そんなこっちは12話分の後半戦。変装がバレた信義とるるかちゃん⋯そして、ゴウエモン。マコトジュエルをかけた防衛戦線はどうなるのか!?
それでは、また後書きにて⋯
side信義
あんなとみくるから勘づかれ、店から逃げ出した俺達は店から少し離れたところで今の状況をゴウエモンに報告する。このまま何も起きなかったらしれっとマコトジュエルを奪っていたはずだが⋯ワンオペだったあの店員さんがバカ正直だったことが禍に転じた。
「ミサンガは切れた⋯でも、あの子のミサンガへの想いは消えてない。」
「どうやら気配からしてあのミサンガにマコトジュエルは宿ったままだと俺とるるかは見ている。」
「かたじけねえ⋯」
「あたしの占いによるとまさみさんには素敵な彼ができる、って。」
「そうか。なら良かった⋯」
「はなまる発見!」
まさみさんを占ったマシュタンがその結果を俺達に教えると、ちょうど追いかけてきたあんなとみくるに加えてジェット先輩とドギーもこの場へとやって来た⋯本当に俺から推理する上で大切なことを教わってきた2人は勘が鋭くなっていて敵に回したらとても厄介である。
「あら、どうしたの?」
「あなた達の足跡を辿ってきたの!」
「あなた達はショップの店員さんじゃない。ノブお兄ちゃんと⋯」
「るるかさんだ!」
あんなとみくるは俺とるるかの変装をあっさりと見破り、それを受けて俺達は変装を解除する。本当にこの2人は優秀な俺の弟子で誇らしい⋯
「お見事、やるじゃないか。流石は俺の弟子と従妹だ⋯」
「でも、あなた達に勝ち目はないわ?」
「「⋯!?」」
「信義⋯変身よ?」
「ああ。悪いがここからは通行止めだ⋯俺達が食い止める!」
「「オープン!」」
「ジュエルキュアライセンスフォン!」
「ティアアルカナロッド。」
「プリキュア・ウェイクアップタイム!」
(変身中⋯)
「百鬼夜行を斬り敵を撲滅、名刑事キュアマスター!」
「神秘と秘密で包み込む、キュアアルカナ・シャドウ!」
「「シルバーシャドウプリキュア!」」
「さあ、迷宮へ誘いましょう⋯」
そして、俺達はあんなとみくるよりも先に変身して名乗りも決める。俺達の『シルバーシャドウプリキュア』というチーム名を聞いて2人とジェット先輩は驚いた⋯
「シルバーシャドウ⋯」
「プリキュア?」
「本当にあの子がプリキュアだったとは⋯」
「さあ、来なさい?」
『あんな、みくる⋯あの2人は今は敵だ!情けをかけるなよ?』
「分かった⋯みくる!」
「うん!」
「「オープン、ジュエルキュアウォッチ!⋯プリキュア・ウェイクアップタイム!」」
(変身中⋯)
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」
「「名探偵プリキュア!」」
「私の答え、見せてあげます!」
アルカナからの挑発を受け、あんなとみくるもプリキュアへと変身していく。2人で名乗る様子を見てると自分がいないという空白感を感じてしまうが、とりあえず今は任務を全うするのみだ!
「私がアルカナ・シャドウを止めるから、ミスティックはお兄ちゃんを!」
「任せて⋯師匠、私があなたを止めてみせます!」
「面白い⋯俺が師匠としてお前に稽古をつけてやる。アルカナ、アンサーの方は頼んだぞ?」
「了解⋯」
こうして俺はミスティックと、アルカナはアンサーとそれぞれ分かれてぶつかり合うことに⋯ミスティックはファイティングポーズを取る中でこっちもベガを抜いて仕留めるとしよう。アルカナの方も何とかしてもらいたいところだ⋯
side out
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sideあんな
「てぇい!」
「⋯」
「ふんっ!」
「⋯」
私はアルカナ・シャドウに対してパンチを当てようとするも、いつの間にか背後に回られてしまう。本当にこの人はどうやって避けているのだろうか?そう思っていたら、また背後に回られては肩を触られ、人差し指を頬に突きつける。前のミスティックの時と同じだ⋯
「言ったはず。動きが単純すぎって⋯」
「はああっ!」
「遅い⋯」
「ふぎっ!?」
アルカナ・シャドウから離れて回し蹴りを仕掛けるもこれを避けられたかと思ったら、いつの間にか背中を足場にされて踏みつけられていた⋯
「アルカナ・シャドウ、お兄ちゃんを返して!」
「それはできない相談ね⋯」
「どうして?あなたがお兄ちゃんと付き合ってるのは分かってる⋯だけど、お兄ちゃんは悪いことをする人のことは絶対に許さない人だからファントムに行くなんて考えられない!まさか、洗脳とかしたの?」
「私は何もしていない。あなたは気を失ってたから何も知らないと思うけど、マスター⋯信義は自分の意思で私達の仲間になった。自分の正義のありかを私達に見出したの⋯それ以外に答えがあるのかしらね?」
「嘘をつかないで、ノブお兄ちゃんの正義は好きな人が敵にいたとしてもブレるはずがない!」
「何を言っても信じないのね⋯でも、あなたも最近の信義の言動とか見てて思ったことがあるでしょう?彼は私のことを愛していて夢中になっていたはず⋯冷静になってよく思い浮かべてみなさい?」
アルカナ・シャドウがそう言うと、私は頭の中で最近のノブお兄ちゃんの言動を振り返る。そういえば⋯るるかさんと出会ってデートをするようになってからるるかさんの話が増えていて、私はるるかさんに対して嫉妬を抱いていたことを思い出した。この人がノブお兄ちゃんをおかしくしたんだ⋯
「アルカナ・シャドウ⋯私はノブお兄ちゃんを騙したあなたを許さない、ノブお兄ちゃんは何としても取り返す!」
「へぇ⋯その為にあなたは何をするのかしら?その行動へと突き動かすものは?」
「私だってノブお兄ちゃんのことが好きなの⋯その気持ちだよ!言っておくけど、あなたより付き合いが長いからノブお兄ちゃんの好みとかも全て分かっているつもりだから!」
「でも、あなたは所詮従妹にすぎない⋯」
「だとしても⋯私はノブお兄ちゃんが大好きなの!あなたに負けないぐらいずっと⋯だから、絶対に勝って取り戻す!」
「そう、それがあなたの覚悟なのね⋯それなら私も譲るつもりはないから。」
アルカナ・シャドウは武器であるティアアルカナロッドを私に突き示した。どうやら彼女もノブお兄ちゃんを譲るつもりはないようだ⋯でも、私は絶対に負けたくない!その気持ちで臨むのだった。
side out
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side信義
「はあっ!」
「ぐっ⋯!?」
アルカナとアンサーが戦っている頃、俺はミスティックとぶつかり合っていた。俺はベガを振るいミスティックに攻撃を仕掛けるも彼女は間一髪のところで避け続けてなかなか当たらない。俺も本気とは言わないが相手を苦しめる程度には攻め込んではいるつもりなのだが⋯
「避けてばかりじゃ俺を倒せないぞ?」
「分かってます。だったら、ここから⋯やあっ!」
「遅い!」
俺はミスティックを挑発し、攻撃を仕掛けさせるもパンチの動きもまるでシンプル⋯アルカナの見立ては間違いなかった。敵になってみてこんな戦い方では勝てないだろうと思うばかりである。
「どうしてあなたは怪盗の仲間をしてるんですか!?困ってる人を助けるのが名探偵でしょう?」
「それは分かってるよ。その困ってるのがるるか⋯アルカナだから俺はあの子を助ける為にファントムに入った。それ以上に話すべきことはあるのか?」
「アンサー⋯あんなはあなたの帰りをずっと待ってたんですよ?それに、るるかさんと付き合うようになってからあなたはあんなに対して冷たくなった⋯どうして長年一緒だった従妹を見捨てて少し前に会ったばかりの人を選ぶんですか!?」
「別に俺はあんなを見捨ててはいない。でも、るるかがファントムにいるのには何か理由があると俺は見ているんだ⋯」
「理由?いや、どんな理由があってもあんなを悲しませることを許せるわけがないでしょう?私はあんなの親友としてあなたの心を取り戻します!」
「面白い⋯だったらその覚悟、俺にぶつけてみろ!」
「思ったより熱い男じゃない⋯流石はキュアマスターってところね?」
「お前⋯占いの妖精だな?」
「ええ、アルカナ・シャドウのお供妖精のマシュタンよ⋯よろしく♪」
その中でジェット先輩はマシュタンの姿を見てはそれな占いの妖精であることを当ててはマシュタンも彼に対して名を名乗る。ジェット先輩はどうやら妖精のことに関してもある程度詳しいのか⋯それは置いといて、俺はミスティックにもう一度攻撃を仕掛けた。
「行くぞ、ミスティック!」
「師匠⋯くっ!?」
「アルカナスターレイン!」
「きゃああっ!?」
「アンサー!」
「よそ見をするな!」
「ぐっ⋯うわああっ!?」
アンサーがアルカナの『アルカナスターレイン』を食らったところでミスティックはよそ見をしてしまう。その隙を付いてベガの斬撃でミスティックを飛ばしていく⋯もちろん、刃は当ててはないが衝撃波で蹴散らして2人は同じ場所に飛んで行った。
「ナイスだ、アルカナ。」
「ありがとう⋯それにしても、この子達は弱すぎるわ。自分の身も守れないのにマスターを助けようだなんて⋯」
「まさか俺がこんなにも慕われていたとは嬉しい話だ⋯ただ、俺もそこまでこいつらのことを鍛えさせてないんでね。とりあえず、ジ・エンドとするか⋯」
「ちょっと待ってくれ!」
俺とアルカナがアンサーとミスティックにとどめを刺そうとしたその時、ジェット先輩とドギーが割って入る。プリキュアにもなれない子供と犬が何をすると言うのだろうか?
「何の真似だ?」
『マスター、お前⋯本当にこれで良いのか?お前は誰よりも大事にしてきた従妹と弟子を手にかけようとしてるんだぞ!?こいつらに助けられたことは山ほどあるというのに恩を仇で返すつもりか?』
「うるさい!今の俺はるるかの為に戦っている⋯どんな手を使ってでもマコトジュエルは守らないといけないんだ!」
「アルカナ・シャドウ⋯お前、助けてくれたよな?僕とドギーをあの時助けたあの光とさっきの攻撃が同じだったんだ。僕達だけじゃなくてマスターやプリキュアみんなを助けたのはお前だろ?」
「ポチ!?」
「「ええっ!?」」
「ハズレ⋯でも一つだけは合っているわ。マスターを助けたのは私の本心だったのはあなたの推理通り、でも⋯あなた達を助けたのはこの子の力に興味があっただけ。」
「ポチタンの⋯」
「力!?」
アルカナはあの時にポチタンやジェット先輩やドギーを助けた理由をポチタンを指差しながら答える。どうやら、彼女が興味を示したのはポチタンの力⋯そういえば、ポチタンには前々から不思議な力が宿っていたことは話を聞く限りでも知っていた。あんなを1999年にタイムスリップさせたり、マコトジュエルの気配を感知したり、マコトジュエルとか色んなものを吸収したり⋯本当に何者なのだろうか?
「それって⋯」
「ポチ〜!」
「マコトジュエルが盗られたのか!?」
「ゴウエモンね⋯」
すると、ポチタンがマコトジュエルが奪われたことを検知して慌てだす。ゴウエモンがどうやらまさみさんからマコトジュエルを宿ったミサンガを強奪したのか⋯そこら辺は腑に落ちない部分もあるが、マコトジュエルを手にするには致し方ない事例だろう。
「私が興味あるのはあの子のマコトジュエルの危険を感じる力⋯ジュエルをあるべきところに戻す力。」
「ポチ?」
「あるべき⋯場所?」
「どういうこと?」
「何も知らないの?」
アルカナはアンサーとミスティックがマコトジュエルとポチタンの関係を知らなかったことに驚く。もちろん、俺だって知らないのだ⋯こいつらが知ってるはずもない。ジェット先輩は何も知らなかったのか、もしくは話さなかったのか?
「よっと⋯マコトジュエルは手に入れたぞ?」
「ゴウエモン、やはり強引に奪ったか⋯」
「まさみさんのミサンガ!」
「プリキュア!?アルカナ・シャドウ、マスター⋯借りは返す!嘘よ覆え⋯来やがれ、ハンニンダー!」
「ハンニンダー!」
そうして、ゴウエモンは俺とアルカナの作った借りを返すべく援護としてミサンガからハンニンダーを生成する。しかしながら、まさみさんからどんな手を使って奪ったのだろうか?それを考えると少し気が引ける。
「ハンニンダー!」
「くっ⋯!?」
「アンサー!?あなた達⋯まさみさんのミサンガに何てことをするの?」
アンサーがハンニンダーと戦う中でミスティックはアルカナに対してミサンガを何故ハンニンダーにしたのかを問う。それもそうだ⋯これにはまさみさんの気持ちが込もっているのだから。それを黒く染めて怪物にしてしまうことは本来なら許されないことである。
「見てたでしょう?私は切れたミサンガに想いがあると教えただけ⋯ミサンガの価値を私とマスターが教えてなかったら捨てられていたはず。いらなくなったものに価値を与えてそれを貰っただけでしょう?」
(そういうことか、アルカナはマコトジュエルを守る為に切れたミサンガにまさみさんの想いを込めさせたんだ⋯策士家だな。)
俺はアルカナがしていたことを振り返ってこういう策だったのかと思わされる。こうやって彼女は消えかけたマコトジュエルを守ったのか⋯本当に何よりも想いを大事に思ってるからこそできる行動と言える。
「でも、あなた達の言葉でまさみさんは大切だと思ったんだから⋯」
「それを奪うなんて許さない!」
「だったら止めてみろ。俺がいないのにフライングスペクトルができるのか?」
「だったら私が取り戻す!」
そうして、アンサーはプリキットミラールーペを懐から出す。これで彼女は何をすると言うのだろうか?現にフライングスペクトルが使えないであろう中だ⋯あまりにも無策に思える。
「オープン、プリキットミラールーペ!ポチタン!」
「ポチ〜♪」
「マコトジュエル!」
アンサーがルーペを展開すると、ポチタンを呼んではマコトジュエルが出てきてはそれをセットする。この場面で新技登場か⋯俺は既に出ているが、その系統なのだろうか?
「キュアアンサーが解決!⋯プリキュア・アンサーはなまるソード!」
そうして、ルーペのダイヤルを回すとそれが大剣へと変化する。俺の場合はライフル銃だったが、彼女の場合は勇者の大剣ということか⋯
「はあああああっ!」
そのままアンサーは大剣を振り抜き、ハンニンダーを見事に仕留めた。彼女の強い正義が剣として形になったのだ⋯思ったよりもアンサーとミスティックは成長していたみたいである。
「キュアっと解決!」
「ハン、ニン、ダー⋯!」
ハンニンダーはアンサーが生み出した単独技によって浄化されていく。ようやく彼女も独り立ちできたのかと思うとどこかで従兄として誇らしく感じてしまった⋯俺もまだまだ悪役にはなれなさそうだ。
「ポチポチ、キュアキュア〜♪」
そうしてマコトジュエルはアンサーの手に渡ってミサンガ元に戻り、マコトジュエルはポチタンの中に吸収された。こうしてアルカナの話を聞いていると、よりこの存在が謎に思えるばかりだ⋯そんなこんなで何もかもが元に戻っていく。
「くっ⋯まあ、2人への借りは返したから良しとするか。」
「全然返してないけど⋯」
「用済みの探偵事務所にあなた達は価値を与えた。そのミサンガみたいに⋯」
「「えっ?」」
「事務所、私が使ってた⋯あの窓は押し上げて開けるのがコツ。それだけは言っておくわ⋯」
「お、おい!?とにかく、次こそは俺達がマコトジュエルを手にする⋯これで終わったと思うなよ?」
そうして、俺達はアンサー達の前から撤退することに⋯しかしながらあの事務所にアルカナというかるるかはいたのか。それは初耳だった⋯後で詳しい話を聞くことにしよう。
side out
~~~~~~~~
sideあんな
「この前はありがとう!見つけてくれたミサンガ、大事にしまってるよ。」
事件の次の日、まさみさんがお礼を言いにプリホリへとやって来る。本当にミサンガを取り戻せて良かった⋯まさみさんもあれからミサンガを大事にしていて、るるかさんとノブお兄ちゃんの励ましから前向きになれたのだろう。
「良かった⋯」
「そうだね。」
「私、もっと自分を磨いて新しい恋に踏み出す!」
「うん♪」
そうしてまさみさんは自分磨きの為に売り場に置いてあるコスメグッズを眺める。こうして前を向いている彼女を見ていると私も前を向かなきゃと思ってしまうものだ⋯
「ミサンガを捨てなかったから、まさみさんは次の恋に進めたのかも?」
「るるかさんと師匠のおかげ?でも、師匠は凄く優しい人なのは知ってたからるるかさんも案外悪い人じゃないかも?」
それからまさみさんはフレグランスとグロスをそれぞれ1個ずつ購入してから店を出る⋯るるかさんとノブお兄ちゃんが繋いだ恋とマコトジュエル、これがあったからこそ今回の私達はマコトジュエルを回収できた。しばらく敵同士かもしれないけど、私はとにかくマコトジュエルは守るつもりだ⋯たとえどんな人が相手でも。
(青い蝶だ⋯最近、ここら辺を飛んでるけど何だろう?)
夕方になり、私は自分の部屋に戻るとお部屋の中を青い蝶が飛んでいた。ここ最近⋯この蝶が事務所の周りを飛んでいるところをよく見かけていて、綺麗ではあるけど謎だ。
「押し上げて開ける⋯開いた!」
「ポチ〜!」
るるかさんの言ってた通りに窓を押し上げると、窓が詰まることなくちゃんと開いては青い蝶は外へと飛んでいく⋯これだけ詳しいということはやはり前にこの事務所にいた探偵というのはるるかさんのこととも言える。
『私があなた達を助けたのはこの子の力に興味があっただけ⋯』
『俺はるるかちゃんとやりたいことがあるんだ。』
(るるかさんはどうしてポチタンの力に興味があるんだろう?それと、ノブお兄ちゃんのやりたいこと⋯どんな関係なのかな?また今度、2人に聞いてみよう。私もできることならあの2人とは戦いたくないから⋯)
私はるるかさんとノブお兄ちゃんの言葉を思い浮かべてからまた窓を閉じて自分と向き合うのだった⋯ノブお兄ちゃんはるるかさんと目標を成し遂げたらいつか帰ってくるはず。だから、マコトジュエルを守ったり探偵の仕事をしっかりこなしつつ取り戻したいと思うのだった。
side out
~~~~~~~~
side信義
「マコトジュエルが手に入らず、申し訳ありません!」
アジトに帰還した俺達は戻ってきてすぐにゴウエモンがウソノワールに対して頭を下げてから今回の失態を謝罪する。いつもは豪快で怖いもの知らずの彼であるが、流石にウソノワールの前ではそうもいかないようだ⋯
「まったく⋯最近手柄を上げたマスターとアルカナ・シャドウと一緒なのにマコトジュエルを回収できねえとはな。まさかとは思うが、マスター⋯お前、あのプリキュア達に情けをかけたんじゃねえのか?」
「俺は別に情けはかけてない。ただ、あいつらの成長速度は思ったより凄かった⋯決定打をこんなことなら当てた方が良かったかもな。」
ブラキッドは後ろからゴウエモンのことを罵倒してから俺に情けをかけたのかを訊ねる。しかし、俺は今回の戦いで一切の手加減はしなかった⋯まあ、決定打を当てずに様子見したのは事実ではあるが。
「いずれにしても、未来自由の書に記された日は近い。この目で確かめよう⋯」
「ウソノワール様が⋯自ら!?」
「それは頼もしい。では、私⋯ブラキッドもご同行いたします!ウソノワール様がいらっしゃればこの世界も嘘に染まることでしょう⋯」
「嘘でしょう?」
(ウソノワールが直々に行くのか⋯この組織のボスな上にマシュタンが動揺するぐらいだから出るとヤバいのか!?)
「行くぞ、怪盗団ファントム!」
ウソノワールは目を光らせてから自ら重い腰を上げようと動き出す。これはあんなとみくるからすれば相当な試練と言える⋯これにバイオレットこと薫風さんが加わっても厳しいだろう。俺は心のどこかで2人の心配をするのだった⋯
「なあ、るるか⋯」
「どうしたの?」
「ウソノワールがどれぐらい強いのかお前は知ってるのか?」
それから自分達の部屋に戻った俺はるるかにウソノワールの強さを訊ねる。これだけ堂々としてるし身体は大きなものだからきっと強いはずだ⋯ハンニンダーやジャックが生み出すネオハンニンダーなんか比にはならないだろう。
「ごめんなさい⋯私もよく分からない。でも、彼は怪盗団ファントムをまとめる男、嘘を本当にする力があると聞いたことはある。」
「嘘を⋯本当に?」
「あたしはるるかがここに来る前からファントムにいたけど噂程度には聞いたことがあるわ⋯その話によるとウソノワール様は目の前で起こった嘘のことを真実にして戦況を覆したって、あたしはその場にいなかったからその真偽は分からないけどね。」
「そうか⋯ただ、その中でマシュタンはウソノワールが重い腰を上げることを拒んでるように見えたけど、何か不都合でもあるのか?」
「それはもう⋯ウソノワール様の暴れ方次第では世界が破滅するかもしれないのよ!?不都合ばかりしかないわ!」
「何だって!?」
「だから、ブラキッド以外はウソノワールが動くのをみんな反対しているの。彼がマコトジュエルの塊を手にした時⋯間違いなくこの世界は消える。」
「そうはさせてたまるか、俺が何とかしてもウソノワールを食い止める!」
「あなた、冷静に考えなさい!ウソノワール様に逆らうというのは死を意味するのよ!?どんなに不本意でも任務は遂行しなくちゃいけない中で奈落の底に落とされるつもり?」
「奈落の底?俺はファントムの人間じゃないから別に粛清は怖くないさ⋯だったら粛清される前にウソノワールを倒せば良いんだよ。今の俺だったらあいつに勝てるはず⋯」
「信義、本気で言ってるの?」
俺がマシュタンの制止を振り切って自己犠牲覚悟でウソノワールを止める意思を見せると、るるかが俺に対して本気なのかと問いただす。しかもどこか怒りに満ち溢れてるようにも見えた⋯
「るるか⋯いや、ちょっと強がったかもしれない。でも、俺はこのるるかと一緒の世界が大事だと思ってるんだ。新しい力が入ればきっと何とかなるはず⋯」
「⋯世界を守る為にあなたが犠牲になったら元も子もないじゃない!私はあなたから沢山の生きる希望を貰ったのに、私はまだあなたに返せてない⋯それなのに死にに行くとか言わないで!私は⋯それだけ信義のことを愛してるの。だから⋯自分の命を大事にしてほしい。」
「るるか⋯」
るるかは涙ながらにこれまでにもない叫びで俺の手を握ってから引き止める。ここまで彼女を泣かせてしまうなんて⋯泣いているところを見てると自分自身も辛くなってきた。
「ごめん。俺は世界やお前を守ることしか考えてなかったよ⋯どんなものを守っても結局俺が生きてないと意味がないよな。大丈夫、俺は自分から死ぬような真似はしないから⋯だから、泣かないで。」
「良かった⋯信義がいなくなったら私、もうどうして良いのか分からなかったから。ぐすっ⋯しばらくあなたの胸を借りても良い?泣いてる顔は見られたくないから⋯」
「ああ、お前が落ち着くまで泣いて良いからな?俺だってお前の胸で泣いたんだからお互いだ⋯」
「ありがとう⋯」
それから、るるかは俺の胸の中で涙を思いっきり流した。俺も前にるるかの胸の中で泣いたものだからお互い様である⋯そんな泣いてる彼女の背中に俺は右手を回し、左手で頭を撫でていく。彼女の艶のある髪は1本1本が触れると絹のように抜ける感じがする⋯触ってるとこっちも癒されるものだ。
(5分後⋯)
「落ち着いたか?」
「うん⋯ごめんなさい、あなたのワイシャツを台無しにして。」
「気にすんなよ。元々は泣かした俺が悪いからさ⋯もう絶対に自分の命を無駄にするなんて真似はしないから。お前も生きて俺も生きる⋯絶対に守るからな?」
「ありがとう。それなら私も信義のことは守ってみせる⋯私も強くなるから。」
「そう言ってくれると頼もしいな。だったら俺はその倍強くなるよ⋯男としてレディーを守るのがナイトの役目じゃないのか?」
「信義がナイト。じゃあ、私がプリンセスね⋯でも、何となくだけど私はプリンセスと聞くと前世で犬か何かをやってきた記憶があるような?」
「それは恐らく存在しない記憶だな⋯でも、何年か前にそれっぽいのはいたけど。」
「何を言ってるのかしら、この2人は⋯」
るるかが突然意味不明なことを言い出し、俺も話に乗っかるとマシュタンは呆れてしまう。何故にるるかの頭の中に存在しない記憶が出てきたのか⋯でも、プリンセスのお供をしていた『〜パフ』が口癖でヘアーアレンジを好む子犬が妙に浮かぶんだよな。不思議だ⋯そう思っていると俺のジュエルキュアライセンスフォンが鳴り出す。
「悪い⋯ちょっと通話する。もしもし?」
『薫風です。』
「薫風さん!?どうしたんですか、こんな時に⋯僕達は敵同士なんですよね?何故⋯」
『本来敵とこうやり取りするのはいけないと上司からは教わってますが、あなたはどこか敵とは思えないので⋯それで本題に移りますけど、先ほど愛ちゃんのお母さんの恵海さんが意識を取り戻しました。先ほど集中治療室から一般病室に移動が終わったところです⋯』
「本当ですか!?良かった⋯」
薫風さんは俺に愛ちゃんのお母さんである恵海さんが意識を取り戻したことを報告する。これを聞いて俺の不安の1つがどこかに消えた⋯ジャックの話が本当だとしたら、薫風さんの家族の二の舞にならなくて良かったと言える。まあ、これに関しては家族が犠牲になった彼女本人には言えないことではあるが⋯
『それで、愛ちゃんともさっき再会を果たしてましたけど凄く喜んでましたよ⋯本当に生きて再会できてよかったです。』
「僕もそれを聞けて安心しましたよ。それで、こっちからも訊きたいことがあるんですけど⋯良いですか?」
『それですけど、すみません⋯ちょっとこの後、今回の事件の捜査本部の方に戻れと言われてたので話は落ち着いたらお願いします。一旦切りますね、失礼します⋯』
「あっ、薫風さん!?」
俺は立て続けにジャックから聞いた話をしてから俺の孫であることを聞き出そうとしたが、彼女も彼女で忙しいのか通話を切られてしまった。結局、彼女の真実を本人の口からは聞き出せず⋯絶好のチャンスだったのにな。
「薫風さん、何て言ってたの?」
「ああ、俺達があの時助けた愛ちゃんのお母さんの恵海さん⋯意識を取り戻したって。」
「そう。良かった⋯」
俺が薫風さんから聞いた報告をるるかに伝えると、彼女は安心な表情を浮かべてから胸を撫で下ろす。彼女もまた恵海さんと愛ちゃんのことを気にかけていたからな⋯本当に良かった。
「ところで、るるか⋯お前がした約束を覚えているか?」
「約束?そうね⋯覚えている。一緒にお風呂に入る、でしょ?」
「覚えてたか。俺も風呂にこれから入るから⋯るるかも一緒にな?」
「うん⋯私の裸は見ても面白いかは保証できないけど、良いの?」
「自分から裸見せるとか言っといてそれは言ったらダメだろ。自分に自信を持って良いからな?俺はお前の全てを最高だと思ってるから心配すんなっての⋯」
「信義⋯ありがとう。それじゃあ、お風呂⋯行きましょう?」
「おうっ!」
「ちょっ⋯あたしも置いてかないで!?」
こうして俺達はるるかの約束通り、2人で一緒に風呂に入る為に部屋を出る。そこに置いてけぼりを嫌ったマシュタンがついて行く形にはなるも一緒の時間を楽しむのだった⋯詳しい内容を知りたい方は番外編の方に後日上がるのでお楽しみに!
いかがでしたか?シルバーシャドウプリキュアのマスターとアルカナ・シャドウはアンサーとミスティックを結構苦しめてましたね。やはり、ここは戦闘力の差とか知力策略の差でしょうかね?マスターに関しては戦闘経験は2人以下ですが、力に関してはドギー(・ケント)が使ってたものそのもの⋯チートですよ。ただ、ゴウエモンが奪ってきたマコトジュエルも結局はアンサーにやられましたが⋯
そのアンサーが原作よりも早くアンサーはなまるソードを使うという⋯結構前倒しにしましたけど、これは実を言うとアドバイスを過去に頂いておりましてそれを採用しました。ここでは2人だとフライングスペクトルが使えない可能性がありますし⋯そこを調整しました。
あんなちゃんはるるかちゃんと信義の言葉が気になる中で、ついにウソノワールが動きを見せますが⋯その中で信義が話を聞いた上で自己犠牲覚悟を見せるという。これにるるかちゃんは拒否し泣き出す形に⋯ここは自分の命を大事にするとして踏みとどまりましたけど、彼女を泣かすのは罪ですよ。ただ、前編で約束したお風呂へと向かうことに⋯これに関しては番外編でいつかやりますのでお楽しみに!
次回は運命の13話分をお届けします。感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてお待ちくださいね!