようになった。ちなみに、彼はたこ焼きのピックが盗まれた事件の時にアゲセーヌから変装されている。


徳本忠勝(とくもとただかつ)

(脳内)CV:なし

身長:184cm

体重:72kg

誕生日:不明

年齢:享年41歳

一代でみなとみらいに築いた会社の社長。野球観戦を前田としていた中でジャックから殺害され、マコトジュエルの宿るライターを盗まれた。


いかがでしたか?ついに信義とるるかちゃんは結ばれました!恋愛戦線はこれにて完結ということになり、安心しております。しかし、まだ終わりではありません⋯なんと、第2勢力としてジャックが登場!彼は徳本を殺してマコトジュエルの宿ってるライターごと強奪。そんな彼と戦うことになりましたが、厄介なのは時を止める力⋯これに幾度も苦しめられましたが、アルカナ・シャドウに救われ、そしてネオハンニンダーを撃退。そのアルカナの正体はもうお察しでしょうけど、まだマスターというか信義は知りません⋯いつ知ることになるのか?じきに知ると思います。

あと、今回の事件の推理はるるかちゃんが独り占めしました。ここら辺はもう本編で出ている推理力の高さを出す形ですね⋯しかし、信義達からしたら謎は深まるばかり。そして、管理官の公明も今後出てくると思うのでね⋯そこも楽しみにしててください!

いつもより長くなりましたけど、最後まで読んでくださりありがとうございました!恋愛戦線は終わりましたけど、次回からはまたアニメ原作に戻り9話分をお送りします。どうぞお楽しみに♪

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回!それでは⋯
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