名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。昨日のたんプリはいかがでしたか?消えそうな島の妖精の謎⋯ミステリアスでありながらもほっこりしたり笑ったりという話でしたね。妖精の仕業が実は村長の孫娘の仕業だったり、ニジーというか松岡禎丞さんがふざけたり、島の言い伝えの妖精の正体がジェット先輩だったり⋯色んなことがありました。次回からはいよいよエクレールに迫るエクレール回です!皆さんはエクレールの正体が誰なのか予想できましたか?良かったら感想でお聞かせください。

そんな今回は10話分に突入しますが、いよいよこの章もクライマックスですね⋯今回はサブタイトルにもあるように絵の謎とデートの同時進行です。ちょっとおしゃれにコナン映画風にしましたが、どうでしょうかね?ダブルスクランブル⋯イケてるっしょ?(笑)

デートに関しては言うまでもなく信義とるるかちゃんです。どんなデートになるのか、そしてあんなちゃんとみくるちゃんは信義不在で謎を解けるのか?どうぞお楽しみに!

あと、余談ですが⋯前回から明らかになったキュアバイオレットのモチーフは『プリンセッション・オーケストラ』のプリンセス・ヴィオラです。その彼女の変身前の名前と同じすみれなので察した方も多いでしょうけどね。

それでは、また後書きにて⋯


#23 絵の謎とデートの並行進行(ダブルスクランブル)

「カオル、近くの定食屋で昼飯食べに行かねえか?今日ももちろん俺が奢ってやるからさ。」

 

 県警本部のある日の昼休み、猿田がすみれをランチに誘おうとする。普段に関しては行ったり行かなかったりの日があるものの、すみれ自身は別に彼から誘われることは決して嫌ではない。

 

「猿田さん、すみません⋯今日はお弁当を作ってしまったんですよね。それに、1人で食べたい気分なので⋯また今度誘ってください。」

 

「そうか。まあ、お前にも気分ってものがあるから止めやしねえよ⋯ゆっくりしてこい。」

 

「はい⋯では、また後ほど。」

 

 すみれは弁当を持って猿田に一言返事をしてから外へと出る。猿田もこうしてたまに断られることもあるが、その時は無理に粘ったりはしない。この時代の先輩としてはしっかりしすぎていた。

 

「ボス、出てきてください。あなたが隠れていることは分かってますよ?」

 

 本部の外に出て、すみれが『ボス』と呼ばれる存在を呼ぶと草陰からドギーが現れる。今はこの場には1対1の状態で誰も人は周りにいない状態だ。

 

『気づかれたか。何故分かった?』

 

「いえ、今日は何となくここに来そうだと思ってました。それで、以前から持ちかけようとされてた話とは何でしょうか?」

 

『ああ。すみれ⋯お前、信義達の前で変身したようだな。キュアバイオレットに⋯』

 

「どうしてあなたがご存知で?」

 

『信義から聞いたよ。すみれがキュアバイオレットに変身して戦っていたと⋯お前、2度もルールを破るとはどういうことだ?ジャックを捕まえる以外で変身せず信義に深く関わるなと⋯何故守れない?』

 

「申し訳ありません。あの人達は私に対してプリキュアであることを隠そうとしてたつもりで変身できなかったので⋯だから、私が戦うしかないと判断しました。あのまま放置してたらみんなどうなってたことか分かりますか?どうして⋯」

 

『お前が今の信義と関わると厄介なことになるんだよ。助けたい気持ちとかは分かる⋯だが、俺はお前にジャックを逮捕することを託してこの時代に派遣したんだ。それを忘れるな、『織田』すみれ。』

 

「そう呼ばれるのは久しぶりですね⋯この時代に派遣されてから偽名の『薫風』と呼ばれてましたから。でも、私だって織田さん⋯信義おじいちゃんを助けたいんです!その正義だけは貫かせていただきますね?」

 

『言っても聞かないやつだな、勝手にしろ。』

 

 ドギーはすみれの譲れない正義にとうとう匙を投げ、この場を去る。彼女は若くてクールそうな見た目をしていながらも熱い正義感を持っていて頑固なところがあり、信義のことは譲れない⋯そんな彼女の正体はタイムパトロールの人間で未来から来た信義の孫娘でもあるのだ。

 

(おじいちゃん、私⋯必ずジャックを捕まえて過去のおじいちゃんを守るからね。あの子の無念は私が晴らす!)

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

「い、いらっしゃいませ⋯」

 

 ある日のPretty Holicの開店前のこと⋯事務所にてジェット先輩はあんなやみくるの前で引きつった笑顔で『いらっしゃいませ』と挨拶練習をする。その理由に関しては彼の接客態度が悪いからでそれを見兼ねた2人から笑顔で接客するように今、鍛えられてるのだ。

 

「うーん⋯」

 

「ポチ!」

 

「ジェット先輩、もう1回!」

 

「あ、ありがとうございました⋯」

 

「違う違〜う!」

 

「ポチポチ!」

 

「もっと可愛く、もう1回!それだと引きつってるからもっと自然な笑顔に⋯」

 

「いい加減にしろ、何で僕がこんなことを!」

 

 とうとうジェット先輩は注文の多さにぶちギレてしまう。おまけにポチタンにも煽られたからそりゃあ無理もないかもしれない⋯

 

「仕方ないだろ?プリホリでの接客態度が悪いんだから⋯お前の接客態度が店の売上にかかってるんだぞ?何とかしようとしてる2人の気持ちに応えてやれよ。」

 

「余計なお世話だ⋯というか、信義はデートに行くんだろ?時間は大丈夫なのか?」

 

「あっ、そうだった⋯今日はるるかちゃんとデートの約束をしてたんだよな。行ってくる!」

 

「「行ってらっしゃい!」」

 

「ポチ〜♪」

 

 俺はジェット先輩に指摘されて今日がるるかちゃんとのデートであることを思い出し、あんなとみくるとポチタンに送られて事務所を出る。今日は彼女との3回目のデートで今回こそは何の事件もなければ良いのだが⋯たまには平和な1日を過ごしたいものである。

 

(とりあえず、待ち合わせ場所の公園には着いたんだが⋯そろそろ約束の時間か。)

 

「織田さん、おはよう。」

 

 時計の針が朝の9時30分になる頃、公園の門の前で待っているといつものようにぬいぐるみのマシュタンを抱いたるるかちゃんがやって来ては俺に対して笑顔で挨拶をする。本当に俺と付き合うようになってから彼女の笑顔が増えたものだ⋯出会った当初は無表情だった子が俺との出会いでこんなにも変わるなんて。

 

「おはよう、るるかちゃん!付き合ってからは初めてのデートだよね⋯待ってる間ずっと緊張してたよ。」

 

「ふふっ⋯それだけ楽しみにしてたってことだよね?ありがとう。その⋯恥ずかしいかもしれないけど、今日のデートの予定を特に決めてないの。もし時間があるなら今日の予定を話し合わない?」

 

「そうだね⋯じゃあ、じっくり話し合おうか。」

 

「うん。」

 

 そうして、俺達は公園の中に入ってはベンチに腰掛けて今日のデートの予定を話し合うことに⋯なるほど、早めに集合した理由はこういうことだったのか。ノープランから計画を組み立てるデートも悪くないな!

 

「とりあえず、この後はすぐに中華街に行こうか。そこに写真スタジオがあるからそこで写真を撮って、それからはラーメン屋でお昼を食べて午後からは何かこの地元で有名なバンドのライブを見ようよ。それで、終わったらこの前行けなかったパティスリーチュチュでケーキを食べようと思うけど、るるかちゃんは賛成?」

 

「うん。私、織田さんの行きたいところ⋯どこへでも行ってみたい!音楽も好きだし、チュチュのケーキも気になってたの⋯」

 

「それは良かった。とりあえず、行く前にちょっとトイレ行ってくるね⋯この後からトイレに行く余裕とかないと思うからさ。るるかちゃんは大丈夫?」

 

「私は大丈夫。ここで待ってるね?」

 

「分かった。ちょっと待ってて、すぐ戻るから!」

 

 俺はデートに本格的に行く前にまずはトイレを済ませることにした。予定も決まったことだし、楽しみが膨らむばかりだ⋯まずは中華街巡りから楽しむぞ!

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideあんな

 

「斉木萌絵です、実はこの絵の謎を解いてほしいのですが⋯」

 

 ノブお兄ちゃんが事務所を出た後、私達の事務所に依頼人の斉木萌絵さんがやって来た。中に通してから話を聞くことになり、彼女はその謎がある絵をコピーした写真を見せる。

 

「これは?」

 

「母が生前描いた自画像です。最近、海外で見つかったものが自宅に届いて⋯」

 

「はっ⋯、クリスティーナ・ピポポヴィッチ文江だ!」

 

 ジェット先輩が萌絵さんのお母さんの自画像を見て、その女性を知ってるのか反応を示す。それほどの有名な人なのだろうか?私には名前からまずよく分からない⋯

 

「クリスティーナ⋯何?」

 

「ピポポヴィッチ文江、30年前くらいに海外で人気だった画家だ。でも⋯彼女は風景画しか描かなかったような?」

 

「ええ、母が人を描いたのはその1枚だけ。どうして自画像を描いたのか⋯」

 

「その謎を解けば良いんですね?」

 

「ちなみに、絵のタイトルは?」

 

「『最高の幸せ』と言います。」

 

「『最高の幸せ』、か⋯みくる!」

 

「ええ、ここは名探偵の私達にお任せください!」

 

「ありがとうございます。ですが⋯主任の探偵である織田さんはどちらにいらっしゃいますか?」

 

「すみません。ノブお兄ちゃん⋯私の従兄ですけど、ちょっと急用ができまして。」

 

「でも、私達で何とかします!師匠からは探偵としてのいろはは学んできて自信はあるので!」

 

「分かりました。よろしくお願いしますね?」

 

「「はい!」」

 

 こうして、私達は萌絵さんを連れて彼女のお母さんである文江さんが描いた絵の謎を解くべく調査へと向かうことに⋯ノブお兄ちゃんがいないのは少し不安だけど、とにかく私とみくるで頑張ってノブお兄ちゃんを喜ばせようと思った。頑張るぞ〜!

 

「クリスティーナ・ピポポヴィッチ文江じゃと〜!?もちろん、彼女の本は揃っておる!」

 

 まず、私達は古本屋さんを訪れてから手始めに文江さんのことについてを店主の男性に訊いてみた。どうやら、文江さんのことを知っているどころかそんな彼女に関連する本も揃っているようだ⋯もしかすると、この中に手がかりがあるかもしれない。

 

「よもやよもや、お嬢さんの口からその名前を聞けるとは⋯彼女はワシの青春そのものじゃ!」

 

(よもやよもやって煉〇さん以外にも言う人はいたんだ⋯)

 

 そうして店主の男性は文江さんの本をかき集めてはそれを私達の前に揃える。ざっと数えただけでもかなりあって、それだけこの人は文江さんの絵が好きなのだろう⋯

 

「よーし、画集を見れば絵の描き方とか色使いで自画像の謎を解くヒントがきっと見つかるはず!」

 

「でも、ファッションにグルメ⋯旅行雑誌ばっかりで肝心の画集がないね。」

 

「テレビにもよく出ておって、人気者じゃったからのぉ。」

 

「風景画は少しは載ってるけど、これじゃあよく分からないなぁ⋯」

 

「だったらあそこに行ってみようよ!」

 

 みくるが本を読んでも文江さんの手がかりが掴めない中でわたしはあの場所に行くことを提案する。その場所とはもちろん⋯絵に関することならやはり純一さんの事件解決に貢献したあの絵画教室だろう。

 

「この前はありがとうございました。」

 

「また何かあればお任せください!」

 

「それで、これなんですけど⋯どうして風景画家の文江さんが自画像を描いたか分かりますか?」

 

 そう言ってみくるは絵画教室の先生に文江さんが描いた自身の自画像を見せた。絵に詳しい先生なら何か分かるはずだ⋯彼女もじっとその絵を見つめる。

 

「うーん、そうですね⋯」

 

「うわぁ、上手ーい!」

 

「だろ?結構上手く描いたんだ!」

 

 先生が質問に答えようとすると、絵画教室の生徒である子達が楽しそうに絵を描いていた。本当にこれぐらいの年齢となると絵を描くことをとにかく楽しんでいるものだ⋯私もこれぐらいの時はこんな感じで幼稚園や小学生の時はお友達、家ではお母さんと一緒に楽しく絵を描いてたことを思い出した。

 

「騒がしくてすみません。」

 

「いえ、私も子供の時は楽しく描いてましたよ。」

 

 萌絵さんは騒がしいことを謝る先生に対して自分もそうだったと返すも、彼女の表情はどこか曇っていた⋯お母さんである文江さんと実は何かあったのだろうか?こんな時に勘が鋭いノブお兄ちゃんがいたら彼女の感情とか分かるはずなのに⋯私とみくるだけでは分からないよ。

 

「どうかしました?」

 

「い、いえ⋯」

 

 先生から大丈夫かと訊ねられた萌絵さんは何とか我に返って反応する。本当に私は彼女のことが心配だ⋯もしも、お母さんのことで悩んでいるのなら同じくお母さんのことで悩んでいる立場として寄り添いたい。そう思っていると、教室の生徒達が何かを見つけて一斉にどこかへと向かっていた。

 

「何だろう?」

 

「行ってみよう、みくる!」

 

 そうして、私とみくるで何事かを確かめると⋯そこにはポチタンがモデルをしていて、それが気になった子達が集まっていたのだ。とりあえず、動いてはいないけど⋯妖精ということがバレそうで怖い。

 

「可愛い〜♪」

 

「本当だ!このぬいぐるみ、どこで手に入るの?」

 

(ポチタン、何してるの!?そんなに注目を集めるようなことをしないで!)

 

 そんなこんなで私はポチタンを回収して事態を収束させるのだった。本当にポチタンから目を離すと何をするのか分からないものだ⋯赤ちゃんだし仕方ないかもしれないけど、本当にやめてほしい。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideるるか

 

「マシュタン、今日のデートが上手くいくか占って?」

 

「分かったわ、るるか⋯任せなさい。マシュマシュマシュマシュ⋯マシュ〜!」

 

 織田さんがいない間に私は今日のデートの運勢をマシュタンに水晶で占ってもらうことに。どんな結果が出るのか⋯今日こそは何も事件が起きなければ良いところだ。

 

「どう出たの?」

 

「基本的にデートは平和に楽しめそうと出てるわ⋯ただ、また邪魔者が現れそうね?」

 

「邪魔者⋯もしかして、ジャック?」

 

「いえ、違うわ。ジャックでないことは確かよ⋯そうだとしたら、誰なのかしら?」

 

「よう、新人!ここにいたのか⋯」

 

 そんな話をしてると、どら焼きを沢山持ったゴウエモンがやって来た。動くマシュタンならまだしも彼に関しては正直今回あまり関わってほしくないところなのだが⋯織田さんにバレないか不安である。

 

「あら、ゴウエモンじゃない⋯もしかして、マコトジュエルが現れたの?」

 

「そうなんだ。ウソノワール様の未来自由の書にはここら辺に現れると記されてあってな⋯でも、小腹が空いたからどら焼きでも食べようかと思ったんだよ。新人も食うか?」

 

「私はいらない⋯アイスが好き。」

 

「くぅ〜、お前さんは和菓子の醍醐味を分かってねえなぁ⋯どら焼きってのはドラ〇もんの大好物としても知られる国民的スイーツなんだぜ?それを見ていたアルカナ・シャドウも分かるだろうよ。」

 

「興味ない⋯というか、今日は私に関わらないで。」

 

「冷たいことを言うなって。それはそうと、真剣な話題なんだが⋯ジャックって何者だ?プリキュアとは違った敵でウソノワール様も困っていらっしゃるんだ、未来自由の書にもないプリキュアの敵のそのまた敵が現れて。お前はそれと対峙したんだろ?何か分かってるのか?」

 

「私も分からない。でも、あのジャックというのはもしかするとジャック・ザ・リッパーに関係してる可能性はあるかも⋯」

 

「ジャック・ザ・リッパー?ああ、推理小説に出てくる犯罪者か⋯それがどうしたんだよ?」

 

「ジャック・ザ・リッパーは切り裂きジャックとして実在しているから架空の人物ではないわ⋯もしかすると、ジャックはキュアアンサーや織田さんと同じく別の時代から来ているジャック・ザ・リッパーの子孫かもしれない。私はそう考えている⋯」

 

「ほほう、そんな凶悪犯罪者の子孫か⋯そりゃあ、殺してまでも手段に及ぶのもやりかねねえな。まあ、俺らも気をつけようぜ⋯とりあえず、俺は任務に戻るからデート楽しんでこいよ?」

 

 そう言ってゴウエモンはこの場を去ってまた任務へと戻る。任務となるとハンニンダーを出すのはゴウエモンだから、もしかすると邪魔者は⋯私はマシュタンの占いでも見えなかった先のことを考えた。

 

「お待たせ、るるかちゃん!おおっ、水晶まで出して⋯もしかして、俺の運勢とかを占ってたの?」

 

「ま、まあね⋯(長話してたら片付ける余裕がなかった。とりあえず、マシュタンもぬいぐるみのふりをしてるし大丈夫よね?)」

 

「そっか。じゃあ、片付けが終わったら行こう⋯デートに!」

 

「うん♪」

 

 そして、私は水晶を片付けてから織田さんと一緒にデートへと向かうことに⋯まずは中華街から始まるデート、私をどんな感じで楽しませてくれるのだろうか?

 

(こんな感じ⋯かな?)

 

 それから私は織田さんに連れられてまず最初に来たのは写真撮影スタジオだ。とりあえず、更衣室でチャイナドレスに着替えてからそれが終わった後の自分を鏡で見る。その目の前にいた私は織田さんからのリクエストで黒でスカートが短めのものを着ることにした。もちろん、タイツはなしで俗に言う生脚にヒールである⋯ボディーラインも出るし少し恥ずかしいけど織田さんが気に入ってくれるなら嬉しい限りだ。

 

『るるかちゃん、着替え終わった?』

 

「うん。織田さんも?それじゃあ⋯」

 

 私は更衣室のドアを開けてから外に出て同じく着替えを終えた織田さんと向き合う。織田さんに関しては三国時代辺りの策士服を着ていて、その風貌は諸葛亮孔明と言うべきか中国の時代劇に出る策士家役のイケメン俳優のようだ。

 

「おっ、るるかちゃん⋯やっぱり似合ってるね。」

 

「ありがとう。織田さんもかっこいいよ⋯諸葛亮孔明みたい。」

 

「そうかい?でも、あの時会った諸葛さんには及ばないかもね⋯あの人がこれなら完璧じゃないかな?それにしても、るるかちゃんってスタイル良いよね⋯アイスを沢山食べてる割には締まってて、それでいて胸もまあまあ大きいし。」

 

「ば、バカ⋯どこ見てるの?織田さんのエッチ⋯」

 

 織田さんから胸のことを言われて、私は恥ずかしくなり胸をぬいぐるみのふりをしているマシュタンで隠してしまう。彼は意外にもちょっぴりエッチなところはあるのだろうか⋯でも、織田さんから言われる分には嫌な気持ちはしなかった。

 

「ごめん⋯でも、るるかちゃんのタイツを脱いだ生脚は初めて見たけど綺麗だよね。モデルさんみたいだよ⋯」

 

「それも恥ずかしい⋯でも、ありがとう。私、可愛いよね?」

 

「当たり前じゃん!るるかちゃんは世界一可愛いよ⋯俺をここまでドキドキさせた女の子が1番じゃないなんて。そんなのありえないでしょ?」

 

「本当?でも、家入しるくはあなたの初恋相手と言ってたけど⋯彼女が同じ格好してても好きなの?」

 

「それは⋯まあ、憧れの女優としてはときめくけど今はるるかちゃんが1番だよ。」

 

「良かった⋯そんな織田さんのことが私、大好きよ。」

 

「ありがとう⋯何かドキドキしてきたなぁ。」

 

「織田さん、森亜さん⋯撮影の準備、できました。どちらかからでも良いのでどうぞ!」

 

「はーい!じゃあ、るるかちゃんから先に行ってきて⋯マシュタンは俺が預かっておくから。」

 

「うん。」

 

 そして、カメラマンから呼ばれて私はマシュタンを織田さんに預けてから写真撮影へと向かうことに。こうしてカメラを向けられてモデルのようなことをするのは初めての体験だったけど、カメラマンがこういう撮影の経験が多い人だったからその人のリードで何とか上手くできたと思う。それに入れ替わって今度は織田さんも撮影をしたけど、こちらは慣れているような感じだったしその指定されたポーズとかもかっこよかった。それで2時間近くの撮影は無事に終了⋯この後、完成写真も見せてもらったけど、私達はとてもお互いに素敵に写っていたし、何よりも楽しかった。まだ満足ではないけども⋯それから、織田さんは近くのお守り屋さんでお守りも買ってくれたのだった。

 

「お守りも買ってくれてありがとう。私のは盤長結びのお守り⋯この愛が続いてほしいな。」

 

「それを祈って俺もお揃いのを買ったんだよ。金運とか仕事運とかはもう足りてるし、あとは俺とるるかちゃんの愛がずっと続くことを祈るのみだからね⋯」

 

「そうね。それで、次はラーメンだけどどこで食べるの?」

 

「それならここだよ。中華街の一角にある豚骨ラーメンのお店!やっぱり俺の中でラーメンは豚骨だよ。」

 

 そうして、次に連れられた先は中華街の一角にある豚骨ラーメンのお店⋯その店の名は『華月園』、まことみらいにある地名にあやかって名付けられたのだろう。しかし、ここは家系ラーメンとか醤油ラーメンがメインという中で織田さんはあえて豚骨を選ぶというのはどういう考えなのだろうか?

 

「いらっしゃいませ、2名様ですね?テーブル席にどうぞ!」

 

 そうして店の中に入ると、豚骨ラーメン独特の匂いの広がる空間の中で沢山のお客さんが美味しそうにラーメンを食べていて店員さんは忙しさに追われていた。まさに時間もランチタイムぴったり⋯その中でまた空席があったのは運が良いと言える。

 

「ご注文はお決まりでしょうか?」

 

「はい。豚骨ラーメン2つとあと、この子にはバニラアイスを食後にお願いします!」

 

「麺の硬さはどうされますか?」

 

「僕は硬めです。るるかちゃんは?」

 

「私も織田さんと同じで⋯」

 

「かしこまりました。お冷はテーブルの上にありますのでご自由にどうぞ!」

 

 そうして店員さんはオーダーを店主さんに伝えてからラーメンの調理が始まっていく。本当にこのお店はラーメンの熱さとは別にこの場にいるだけで熱気が凄く伝わってくる。ラーメン屋さんに実際に入るのは初めてだけど、これだけの熱量のある人達が関わるラーメンはきっと美味しいはずだ!

 

「お待たせいたしました、ラーメン2丁麺硬めですね。アイスはまた後で持ってきますのでお知らせください!」

 

「ありがとうございます。それじゃあ、るるかちゃん⋯食べようか。」

 

「うん⋯いただきます。」

 

 私は織田さんに言われて、まず麺を箸で掴んでからそれをひと啜り。食べてみると、カップ麺のラーメンとは違う深い味が口の中に伝わってきた⋯麺はコシがあり、スープに関しても世間的には臭いとか言われてはいたがそこまではなくむしろ食欲を唆る匂いだ。これが豚骨ラーメンなのか?

 

「どうかな?」

 

「美味しい。こんなラーメン食べたことないかも⋯麺もスルッとしつつコシもあるし豚骨の深みもある。」

 

「でしょ?やっぱりラーメンは豚骨なんだよ。うん⋯美味しい!日本人はやっぱりこれだよなぁ♪」

 

「ところで⋯織田さんってどうして豚骨ラーメンが好きなの?まことみらい市は家系ラーメンとか醤油ラーメンとかが人気なのに。」

 

「俺が和歌山出身なのは別問題として、俺の父方のじいちゃんが博多出身でラーメン屋をやってたんだよ。それで博多に遊びに行った時はじいちゃんの手作り豚骨ラーメンを食べて育ったってわけ⋯だから、俺にとってのラーメンは豚骨しかありえないんだよ。」

 

「そうなんだ。織田さんのおじいさんに会いたいかも⋯今もお元気なの?」

 

「今か⋯ラーメン屋は閉めたけど、毎日5kmランニングしてるぐらいは元気だよ。たまにLINE⋯じゃなくてメールでも元気にしてるって知らせてくれるからね。」

 

「ライン?線がどうしたの?」

 

「いや、何でもない⋯それよりもラーメンを早く食べちゃおうか。行列も長いことだし、アイスにたどり着かないと思うしさ!」

 

「そ、そうね⋯」

 

 私は織田さんが出した『ライン』という単語に引っかかり、それを訊ねるも彼は何でもないと流して話を切った。恐らく、織田さんが住んでた時代にある連絡手段なのだろう⋯違う時代から来てるのは分かってるにしても、その『ライン』がどういうものなのか気になるばかりである。それから、私はアイスまでもを完食して店を出ることに⋯お腹も心も満たされて最高の時間だったのは言うまでもない。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideあんな

 

「絵の構図や色使いに関してはおかしな点はなさそうって言ってたけど⋯」

 

「はっきりした手がかりは見つからないね。」

 

「「はぁ⋯」」

 

 ポチタンを回収してから、私達は改めて文江さんの描いた自画像について先生に質問するも絵自体に変なところは特にないとのこと⋯しかし、この絵は何を萌絵さんに伝えようとしてたのだろうか?全く謎だ。

 

「浮かない顔をしてどうしたんですか?」

 

「あっ、パティスリーの!」

 

「帆羽くれあです。」

 

 私とみくるが手がかりを見つけれず落ち込んでいると、パティスリーチュチュのパティシエでたいらさんと一緒にいた帆羽くれあさんが買い物の後なのか袋を持って声をかける。そして、彼女に案内されてお店の方へと移動した。

 

「うわぁ!」

 

「はなまる可愛い♪」

 

「お菓子を食べて元気出してね!」

 

 そうして、店の方に着いて席に案内されて待つことしばらく⋯くれあさんは私達にケーキと紅茶を運んできた。萌絵さんにはチーズケーキ、私にはブルーベリーケーキ、みくるにはいちごのミルフィーユケーキ⋯たいらさんとくれあさんが作ったものだろう。ケーキの見た目は可愛くて美味しそうだし、出された紅茶も良い香りだ。

 

「あーん、んん⋯すっごく美味しい♪」

 

「ミルフィーユも最高!昔、海外にいた時におばあちゃんと一緒によく食べてて⋯それで好きになったんだよね。」

 

「そうなんだ。」

 

 その中でみくるはミルフィーユケーキの思い出を私に語る。前にノブお兄ちゃんとるるかさんの野球デートの時に海外に住んでたって話してたもんね⋯おばあちゃんとの思い出の一つにミルフィーユケーキが関わっていて運命的だと感じるばかりだ。

 

「素敵なところね⋯今度娘と来てみようかな。プリホリにも一緒に行ったんですよ?探偵事務所は織田さんの話を聞いたというのもありますけど、そのプリホリに行った時に場所が同じだと知りました。」

 

「そうなんですね!」

 

「お取り込み中ごめんね。私が作った新作、よかったら食べて?」

 

「マカロンだ!」

 

「可愛い♪」

 

 私達が話をしていると、くれあさんがやって来ては新作としてマカロンを持ってくる。そのマカロンはピンク、紫、黄緑の3色で形は当然として色もあり可愛くて美味しそうだ⋯私とみくるでそれを1口食べた。

 

「「美味しい♪」」

 

「海外にいた時に母がよく買ってくれました。あの頃を思い出します⋯」

 

 そんな時に萌絵さんはマカロンを見てまたもやお母さんである文江さんとの思い出を話し始めた。しかし、そんなに嬉しそうな感じではなくてむしろ嫌そうな顔をしているようにも見える。

 

「でも、正直あまり美味しいものとは思えなくて⋯何だか形も歪でしたし。」

 

「そう⋯ですか。」

 

 萌絵さんがマカロンがそんなに美味しくなかったという話をすると、くれあさんは落ち込んで悲しそうな顔をする。でも、私とみくるが食べたくれあさんのマカロンは美味しかった⋯買ってきたお店の差なのだろうか?

 

「萌絵さん?」

 

「あの、文江さんのことについて教えてくれませんか?」

 

「えっ?」

 

「お母さんが実際にどんな人だったのか⋯萌絵さんはどう思ってたのかなって。」

 

「母は美とおしゃれを愛した人でした。ファッションや食べ物、住む場所、何もかも全て拘る人で⋯」

 

「芸術家らしいですね。」

 

「私もそういったものに触れて、その良さも知ることができました。でも、私はそんなものよりも⋯母は我が道を進み、好きなように生きた、一緒に調べてみてそれが分かりました。だから思うんです⋯母にとって最高の幸せとは自分自身のことだろうって。」

 

「自分自身⋯」

 

「それが最高の幸せ?」

 

 萌絵さんは文江さんにとっての幸せがどんなものかを調べた上でそれを断定する。その表情は辛そうであるが、どこか決めつけている感じがした⋯しるくさんも言ってたよね、『決めつけちゃダメ』って。だけど、今日が初対面の彼女にそんな軽はずみなことは言えない。こんな時にノブお兄ちゃんがいたら⋯

 

「あの⋯マカロン、少しで良いので召し上がってみてもらえませんか?」

 

「ええ、少しだけなら⋯」

 

 そんなタイミングでくれあさんは萌絵さんにマカロンを食べてほしいとお願いした。どんな背景があるにしても自分が作ったマカロンは食べてほしいという気持ちが伝わってくる。それに押された萌絵さんはマカロンを1口、すると⋯

 

「美味しい!どうして?」

 

「萌絵さんが食べていたマカロン、本当に買ったものだったでしょうか?」

 

「ええっ!?」

 

「そうか、くれあさんのおかげでピンと来た!きっとマカロンはお母さんの手作りだったんだよ。だから、お店のものに比べると味や形がイマイチだったのかも?」

 

「で、でも⋯母が作ってるところなんて一度も見たことないですし。」

 

「この絵と同じですよ。風景画ばかり描いていた文江さんの自画像だって誰も見たことなんてなかった⋯」

 

「もしかしたら、隠されていた本当の姿があるのかも!萌絵さん、実際の絵を見せてもらえませんか?」

 

「写真では分からないことが、謎を解く手がかりが見つかるかもしれません!」

 

「分かりました⋯」

 

 こうして私達はケーキやマカロンを食べ終えてから萌絵さんの自宅へと向かってから絵の原本を確かめていくことに⋯こういうヒントをくれたくれあさんにはもちろん感謝したのは言うまでもない。謎解決に向けて次の1ステップ⋯とにかく、紐が解けるまであと少しだ!




いかがでしたか?まず最初に衝撃の事実が明らかに⋯なんと、すみれの『薫風』は偽名で本名は織田すみれ。しかもドギーから派遣されたタイムパトロールの部下で信義の孫娘でした⋯そんな彼女はジャック逮捕ですが、何故にジャック逮捕に拘るのか?そして、その理由とは⋯今後明かされていくのでご注目ください。

そして、ジェット先輩が接客練習をする中で信義はるるかちゃんとデートに行き、あんなちゃんとみくるちゃんは斉木萌絵さんがやって来ては依頼を託されることに⋯信義がいなくともくれあちゃんの力を借りながらも謎解明には向かっているようです。どうなることでしょうか?

一方で信義とるるかちゃんのデートは中華街から始まる流れでまずはチャイニーズな衣装を着て撮影ですが、るるかちゃんはミニスカチャイナドレスでしかも生脚でボディーラインが出るデザイン、セクシーなるるかちゃんですな!ちなみに彼女の本来の胸の大きさに関しては少し大きめと判断しました。その理由ですけども変身バンクにて光のドレス姿になった時に胸元がアップされるところがありますけど、あんなちゃんとみくるちゃんは胸の膨らみが確認できなかったのに対してるるかちゃんは膨らみが確認できました。つまり、ナーフ分をなくすと恐らく中かすき家で言うなら中盛ぐらいはあると思います。ひろプリのバタフライのあげはちゃんはナーフされても膨らみはきちんとあってるるかちゃんがそれぐらいならもしかするとあげはちゃんぐらいのバストサイズはあるかなと⋯あっ、ダジャレじゃないですよw

まあ、その中でゴウエモンのどら焼きは食べませんでしたけども信義と一緒にラーメンは食べました。豚骨ラーメンに関しては僕が九州民なのでちょっと思想強めですな⋯とりあえず、デートの方の今後の動向もご注目ください。

そして、次回でいよいよ第1章が完結します。謎解きもデートも後半戦⋯どんな結末を迎えるのか、そして最後には⋯!?次回もお楽しみに!

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