想定の話ですが、恐らく僕が思うにこの章は第1章より楽しいと思います。先に言いますと、この第2章はるるかちゃんとのラブラブシーンが第1章が多くなるのは確定と思っててください!そうなる理由に関してはいずれ分かることかと思いますが⋯作品のタイトルの意味が変わってしまい、一部読者層にとっては乖離が起きるのではという不安があります。そこはもうあしからずという感じで先に謝っときますね⋯恐らく思ってたような話になる可能性はならないと思います。まあ、そもそも原作のたんプリがそんな感じですし⋯今さらですけどね。
それと、おかげ様でお気に入り登録者が100人に到達しました!ここまで応援してくださった皆様には心から感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたしますね?
それでは、また後書きにて⋯
【新章始動】#25 ファントムからの予告状
sideるるか
織田さんとのデートから数日後の夜⋯私は高いところから宝生美術館を見下ろす。どうして私がここにいるのか?その理由はウソノワールからの命令で、未来自由の書にはこの中にある『星明かりのプリンセス』という展示品にマコトジュエルが宿っていると記されていた。とりあえず、その奪取の任務を私に任せたようなのだが⋯その中で迷いが少しあった。
『いいか、アルカナ・シャドウ。キュアマスターは我々の敵だ⋯もしもお前の正体を知られて対峙した時はたとえ恋人であろうと任務は必ず遂行せよ。情けを与えるな⋯』
「るるか、もしかして迷ってるの?」
「マシュタン⋯」
「分かるわ、織田信義のことを裏切りたくないあなたの気持ちも全部⋯でも、ウソノワール様からの命令は絶対。逆らおうものなら奈落の底に落とされて二度と彼に会えないわよ?」
「分かってる。だけど、あの人は私がキュアアルカナ・シャドウだと信じていない⋯それに、私がファントムの人間であることも。どうすれば良いの?」
「うーん⋯その時はもう開き直って自分のことを話したら?彼は凄く優しい人だから謝って自分の身の上を話せば受け入れてくれるはずよ。あなたが彼氏を信じないで彼があなたを信じると思うの?」
「そうね⋯私、織田さんを信じる!ありがとう、マシュタン。」
私は悩んでいた自分にアドバイスをくれたマシュタンに感謝して織田さんのことを信じることにした。あの人のことだから私が敵だと知っても嫌いになることはないと思っている⋯そんな彼を信じないとね。
「さあ、始めましょうか⋯」
side out
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side信義
「⋯ということで、今日の夜のニュース『ニュースナイトステーション』にはゲストとして今、全国的に人気を誇っているキュアット探偵事務所の探偵である織田信義さんに来て頂いております。引き続きよろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
ある日のこと、俺は東京のニュース番組からの出演依頼を受けてそこにゲスト出演している。どうやら最初に担当した殺人事件を解決したことが新聞やテレビのニュースで伝えられたことで有名人になっていたらしく、今までもメディアへの出演依頼が来ていたもののジェット先輩が勝手に断っていたのだが⋯今回は俺が対応して出演することを決意し、メディアからすれば念願の出演となったとのことだ。
「織田さんは全国的に有名人で『新人名探偵』や『ジャ〇ーズ系名探偵』とか言われていますが⋯このことをどう受け止めてますか?」
「私ってそう呼ばれてるんですね⋯とりあえず、自分がそれぐらいかっこいいとか凄いと世間の皆さんが思ってくださってることは嬉しいです。そのおかげか今は地元の方では引っ張りだこなんですよ⋯色んなご依頼を地元では沢山受けてますね。」
「なるほど、キュアット探偵事務所の全国展開とかも夢見たりとかしてますか?」
「私は所長じゃないのでどうとは言えませんけど、所長(ジェット先輩)とその話は少ししていて⋯資金ができたら全国に支部を立ち上げようかという話をしてましたよ。ただ、その時は他県の方は私に依頼できませんけど優秀な探偵を用意するつもりではいます。」
「全国進出ですか⋯そうなると、織田さんはいなくとも今は結構事務所の人気も上がってるのできっと人気になると思いますよ?」
「ありがとうございます。」
「ゲストコーナーの途中ですが、速報が入りましたのでお伝えいたします。先ほど、○○県まことみらい市にある宝生美術館に『怪盗団ファントム』を名乗る団体から予告状が届いたとの情報が入りました。」
(なっ⋯ファントムだと!?)
すると、このニュース番組のアシスタントアナウンサーがゲストコーナーの途中ながらも突然入ってきた速報のニュース原稿を読み上げる。怪盗団ファントムが予告状!?急に探偵ものの作品の怪盗のような動きを仕掛けてくるとは驚いた。
「お知らせの後は先ほどの速報関連のニュースをお伝えいたします。織田さん、コーナーの途中ながら大変申し訳ありません⋯」
「いえ、今回は探偵に関する色んなことを話せて楽しかったです。本当にありがとうございました⋯」
「こちらこそありがとうございました⋯それでは一旦コマーシャルを挟みます。」
そうして司会のアナウンサーにお礼を言ったところでCMに入る。まさかこんなタイミングでファントムが仕掛けてくるとは⋯こっちとしては折角のテレビ出演だったのに思わぬ形で邪魔が入ってしまい正直不愉快だ。
「織田さん、本当に申し訳ございませんでした⋯急なニュース速報が入ってしまって。」
「顔を上げてください。スタッフとかアナウンサーの皆さんは悪くないですよ?悪いのは犯罪を犯す側なんですから⋯」
司会のアナウンサーはCM中、俺に頭を下げて謝る。しかし、俺は彼やスタッフの皆さんを責めることはなかった。この人達に一切の罪はないのだから⋯悪いのは事を起こしたファントムである。
「ありがとうございます。本当にお優しい⋯それで、これから事務所に戻られるんですか?」
「はい。私達探偵にとって犯罪を犯すところは天敵ですからね⋯とにかく、犯人を推理で突き止めて警察に突き出すのみですよ。」
「そうですか。帰り道、どうかお気をつけてくださいね?」
「ありがとうございます。それでは⋯お疲れ様でした!」
そうして俺はアナウンサーやスタッフに見送られてからスタジオとテレビ局を後にして、チェックイン済みのホテルで一晩過ごしてから事務所へと戻るのだった。それにしても予告状を出したのはファントムの誰なのだろうか?ニジーもアゲセーヌもゴウエモンもこういう手を使いそうにないし、絞られるとしたらブラキッドか部下達が名を出している組織のボスのウソノワールの2人、どっちなのかは分からないが美術館に現れて犯行を実行していたら何としても警察に差し出してやりたいところだ。
side out
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「アルカナ・シャドウ⋯わざわざ予告するとかチョーありえない!」
その頃、ファントムのアジトでは幹部と長のウソノワールが集まっているのだが⋯今回任務を託されたるるかが実行した策にアゲセーヌは不満を漏らす。るるかは今回の作戦の実行に向けて、予告状を宝生美術館に出したのだ⋯今頃、美術館は騒ぎになっていることだろう。
「良いじゃねえか⋯初陣で張り切ってるだろうよ。」
「はあ!?何それ!」
「あんたら騒がしいんだよ。しかし、アルカナ・シャドウはなかなか俺のような怪盗らしいことをやってくれるじゃん⋯元探偵とは思えねえな。あんたらのような偽物の怪盗とは大違いだぜ!」
「ブラキッド、どうして僕達を引き合いに出すのかい?僕達だってウソノワール様から認められた本物の怪盗だよ⋯君だけ偉そうにしないでくれるかな?」
「そうだし⋯ゴウエモンも何とか言ってやりなよ!」
「まあ、お前さんが優れてると思ってるんだったらそれで良いんじゃねえの?俺達は怪盗スキルで優秀さを争ってるわけじゃねえし⋯マコトジュエルを集めればそれで良いものだからな。」
「あんたの言う通りだよ、ゴウエモン。今回のアルカナ・シャドウはどうであれ俺がマコトジュエルをあんたらより先に手に入れてやるぜ⋯泣き目を見るなよ?」
ブラキッドはゴウエモンの言うことに賛同しては逆に3人を挑発する。ブラキッドの方もシルバーマジカルロッドの修理が済んでいつでも出れる状態だ…前回はキュアバイオレットの乱入さえなければ勝っていただけにプリキュア側からしたら厄介な相手だろう。
「予告状か⋯ふむ、それもまた一興。」
「ウソノワール様⋯私もその通りだと思っております。アゲセーヌも、ウソノワール様がこうおっしゃっているのだからこれ以上文句を言うなよ?」
「ぐぬぬ⋯」
ウソノワールはるるかが予告状を出したことに関して好感を示し、それにブラキッドも賛同する。アゲセーヌはボスである彼に逆らえないのかこれ以上の反論をやめるのだった⋯恐らく歯がゆいところもあるはずだろうが、相手が悪すぎだ。予告状で指定された日時は明日の夜8時⋯そこでるるかはどんな手を打つのだろうか?アジトで待つ面々も気になるところである。
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side信義
「キュアット探偵事務所の織田信義です。首飾りの『夜明けのプリンセス』を守りに来ました。オーナーの宝生さんはいらっしゃいますか?」
「少々お待ちくださいませ⋯」
翌日、ジェット先輩とドギーを除く俺達は宝生美術館を訪れる。ひとまずは受付の人に館長の宝生さんを呼ぶようにお願いして、受付嬢は内線で彼女と通話をするのだった。
『探偵?』
「はい、怪盗から首飾りを守ると言って織田信義さんと中学生ぐらいの女の子が2人が探偵と称して来ておりますが、どうされますか?」
『織田!?ちょっとお待ちなさい、すぐに向かうわ!』
「あっ、オーナー!?どうやらこちらに来られるようなので少々お待ちください。」
「分かりました。」
「予告状なんて名探偵への挑戦ね?ファントムの好きにさせない!」
「うん、ポチタンもミスティックの衣装を着てやる気満々だよ!」
「ポチポチ〜♪」
「お前らのやる気は分かるが、ポチタン⋯人前というか特に宝生さんの前では喋るなよ?」
「ポチ!」
「ポチタンも『分かった』って言ってるみたいだよ。ノブお兄ちゃんもそんなにピリピリしないでもっと肩の力抜いていこう?」
「まあ、そうだな⋯」
あんなから肩の力を抜くように言われ、俺は言う通りに少し力を抜いて気持ちを楽にした。とりあえず、ファントムの誰かが来るまでの時間はまだある⋯今のうちから力んでても心が疲れるだけだからな。こういう時は心のリラックスが大事だ⋯
「あら、織田さん⋯ようこそいらっしゃいました!」
しばらく待っていると、上の部屋からワインレッドのドレスを着たマダムが下りてきた。この人こそがこの美術館のオーナーである宝生ちなみさん⋯テレビにも出るぐらいの有名人で、コレクターとしてかなり名が知られている人物だ。
「宝生さん、初めまして。私、キュアット探偵事務所の主任探偵をしている織田信義と申します!」
「ご丁寧にどうも、あたくし⋯当美術館のオーナーをしている宝生ちなみと申します。噂はお聞きしてますよ?まことみらいに突然現れた敏腕イケメンの名探偵さんと⋯お会いできて光栄ですわ♪」
「そこまでおっしゃられると照れますね。私よりイケメンな人は山ほどいますし、凄腕の探偵さんは世界中探した方が多くいらっしゃいますから⋯」
「そんな謙遜なさらずに。ところで、あなたとご一緒の子達は?」
「同じ事務所の探偵です。ほら、宝生さんに挨拶して?」
「明智あんなです!」
「小林みくると申します。」
「そう⋯でも、あーた達に用はないわ。あたくしが織田さんと共に気になるのはこの子。なんて可愛いポーチなの?このフリフリも堪らないわぁ♪」
そうして、宝生さんは挨拶をするあんなとみくるを無視してはミスティックの衣装を着ているポチタンを見つめて夢中になる。その中でポチタンは微動だにしない⋯しっかり約束を守れてて成長を確かに感じた。
「このポーチ、あたくしに譲ってくださらない?」
「ええっ!?ダメです、友達ですから!」
「申し訳ありません⋯ポチタンは流石に譲れませんが、星明かりのプリンセスの警護は私達にお任せください。予告を出して盗みに来たやつは警察に差し出しますから!」
「頼もしいですわね⋯流石は織田さん!そういうことでよろしくお願いいたします。」
「はい!」
こうして宝生さんは俺と握手を交わし、警護の任務を託された。ファントムの誰かは知らないが、星明かりのプリンセスは何としても守ってみせる!あと、万が一のことも考えるとジャックのことも警戒して宝生さんも守らないといけないだろう⋯ジャックが仮に来たら宝生さんは間違いなく殺される。どっちもケアしないといけないからかなり厳しいな⋯
「うわぁ⋯見て、ノブお兄ちゃん!素敵な展示品ばかりでどこから見れば良いのか迷っちゃいそう♪」
「本当だな。どれも安くて1000万とかの品ばかりだろ⋯流石は宝生美術館だ。」
「世界中から集めたあたくしのコレクションよ?皆さんにも見て頂いてるの。そして⋯こちらが星明かりのプリンセス。」
宝生さんはファントムのターゲットである星明かりのプリンセスを見せる。中心には滴状のエメラルドが埋められていて何よりもネックレスに金を使っていて高級感しか感じない⋯煌めきがどの展示品よりも段違いだ。
「うわぁ⋯」
「はなまる綺麗!」
「歴史的な価値のある首飾りで20億円は下らないわ。」
「ええ〜っ!」
「20億円!?」
あんなとみくるは星明かりのプリンセスの値段を聞いて驚き冷静さを失う。それもそうだ⋯1億ですら宝くじ1等の金額として憧れるものなのにその20倍だから想像の域を軽く凌駕している。それを知って平然とはしていられないだろう⋯
「大物メジャーリーガーを1人単年で契約できる金額ですね⋯これ1個で高すぎますよ?」
「そうですわね⋯しかし、怪盗団なんて本当にいますの?ノストラダムスのような噂話では?」
「最近話題になっていますよ?結婚式場やパティスリーに現れたって⋯」
(ファントムの起こした事件は一応知られてはいるんだな⋯俺達プリキュアの存在については語られてはないだろうが。)
「その事件、私達が解決しました!」
「えっ、本当に!?」
「はい、私⋯嘘つかないんで!ねっ、ノブお兄ちゃん?」
「ああ。この子達の言うように私達がファントムが起こした事件を阻止してきました⋯今回も解決させて頂きますよ。」
「織田さんがそうおっしゃるのなら頼もしいですわね⋯ですが、お嬢ちゃん達に関しては力不足と思いますし。はい、カモーン!」
そうして宝生さんが手を叩いて合図を送ると大柄の男達が入ってくる。服装からして警備員のようではあるが、恐らく脱いだらボディービルダーぐらいの筋肉はありそうなぐらい強そうだ。これでファントムに勝てるかは未知数だが、魔力とかをなしにしたら絶対勝てるだろうな⋯
「当美術館には優秀な警備員がいます。さらに24時間防犯カメラで監視、ケースは超強力な特殊ガラス製。象が踏んでも潰れませんことよ〜♪」
「「おー⋯」」
「決め手はこのマシン。あたくしの顔をカメラで読み取り、ケースが開く超最新のセキュリティー!」
「あっ、顔認証!」
「ご存知なの?」
「スマホによくついてるから!」
「スマホ?」
「あっ!?」
宝生さんが顔認証システムについてを説明すると、あんなが反応するもスマホについてると言い出してしまう。この時代にスマホなんてあるわけないのに⋯本当に未来から来たのを隠す気がないだろ!
「このバカ!いえ、何でもございません⋯流石ですね?お金にモノを言わせるパワープレイですよ⋯これなら盗まれることはないですけど、もしも盗もうものなら私達にお任せください!」
「ええ、もちろんそのつもりですわ⋯よろしくお願いいたします。それと、ポーチも譲る気になったらいつでもお声をかけてくださる?」
「いや、それはちょっと⋯」
「あんなもこう言ってますので⋯」
「いいえ、あたくしは諦めませんわ!とにかく、警護の方をよろしく頼みますね?オホホホホ♪」
そう言うと宝生さんは警備員と受付嬢を連れて奥へと消えていく。本当にこの人は豪快なお方だ⋯展示品とセキュリティーにお金と命をかけたり、欲しいものには執念を燃やす強欲さ。これだから最高の美術館ができるんだろうな⋯
「ファントムが狙うってことはマコトジュエルが宿ってるんだよね?」
「きっとね⋯予告した時間は夜の8時。それまで美術館を調査しよう?」
「うん!」
「ただ、これを狙ってるのは予告状を出したファントムだけではないだろうな⋯ジャックだってもしかしたら狙っているはずだ。あいつは恐らく宝生さんの命までもを奪うかもしれないから、星明かりのプリンセスと宝生さんは俺達が守らないとな⋯」
「そうですね⋯ジャックからも守りましょう、ネックレスも宝生さんも!」
「みくる⋯そうだね。調査を始めよう!」
そうして俺達は美術館のあらゆる施設内を調査することにした。みくるは単独行動で俺はあんなと共に行動していく⋯出入り口にはカメラが10台以上、県警の人間もかなり入っていてテレビ局のカメラや記者も沢山。それだけ宝生美術館に怪盗がやってくることが注目されているということだろうし、警察も早く逮捕しようと血眼になっている。
「まさか、こんなにも国民が注目しているイベントになってたなんて⋯私達緊張してきたかも。」
「心配すんなって。逮捕するのは警察だからな⋯俺達は犯人を突き止めて警察に身柄を渡す。それさえできれば良いんだよ⋯」
「ノブお兄ちゃん⋯」
「織田さんと明智さん⋯やっぱりここにいた。」
聞き馴染みの透き通った女の子の声がしてその方向を振り向くと、そこにいたのはるるかちゃんだった⋯まさかこんな時に会えるなんて!まさか美術館に来てたとは驚いた。
「こんにちは、るるかさん。」
「るるかちゃん!どうして君がこの美術館に?」
「怪盗団ファントムが予告を出したニュースを見て、ここに来れば織田さんのことだから会える気がして来たの。それにしても、凄い人気ね⋯あの首飾り。」
るるかちゃんは目の前に飾ってある星明かりのプリンセスを見てはその人気さに感心する。予告の品だからってのもあるかもしれないが、そもそも綺麗なものだからこの美術館の中でもかなりの人気だ⋯価値20億円以上は伊達ではない。
「ああ、そうですね。ファントムが狙ってて話題になってますし⋯」
「それだけじゃないぞ?宝生さんもおっしゃってたけど、この首飾りは時価20億以上の価値があるし、何よりも高級感のあってデザインも良い⋯今回の事件の前から人気はあるに決まってるだろ?」
「そうだよね⋯」
「私もそう思ってるわ。みんなを引きつける魅力⋯素敵よね?」
「そうだな。宝石そのものの輝きだけじゃなくて、みんなの思いが集まってるからこそ輝いてる⋯俺はそう思ってるよ。」
「私も難しいことはよく分からないけど、ノブお兄ちゃんと同じです。」
「そう。ねえ、織田さん⋯まだお昼ごはんとかは食べてないよね?」
「まあ、朝ごはんっきり食べてないな⋯そう考えたらお腹空いてきたかも。」
「あのね⋯私、織田さんの為にお弁当を作ってきたの。もし良かったら施設内にある食堂で一緒に食べない?」
「お弁当!?いいね!るるかちゃんの手作りのお弁当⋯食べてみたいなぁ〜♪」
「ちょっと、ノブお兄ちゃん!?調査の方はどうするの?」
「ごめん⋯ちょっとるるかちゃんとデートしてくる。食べ終わって展示品を少し見たら戻ると思うから、みくるにはそう伝えててくれるか?」
「もう、しょうがないなぁ⋯ノブお兄ちゃんは。楽しんできてね?」
「サンキュー!それじゃあ、行こうか⋯」
「うん、頑張って⋯名探偵さん。」
そうして、俺とるるかちゃんとデートを楽しむことにした。依頼を引き受けている途中ではあるが、ちょっとした息抜きも必要だろう⋯ピリピリしててもしょうがないしな。まずはるるかちゃんの手作り弁当から味わうことにしよう!
「さて、どんなお弁当かな?ワクワクもんだぁ♪」
「織田さん⋯それ、違う作品のセリフ。」
「ごめんなさい⋯」
そんなこんなで俺とるるかちゃんは美術館の中にある食堂に移動してテーブル座ると、るるかちゃんは持ってきたポーチから包みを出してそれを開く。そこにあったのは2つの弁当箱で俺は上の方を渡された。
「どうぞ⋯」
「ありがとう、割り箸も貰うね。それじゃあ、オープン!」
そうして俺はプリキットを起動するような感じで弁当箱を開ける。そこには王道とも言って良いのか唐揚げ弁当が敷き詰められていた⋯そこら辺のツボを押さえている彼女はやっぱりできる女である。これは未成年であること以外はマジで最高物件ではなかろうか?
「唐揚げ弁当だ⋯るるかちゃんの手作りだよね?」
「もちろん。唐揚げは揚げるところから作ったの⋯あんまり他の人にお料理を作ったことがないから自信はないけど気に入ってくれたら嬉しいな。」
「それじゃあ、お手並み拝見としますか。頂きます⋯んん〜、美味しい!お弁当の唐揚げとは思えないクオリティーだよ⋯こんなに美味しい唐揚げは初めてかも?」
「嬉しい⋯味付けは生姜と醤油にしてみたの。唐揚げだけじゃなくて野菜も食べてね?」
「分かってるよ⋯レタスの千切りか。ジューシーな唐揚げの後に食べると口の中がサッパリするね!ドレッシングはごまかな?」
「ドレッシングは白ごまなの。お口に合ってる?」
「もちろんだよ!俺は唐揚げも白ごまのドレッシングも野菜も大好きだからね⋯嫌いなものがないし、何よりもるるかちゃんの手作りってのが最高だよ!」
「ふふっ⋯ありがとう。いっぱい食べてね?」
そうして俺はるるかちゃんの手作り唐揚げ弁当を一口一口じっくりと味わう⋯こんなに美味い弁当を食べてたら、元の時代で叔母さんが作ってくれた弁当には戻れなくなってしまいそうだ。叔母さんの弁当も美味しいのに⋯でも、るるかちゃんの方がより美味しく感じてしまう。本人には言えない話だがな⋯
「美味しかった。ご馳走様⋯」
「ふふっ、いっぱい食べれたね。美味しそうに食べてくれて本当に嬉しいわ⋯ありがとう。」
「いやいや、心の底から美味しいと思ったから全部食べたんだよ⋯あれ?何でか知らないけど、眠くなってきた⋯」
弁当を食べ終えたその時、突如として俺の身体に睡魔が襲いかかってきて俺の意識はここで途絶えてしまった。ここから先の記憶はなくてどれだけの時間が経ったのか⋯どうなってしまうんだ、俺?
~~~~~~~~
「⋯きてください!師匠、目を覚ましてください!」
「う、うーん⋯」
しばらくしてるるかちゃんとは別の聞き馴染みのある声が俺を呼んでいて、それに気づき目を覚ます。その目の前にいたのはなんとみくるで、壁にかかっている時計の針はいつの間にか予告の5分前の夜の7時55分になっていた。
「あれ?俺⋯ここで何を?るるかちゃんは?」
「るるかさん?確か、ここでお弁当を食べるとか言ってて⋯とにかく、ここにはもういませんよ?あなたはずっとここで寝てたんですから⋯しっかりしてください!予告までもう5分ですよ?」
「えっ、マジか!こうしちゃいられない⋯お弁当箱はとりあえず預かっててくれ。現場へ戻るぞ!」
「あっ、師匠!」
そうして俺は弁当箱をみくるに託してから星明かりのプリンセスが管理されている部屋へと戻る。俺が寝ていた間に美術館は閉館したからまず外部から入って来れる可能性は低くなった⋯とりあえず、あとは内部に潜むファントムかジャックに気をつけないとな。
「どこに行っておりましたの!?随分心配しましたわよ?」
「申し訳ございません⋯私としたことが思わず食堂で寝てしまいまして。」
「予告した時間まであと少し⋯宝生さん、危ないのでここにはいない方が良いですよ?」
「いいえ、1番安全ですわ!はい、カモン♪」
みくるは宝生さんのことを心配するも、当の彼女はまた手を叩いては警備員を呼んで万全な警護体制を整えていく。しかし、何か妙だ⋯1人警備員が増えているような気もする。気のせいだろうか?
「ねえ、ノブお兄ちゃん⋯警備員の人、午前中より1人増えてない?」
「俺も妙にその気がしてる。特に怪しいのは他と比べて華奢な右端の人⋯あれがファントムかジャックの変装だろうな。」
「あと10秒、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0⋯!」
みくるがペンダントの時計を確認してカウントダウンをして0を迎えた瞬間、突如として電気が落ちて停電状態に⋯やはり、動いたか!ファントムか?ジャックか!?
「停電!?」
「あらまあ⋯」
「宝生さん、落ち着いてください。とりあえず、非常電源を!みくる⋯」
「分かりま⋯って、電気が戻った?」
みくるが俺の指示を聞いてから非常電源を探しに行こうとしたその時、電力が回復したのか再び明るくなる。停電していた間に何が起きたのだろうか?
「おい、あれは⋯!」
俺が星明かりのプリンセスを管理してある場所を確かめると、その中にはファントムからの予告状と同じデザインのカードが上からつけられていたのだ⋯
「ファントムのカード⋯『怪盗団ファントム、参上!星明かりのプリンセスはすり替えられた偽物。あしからず。』だって⋯」
「何ですって!?た、た、た大変!」
「ダメ、罠です!」
「ええっ!?」
ファントムからの宣告に乗った宝生さんは冷静さを失い、みくるの制止も聞かずに顔認証システムで鍵を開けて確かめようとする。これを聞いて彼女は中断しようとするももう手遅れだった⋯
「それは偽物ではありません。恐らくそう思わせて鍵を開けた隙を突いて盗むというトリックですよ!」
「その通り、流石は織田さん⋯」
「⋯その声は!?」
俺が犯人の手口を宝生さんに教えると、俺の名を呼ぶ聞き馴染みのある透き通った声が耳に入る。その声の主は⋯そう、やはり紛れ込んでいた華奢な警備員だ。
「鍵を開けた瞬間にケースの中身を貰う古典的なトリック⋯」
「君は⋯るるかちゃん!」
「「ええっ!?」」
「長話は無用、星明かりのプリンセスは頂くわ!」
すると、警備員に変装していたるるかちゃんは煙玉を叩きつけては煙幕を出して視界を曇らせる。これでは手も足も出せない⋯その間にマコトジュエルの宿った星明かりのプリンセスはなくなり、るるかちゃんに逃げられてしまった。
「ポチ〜!」
「マコトジュエルが盗られた!」
「師匠、あんな⋯追いかけましょう!」
「うん!」
「分かってる。るるかちゃんが何故このような真似をするのかは分からないが、とにかく話を聞き出すまでだ!」
そして、俺達はるるかちゃんを追いかけて煙幕を掻き分けてから外に出て彼女を追っていく。どうして彼女がこのような真似をするのだろうか?それが謎で仕方ない⋯とにかく、話を聞くまでだ!
side out
~~~~~~~~
sideるるか
「上手くいったわね!」
「うん⋯」
それから私は織田さん達の追撃を振り切り、目当ての品をマシュタンの待つ屋上まで持って行った。あの人は気づくのが早くて怖いけど、とりあえず見つかる前に退却できれば良いところだ。
「逃がすか!オープン、プリキットライト⋯輪投げ!」
「⋯!?」
これから逃げようとしたその時、織田さんが私達を見つけてはプリキットライトで輪投げの輪を作って投げ、捕まえようとする。しかし、これで捕まるほど私は甘くない⋯この人は私を甘く見てるのだろうか?
「何故、ここにいると分かったの?」
「これについてはみくるの推理だ⋯説明よろしく。」
「はい。美術館の入口には10台以上の防犯カメラがあるし、外には沢山の記者がいる⋯屋上の方からが逃げやすい、そうでしょう?」
「やるじゃない⋯流石は織田さんの弟子の小林さんね。」
「やはり、君はるるかちゃんだったのか⋯どうしてこんな真似をするの?」
「ごめんなさい⋯私、あなたに黙ってたことが2つあるの。1つは私が怪盗団ファントムの一員で今回の事件の主犯格であること⋯」
「嘘でしょ!?るるかさんがファントムの一員?」
「何となくその気は薄々していたよ。ニジーが君のことを仲間と言ってたからね⋯どうして俺のことを騙したの?」
「別にるるかは騙したつもりはないわ。ただ、あんたが言いづらい雰囲気を作ったから言えなかっただけ⋯何も信じようとしないあんたの責任よ?」
「ぬいぐるみのマシュタンが⋯」
「喋った!?」
マシュタンが喋ることに対して明智さんと小林さんが驚く。ただ、2人に関しても同じ妖精のポチタンがいるものだから驚く必要はないのではとも思うが⋯それだけマシュタンのぬいぐるみのフリが上手かったとも言える。
「とりあえず、マシュタンに関しての話は後だ⋯それよりも俺を眠らせたのはもしかして君なのか?」
「そうよ。織田さんが食べた唐揚げ弁当には睡眠薬を仕込んでおいたの⋯今回の事件において厄介なあなたを寝かせて封じるためにね。」
「そうか。でも、お弁当は美味しかったからこれに関しては不問にしておく⋯とにかく、今からでも遅くない。星明かりのプリンセスを返してくれるかな?」
「それはできない相談。でも、私をどの道止めるのでしょう?だったら、プリキュアになりなさい⋯」
「何で君がプリキュアのことを⋯!?」
「私、実はあなた達のことを陰から見守っていたの。だから全部知っているわ⋯あなた達がプリキュアであることや織田さんと明智さんが違う時代から来たことも。」
「「⋯!」」
私が何でも知ってたことを打ち明けると、織田さんと明智さんは動揺する。織田さんは私の前でプリキュアのことや違う時代から来たことを懸命に黙って騙そうとしていたからこれに関してはお互い様だ⋯
「それで、どうするの?このまま何もしないならさっきのようにこのプリキットグロスで変装して逃げて街の中に消えちゃうけど。」
「どうしてあなたが!?」
「ポチィ〜!」
「あんな、みくる⋯仕方ない、変身だ!」
「うん!」
「分かりました⋯」
「「「オープン!」」」
「「ジュエルキュアウォッチ!」」
「ジュエルキュアライセンスフォン!」
「「「プリキュア・ウェイクアップタイム!」」」
(変身中⋯)
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」
「百鬼夜行を斬り犯罪撲滅!名刑事キュアマスター!」
「「「名探偵プリキュア!」」」
「俺の答え、見せてやる!」
織田さん達は私の前で挑発に乗ってプリキュアに変身してみせた。敵の立場ではあるけど、織田さんの名乗りは本当にかっこよくて素敵だ⋯流石は私の彼氏。
「あなた、どうして私達がプリキュアだってことを知ってるの!?」
「それに、プリキットグロスを持ってるのも⋯何故!?」
「それを推理するのが探偵でしょ?織田さん⋯キュアマスターなら分かるはず。」
「俺は分かりかけている⋯でも、信じたくはない。」
「何その答え。らしくないわね?」
「マシュタン、預かってて⋯」
「分かったわ、徹底的にやってしまいなさい?」
私は星明かりのプリンセスをマシュタンに預けて、3人の名探偵プリキュアに立ち向かう。ここまで私は騙してきたが、もうここからは騙し合いはなしだ⋯こちらからも全てを曝け出すつもりでいる。
「それじゃあ、織田さんに黙ってたもう1つのことを教えてあげる。よく見てて?」
そして、私はネックレスを外してから3人の方を見下ろす。私の真実を知った時、織田さんはどんな反応をするのだろうか?嫌われるのは怖いし、裏切るかもしれない⋯そうだとしても許してほしいと願うばかりだ。
いかがでしたか?新章の幕開けは思わぬ波乱でしたね⋯ついに信義はるるかちゃんがファントムの仲間であることを知ってしまいましたし、その副産物としてマシュタンが妖精であることも知ってしまいました。そこから先の次回はいよいよ⋯大変なことになりますよ?
その中で今回に関しては原作との相違点としてファントムの予告状のニュースが入るのを夜のニュースにしたところで、しかも信義がゲストで出ていたニュース番組で速報として出るという。しかし、これをるるかちゃんが出すというのはなかなか凄いなと思いますし、ウソノワールも『これも一興』と評しました。そんなるるかちゃんは信義に関わってほしくないというか彼を封じる為に睡眠薬入りの弁当を食べさせるという手を出しましたが、彼女の手作り弁当を食べるというラブラブなシチュは早速ミッションコンプリート。まあ、それに引っかかった信義の警戒心の無さは仕方ないと思いますがね⋯
宝生さんは原作だとキュアット探偵事務所を信用しませんでしたが、ここだと織田さんを信頼している感じで緩和しました。その中でポチタンを欲しがるという強欲さは変わらずですけども⋯こんな感じで次回は後編。ついにるるかちゃんがアルカナ・シャドウへの変身を披露しますし、ぶつかり合います。そして、最後には衝撃的な結末が待っているので目が離せません!どうぞご期待ください!
感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをして第2章も引き続きよろしくお願いいたします!それでは⋯