そんな感じで今回はアニメだと11話の後半部分になります。ついにるるかちゃんがアルカナ・シャドウに変身しますが⋯それを知ってマスターこと信義はどんな反応をするのか、そしてどう立ち向かうのか?衝撃の展開を予告通り控えておりますのでどうぞ最後までお見逃しなく!
それでは、また後書きにて⋯
side信義
「それじゃあ、織田さんに黙ってたもう1つのことを教えてあげる。よく見てて?」
そうして、るるかちゃんは俺達の前でトレードマークである魔法の杖が飾られてあるネックレスを外す。一体、彼女は何をするのだろうか?そのタイミングになり、月明かりがるるかちゃんを神秘的に照らす。
「オープン⋯ティアアルカナロッド。」
彼女が『オープン』と念じると、ネックレスに飾ってある魔法の杖が大きくなって彼女はそれを握る。どうやら杖の名は『ティアアルカナロッド』と言うらしく、彼女が一回転すると頭の黒のリボンが外れて服装が黒紫のショルダーレスタイプの光のドレスに変わり、黒紫のマコトジュエルをティアアルカナロッドにセットするとそれを回すように振っていく。
「シャッフル!」
るるかちゃんが『シャッフル』と唱えるとロッドについてるカードを3回ぐらい回す。すると、彼女の髪の色が元の銀髪から黒紫への脱色を経て先端がピンクの金髪へと変わり後ろで三つ編みのハーフアップができあがる。
「リバース!」
そこからリバースと念じると、髪が伸びてセミロングからロングヘアーに変わりロッドを振りバレエを踊るように舞うとドレスが生成されていく。黒のノースリーブのドレスに変わり、ロッドで地面を突くと生脚から濃紺のショートブーツと濃い紫のサイハイソックスも生成され、両手でロッドを握ると紫のネイルに手首の装飾も現れた。そして、頭にダイヤとしずくの形をした装飾品を飾り、目を手で翳すと瞳が紫から赤へと変わり、耳飾りとリボンとブーケも飾られていく。最後に黒のケープが肩を覆って変身が完了した。
「神秘と秘密で包み込む、キュアアルカナ・シャドウ!さあ、迷宮へ誘いましょう⋯」
そして、名乗りを決めると彼女に照らされていたスポットライトのような月明かりの光が強くなる。まさか⋯俺達を3度も助けてくれたあの子がキュアアルカナ・シャドウでその正体がるるかちゃんでファントムの仲間だったとは。そうなると、ニジーの言ってたことは間違いじゃなかったのか⋯だとしたら、何故3度も俺達を助けたのだろうか?
「キュアアルカナ・シャドウ!?」
「まさか、ニジーが言ってたキュアアルカナ・シャドウがるるかさんでファントムの仲間だったことが本当だったなんて⋯」
「何を話してるの?さあ、来なさい⋯」
「とにかく、迷ってる場合じゃないよ⋯行こう、アンサー!」
「うん!」
「待て、彼女はファントムの仲間だとしてもるるかちゃんなんだぞ!?ファントムの仲間なのにも何か訳があるはずだし勝手に敵と決めつけて攻撃するのは⋯」
「お兄ちゃんの気持ちは分かるけど、今はそんなことを言ってる場合じゃないよ!」
「そうです、あの人は私達を前に助けたとしても敵なんですよ?そうと分かった以上は戦うしかないでしょう?」
「でも⋯!」
「師匠、あなたに戦う気がないなら私達が行きます!」
「お兄ちゃんに頼らなくても私達で勝つからね!」
「お、おい!」
アンサーとミスティックは俺の制止を振り切り、るるかちゃん⋯アルカナ・シャドウへと立ち向かっていく。彼女が使ってたアルカナスターレインという技の威力が強いのは分かるが、魔力を使わずでどれだけ強さなのかは気になる⋯しかし、欲を言えば2人にはるるかちゃんを怪我させないでほしいところだ。
「「はああああ!」」
そんな彼女達は息を揃えてWパンチをアルカナ・シャドウに向けて仕掛ける。しかし、そんな攻撃の動きは読めてたのか素早く避けてアンサーとミスティックは見失ってしまう。どこへ行ったのか見渡す。
「えっ⋯ふぐ!?」
そんな中でアルカナ・シャドウはいつの間にかミスティックの背後に回っては彼女の肩を叩いて振り向かせたかと思いきや人差し指で頬を突く。その時の表情には笑みがある⋯るるかちゃんってこういうからかい上手なところがあったんだな。
「はああっ!」
アンサーはアルカナ・シャドウの動きが止まった隙を突いて背後に回ってから奇襲を仕掛けるも、隙を見せたとてその中でも冷静に避けられてしまう。ハンニンダーにはこういう攻撃が通用するも流石に人間相手では単調すぎたか⋯いや、そもそもあの推理の時から思ってたが彼女は頭が良いからアンサーの手を何手か先まで読んでいたのかもしれない。まるで将棋の棋士のような思考回路だ⋯
「動きが単純すぎ⋯次の一手、答えが透けて見える。」
「くっ⋯!」
(それにしても、アルカナ・シャドウ⋯軽く戦ってるだけなのにどうしてこんなに強いんだ?2人は対照的に余裕が全くない。)
「「はあああああっ!」」
そこからアンサーとミスティックはもうやけ半分で息を合わせて飛び蹴りを浴びせる。しかし、これもジャンプで避けてアルカナ・シャドウは俺の前にやって来た。
「次はあなたの番よ、織田さん⋯いえ、キュアマスター。」
「待ってくれ、るるかちゃん⋯俺は君とは戦いたくない!どうして君はファントムにいるんだ?君のような心が綺麗で優しい女の子が嘘で世界を覆う下劣な集団にいるなんて考えたくないよ⋯」
「本当にあんたはるるか⋯アルカナのことを何も知らないのね?あんたが好きになってたのは彼女の表向きの顔、そうとも知らずに本当の顔を知ったかのように語って⋯本当に頭の中がお花畑で呆れるわ?」
「マシュタン、黙ってて。」
「ごめんなさい⋯」
マシュタンが俺のことを罵倒すると、アルカナ・シャドウは不機嫌そうな表情をして黙らせてからそのまま彼女はまた俺と向き合う。
「ごめんなさい⋯実は私もあなたに自分のことを話せなかったの。私がファントムの仲間であることや、キュアアルカナ・シャドウであることを⋯言う勇気がなかったけど、もう言わざるをえなかった。あなただって私に隠し事をしてたでしょ?キュアマスターであることやこの時代の人間でないことを⋯」
「それは⋯俺の方こそごめん。俺は2027年の未来からあんなと共にやって来た人間だ。でも、それを知ったら誰も信じないか信じたとしても俺を利用して未来を知りたがる人間とかが現れるから秘密にしようとしてきた⋯まさかそれらは君に知られてたなんてね。俺の方も実はニジーから聞いてたよ⋯君がキュアアルカナ・シャドウでファントムの仲間だって。」
「そう、ニジーの言ったことは本当よ。今まではお互いに秘密を抱えて接してきたけど、私のやりたいことはこれで分かったかしら?」
「俺は分かりたくないよ。犯罪者の気持ちなんて⋯どうして心優しい君がファントムにいてそれに加担するの?」
「それは⋯」
「それなら俺は悪事を止めるつもりでいる⋯俺は君のことが大好きだから、君にはこれ以上悪事に手を染めてほしくない!」
俺はアルカナ・シャドウに自分の気持ちを伝えようと彼女の心に向けて叫んだ。彼女がたとえ変身しているにしても目の前にいるのは森亜るるかという俺の彼女であることには変わらない⋯だから今までの彼女ならすんなり受け入れてくれるはずだ。
「本当にあなたはズルい。私だって本当はあなたと戦いたくないのに⋯」
「るるかちゃん?」
「私もできることなら自分のことを秘密にしてずっと幸せな時間を過ごしたかった⋯でも、私はファントムの人間だからウソノワールには逆らえない。その中で命令が下されて私は隠しようがなくなった⋯」
すると、アルカナ・シャドウ⋯るるかちゃんは先ほどまでの余裕そうな表情が消えて怒りのようなそんな表情で自分の気持ちを訴え返す。これほどまでに感情を爆発させた彼女は見たことがなかった。
「だとしても俺は戦わないよ。それと、まだ君は引き返せる⋯だから、もう一度俺とやり直そう?」
「もう引き返せない⋯たとえあなたが大事な人だとしても負けるわけにはいかないの!」
すると、るるかちゃんは俺に向かって襲いかかっては蹴りを一発仕掛けてくる。彼女の表情には任務に駆られてるような焦りが見えた。それだけマコトジュエルへの執着があるのだろうか⋯しかし、俺だってすんなり食らうわけにはいかない。ここはギリギリで回避した⋯
「お兄ちゃん、戦って!」
「師匠、相手のるるかさんはあなたを倒す気でいます!攻撃しないとやられますよ?」
「ぐっ⋯」
「本当だったら私もあなたのことが大好きだから戦いたくなかったし、私のやりたいことを理解してほしかった⋯でも、あなたはその反対を私に求めてくる。どうして私のことを理解できないの!?私のことが好きなのなら理解してよ!⋯理解できないのならあなたも私を倒すつもりで戦いなさい!」
「俺は絶対に君とは戦わない⋯頼む、心優しいるるかちゃんに戻ってくれ!」
「うるさい!」
「がっ⋯!?」
しかし、るるかちゃんは俺の言うことに耳を傾けずキックを浴びせていき、それが腹部に命中して飛ばされてしまう。ただ、どんなに攻められようとも俺から手も足も出したらダメだ⋯男からは何があっても女の子に手を出すのいけないことだから。
「織田さんに言っておくけど、本当の私は優しくないの⋯ファントムの人間だからどんな手を使ってでもマコトジュエルを奪うし、みんなを嘘で悲しませてしまう。実際に私はあなたに嘘をついて騙した⋯それでもあなたが私を理解しようとしないのならもう元に戻ることはないし、あなたのそばにいる資格もない。今まで楽しかったけどもう終わりね⋯アルカナスターレイン!」
るるかちゃんがそう言うと、ティアアルカナロッドのカードを回してからあの時俺を助けた攻撃であるアルカナスターレインを仕掛けてくる。味方に回った時は頼りになるのに、敵に回るとかなり脅威で避けようがない⋯
(まずい⋯!?)
「お兄ちゃん!」
「師匠!?」
しかし、そのるるかちゃんの攻撃は俺の想定とは裏腹に全てがギリギリで当たっておらず周りに着弾していたのだ。まさかとは思うが、彼女は敵対してるとしても俺相手に攻撃が当てられないのだろうか?どこかでまだ俺への愛も優しい心もあるようだ⋯
「よくもお兄ちゃんを⋯!」
「アンサー!」
すると、俺が攻撃を受けたと勘違いしたアンサーは怒りのあまりにるるかちゃんへと特攻を仕掛けていく。ミスティックは止めようとするが、アンサーに最早冷静に判断できる余裕などなかった。
「アンサーアタック!」
「また単調な攻撃ね?そんなパンチで私は⋯!?」
「がはっ!?」
俺は本能的にるるかちゃんを守る為、咄嗟に彼女の上に覆い被さりアンサーアタックを背中で受ける。あまりの威力で背中はめちゃくちゃ痛かった⋯でも、これを仮にるるかちゃんが受けたらどうなっていたことか?あの外した攻撃とか俺を眠らせたことを考えるともしかすると彼女は⋯そう思ったわけだ。
「お兄ちゃん!?どうして⋯?」
「アンサー、この子にはきっと訳があるはずだ。無闇に何もかもを決めつけて行動するな⋯」
「織田さん、大丈夫!?どうして私を守ったの?あなたのことを裏切った私を⋯」
「るるかちゃんは俺のことを裏切ったりしてないよ。何故、俺に自分の素性を隠したのか、俺のことを何故眠らせたのか、何故さっきの攻撃をあえて外したのか⋯それは君にまだ優しい心があるからだ。」
「何を言ってるの?そんなつもりは⋯」
「そりゃあ助けられたことがきっかけで仲良くしてくれる人に自分が悪者だっては話せないだろうし、そもそもの話で星明かりのプリンセスを盗もうとした時に残したカードの文を読んで分かったよ⋯君のやりたいことはマコトジュエルを盗むんじゃなくてあれが偽物だと暴いてて偽物を回収しようとしてたんだよね?」
「あなたには敵わないわ⋯そう、この星明かりのプリンセスは偽物よ。いつ分かったの?」
「君の『やりたいこと』とこれまでに起きたことを踏まえて繋がったんだ。るるかちゃんが全てを話してくれたおかげで俺もやっと秘密が解けたよ⋯本当にありがとう。」
「織田さん⋯」
「そうだったったんですね⋯流石は師匠です。でも、本当に無茶はしないでくださいね?」
「ごめん、ミスティック⋯」
「あーあ、折角予告を出して名探偵プリキュアを倒す気満々だと思ってたのに⋯結局情けをかけるとかありえないし!」
「アゲセーヌ!?」
るるかちゃんの計画とかが分かり誤解とかが解けたその時、この話を聞いてたのか突然とアゲセーヌが現れてはマシュタンが管理していた星明かりのプリンセスの偽物を横取りする。
「こうなったらアゲがやるしかないっしょ!嘘よ覆え、チョベリグにしちゃって〜?ハンニンダー♪」
「ハンニンダー!」
そうして、アゲセーヌは手柄を横取りしようと星明かりのプリンセスの偽物のマコトジュエルからネックレスのハンニンダーを生成した。
「ウソノワール様から認められるのはアゲだけで十分、ハンニンダー⋯やっちゃって♪」
「ハンニンダー!」
ハンニンダーはアゲセーヌの指示を聞いてからチェーンを投げて攻撃を仕掛ける。しかし、ここは俺達は阿吽の呼吸で避けるも思わぬ邪魔者が入ってきて対応に苦しむ⋯るるかちゃんの誤解は解けたものの一難去ってまた一難だ。
「あたしの占いに出てたおじゃま虫ってアゲセーヌのことだったのね!?」
(占い?そうか⋯あのデートの時に占ってたのはるるかちゃんじゃなくてマシュタンだったのか!つまり、マシュタンはその占いの妖精⋯)
「ハンニン⋯!」
マシュタンのことを考えていると、ハンニンダーが光線を繰り出そうと光の力を溜めていく⋯これを食らったらただでは済まない!そう思って防御に構えたその時、るるかちゃんがどういう訳かハンニンダーに向かっては蹴りを一撃浴びせた。
「えっ?」
「どういうこと!?」
「同じファントムのハンニンダーに攻撃⋯?」
「なっ⋯ありえないんだけど!?」
この目の前の事態に俺も含めてアンサーもミスティックもアゲセーヌも驚きを隠せない。どっちの視点からしてもファントムの人間がファントムの生成したハンニンダーに攻撃を仕掛けるなど考えられなかった⋯どうやら、彼女のやりたいことはファントムの中でも違うような気がしてこの子が俺達の敵とは思えない。
「邪魔しないで⋯」
「ハンニンダー⋯」
「アンサー、ミスティック⋯とりあえず、決めるぞ!」
「うん!」
「分かりました!」
「「「オープン、プリキットミラールーペ!ポチタン!」」」
「ポチ〜!」
「「「マコトジュエル!」」」
「見て⋯」
「感じて⋯」
「謎を解く!」
「「「これが私(俺)達のアンサーだ!プリキュア・フライングスペクトル!」」」
ハンニンダーが起き上がりに苦しむ中で俺達はるるかちゃんが作ってくれたその隙を利用してフライングスペクトルを放つ。そして、今回もその攻撃は決まるのだった⋯
「「「キュアっと解決!」」」
「ハン、ニン、ダー⋯!」
攻撃を受けたハンニンダーは浄化され、ネックレスの偽物とマコトジュエルが戻ってきた。そのままアンサーが出てきたピンクのマコトジュエルをポチタンに差し出す。
「ポチポチ、キュアキュア〜♪」
そうして、今回もマコトジュエルを受け取ったポチタンは喜びマコトジュエルが溶け込んでいく。またポチタンは着実に成長していくのだ⋯まあ、少しモヤモヤは残るかもしれないが。
「アルカナ・シャドウ⋯マジチョベリバ!」
アゲセーヌはそう負け惜しみを言い残して立ち去る。しかし、るるかちゃんがまさかファントムに反旗を翻すような真似をするとは⋯どういう風の吹き回しなのかは疑問符だが、俺の中でやるべきことの答えがこれで見つかった気がした。
「はっきり分かった。今のあなた達では⋯ファントムに勝てない。」
「「そんな⋯」」
「それじゃあ。」
「待ってくれ!」
るるかちゃんが去ろうとしたタイミングで俺は彼女を呼び止める。流石に心を開いている俺の言うことは聞くのか足を止めて振り返った。
「織田さん⋯まだ何かあるの?」
「ああ。俺を君のところに連れて行ってくれ⋯ファントムのアジトだ。」
「ええっ!?」
「師匠、何を考えてるんですか?どうして⋯」
「悪いな。今日限りでキュアット探偵事務所の探偵は辞めさせてもらう⋯俺はるるかちゃんとやりたいことができたんだ。止めないでくれ⋯」
「そんな⋯お兄ちゃん、やりたいことって何なの!?」
「分かったわ。一緒に行きましょう⋯」
「理解が早くて助かる。じゃあな⋯あんな、みくる。」
「待って、お兄ちゃん⋯!」
俺がるるかちゃんが差し出す手を握ろうとしたその時、アンサーことあんなが俺の背後に抱き着いて行かせまいと足止めする。こうして見ると俺が実家の和歌山に住んでた時に別れようとせず甘えていた小さい時の彼女を思い出した⋯本当にあんなは昔から甘えんぼで変わっていない。
「私もノブお兄ちゃんのことが男の人としても好きなの⋯でも、るるかさんの話を沢山していて、やっぱり私は従妹でしかないとか思うけど我慢できない!お願い⋯私はノブお兄ちゃんと一緒にこれからも探偵をやっていきたいの。それで、一緒に元の時代に帰りたい⋯だから、行かないで!」
「あんな⋯」
あんなは行こうとする俺に対して自分の気持ちを告白する。彼女が俺のことを異性として意識していたことは実は前から分かってはいた⋯でも、従兄妹同士だからこういう関係にはなれないし何よりもるるかちゃんという彼女が俺にはいる。だから、俺はこれまで彼女のアタックに気付かないふりをしていたのだ⋯
「織田さん、何を迷ってるの⋯行きましょう?」
「あんな⋯ごめん!」
「ぐっ!?」
俺は抱き着くあんなを振り払ってからベガのクリップを彼女の鳩尾に浴びせた。食らったあんなはあまりの痛さに気を失ってしまって倒れ込む⋯こういうことを従妹にするのは気が引けるが、ここまでしないと離れそうにないから致し方なしだ。
「アンサー!師匠、何てことを⋯!」
「じゃあな⋯」
そうして俺はるるかちゃんの手を握り、彼女に導かれてこの場を後にする。俺のこの選択に悔いはない⋯あんなとみくるは悲しむかもしれないが、やりたいことを叶える。それは彼氏の仕事ではなかろうか?とにかく、俺はるるかちゃんに寄り添う選択を選ぶのだった。その為には探偵を辞めることも厭わない⋯
side out
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sideあんな
「美術館のスタッフによると展示品が全て偽物だったそうですが?」
「自慢したいけど、盗まれるのが怖くてぇ⋯本物を展示するから許してあそばせ〜!」
それから私が目を覚まし、みくると一緒に宝生さんのもとへ向かうと彼女は報道陣に囲まれていた。どうやら偽物を展示していたことがメディアにも伝わってしまいそっちの方がファントムのことよりも話題の焦点となってしまっていたのだ。
「今回、予告して世間を騒がせたから偽物が展示されてたことが明らかになった。アルカナ・シャドウ⋯いえ、るるかさんはそれが目的だったのかも。」
「そうだね⋯でも、ノブお兄ちゃん。」
『俺はるるかちゃんとやりたいことができたんだ。止めないでくれ⋯』
私は思わずノブお兄ちゃんが言っていたことを思い出す。るるかさんのやりたいこととは何だろうか?ノブお兄ちゃんは何を思って彼女のそばに行ったのか⋯彼氏だからというのも理由だけどそれだけじゃないはず。ノブお兄ちゃんはるるかさんの何かが分かったのだろう。今回の目的はこの宝生美術館の展示日が偽物であることを明らかにする為⋯でも、それ以外にやりたいこととは?その中でるるかさんはファントムの立場であるけど、完全に敵ではないことは分かっている。何が目的なのか⋯
(とりあえず、私にはノブお兄ちゃんがいなくてもみくるやジェット先輩やドギーがいる⋯だから、るるかさんの謎は私達で解いてノブお兄ちゃんを取り返す!待っててね⋯ノブお兄ちゃん。)
side out
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side信義
「ここが私達のアジトよ。」
そうして、るるかちゃんから連れられた先は裏世界と言われてもおかしくないぐらいの秘境の地に建つ館⋯そこに入ると、神秘的な内装が広がっていて月明かりが俺と彼女を照らす。
「もう帰ってきたのか⋯マコトジュエルを回収するのに失敗したのは分かるが、まさか思わぬ客まで招くとはな。」
アジトに入ると早速、ゴウエモンがるるかちゃんに声をかける。アゲセーヌは結構るるかちゃんを嫌ってそうな感じではあるが、ゴウエモンは彼女を温かく迎え入れた。
「俺も、まさかお前とこういう形で会うとは思わなかったよ。るるかちゃん⋯アルカナ・シャドウのことについてはお前の仲間から色々聞いている。」
「話が早くて助かるぜ、キュアマスター⋯俺はアルカナ・シャドウの育成係をウソノワール様から託されて彼女の成長を見守っている。どうだ⋯なかなか凄いだろ?あの漫画の時の謎を解いたのはアルカナ・シャドウだったんだぜ?」
「そうなのか。どうりでお前が分かってるに違和感を感じてたんだよ⋯」
「どういう意味だ?まあ、それは置いといて⋯そんな落ち込みなさんな、アルカナ・シャドウ。失敗は成功のもとだ⋯次はきっと上手くいくさ。」
「いいえ、私に失敗はない⋯それに、念願の名探偵プリキュアの中心人物も引き抜けたわ。あなた達にとっては悲願でしょう?」
「それはお前だけの悲願だろ⋯ 彼氏と一緒になりたいからって勧誘しようと色々策を練ってた癖に。」
「バカ、余計なこと言わないで⋯!」
ゴウエモンから痛いところを突かれたるるかちゃんは顔を赤くして俯いてから小声で怒る。そうか、この子は俺と一緒にいたいと敵の立場ながら願っていたのか⋯そうだとしたら理事長に挨拶した時にやって来たあんなに変装していた人物の正体はもしかしたらるるかちゃんだったのかもしれない。
「お前もやっと女の子らしい顔ができたじゃねえか。とりあえず、キュアマスター⋯ウソノワール様を含めて他はどうであれ俺はお前さんのことを仲間として受け入れるぜ?これからもアルカナ・シャドウのことをよろしく頼むな⋯」
「別に俺はお前らファントムの仲間になったつもりはない。くれぐれもるるかちゃんと俺の邪魔はするなよ?」
「言われなくとも。まあ、今日は夜も遅いしゆっくり休めよ?じゃあな⋯」
そう言ってゴウエモンはるるかちゃんを俺に託してからこの場を後にする。本当にこいつは面倒見が良くて俺達に嫌味は言わないからファントムの中でもるるかちゃんの次に良い人なのかもしれない⋯ニジーとかアゲセーヌとかブラキッドやまだ話していない主人のウソノワールは信頼できないが、彼なら信頼しても良さそうだ。
「本当に良かったの?あなたは本来、2人と一緒にいるべきだしキュアアンサーも好意をあなたに抱いていたのに、どうして私を?」
「あんなのことに関しては別問題として、君を信じようと思ったからだよ。俺はるるかちゃんがファントムの人間だと知った時は気が動転してたし、戦いたくもなかった⋯最初に会った時から思ったけど、君には悪の心がなくて真っ直ぐな良い子ってことは知ってたからね。だから⋯何か目的があってファントムにいるんじゃないかと思ったんだ。」
「織田さん⋯そこまで私のことを思ってくれたの?」
「もちろんさ。君のように優しい女の子がファントムにいるなんてありえないと思ったし、何よりもあのメッセージが教えてくれた⋯それで完全に信じようと思ったんだ。そんな君のやりたいこととは何かな?俺が叶えてやるから⋯教えて?」
「ごめんなさい。まだあなたには話せないの⋯でも、いつか時が来たら話したいと思ってるから。もう少し待ってくれるかしら?これに関しては⋯いや、どんなこともあなたの前では嘘をつかないと約束するわ。だから、あなたも約束してほしいの。元の時代に戻るまで私と離れないことを⋯約束するなら、私の身体を抱き締めて?」
るるかちゃんは上目遣いで俺と約束を交わしつつ抱きしめてほしいと願う。これに関して答えはもう聞くまでもなく決まっており、俺は彼女の身体をそっと抱き締めた。
「もちろん。俺は元の時代に戻るまでは君のそばから離れないよ⋯そして、プリキュアとしても君を守れるぐらいに強くなるから。一緒にジャックと戦ってやりたいことを叶えようね?」
「うん。ありがとう、織田さん⋯」
そうして抱き締められているるるかちゃんも俺の背中に手を回して抱き締め返す。それと同時に俺達は光に包まれると共に変身が解除された⋯気持ちを伝え合い、るるかちゃんは凄く幸せそうな表情をしている。
「織田さんの身体、暖かい⋯心の中から伝わってくる。ねえ、お願いがあるの⋯心が穏やかな今だからこそお願いできることだけど。」
「いいよ。君の願うこと、何でも叶えるから⋯遠慮なく言ってみて?」
「ありがとう⋯それで、私のことは『るるか』って呼び捨てにしてほしいの。ちゃん付けで呼ばれるのも嬉しいけど、こうして今は付き合ってるから⋯もっと心の距離を詰めたいと思って。できれば明智さんや小林さんと同じ感じでありのままで接してほしいとも思ってて⋯私に対しては優しい感じでいつも話してるけど遠慮しなくて良いから。」
「分かったよ、るるか⋯こんな感じでどうだ?」
「そんな感じ。私もあなたのことを信義って呼ぶわね⋯」
「そう呼ばれるのは家族以外久しぶりだよ。好きに呼んでくれ⋯お前の愛があるなら俺は何と呼ばれても構わないからな?」
「ありがとう。信義、大好きよ⋯ねえ、キスもしてくれる?」
「ああ、もちろんさ。」
俺らがお互いに呼び捨てで呼び合うことを決めた後、俺はるるかからキスをお願いされてその通りに目線を合わせてから唇を重ねる。本当に甘えたがりな彼女は物凄く可愛くて尊い⋯この儚くも輝いているるるかのことをさらに幸せにしたいと思うばかりだ。
「本当にお熱いわね?今回のことを受けて気に入ったわ⋯あたしが交際を認めてあげる。これからもるるかのことをよろしく頼むわね、信義?」
「お前に言われなくとも分かってる。マシュタンも俺もるるかの幸せを願う気持ちは同じだからな⋯これからも何かあった時はよろしく頼むよ?」
「ええ、あたしにお任せなさい♪」
「マシュタンも信義と仲良くなれて良かったね。」
「なあ、るるか⋯」
「何?」
「もしかして、俺が学校を訪れた時⋯あんなに変装してお前と一緒になることを進言したのってるるか自身なのか?」
「さあ、どうかしら⋯それを当てるのが探偵の仕事と思うけど?」
「また秘密にするのか?俺の前では素直になるって約束だったのに⋯」
「そうかもしれないけど、これに関しては何も考えなくても分かると信じてるから。その答えは自分の胸に秘めて⋯ね?」
「ああ、きっと想像通りの答えだと期待してるよ。じゃあ、お風呂に入ったらご飯にしようか⋯今度は俺が作るから楽しみにしててくれよ?」
「うん⋯信義のお料理、楽しみにしてる⋯♪」
そうして、俺達はそれぞれお風呂に入った後に俺がキッチンで作った手作りのディナーを2人きりの食卓で食べるのだった⋯こうして始まった俺とるるかの生活。この先、どんな試練とかが待ってるのだろうか?今後はあんなとみくると敵になるかもしれないが、それも覚悟の内だ⋯ひとまずは弟子と従妹の成長を見守りつつ受け止めることにするのだった。ともあれ、これからもよろしくな⋯るるか。
いかがでしたか?ついに全てを知ったマスターですが、やはり戦いたくない姿勢を見せてしまいました。それもそうですよ⋯自分の彼女となんて戦えるはずがありません。アンサーとミスティックに関しては軽くあしらわれましたね⋯
その中でマスターは気持ちを伝えるも、それにアルカナ・シャドウは隠してた気持ちが爆発して取り乱してマスターを攻撃してしまいそれに怒ったアンサーが攻撃を仕掛け、それをマスターが庇うという衝撃的な展開に。しかし、これに心を打たれたのかアルカナ・シャドウは心を本当に開きました。
ただ、ここはアゲセーヌが割って入ってきてはハンニンダーを生成するもどういう訳かアルカナ・シャドウが反旗を翻して攻撃。これで隙が生まれたのかフライングスペクトルで3人で浄化に成功⋯したんですけど、その後にマスターが去り際のアルカナ・シャドウと一緒にファントムへと行ってしまう展開に。これにアンサーは自らの気持ちを伝えるも止まることはありませんでした⋯
そこからはメディアに宝生さんの悪事が暴かれたり、ファントムのアジトに着いてはゴウエモンから歓迎されその中で約束したり愛を伝えたりして関係も呼び捨て同士で呼び合う関係に⋯この先、どうなっていくのか?キュアット探偵事務所側の出番が少なくオリジナルシーンが今後は多くなりそうですが、信義視点を中心にお届けしていきたいと思います。
そんな感じで次回はオリジナルストーリーの前後編をお届けします。アニメ12話分はその次ですね⋯感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回もお楽しみに!