名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。6月になって梅雨になりましたがいかがお過ごしでしょうか?僕は雨が降っても偏頭痛とか起きないタイプですけど、人によっては気圧が低くなると体調を崩す人も中にはいることでしょう。そんな中でたんプリの方はコナンのコラボが終わり、吉本新喜劇とのコラボもあの日曜日の時に終わりました。新喜劇とのコラボ公演はいつの日かテレビでやってくれるんでしょうかね?土曜か日曜かの昼とかに新喜劇の公演の様子が放送されたりとかしてますけど、いつかやってほしいです。それまで待っときますよ!

そんな中で今回は9話分の後半戦⋯サブタイトルのようにドレスが盗まれてしまうのですが、その奪還作戦ということで。その中でついに⋯!?今回は意外な展開がありますので目を離さぬようお願いします。

それでは、また後書きにて!


#22 ドレス奪還大作戦!

「マジ暇ぁ⋯」

 

 ファントムのアジトでは今日も今日とて会合が行われている。しかし、アゲセーヌは暇だと嘆いては落ち着きのない様子だ⋯彼女はどうもじっとできない性格のようである。

 

「超暇ぁ⋯退屈すぎて、ヤバ〜い。」

 

「退屈なんてしてないし。ねえ、るるか?」

 

「ええ、まあ⋯(織田さん、今頃は家入しるくと何をしてるんだろう?浮気とかしてないよね?)」

 

「るるか?(大丈夫かしら?あの時からこの子、心ここに在らずって感じだけど⋯)」

 

「新たなマコトジュエルの在り処が分かった。」

 

「アゲセーヌ、あんたの出番だぜ?暇なんだろう⋯行ってこいよ。」

 

「あんたに言われなくとも分かってるし!つーか、ブラキッドは行かないで良いの?あたしがマコトジュエルを横取りしちゃうけど。」

 

「構わねえよ。適材適所ってやつだ⋯俺は適する時に行くさ。」

 

(そう言っといてあんたも任務を成功したことないくせに⋯偉そうにすんなし!)

 

 ウソノワールが未来自由の書を開き、マコトジュエルの在り処を突き止めるとブラキッドがアゲセーヌを煽りながら行くように促す。アゲセーヌも逆に挑発するも偉そうな態度で返されてしまい、これに彼女はイライラを隠せなかった。

 

「アゲセーヌ、お前に任せて良いのだな?」

 

「もちろん、アゲが行くしかないっしょ!」

 

「行け、アゲセーヌ!」

 

「ライライサー♪」

 

「やっと静かになるわね⋯」

 

「ええ。(私の心は静かにならないけど。もし、学校にマコトジュエルがあるとすればその時はアゲセーヌに邪魔してもらえたら助かるかも⋯家入しるくに織田さんは渡さない!)」

 

 アゲセーヌがマコトジュエル奪取の任務に向かうと、るるかとマシュタンは彼女を見送る。その中でるるかは心の中でアゲセーヌに邪魔することを期待した⋯とにかく、しるくに信義を渡したくない一心である。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

 ついに来た新入生歓迎会の本番当日。あれからしるくさんは番組の為、そして劇の成功の為にまことみらい学園に通いつめて練習とか準備とかを一緒にこなしていく。そして、今日の本番に向けても会場設計や衣装調整等を一緒に行って準備万端⋯一方であんなとみくる等の一般生徒達も歓迎会会場である体育館の会場設営を行っていた。1年生はこの歓迎会で劇も含めてどんな反応するのだろうか⋯喜んでくれると良いな。(もちろん、この日も護衛で薫風さんと共に帯同している。)

 

「いよいよ本番だね!」

 

「楽しみすぎる〜。」

 

「あんなとみくるは何もしないだろ?でも、演劇部とかの部活のみんなが1年生に希望を与えることだろうよ⋯応援していこうな?」

 

「「うん(はい)!」」

 

「私も楽しみです。そうだ⋯ちょっとお手洗いに行ってくるので先に行ってもらっても良いですか?」

 

「分かりました。薫風さんを同行させますので何かあったら彼女にお知らせください。」

 

「はい。」

 

「それでは行きましょう。では、また後ほど⋯」

 

 そうして、薫風さんはしるくさんをトイレへと案内する。本音を言えば俺が案内したかったのだが、女子トイレで何か起きた時に俺が入ると大変な事態になるからな⋯ここは同性の薫風さんに託すことにした。

 

「ポチ〜!?」

 

「どうしたの、ポチタン?」

 

 校舎に先に戻ると、ポチタンが突然何かを感知して慌てだした。この感じだと恐らくマコトジュエルが盗まれたってことだろうか⋯しかし、どこにマコトジュエルが宿りそうなものが?

 

「誰かああああああ!」

 

「小藤さん!?」

 

「誰かドレス知りませんかああああ?」

 

「ドレス⋯まさか!?」

 

「行ってみましょう。」

 

「うん!」

 

 そうして俺達は小藤さんに連れられて演劇部の部室へと向かう。すると、部室内は大慌てでなんと演劇で使うドレスがなくなっていたのだ⋯

 

「間違いなくここにかけたのに⋯」

 

「ドレスが消えたってこと?」

 

「大森さん、そこにはあった?」

 

「ダメです⋯見つかりません。織田さんの方は?」

 

「いや、俺のところもだ⋯」

 

「どうしたの、みんな?」

 

 俺達がドレスを探していると、トイレから戻ってきたしるくさんと彼女に帯同していた薫風さんが騒ぎを聞きつけて部室にやって来る。

 

「しるくさん、すみません⋯私が目を離したあまりにドレスがなくなってしまって。」

 

 小藤さんはしるくさんの前まで来てドレスをなくしたことを謝る。それもそうだ⋯しるくさんと一緒にアイデアを出しあって作り上げたドレスがなくなったのだから。申し訳ないどころか武士の時代だったら切腹案件だろう⋯

 

「顔を上げて、小藤さん⋯あなたのせいじゃないよ?」

 

「しるくさん⋯」

 

「ここは私とあんなで見つけるから任せて?」

 

「みくる、探すのならノブお兄ちゃんも一緒の方が良いよ。3人でキュアット探偵事務所でしょ?」

 

「でも、師匠は⋯」

 

「それなら私もドレスを探すのに協力するよ。」

 

 みくるがドレスを探すと名乗りを上げ、あんなが俺を誘おうとする中で不安をみくるが吐くと、しるくさんが自分も探すと言い出す。これに場は一旦静まり返った⋯

 

「な、何をおっしゃってるんですか!?家入さんはこの後の予定とか押してるんですよ?それに、犯罪者とかに襲われるしご迷惑に⋯」

 

「大丈夫です。織田さんと薫風さんが私の護衛をしてるのなら一緒に探せば問題ないでしょう?それに、私も演劇部の仲間ですから⋯その中で探偵と刑事も一緒ならきっとすぐ見つかるはずです!」

 

 しるくさんの自由すぎる提案に薫風さんが驚いて不安を嘆くと、さらに彼女は俺と薫風さんも一緒に探せば良いと答えを出す。なるほど⋯それなら問題はないな!しるくさんは発想の機転がなかなか冴えてて凄いものだ。

 

「そうですね。薫風さん⋯僕達もドレスを探しましょう!刑事と探偵としるくさんが力を合わせればどんな事件もはなまる解決、ですよ!」

 

「それ私のセリフ、取らないでよ!」

 

「ごめん⋯」

 

「そうですね。家入さんがこんなにやる気なのに⋯だったら私も頑張らないと!」

 

「しるくさん⋯師匠、薫風さん、あんな、行こう!」

 

 そうして俺達3人に加えて薫風さんとしるくさんも加わって5人でドレス探しを始めた。こんな時に刑事の薫風さんがいるのが何とも頼もしい⋯新米刑事とはいえあのサルさんから指導されてて彼も見込んだ優秀な刑事だからな。きっとすぐ見つかるはずだ!

 

「小藤さん、ドレスがなくなったことに君が気づいたのはいつのことかな?把握してる範囲で良いから俺達に教えてほしい。」

 

「ドレスをハンガーにかけた後、小道具を取りに外へ行きました。そして、戻ってみたらドレスがなくて⋯」

 

「ドレスから離れた時間はどれくらい?」

 

「5分くらい?」

 

「ありがとう、小藤さん⋯次はりえと大森先輩。」

 

 俺とみくるでまずはドレスを管理していた小藤さんになくなるまでの間に何があったかを訊ねる。どうやら彼女が持ち場を離れていた5分の間にドレスがなくなっていたようだ⋯そして、今度はあんなを先頭にしてりえちゃんと大森さんへと訊ねていく。

 

「私はずっとここで部長と発声練習をしてたよ?その間通ったのは小藤さんだけ。」

 

「そうなんだ⋯」

 

「大森さん、彼女の言ってることに間違いはありませんか?」

 

「はい。私と浅間さんで発声練習をすることに集中していたので、ドレスに触れる余裕なんてありません。」

 

「そうとなると⋯小藤さん、りえちゃん、大森さんにはアリバイがあるのか。ここまで聞いてしるくさんはどう考えてますか?」

 

「そうですね⋯部室に繋がってる廊下は1本だけ。その部室にいたのはディレクターの榊原さん、カメラマンの大和田さん、私のマネージャーの安藤さんの3人。もしかしたら、この中にドレスの在り処を知ってる人がいるかもしれませんね。」

 

「とりあえず、訊いてみましょう。」

 

 そうして俺達はそれぞれのスタッフ達から何をしていたかを聞き出してアリバイチェックをすることに⋯これまで俺達の身の回りで起きた事件の傾向からもしかするとファントムの誰かがこの中の人物に変装してドレスを盗んだってことも考えられるだろうからな。

 

「撮った映像のチェックをしてたっす。」

 

「撮影の段取りの確認をしてたよ。」

 

「仕事の電話をしていました。」

 

 しかし、3人の答えはどうやら一見するとドレスに触れてはなさそうだった。みんなそれぞれ忙しかったようである⋯これでも容疑者を絞れないとなると誰が犯人なのだろうか?

 

「3人ともお仕事をされてましたね。」

 

「ドレスに触れる余裕なしか⋯一体、誰がドレスを持ってたっんだ?」

 

「本番開始まであと10分!」

 

「何だって!?」

 

 捜査をしていると、部長の大森さんとりえちゃんが駆けて来ては大森さんがあと10分で劇が始まることを伝えに来た。まずいな⋯ドレスがまだ紛失状態なのに。どうすれば⋯

 

「私に任せて!その間に織田さん達はドレスをお願いします。」

 

「しかし⋯とりあえず、薫風さんを同行させましょうか?」

 

「ご心配なく。私1人で何とかしますから!薫風さんも一緒に探してください。」

 

「そうおっしゃられても⋯」

 

「責任は私が取りますから。頑張ってください!」

 

 そう言ってしるくさんは俺達とは別行動で体育館へと向かった。どうやら彼女はドレスが届くまでの間の時間稼ぎを請け負うらしい⋯護衛に関してもつけず単独行動。大丈夫なのだろうか?

 

「薫風さん、始末書とかの処分に関して考えるのは後にしてください。僕達にはやるべきことがあるんじゃないですか?」

 

「織田さん、そうですね⋯」

 

「とりあえず、しるくさんが時間稼ぎをしている間にドレスを見つけて届けましょう!」

 

「私⋯犯人が誰かは分かってないけど、分かることがあるの。」

 

「あんな⋯教えてくれ!」

 

「犯人はあの3人の中の誰かだよ。」

 

「何ですって!?あんな、それ本当?」

 

「うん。それを炙り出す手もあるんだ⋯」

 

「何をするんですか?」

 

「これです⋯オープン、プリキットボイスメモ!」

 

 薫風さんからどんな手を使うのかを訊かれると、あんなはボイスメモを立ち上げる。なるほど、やりたいことが分かってきた⋯しかし、薫風さんは疑問状態だ。

 

「お知らせします、ドレスが無事見つかりました。」

 

 そうして、あんなはボイスメモのボイスチェンジャー機能を利用して校内放送が流れたように装う。そんな時に榊原さん、大和田さん、安藤さんが通りかかる⋯まさにグッドタイミングだ。

 

「見つかったんだ!」

 

「良かったぁ⋯」

 

「でも、どこにあったんだ?」

 

 3人はそれぞれドレスが見つかったと思い安心する。その中で榊原さんの足元を見てたら違和感があった⋯裾がズボンを履いているにしては膨らんでいる。そうか!

 

「「「見えた、これが答えだ!」」」

 

「犯人が分かったんですか?」

 

「はい!僕達についてきてください。」

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「どこに行くつもりですか?」

 

「ああ、ちょっとね⋯」

 

 あんなは俺達の先頭に立って校舎裏に向かっていた榊原さんを呼び止める。しかし、その榊原さんの目つきはどこか悪かった⋯最初の時とは大違いだ。まあ、無理もないか⋯

 

「演劇部のドレスを盗んだのはあなたですよね⋯返してもらいますよ?」

 

「何のことかな?」

 

「とぼけても無駄ですよ!私達は見たんです⋯ドレスが見つかったという放送を聞いた時、あなたが咄嗟にズボンの裾を捲ってたのを。見えてますよ、ドレス⋯」

 

「しまっ⋯!?」

 

 みくるからドレスのスカートがズボンの裾から出てると指摘されると榊原さんは咄嗟にそれを隠す。本当に誰が変装してるかは分からないが、ファントムの連中はどこか詰めが甘いよな⋯

 

「ドレスは服の下には着ないし、着るのは女の子⋯だから最初はあんたじゃないと思ってた。でも、『決めつけちゃダメ』だとしるくさんから言われてハッキリしたし、何よりも証拠が出ている!さあ、正体を現せ!!」

 

「くうう⋯マジチョベリバ〜!」

 

 そうして榊原さんに変装した人物は化粧を落としては衣服も脱ぎ捨てる。『チョベリバ』とか道具から察してはいたが、やはり正体はアゲセーヌだった。

 

「見破られるなんてマジムカつくけど!?」

 

「アゲセーヌ!」

 

「またお前か、ドレスを返せ!」

 

「返せと言われて誰が返すっての⋯ってかあんた、彼女がいながらもしるくにまで手を出すとかマジ最低なんだけど!?この女誑し!」

 

「違う、俺はしるくさんに手は出してない!確かにしるくさんは俺の初恋相手だ⋯それは認める。」

 

「師匠、こんな時に何を言ってるんですか!?」

 

「アゲセーヌの挑発に乗らないで!」

 

「だがな⋯俺の彼女はるるかちゃんたった1人だけだ!決して浮気などしない!!」

 

 アゲセーヌは俺のことを罵倒して挑発しようとするも、ここは俺が本心を伝えて反論する。しるくさんが俺にとっての初恋の相手なのは認めるが、今の俺が愛する女は森亜るるかちゃんしかいない!とにかくそれをアゲセーヌにぶつけた。

 

「あっそう⋯でも、任務は果たさせてもらうしかないっしょ。嘘よ覆え、チョベリグにしちゃって〜?ハンニンダー♪」

 

「ハンニンダー♪」

 

 その流れでアゲセーヌはドレスからハンニンダーを生成して密室空間を作り上げる。不運なことにその中に薫風さんも巻き込まれてしまった⋯

 

「みくる、ノブお兄ちゃん!」

 

「待って、あんな⋯薫風さんが。」

 

「くそっ、どうすれば⋯」

 

「もしかして部外者がいるから変身できないパターン?うそ!?チョベリグじゃね、これ?」

 

「部外者ではありませんよ。」

 

「は?」

 

 俺達が変身できずで悩んでいた時、その悩みの種である薫風さんが前に立つ。プリキュアではない彼女が何をするつもりなのだろうか?

 

「薫風さん、何をするつもりですか?危険ですよ!?」

 

「大丈夫です⋯私もあなた達と同じですから。」

 

「「それは!?」」

 

「⋯見ててくださいね。」

 

 前に立った薫風さんは俺達の方を向いてかネックレスを外して、ポケットから俺と同じ型のジュエルキュアライセンスフォンを取り出す。ネックレスには青紫のルーペの形をしたマコトジュエルがあった⋯

 

「オープン、ジュエルキュアライセンスフォン!」

 

 薫風さんがジュエルキュアライセンスを立ち上げると、変身が始まり彼女の格好がスーツから青紫の光のドレスに変わる。そこから彼女はマコトジュエルをセットした。

 

「プリキュア・ウェイクアップタイム!2!不思議な事件を見つけて!」

 

 薫風さんが2のボタンを押すと、彼女の髪色が黒から青紫に変わってショートヘアーから髪が伸びてロングヘアーとなる。まさにあの謎の戦士の髪色と長さそのものだ⋯

 

「5!豪快に、そして華やかに!」

 

 続いて5のボタンを押すと光のドレスが上半分が白で青紫のスカートのドレスに変わり、スカートは膝ぐらいとアンサーやミスティックよりは長めである。そして、瞳の色も黒から髪の色と同じ青紫に変わった。

 

「7!和やかな生活を守る!」

 

 そして、7のボタンを押すとソックスと靴が生成されて青紫のヒールを履き、同じ色のタイツを履く。ここまで来れば変身も70%完了だろう⋯

 

「風のように華麗なエマージェンシーコール!」

 

 そこから『110』のコードを打つと変身も仕上げの段階。青紫のストッキンググローブを着け、青紫の花の形をしたイヤリング、そして頭には髪飾りはないがあの時につけてた目隠しのようなベールはない。それから青紫のリボンネクタイが付き、同じ色のケープを纏って腰には俺と同じ警棒の剣のケイボードがつき、ジュエルキュアライセンスが腰のポーチに入り変身は完了した。

 

「気高く咲き誇る答えへの道標、名刑事キュアバイオレット!私の答え、ここに示します!」

 

 変身した薫風さんはキュアバイオレットと名乗る。あの謎の戦士の正体は彼女で俺達と同じプリキュアだったのだ⋯なのに、どうして黙っていたのだろうか?

 

「「キュアバイオレット⋯」」

 

「嘘だろ、薫風さんがプリキュア!?」

 

「ここは私に任せてください!」

 

「あっ、待って!」

 

 俺は薫風さんを呼び止めて質問を投げようとするも、それよりも先に彼女はハンニンダーに向かって行ってしまった。しかも、動きが俊敏で軽い⋯あの時から思ってたけど、彼女は俺達よりもスペックが上ではないだろうか?

 

「演劇部の為に、家入さんの為に⋯そのドレス、返してもらいますよ!」

 

「ハン、ニン、ダー!」

 

「はあっ!」

 

 ハンニンダーはバレエの『アン・ドゥ・トロワ』の要領でジャンプしてはスピン攻撃を仕掛ける。しかもとんでもないスピードだ⋯それに対してバイオレットはケイボードを抜いて、それで攻撃を受け止めて駒のような回転を止めた。

 

「ハン!?」

 

「うそ⋯マジ!?」

 

「たああっ!」

 

「ハンニン、ダー!?」

 

 そこからバイオレットは回し蹴りを浴びせてハンニンダーを吹き飛ばす。全く隙のない攻撃である⋯剣だけでなく蹴りも強いようだ。

 

「何してんの!とにかく、あの乱入してきたプリキュアをやっちゃって〜!」

 

「ハンニンダー!」

 

 アゲセーヌに喝を入れられたハンニンダーはもう一度回転攻撃を仕掛ける。しかし、このスピンもバイオレットに読まれているのか見定めてから駆けていき、フェンシングの要領で突きに構えた。

 

「やああっ!」

 

「ハンニン!?」

 

「バイオレットストライク!」

 

「ダー!?」

 

 突きで止めたかと思ったら今度はジュエルキュアライセンスフォンで『087』とコードを入れると、すみれの花の花びらのような弾幕が剣先から出てはそれがハンニンダーに命中する。これがバイオレットの個人技であろう⋯

 

(薫風さん⋯あなたは何者なんだ?俺達3人でも苦労するハンニンダー1体を1人で制圧するなんて。やっぱり、1人でブラキッドを追い込んだだけあるぞ⋯)

 

「凄く強い⋯」

 

「そうだね⋯あんな、これじゃあ私達の出る幕が全然ないよ。」

 

 あんなとみくるもバイオレットの圧巻の強さに支配される。ここまで強かったら俺達が変身する必要はないのではと本当に思ってしまうぐらいだ⋯

 

「何をしてんの!?」

 

「私のケイボード・ヴィオラの力⋯見せてあげます!マコトジュエル!」

 

 バイオレットはヴィオラと称するケイボードに変身用とは別である青紫のハートのマコトジュエルをセットして、技の構えを取って力を溜める。

 

「これが私のアンサーです、プリキュア・バイオレット・ストレートフラッシュ!」

 

 そうして、バイオレットは勢い良くハンニンダーに襲いかかってはハンニンダーを一刀両断するような勢いで斬っては向かい側に着地する。ハンニンダーは無抵抗でこの技を食らってしまった。

 

「キュアっと解決!」

 

「ハン、ニン、ダー⋯」

 

 そのままハンニンダーは浄化されてしまい消滅してドレスとマコトジュエルが戻ってきてはバイオレットが両方を確保する。これで事件は一件落着だろう⋯

 

「もう、新しいプリキュアがまた出てくるとかぶっちゃけ意味分かんないし!」

 

 アゲセーヌはそう怒りをぶちまけてから撤退する。新しいプリキュアってわけではないのだが、彼女の相手をしたブラキッドからは何も聞いてないのだろうか?そして、バイオレットは変身を解除して俺達の方にやって来た。

 

「これ、マコトジュエルとドレスです。マコトジュエルは妖精さんに渡せば良いんですよね?」

 

「そうですけど⋯」

 

「ポチ〜!」

 

「はい、どうぞ。」

 

「ポチポチ、キュアキュア〜♪」

 

 薫風さんがマコトジュエルをポチタンに渡すと、ポチタンは喜んで身体の中に吸収された。また一つポチタンは成長したのだが、最初からとんでもない展開が続いたので驚きを伴っているところである。

 

「あの⋯薫風さん、あなたはプリキュアなんですか?」

 

「はい。皆さんと同じプリキュアですよ⋯タイプとしては織田さんと同じですけど。」

 

「そうなんですね!凄くかっこよかったです。」

 

「小林さん、ありがとうございます。」

 

「薫風さん、あなたがプリキュアだとしたら私達の仲間ですよね?同じプリキュアとして一緒に戦いましょう!」

 

 薫風さんが俺達と同じプリキュアと知ったあんなは彼女に対して仲間にならないかと誘い、手を差し伸べる。本当にこれだけ強い彼女も入れて4人でプリキュアをやったらきっと無敵のチームは間違いないだろう。しかし、彼女は少し困った顔をしてから俺達の方を見る。

 

「明智さんの気持ちは嬉しいです。ですが、ごめんなさい⋯そのお願いは受け入れられません。」

 

「どうしてですか?僕達はあなたの戦いを見て仲間として戦ってほしいと思ったんですよ?あなたがいればファントムに負ける気がしないのに⋯どうして?」

 

「私にはやるべきことがあるからです。それ以上はNeed not to knowということで⋯すみません。」

 

「⋯」

 

 しかし、彼女は俺達の仲間になることを拒否した。どうしてなのか理由を訊ねるも、やるべきことがあるとしか答えずに⋯Need not to know、『知る必要はない』と突っぱねられた。

 

「さて、ドレスを取り戻したことですし演劇部の皆さんに届けましょう。時間も押してますしね!」

 

「そうですね。あんな、みくる⋯行くぞ。」

 

「「うん(はい)。」」

 

 そうして俺達はドレスを持ってからしるくさんや演劇部のみんなにドレスを届けに行くのだった。今は仲間になれなくとも、理由が一致した時にはきっと仲間になってくれるはず⋯そう信じて俺達は前に進むのだった。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideるるか

 

「マジで何なの?次から次へとプリキュアが増えて⋯チョームカつく!」

 

 私が廊下を通りかかると、ちょうどアジトに帰ってきたアゲセーヌとすれ違う。彼女は今日の戦いでイレギュラーなことが起きて負けてしまい機嫌が悪そうだ⋯でも、その現場で織田さんと会っているのなら訊いてみよう。

 

「おかえり、アゲセーヌ。」

 

「アルカナ・シャドウ⋯何、もしかしてアゲの嫌味でも言いに来たつもり?性格悪すぎっしょ⋯」

 

「るるかが性格悪いですって!?それを言うならあなたの方が⋯」

 

「マシュタン、良いから。」

 

「分かったわ⋯」

 

 アゲセーヌが私に対して『性格悪い』と言ってきてこれにマシュタンが腹を立てる。しかし、ここで喧嘩をしてたら話したいことを話せないのでここはマシュタンを宥めることにした。

 

「で⋯何が言いたげだけど、アゲに何か言いに来たの?」

 

「織田さんについてだけど、何か怪しい動きとかしてなかった?」

 

「あんたの彼氏?そういえば、しるくと一緒にいて楽しそうにしてたけど⋯」

 

「そうなんだ⋯(やっぱり、織田さん⋯浮気してたんだ。私よりも家入しるくを⋯)」

 

「まあ、あの後アゲが問い詰めたらあんたのことが好きって言ってたわ。しるくは憧れの女優で初恋の相手かもしれないけど、今は浮気するわけがないって叫んでたし⋯」

 

「本当?」

 

「アゲが聞き間違えるわけないっしょ?信じなっての!」

 

 アゲセーヌが織田さんは浮気をしないと宣言してたことを伝えると、私はようやく胸のつっかえが降りたのか安心する。やっぱり、織田さんの気持ちは本物だったんだ⋯

 

「良かったわね、るるか。」

 

「うん。ありがとう、アゲセーヌ⋯」

 

「照れるからやめろし、バカ⋯まあ、彼氏を大事にするのも良いけど任務も忘れないでよね?あんたはウソノワール様に仕えているんだから。」

 

 私が感謝を伝えると、アゲセーヌは照れたのか顔を赤くして忠告をしてからすぐに立ち去った。ウソノワールに仕えている身であることは自分でも分かっている⋯だけど、好きな気持ちとかは素直でありたい。浮気をしないということが分かったからには次のステップに進まないと⋯織田さんともっと楽しい時間を過ごしたい一心で私は次の行動を起こすのだった。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

『私もシンデレラと同じ気持ちです。みんなと会えて良かった!』

 

 後日、俺達は事務所のテレビで今回撮影された回の『学校でトライ』を観てるのだが⋯改めて見ても演劇部の劇といいしるくさんのやりきった感といい感動するものがある。それを守ることができて俺達は誇らしいところだ⋯まあ、実際に仕留めたのはキュアバイオレットの薫風さんではあるが。

 

「私も⋯しるくさんと会えて良かった!」

 

「私も!」

 

「ううっ、ぐすっ⋯」

 

「もしかして、ジェット先輩⋯泣いてるのか?」

 

「なっ⋯泣いてるわけないだろう!?」

 

「ポチ〜♪」

 

「うるさーい!」

 

 俺が感動して泣いているジェット先輩をからかうと、彼は泣いてないと言い張って反論する。ポチタンからもからかわれてはいるが、本当にジェット先輩ってからかいがいがあるよなって思う⋯恐らく前世からこんな感じだろうな。

 

「しるくさん、また会いたいなぁ⋯」

 

「俺も。憧れの女優とまた話したいものだ⋯」

 

「師匠はダメですよ?あなたにはるるかさんという彼女がいるんですから⋯浮気しないって宣言したでしょう?」

 

「良いだろ!好きな女優さんなんだから⋯憧れには何度も会いたいものなんだよ。」

 

「いや、そもそも無理だろ!そんな有名人と簡単に会えるわけ⋯」

 

「決めつけちゃ、ダメだよ?」

 

 俺とみくるとジェット先輩でしるくさんのことを揉めていると、噂の張本人が事務所にやって来た。これはあまりにもびっくりというか最高のサプライズである。

 

「しるくさん!」

 

「えっ?」

 

「どうして!?」

 

「あんなさんとみくるさんが渡した名刺を見て来たの。前から事務所の名前は織田さんを通して聞いてたけど、場所もようやく分かって良かったよ⋯」

 

「ようこそいらっしゃいました。お前ら紅茶とかお菓子とか準備しろ!」

 

「いえ、お構いなく⋯実はりえちゃんからPretty Holicのフレグランスがオススメと聞いて来たんですよ。見せてもらえますか?」

 

「も、もちろん僕が⋯!」

 

「いえ、私がご案内いたします。さあ、2階へどうぞ!」

 

「ずるいぞ、僕がしるくさんに他のコスメを見てもらうんだ!お前にはるるかがいるんだろ?引っ込めよ!」

 

「しるくさんとるるかちゃんは別腹だ!そもそも雲の上にいる女優さんに手を出すとか恐れ多すぎだろ!?こんな時だけアピールすんなよ!」

 

「何をぉ!?」

 

「アハハ⋯仲良しなんですね。」

 

「すみません、しるくさん⋯私の従兄がこんな感じで。」

 

「代わりに私とあんなが案内しますので、どうぞこちらへ。」

 

「ありがとう♪」

 

「「おい、待て!」」

 

 こうして、俺とジェット先輩が喧嘩をしている隙を突かれてしるくさんの案内役はあんなとみくるに奪われてしまった。とりあえず、キュアバイオレットのこととか考えることは沢山あるが⋯今はこうやってみんなと日常を過ごしているのがとても楽しい。まあ、しるくさんに醜態は晒してしまったが楽しんでくれたのは何よりだろう⋯この時間がいつまでも続くと良いな。




キュアバイオレット

変身者→薫風すみれ

イメージカラー→青紫

変身アイテム→ジュエルキュアライセンスフォン(信義と同じ)

武器→ケイボード・ヴィオラ(マスターとは違ってマコトジュエルをはめる口がグリップにある)

持ち技
バイオレット・ストライク
技コードは『087(お花)』、すみれの花弁の形をした弾幕を浴びせる技。

プリキュア・バイオレット・ストレートフラッシュ
技用のマコトジュエルを入れて決める技でハンニンダーの悪を斬り裂く。


いかがでしたか?なんと、前から出てた青紫の謎の戦士の正体がキュアバイオレットというプリキュアでその変身者がすみれだったという。まあ、前出た時の話で容姿を説明してたのでお察しの方は多かったことかと思います。とりあえず、キュアバイオレットに関しては正体をもっと遅く出そうかと思ってましたけど今後を見据えて前倒しにしました。この先がかなり重要になってくるので⋯

その一方でるるかちゃんは原作のこの回では出番はほぼなかったですけど、信義の動向を気にする役として出てアゲセーヌから聞き出すという⋯それで浮気をしないことを宣言してそれを聞かされひと安心。るるかちゃんはますますラブラブ度を深めようと次の行動へと移していくことになります。

しるくさんと信義に関しては彼は初恋の相手とは認めつつも憧れという線引きをしっかり信義がしてるのは偉いですね。女誑しとあらゆる方向から言われてもブレない彼はまさに主人公でしょう!最後はやっぱりしるくさんの前でかっこつけましたが⋯そんな感じです。

次回はアニメ10話分ですが、この前編後編で今書いてる章は完結して次章に突入します。どうぞ今後ともよろしくお願いしますね!

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