そんな今回からは13話分ですが、まさに皆さんの見立て通りにシリアスな話になります。プリキュアが過去にないぐらいの大ピンチに原作同様陥りますが、原作よりも最悪な結末になっています⋯これは自分がかつて観た作品の要素とかを参考にしました。どんな感じなのかは読んでのお楽しみです!
それでは、また後書きにて⋯
side信義
「行くぞ、怪盗団ファントム⋯プリキュアの元へ!ライライサー!」
ついに未来自由の書に記された運命の日の当日、ブラキッドがマコトジュエル回収の任務に向かっていた中でウソノワールが重い腰を上げる。ついにボスが動くのか⋯
「ま、待つっしょ!?今、ブラキッドがマコトジュエルを取りに行ってる頃だし⋯」
「そうですよ、まだ動かれるには早いかと僕は思います。どうか冷静なご判断を⋯」
しかし、これに対してアゲセーヌとニジーはウソノワールを止めようとする。マシュタンやるるかの言うことが本当なら彼はまさに地雷というかこの世界の爆弾とも言える存在だろう⋯それを起動させるにはいかないはずだ。
「動かれると大変なことになるわ⋯」
「ああ、何としても食い止めないとな。るるか⋯」
「⋯そうね。」
この状況を受けて俺とるるかはウソノワールが暴れるのを止める為に行動へと移すことに⋯この世界は何としても壊させはしない!俺達が守ってみせる⋯
side out
~~~~~~~~
sideあんな
「ううっ、ぐすっ⋯」
ある休日のこと、私とみくるがジェット先輩と一緒にレストランでランチを食べていた(ドギーはお店の外で待機してもらっている)時に男の子⋯れいじくんのロボットがなくなるという事件が発生した。話によると、お店に入った時は手元にあったらしくて恐らく目を離した隙に盗まれたものと思われる⋯
「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。れいじくんが大切にしていたロボットがドリンクバーに行ってる間になくなっていた。その時周りにいたのが皆さんですね?」
みくるは容疑者と思われる人達を集めて事件の状況を説明する。事件が起きたのはれいじくんがドリンクバーに飲み物を取りに行ってた時のこと⋯その間に周りにいた容疑者は3人で店員の男性に漫画家と思われる女性に作業着を着た男性。その間にジェット先輩はれいじくんに棒付きキャンディーを渡して慰める。
「僕は食器を片付けてました。」
「私は漫画を描いてました。」
「俺は宅配便のドライバーで休憩中っす!」
「ありがとうございます。」
「ロボットを盗った犯人⋯怪盗団ファントムはこの中にいます!」
「えっ?」
「「⋯」」
「「犯人は⋯あなたです!」」
「宅配員のお兄さん!」
私とみくるはそれぞれ推理の中で宅配員のドライバーの男性を犯人として指し示す。これには他の2人はドライバーの方を見てドライバー本人は驚いていた。
「ま、待ってよ!?俺は店に荷物を届けただけですって!写真に写っているそんなに大きなロボットの人形が一体どこにあるんですか?」
「あなたか言った写真が事件を解く鍵です。」
「皆さん、この写真をよく見てください。」
みくるは続けて犯人の宅配員のドライバーを含めて他の2人にれいじくんとロボットの写真を見せる。その中で気づいたことは私も分かっているが、みくるから説明することに⋯
「ロボットの右足にタグが縫い付けてあります。」
「おっ、本当だ!」
「よく見たら縫い目もある⋯」
「ロボットのおもちゃだから硬いと思いがちですが、これはぬいぐるみ⋯そうだよね、れいじくん?」
「うん、裁縫戦隊グルミンジャー!」
「柔らかいぬいぐるみだったら⋯」
「あっ、こらっ!?」
「押し込んでチャックをすればポーチに収まります!」
私がドライバーのウエストポーチのチャックを開けて中身を取り出すと、そこには丸まっていたロボットのぬいぐるみ⋯裁縫戦隊グルミンジャーが広がって出てくる。これで彼の犯罪が証明された。
「あっ、僕のロボット!」
「ふっ⋯バレてしまったら仕方ねえ。見事だ、名探偵!」
「「ブラキッド!」」
そして、ドライバーの男性がバレて変装を解くとその目の前にいたのは怪盗団ファントムの1人であるブラキッドだった⋯彼はまたぬいぐるみをぎゅっと握り締める。
「だが、俺との勝負はまだ着いていない!捕まえられるかな?」
「待って!」
「ここは私達に任せて!」
「う、うん。お姉ちゃん達頑張って!」
そうして、私とみくるは逃げたブラキッドを追いかける。この前の時はバイオレット⋯すみれさんがいなかったら勝てなかっただけに今回もどんな手を使ってくるかは分からないけど、とにかくれいじくんの為に捕まえないと!
「待て〜!」
「逃がさない!」
「待てと言って待つ怪盗がどこにいる、俺は捕まらねえよ!」
「ポチ〜!」
「う、うわあああ!?」
しばらく追いかけているとポチタンが突然私を引っ張ってからブラキッドの逃げていく方向へと先回りさせる。何はともあれ挟み撃ちには成功した。
「もう逃がさないよ!」
「大人しく観念しなさい!」
「なかなかやるじゃん⋯小娘とて名探偵は侮れねえな。だったらこの俺様が相手してやるぜ!嘘よ覆え、It's show time!ハンニンダー!」
「ハンニンダー!」
そして、ブラキッドはグルミンジャーのぬいぐるみに宿ったマコトジュエルを利用してハンニンダーを生み出した。今回はロボットのハンニンダー⋯ロケットパンチとか撃ってきそうな気がした。
「あんな、みくる!」
『マコトジュエルを利用されたか⋯2人とも、変身だ!』
「「うん!」」
そうして、私はドギー言われて変身しようとする。ここでファントムを止めないとノブお兄ちゃんとるるかさんが来てしまう可能性もあるからとにかく決めないと!
「「オープン、ジュエルキュアウォッチ!⋯プリキュア・ウェイクアップタイム!」」
(変身中⋯)
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」
「「名探偵プリキュア!」」
「私の答え見せてあげる!」
「ふっ⋯マスターはこっちにいるしバイオレットの方は不在。2人で勝てるかな?行け、ハンニンダー!」
「ハンニンダー!」
「「「うわあっ!?」」」
ハンニンダーはブラキッドの指示を受けてロケットパンチを放ってきた。あまりの勢いに私達は咄嗟に避けたけど、少しでも反応が遅れてたら大変なことになっていたかもしれない。
『ロケットパンチ⋯ここはロボットらしい攻撃を仕掛けてきたか!』
「これで終わりじゃねえぞ?」
すると、放たれたロケットパンチは急に反対の向きになってから今度は私達の元へと飛んでくる。このパンチは追尾型なのだろうか⋯やはり、ブラキッドの生み出すハンニンダーは他の人と比べて難しい。
「ええっ⋯」
「戻って来た!?」
「「うわあああああ!!」」
それから私とミスティックで必死に逃げるもパンチがとにかく追ってくる⋯どこまで逃げても追いついてくるし、どうすれば良いのか?とにかく私達は走り続けた。
side out
~~~~~~~~
side信義
「ここにいたのか、ブラキッド⋯」
俺とるるかはしばらく街中を探し回った末に領域に入り、ブラキッドを見つける。しかも見たところアンサーとミスティックが攻撃に追われてる様子でブラキッドは余裕の笑みを浮かべていた。
「誰かと思ったらマスターとアルカナ・シャドウか⋯何の用だ?俺、凄い良いところでお前らよりも先にプリキュアを倒せそうな場面なんだぜ?」
「それよりも面倒なことが⋯」
「面倒なこと、まさかジャックでも現れたのか?本当にあいつはプリキュアどころか俺達のことまで引っ掻き回すから厄介な存在だな⋯」
「違うわ、ウソノワール様がこっちに来る。」
マシュタンは引っ張ることなくブラキッドにウソノワールがこっちに来ると説明する。これを聞いた彼は世界が危機に陥るというのに笑みを浮かべた。
「ウソノワール様が!?そりゃあ大歓迎だな⋯俺に加勢なさるのか?」
「それどころじゃないだろ!ウソノワールに暴れられると世界が滅んでしまう⋯今はアゲセーヌが何とか止めているが、じきに来るはずだ。」
「目的はあの子達⋯」
るるかが目の前を指差すと、そこにはロケットパンチから逃げてこっち向かっているアンサーとミスティックの姿があった。こんな時にこっちに来るとはタイミングが良いというか、このままだとこっちに攻撃が来てしまうのではなかろうか?
「なるほど。俺は世界が滅びるとかそういうのは関係ねえ⋯ただ、ウソノワール様の目的の為なら何だってする!ハンニンダー、プリキュア2人をまとめて始末しろ!!」
「ハンニンダー!」
「ミスティック⋯」
「うん!」
アンサーとミスティックはジャンプしてからロケットパンチを避ける。すると、そのパンチがハンニンダーに見事に命中⋯ロボットのハンニンダーであろうがどうやらAIが猿以下のようだ。
「ハンニン、ダー!?」
「なっ⋯嘘だろ!?」
「今だよ!」
「アンサー、私に任せて⋯オープン、プリキットミラールーペ!」
そして、ミスティックはプリキットミラールーペを展開する。彼女もまた単独技を使うのだろうか⋯どんなものなのか師匠冥利で俺は気になった。
「ポチタン!」
「ポチ〜♪」
「マコトジュエル!⋯キュアミスティックが解決!」
ミスティックがポチタンから生み出されたマコトジュエルをセットしてダイヤルを回すと、彼女のルーペがレイピアへと変化する。アンサーと同じ剣ではあるが、ミスティックは細長くて軽い剣だ。
「プリキュア!ミスティックストライク!」
「ハンニンダー、立て!お前は最強のロボットなんだろ!?ここで倒れてたら⋯」
「はああああああ!」
ブラキッドはロボットハンニンダーに立つように促すもミスティックは容赦なくハンニンダーに襲いかかってはレイピアで貫く⋯ハンニンダーは結局何も抵抗できずに終わり、彼女の持つレイピアがルーペに戻る。
「キュアっと解決!」
「ハン、ニン、ダー⋯!」
そうして、ミスティックの決め技を受けたハンニンダーは消滅してロボットとマコトジュエルが現れる。どうやら、何もかもが元に戻ったようでアンサーがマコトジュエルを手にした。
「くそっ⋯最強のロボットをハンニンダーの素体にしたのに!」
「ブラキッド、あとは俺達に任せろ⋯ウソノワールを出さずに世界を守る。行くぞ、るるか!」
「ええ⋯」
「「オープン!」」
「ジュエルキュアライセンスフォン!」
「ティアアルカナロッド。」
「プリキュア・ウェイクアップタイム!」
(変身中⋯)
「百鬼夜行を斬り敵を撲滅、名刑事キュアマスター!」
「神秘と秘密で包み込む、キュアアルカナ・シャドウ!」
「「シルバーシャドウプリキュア!」」
「俺の答え、見せてやる!」
そうして、俺達もプリキュアへと変身してアンサーとミスティックを迎え撃つ。ウソノワールが出てきて暴れてもらうと大変な事態が起きかねない⋯ならば、実力行使でも止めてみせる!
「アルカナ・シャドウ!」
「お兄ちゃん!?」
「あなた達がいなくなればウソノワールが来る理由もなくなる。」
「悪いがお前達には負けてもらうぞ!」
「アルカナスターレイン!」
アルカナは一気に決めにかかろうと速攻でアルカナスターレインを放つ。これを2人は難なく避けるも猛烈な爆風が周囲に襲いかかり、この辺りにいたジェット先輩とドギーとポチタンが飛ばされそうになる。
「うっ⋯くっ!?」
「ポチ!?」
『かなりの威力だ⋯』
「ジェット先輩、ドギー、ポチタン!」
「よそ見をするな、ミスティック!」
「いっ!?」
俺はジャンプ状態のままよそ見をしていたミスティックにベガで斬撃を浴びせる。ただ、俺は刃を当てずここは刀背打ちを腹部に浴びせて彼女を地面に叩きつけた。
「ミスティック!?お兄ちゃん、やめて!」
立て続けに今度はアンサーが俺を止めにかかろうとする。彼女のことだから俺を殴ることはできない⋯そうなればこの勢いを殺すのみだ。
「甘いな⋯拳も構えず止めに行けたと思ったか?ふんっ!」
「ああっ!?」
俺はアンサーの手を掴んで勢いを止め、そのまま背負い投げを決めていく。本当にこいつは甘いというか俺に対しては強く出れないという⋯まあ、俺もるるかが敵だと分かった時は手も足も出せなかったからあまり偉そうに言えた立場ではないが。
「アンサー⋯師匠、どうしてこんなことを!あなたの従妹じゃないんですか!?」
「当たり前のことを言うなよ。ただ、敵味方に分かれてまで情けをかける真似はしない⋯俺はアルカナのやりたいことを叶える為なら何だってする。たとえ従妹だろうと俺は容赦しないからな?」
「お兄ちゃん⋯」
そうして、アンサーとミスティックが立ち上がったその時⋯目の前というか周りにノイズがかかるような感じがする。俺の身に何が起きたのだろうか?
(何だこれは⋯)
「何⋯これ?」
「ポチ⋯」
「空間が歪んでる?」
『とにかくただ事ではないことが起きそうだ⋯』
「マスター、どいて⋯私が決める!」
「ああ⋯」
「今日は本気で!」
そうしてアルカナがアンサーとミスティックを仕留めようとしたその時⋯歪んだ空間の中でそれぞれの間にファントムの紋章が浮かび、光の玉が現れる。これを受けてアルカナは攻撃を中断した⋯
「来る⋯ウソノワール様が来られた!これで勝機は俺達のモノだぜ!」
ブラキッドがこれを受けて勝利の手応えを噛み締めると、光の中からウソノワールが現れては降臨する。アンサーとミスティック達からすればもちろん初対面⋯驚きと恐怖の感情が見えていた。
「あいつが⋯怪盗団ファントムのボス、ウソノワール!」
『何てオーラだ⋯ただ者じゃないぞ!?』
「「⋯!」」
「プリキュア⋯」
そうして、アンサーとミスティックはウソノワールを睨む。ジェット先輩とドギーはウソノワールを見て彼から発せられるオーラに恐れおののく。特にいつもは冷静なドギーをここまでビビらせるウソノワールは本当にただ者ではない⋯そして、同時に残りのファントムの仲間であるニジー、アゲセーヌ、ゴウエモンも転送された。
「「「ライライサー!」」」
「お待ちしておりました、ウソノワール様⋯」
「やはり、未来自由の書には載らぬか。待てども待てども載らぬ⋯何故だ?」
「私にも分かりかねますが、このプリキュア自体が未来から来ていることが関係して動きが読めないのではないでしょうか?」
「なら、試してみよう。」
そう言ってウソノワールは指からビームを出してはアンサーとミスティックに狙いを定めて発する。俺もそうだが、未来自由の書に載らないプリキュアの力を試しにかかった⋯しかし、これに関しては2人はすんなりと避ける。
「ほう⋯」
「「はああああ、たあっ!」」
「ふん!」
「「きゃあああっ!?」」
そのままアンサーとミスティックはウソノワールに飛び蹴りを仕掛ける。しかし、これはすんなりと受け止められてしまった⋯やはり、ただ座ってるだけではなくボスとしての威厳に相応する力はあったようですんなりと2人を吹き飛ばす。その衝撃波はかなり広範囲に及び、これを受けた建物は一部崩壊して看板が吹き飛び俺達傍観者にも突風が襲いかかる。
(これは台風よりも酷すぎる⋯和歌山に住んでた時はよく強烈な台風が直撃してたから分かるけど、その比にならない!)
「ポチ〜!」
「『うわっ!』」
ウソノワールの衝撃波で壊れた看板がジェット先輩とドギーに襲いかかるもポチタンが身体を膨らませてクッションとなり、1人と1匹を守った。ポチタンはアルカナの話を聞いた限りとしても今にしても本当に不思議な力を持つ存在だと思わされる。そして、飛ばされたプリキュア2人もついでに守った。
「ふっ⋯」
「ポチタン、ありがとう!」
「ポチ〜⋯」
アンサーは助けてくれたポチタンにお礼を言ってからミスティックと共に地上に降り立つ。一緒だった時から思ってたけど、本当に2人は運が良いものだ⋯
「これでも未来自由の書にお前達のことは載らぬか⋯」
「さっきから言ってる未来自由の書って何なんだよ!」
「ポチ〜?」
「未来自由の書はあたしのご先祖様達が記した伝説の書。これから起こることが全て書いてあるの⋯誰も読み解くことができなかったものをウソノワール様だけが読むことができたのよ?」
『つまりは予言書ってことか⋯』
ジェット先輩とポチタンが未来自由の書に疑問を抱いたところ、マシュタンがそれを説明する。俺も初めて知ったが、この書はマシュタンの先祖の代から存在する本だったのか⋯それを読み解くことができたウソノワール、本当に何者だ?
「プリキュア⋯書に記されぬお前達は異物、消えなければならない。」
「お待ちください⋯ウソノワール様、ここは私めにお任せ頂けないでしょうか?」
「ブラキッド⋯何故だ?」
「彼女達はマコトジュエルを持っております。そして、私があなたの手を煩わせない為⋯ご安心ください、必ずマコトジュエルを手にしてこの小娘達はウソノワール様に代わって始末いたします。」
「それは頼もしい⋯任せた。」
「ライライサー!⋯さて、この俺がウソノワール様に代わって直々に相手をしてやる。そのマコトジュエルの欠片をかけてお前らを潰す!」
「欠片!?お兄ちゃんは知ってるの?」
「ああ、マコトジュエルは1つの大きなジュエルだった⋯我々人間の心から生まれた想いが宝石になったものなんだ。ウソノワールからの押し売りだがな⋯」
「それをキュアット探偵事務所に手にさせねえように俺が転々とさせてた⋯それがロンドンとか世界を巡って俺が探していたんだよ。それがウソノワール様から命じられた任務だった⋯」
アンサーがマコトジュエルについてを質問してきて、俺とブラキッドがそれぞれ答える。ブラキッドは俺達とファントムが戦ってた間に世界を巡ってマコトジュエルの回収をしてたのか⋯それならやつのエリートぶってたあの態度も納得だ。
「だが、この街にマコトジュエルが現れることを我々は突き止めた。手に入れようとしたところ、キュアット探偵事務所の邪魔が入ってマコトジュエルは粉々になり、この街に散っていった。」
「お前達のせいでバラバラになった欠片を俺達は集めてるってわけだ。」
「言いがかりだろ、そんなの!」
ウソノワールとゴウエモンの言い分に対してジェット先輩は言いがかりだと注文をつける。それもそうだ⋯彼はキュアット探偵事務所の関係者だ。事務所の名誉の為にも事実無根だと主張しないといけないからな⋯
「とにかく、マコトジュエルを寄越すんだ!さもないと⋯世界が壊れる。」
「世界が壊れる!?」
ニジーからの忠告に対してミスティックが声を上げて驚く。俺とアルカナに関しては世界の危機の話は聞いているが、無理もない⋯アンサーとミスティックはそんな危機とは縁のない日常を過ごしていたのだから。まあ、一部界隈ではこの年の7月に世界が滅びるとかどうのこうのの予言というか都市伝説が出ているのだが⋯
「世界がどうなろうと知ったこっちゃねえ!ウソノワール様、ここは私めにお任せください⋯この小娘達を始末すると共にマコトジュエルをあなたに捧げてみせましょう。」
「うむ⋯」
「ブラキッド⋯」
「さあ、ここからはショーの主催は俺に仕切らせてもらおうか⋯お前達には消えてもらうぜ!」
「「⋯!?」」
ブラキッドはシルバーマジカルロッドを剣のように持ってからアンサーとミスティックに襲いかかる。2人は身構えるもこの攻撃を防げるのか⋯そう思った瞬間、間に割って入り何者かが剣でブラキッドを止める。
「お前は⋯」
「また会いましたね?悪いですけど、アンサーとミスティックには手を出させません!」
「「バイオレット!」」
そこにやって来たのはバイオレットだった。どこから駆けつけたかは分からないが、刑事としての仕事をしていた中で異変を嗅ぎつけたのだろう。
「あれが噂のキュアバイオレット⋯」
『お前、やっぱり来たか⋯遅いんだよ。』
「申し訳ありません。さっき仕事を終わって通りかかったら異変を確認して今来ました⋯良かった、アンサーとミスティックが無事で。」
「ありがとうございます!」
「いえいえ、アンサーとミスティックはウソノワールをお願いします⋯ブラキッドは私に任せてください。」
「分かりました、アンサー!」
「うん⋯ブラキッドをお願いします。行こう、ミスティック!」
そうして、バイオレットはブラキッドの相手を請け負って2人をウソノワールのところへと行かせる。本当に彼女はここぞという時に頼りになる存在だ⋯俺よりも有能すぎるんじゃないのか?
「とりあえず、あの時のリベンジマッチとしようか⋯俺も内心お前に対してリベンジしようとハートを燃やしてたからな?かかってこい!」
「その自信はいつまで持ちますかね?」
「その前にお前の余裕をへし折ってやるよ!」
バイオレットとブラキッドはこうして刃と刃をぶつけ合う。あの時はロッドを斬り彼を敗北へと追い込んだ⋯しかし、もう一筋縄ではいかないだろう。そんな中でアンサーとミスティックはウソノワールの前にたどり着いた。
「どうやら、お前達の相手をしなくてはならぬか⋯ニジー、預かっていろ。」
「ライライサー。」
アンサーとミスティックを迎え撃つウソノワールは未来自由の書をニジーに託して前に出る。こちらの方もついに大山が動こうとしていた⋯先ほどの肩慣らしの一発ですら吹き飛ばされた2人に勝ち目があるとは思えないのだが。
「マスター、2人の心配をしてるの?」
「ああ⋯俺にはウソノワールに勝てるとは到底思えない。仮にも弟子と従妹だ、心配になるさ。アルカナは何も思わないのか?一応は後輩の探偵にしてプリキュアだろ。」
「別に⋯でも、私には見える。あの子達は普通に戦ったら勝ち目がないということが⋯」
アルカナは冷静そうな感じを装いつつこの戦いを分析して俺と同じ見立てを出した。普通に戦ったら勝ち目はない⋯それならば、あいつらの戦いにおいての頭の使い方が重要になってくるだろう。
「おおっ、ウソノワール様が本気で行かれるぞ!」
「喜んでる場合じゃないし、マジチョベリバ〜!」
ウソノワールがアンサーとミスティックに歩み寄ろうとすると、ゴウエモンは楽しみにする中でアゲセーヌは阿鼻叫喚⋯アゲセーヌは最後までウソノワールを止めようとしてたからな。それだけ危機感を募らせていたのだろう。そんなウソノワールは両手からビームを繰り出そうとしていた⋯そして、またあの時のように空間が歪み出す。
「うおっ!?」
「ちょっ、マジ!?」
「フィールドが⋯持つのか?」
「最悪な展開ね⋯」
そうして、アンサーとミスティックはいつ攻撃が来るかを身構えるもあっという間にウソノワールは2人の背後に回り込んでいて溜めていたビームを放つ。これは何とか反応できたが、ウソノワールはアンサーの方に向かっていた⋯
「ふんっ!」
「ぐはぁっ!?」
そのまま真正面から何もできない時にビームを放つと、避けれなかったアンサーはモロに食らってしまい、その際にマコトジュエルの欠片を落としてしまう。
「ぐっ⋯!」
「アンサー!⋯ああっ!?」
「ミスティック!⋯何なんだよ、あいつ!」
『これがウソノワールの強さ、なのか?プリキュアが全然相手になってない⋯』
ミスティックがアンサーの心配をしている隙にウソノワールは容赦なくパンチを入れて彼女を吹っ飛ばした。これにはジェット先輩も先代キュアマスターのドギーも絶句しかない⋯俺もこの目でウソノワールの強さを見たが、やつに対してまともに逆らったところで勝てる相手ではないと思わせられるばかりだ。
「誰もが嘘と疑いたくなるほど圧倒的な力を持つ⋯あれが、ウソノワール様。マスター、あなたが彼に逆らうことがどれだけ無謀なことなのか分かったかしら?」
「まともに戦えばな⋯でも、マシュタンは反対しないんだろ?」
「アルカナ・シャドウの彼氏であるあなたのやりたいことも応援する、それもお供妖精の役割⋯とだけは言っておくわ。」
マシュタンは俺に対してウソノワールの強さを示すが、俺はそれに屈しないと強気を貫く。ただ、それに対してマシュタンが反対することはなかった⋯こいつもアルカナの幸せを願ううちの1匹で気持ちは同じ。文句など決して言えないだろうな⋯
「マコトジュエル⋯チャンスだ!」
「待ちなさい、何をする気ですか!」
「ちょっと待ってろ、用を済ませるだけだ⋯そこから動くな!」
ブラキッドがそう言うと、去り際にトランプ銃でトランプをバイオレットの足元に撃ったかと思いきやそこから結界を張る。それからやつはマコトジュエルの欠片を拾いに向かった。
「これでマコトジュエルは手中に⋯」
「ポチ!」
「時空の妖精か⋯」
「「ポチタン!」」
ブラキッドがマコトジュエルの欠片を手にしようとすると、ポチタンが前に立ってそれを守ろうとする。小さいのに本当に無茶をするやつだ⋯
「なるほど、マコトジュエルを守るってわけか⋯じゃあ、お前のせいで大事な仲間がこうなっても仕方ねえってことだな?搾取の触手(サキュバス・ハンド)!」
どうしても譲りそうにないポチタンに対してブラキッドはむしろ脅迫するような感じな態度を取り、呪文を唱えるとロッドから赤い触手が出てきてはアンサーとミスティックに絡みつく。
「ぐうっ!」
「何をするつもり⋯!?」
「アンサー!」
『ミスティック!』
「お前らの力の源、頂くぜ?」
「「あああああああっ!」」
「ポチ!?」
ブラキッドがロッドを地面に叩きつけると、触手が光り出しては絡む彼女達に電気のような衝撃が走り苦しみの声を上げる。これを見たポチタンは絶句してしまい何もできずに固まった⋯すると、彼女達の力と思われる光が触手経由でロッドに集まっていく。
「ううっ、力が⋯」
「アンサー⋯私も、ああっ!」
そして、力の光が抜けていくと共に2人の変身が解けていって触手が解けると2人は変身時の光のドレス姿に戻っていて髪型も変身中の髪を下ろした状態で瞳の色も戻っていた。
「ポチ、ポチ〜!」
「2人ともどうした!?」
「ジェット先輩、ドギー⋯私達、どうなってるの?」
『力を吸われて変身が解かれている。しかし、中途半端な状態だ⋯』
「あんな、変身中の状態に戻ってる⋯」
「そんな!?」
ジェット先輩とドギーは2人に声をかけた。力を吸い取られて変身が中途半端に解けた状態になったあんなとみくる⋯その様子を見たブラキッドは笑みを浮かべ余裕を見せていく。弟子と従妹だけに俺は平然としていられない⋯一体、どうなる?
搾取の触手(サキュバス・ハンド)
ブラキッドの魔法技の1つ。ロッドから赤の触手を出しては相手に絡めて力を吸い取る。
いかがでしたか?最後にまさかのあんなちゃんとみくるちゃんが変身解除に追い込まれて変身時の光のドレス姿になるという⋯これは一見するとハトプリとかハピチャを連想すると思いますけど、それも参考にしましたが実はこれを参考にするのに大きく関与したのが『魔法戦隊マジレンジャー』の最終話なんですよね⋯ラスボスのンマの触手で力を吸われて頭だけ変身解除されたマジレンジャーを見たりとかプリキュアでもそんな感じなのがあったなということでこういう演出をしました。僕は結構影響されるものが多くてこれも影響したわけですよ⋯ふと、マジレンジャーの最終話が頭に浮かんだ上に僕の作家仲間がハトプリ観てるって話も思い出しこうなりました。ハトプリはリアタイしてましたね⋯変身解除で変身中の格好にされるのはそそりますけど、それをやりました。
それ以外としては原作ではニジーが出動したところをここではブラキッドを出しました。メタい話、ここで出さないと今後の出番がかなり限られるのでね⋯ニジーには申し訳ないですけども。ただ、バイオレットとの戦いも描かれなかったので消化不良ですが⋯
しかし、次回は今回の続きでここまでのフラストレーションを一気に解消する話にすることを約束します!それを楽しみにしててくださいね?
感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回!それでは⋯