そんな今回は13話分の後半戦です。前回でブラキッドから力を奪われて光のドレス姿にされてしまったあんなちゃんとみくるちゃん⋯2人はどうなるのか?どうぞ本編もお楽しみに!
それでは、また後書きにて⋯
sideあんな
「あんなさん、みくるさん、大丈夫ですか!?」
私達がピンチとなった時、バイオレットがやって来ては大丈夫かと声をかける。本来だったらブラキッドを止めるべきはずだったけど、その中で逆に結界で止められてしまっていた。とりあえず、バイオレットはこれだけで済んで安心だ⋯
「私達は大丈夫です。でも⋯」
「ちょっと待ってください。今、『みくるさん』って⋯」
「すみません。あんなさんのことを名前で呼んだものだからみくるさんもかなと⋯それよりも、何があったんですか?」
『俺にも分からない。ただ、ブラキッドの生み出した触手によって力を奪われて半変身解除状態になったと思われる⋯』
「そうですか。」
バイオレットはドギーに何があったのかを質問する。私達はあのブラキッドの触手に巻かれてその時に力を吸われ、今の変身中の時の姿になってしまったのだ⋯それを知ったみくるは絶望してるのか涙を浮かべて俯いた。
「そんな⋯私達、これまでなの?これまではハンニンダーに負けなかったのにウソノワールとブラキッドには通じないなんて⋯悔しい、このままマコトジュエルを奪われて世界が嘘に覆われるなんて⋯こんなところで終わるなんて嫌だ!」
「みくるさん⋯」
「みくる、希望を捨てたらダメだよ!」
「えっ⋯でも、私達のこの姿で何ができるの?力を失った状態で戦っても勝ち目なんてない!」
「これを見て⋯」
「えっ?」
私はある方向を指差し、みくるとバイオレットはそれを見る。その先にはひび割れたアスファルトの中に咲いている1輪のたんぽぽの花があった⋯
「こんな感じで街がボロボロになってもたんぽぽの花は咲いている。だから、私達も諦めたらダメなんだよ⋯勝てるかどうかは分からないけど、このたんぽぽの花のように戦おう!」
「あんな⋯そうだね。」
みくるはたんぽぽの花を見てから私の手を握って立ち上がる。まだここで終われないんだ⋯私はみくるとノブお兄ちゃんと一緒にファントムの野望を阻止してノブお兄ちゃんと一緒に元の時代に帰らないといけない。それを叶える日まで負けられないのだ!
「ふんっ⋯そんな格好で俺達の野望を食い止めれるのか?マコトジュエルの欠片は頂くぜ?」
「待ちなさい、ブラキッド!」
「ああ?」
「あなたの相手は私です、マコトジュエルにもあんなさんとみくるさんにも手は出させません!」
「「バイオレット⋯」」
「あんなさん、みくるさん⋯どうか無事でいてくださいね?」
「面白ぇ⋯だったらサシで勝負しようじゃねえか。ダークフィールド!」
ブラキッドがロッドを地面につけると黒い闇のような空間が広がり、バイオレットを取り込む。そして⋯2人はこの空間から消え、これで私、みくる、ジェット先輩、ドギー、ウソノワールとそれを見ているファントムの人達しかこの場にいなくなった。
「ブラキッドめ⋯情けをかけたか。だが、私は容赦はしないぞ⋯お前達が私を止めるのならかかってくるが良い!」
「ジェット先輩、私達が戦ってる隙にマコトジュエルとポチタンをお願い⋯」
「分かった、無茶はあまりするなよ?」
「うん、あんな⋯」
「行こう!」
「「はああああっ!」」
私とみくるは今の姿のままでウソノワールに攻撃を仕掛ける。力を奪われてるからどこまで戦えるかは分からないけど、とにかく戦うしかない!
「私の邪魔をするな!」
「「うわあっ!?」」
しかし、その中で私達の攻撃はあっさりと弾かれてしまう。やはり、力を奪われてるからなのか前よりもさらに通じず⋯でも、ここで諦めたら何もかもが終わってしまう。だから、戦うのを止められないのだ⋯
「アンサーアタック!」
「くどい!」
「ぐうっ!?」
「あんな!」
「そんな半端な姿のお前達に何ができる?まあ、良い⋯マコトジュエルの欠片を回収すれば用はなくなるからな。それで絶望を見せてやる!」
「マコトジュエルには手を出させない!あんな⋯」
「ありがとう、みくる。私も絶対に負けない!だって、私達は⋯」
「「名探偵プリキュアだから!」」
「まだ戦うのか⋯面白い!ならば、私を倒してみよ。お前達の全てでぶつかって来い!」
そうして、ウソノワールは覇気のようなオーラを出して私達を挑発する。とにかく、私達は名探偵プリキュア⋯謎を解いて犯人を懲らしめるのみ。その覚悟でぶつかろうとした⋯
side out
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sideすみれ
「ここは⋯」
ブラキッドの闇に取り込まれて目が覚めると、そこには空が暗く地面の荒れている空間に私とブラキッドはいた。これが彼の作り出したダークフィールドなのだろう⋯
「ようこそ、ダークフィールドへ。ここには俺とキュアバイオレット⋯お前しかいない。」
「なるほど。約束通りの1対1ですか⋯あなたは泥棒にしてはなかなか仁義とかがあるようですね?」
「俺はただの泥棒じゃなくて怪盗だからな。トリック以外では卑怯なことをせず堂々とする⋯それが俺の矜持なんでね。」
「あなたが真っ直ぐな人間で助かります。絶対に負けませんからね?」
「それはこっちのセリフだ。行くぞ!」
「いざ!」
そして、私とブラキッドは同時にそれぞれ相手へと向かっては刃が交わる。あまりの衝撃波なのか周りの岩が崩れていく⋯このブラキッドはやはりただ者ではない。本来だったらあんなさんとみくるさんが負けそうになってたのも納得だ⋯
「やるじゃねえか⋯流石は俺のライバルだ。」
「あなたこそ。警察冥利として燃えますね⋯私が必ずあなたを捕まえてみせます!」
「ほう⋯だったら俺を倒してみやがれ!」
「だったら!」
ブラキッドは私をロッドで押し返し、これに対して私は後ろに退いてからまたブラキッドに襲いかかる。とにかく彼に勝ってこのフィールドを抜けてからあんなさんとみくるさんを助けないと⋯そうじゃないと、恐らくあの姿ではウソノワールには勝てない。だからこそ私が守らないと!
「お前、忘れてないだろうな?俺がトランプ銃でも遠距離攻撃ができることを!」
そこからブラキッドはトランプ銃でトランプの弾を撃ってくるもこれを私のケイボードであるヴィオラで斬っていく。彼のこういう足止め半分の攻撃も私には通じない⋯こっちだってこの時代に来る前までは勝てなかったけどジャックと沢山戦ってきたのだから。ジャックに慣れてしまえば何も怖くない!
「そんなの怖くないですよ、バイオレットインパクト!」
「魔法か⋯だったら、こっちも行かせてもらうぜ?マジカルスターレイン!」
私がバイオレットインパクトを放つと、ブラキッドもまた魔法の技で対抗する。しかも、この技はアルカナ・シャドウのアルカナスターレインに似た技で無数の弾幕が多方面から放たれている。むしろこっちの方が本家ではないかと思ってしまう技だ⋯お互いの技が衝突して衝撃波により共に後退りしてしまった。
「ほう、魔法の方も互角とはな⋯」
「あなたこそ!」
「とりあえず、そんな強いお前にご褒美として為になる話をしてやろう⋯俺のあのキュアアンサーとキュアミスティックの力を奪ったあの触手の謎を。」
「本当にあなたは2人に何をしたんですか?」
「俺が使ったアレはサキュバスの力を応用している。その触手で力を吸われれば相手はプリキュアの場合なら半変身解除ってところだ⋯」
「そんな力をいつ手に入れたんですか?」
「ある時、俺はサキュバスに襲われたことがあって、その中で俺は力というか精を吸われそうになったんだ。その時にある力がロッドに宿った。それは力を奪う力⋯サキュバスの力を身につけたんだよ。だから俺はそれを使ってサキュバスの力を搾取して倒していき⋯それから俺はマコトジュエルを世界中で持つ者の力を搾取して奪い、マコトジュエルを集めてあと少しでウソノワール様は大王になるはずだったんだ。」
「はず、だった?」
「ああ。そんな時に青い蝶の戦士が突如自爆覚悟の攻撃で突っ込んできてマコトジュエルを砕いた⋯しかも、その戦士というのはキュアット探偵事務所のプリキュアで名を『キュアエクレール』と名乗ったものの素性は不明。だが、俺達はもう1人のプリキュアを倒していてはいた⋯それがキュアアルカナ、森亜るるかだ。」
ブラキッドは私の前で力の経緯とファントムの野望の過去を話す。彼はサキュバスの力を手にし、それを利用してマコトジュエルの欠片を集めていてそれで集まった時にウソノワールが大王になるつもりだったようだったが⋯それをキュアエクレールというプリキュアが砕いていたが、その時の野望を止めようとしていたもう1人のプリキュアがキュアアルカナ・シャドウでアルカナだった森亜るるかさんだったという。やはり、私が調べてた過去は本当だったんだ⋯
「やはり、私が調べてたことは本当だったんですね。聞き出す手間が省けました⋯」
「だからどうしたんだ?まあ、どうにしても俺に力を奪われたあの2人は今頃ウソノワール様に負けているだろう⋯完膚なきまでにな!俺を倒すのに夢中になった結果こうだとは呆れたもんだぜ。」
「いいえ、あの人達は負けません。私は2人がどれだけ凄い探偵でプリキュアなのか知ってます⋯何しろ、あんなさんとみくるさんをここまで育てたのはあなた達のところにいるキュアマスターの織田さんですからね?織田さんの教えを守る2人が諦めて負けるなんてありえません!」
「だったらまずはてめえから力を吸って諦めさせてやるよ、搾取の触手(サキュバス・ハンド)!」
そのままブラキッドはロッドからあんなさんとみくるさんの力を奪った触手を繰り出す。私は懸命にヴィオラで斬っていく。とにかく私にはこれがある限りは抵抗できる⋯とにかく、最後まで抗って攻撃の道を切り開くのみだ。
「私は触手なんかに屈しない⋯ロッドを斬ってあなたを倒します、はああっ!」
私は触手をかき分けてブラキッドへと迫ってあの時のようにロッドを斬りに行く。しかし、彼は余裕そうな表情で攻撃を受け止めるしロッドも斬れない⋯前だったら決まってたはずなのに!
「二度も斬られてたまるかよ!今回はそこら辺の刃物では斬れない⋯知らないで攻撃するとかお前は脳筋か?」
「ぐっ⋯うっ!?」
その時、ブラキッドは至近距離からトランプ銃を撃ってきてはトランプが私の頬を掠める。そこからは血が流れるも私は怯まない!次の攻撃を仕掛けようとした。
「はああっ!」
「があっ!?」
私はトランプ銃を封じてから剣ではなくロッドの動きを躱しながら回し蹴りをブラキッドの顔面に浴びせる。すると、彼は思いの外防ぎようがなく結構吹き飛んだ⋯私の奇襲は完璧である。
「お前、なかなかやるな⋯俺も負けてられねえぜ。」
「私だって剣だけじゃないんですよ?それを分かって頂ければと⋯」
「面白えやつだ⋯こんなに戦うのが楽しい人間はお前が初めてだぜ。さあ、かかって来い!」
そうして、私はブラキッドとの勝負に興じていく。この感覚は何だろうか⋯ブラキッドは私との戦いを心から楽しんでいるし、私も彼と戦って嫌な気分にはならない。そんな戦いを繰り広げるのだった。
side out
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side信義
「きゃあっ!?」
「あんな!」
力を吸われたあんなとみくるは何とかウソノワールと戦っていたものの流石に力が半減している状態では限界なのかあんなは殴り飛ばされてしまう⋯2人とも殴られたり飛ばされたりで既にボロボロの姿だが、こんな状態で戦える方がむしろ凄いように思えてしまう。
「キュアアンサー、まずはお前から終わりだ!」
そうして、ウソノワールはあんなに向けてビームを放とうとする。彼女は何とか気力で立ち上がろうとするも、戦える状態ではないのは明白だ⋯そして、ビームは放たれた。
「ミスティックリフレクション!」
「みくる!」
「あんなは私が守る⋯あの時に約束したんだ、あんなと師匠を元の時代に戻すって。だから、それだけ負けるわけにはいかないの!」
「邪魔をするな!」
「きゃあっ!?」
みくるは残された力を使いミスティックリフレクションであんなを守ろうとするも、流石に力が足りないのかバリアは決壊して攻撃を食らう形に⋯そして、みくるは光のドレス姿から元の髪型、元の服装に戻り変身は解除されてしまった。
「みくる、みくる⋯!」
「あんな、無事で良かった⋯ごめんね、私が力不足で。」
(みくる⋯何故、ここまで無茶をするんだ?本来だったら俺があんなを守らなきゃいけないのに。ウソノワール⋯!)
「マスター⋯気持ちを抑えて。あなたの気持ちは分かるけど、今はダメ。」
「アルカナ⋯」
俺が自分の立場と仲間の苦境を見て、怒りやら悔しさが込み上げてくる中でアルカナは俺の怒りで震えていた手を握る。彼女は具体的には言わなかったが、俺のことを優しく宥めていく。
「ウソノワール、あなたはどうしてマコトジュエルを盗ろうとするの?」
「世界を私の嘘で覆う⋯私の思うがままの世界にする為に。」
「嘘で覆う!?」
「思うがままの世界?」
あんなの問いに対してウソノワールが自分の目標を答えると、あんなとみくるはこれを聞いて絶句する。世界を嘘で覆う⋯俺ですら話で聞いただけでピンとは来てないが、2人は俺以上に意味が分からず困惑している。
「消え去るお前達に特別に私の力、見せてやろう。」
「はい、ダーリン?」
「あーん⋯?」
ウソノワールがそう言って指を鳴らすと、突如としてソフトクリームを食べ合っていたであろうカップルをこの空間へと連れ込んだ。全く関係ない人物を連れて来る力⋯これも力の1つであるが、何をするのだろうか?
「ちょっと、ここはどこ!?助けてダーリン!」
「それに大きな人もいるけど⋯大丈夫だよ、ハニー。僕がついてるから!」
「この空間に引き込んで何をするつもりだ!?」
カップルを空間に引き込んだウソノワールに対してジェット先輩は何をするつもりなのかを激しく問い詰める。それもそうだ⋯このカップル2人は全くの無関係なのだから。
「嘘よ覆え、お前達は嫌い合い罵り合う!」
「「⋯!?」」
ウソノワールが手をかざして命令を唱えると、そのカップルの目が赤く染まる。手からも赤いオーラが出ていて、カップルはそれまで仲良さそうにしていたのだが⋯
「ちょっと離れてよ、暑苦しい!」
「それ僕の台詞だよ!」
「はあ、マジありえないんだけど!?」
「急に喧嘩を⋯」
「どうして?」
「心を操られてるのか!?」
「いいえ、ウソノワールの嘘に覆われたの。」
『ウソノワールの⋯嘘だと!?』
「まあ、こんな感じだ⋯」
「「はっ⋯!?」」
アルカナが困惑する3人に対してウソノワールが何をしたのかを説明する。これにドギーも驚くが、俺も内心驚くばかりだ⋯嘘を本当にする力というのはこういうことなのか。そうして、ウソノワールが手を叩くと2人の目の色は元に戻り喧嘩が終わり元の空間へと戻って行った。
「ウソノワールが言った嘘が本当になるってこと!?」
「今は僅かな時間のみ。だが、マコトジュエルの力があれば私の嘘は永遠に続く⋯私の嘘が真実になる!」
「マコトジュエルは絶対お前なんかに渡さない、世界を嘘になんかに覆わせてたまるか!」
「ポチポチ!」
ウソノワールの野望に対してジェット先輩とポチタンが注文をつける。世界を嘘で覆い全てを支配下に置く⋯この力を彼に使わせてはいけないと俺も思っている。どうすれば良いんだ?
「マコトジュエルの欠片を持った小僧と時空の妖精⋯特に時空の妖精はマコトジュエルの欠片を移動させ、何処の地でマコトジュエルを元に戻しているのだろう。何とも忌々しいやつだ⋯」
「ポチタンがマコトジュエルを⋯!?」
「本当何も知らされてないのなぁ⋯相変わらずロンドンのお仲間は秘密が好きだぜ?」
(俺も知らなかった⋯どうして今までジェット先輩とかは話さなかったんだ?何か知られて不都合なことでもあるのか?)
「アンサーアタック!」
その中であんなは半変身解除状態の中でも渾身のアンサーアタックを放つ。しかし、これはやはりウソノワールにすんなりと受け止められた⋯
「消え行くのみの人間が何の真似を⋯」
「ポチタンも守る、マコトジュエルも守る、あなたが望む嘘と世界になんてさせない!」
「それはどうかな?嘘よ覆え⋯お前は私に跪く!」
「ううっ⋯!?」
すると、ウソノワールはまた嘘を本当にする力を使ってはあんなを支配しようとする。その手としては彼女を跪かせて二度と逆らえないようにするのが狙いだ⋯何と卑怯な真似を!
「「『あんな!?』」」
「やめろ、ウソノワール!」
「マスター、私に逆らうつもりか?そのつもりなのならお前はその次だ⋯覚悟はできてるのか?」
「ぐっ⋯」
俺は思わずあんなを支配しようとしたことに対して従兄の本能で止めようとした。しかし、ここはアルカナが俺の身体を押さえてその上からウソノワールは圧をかける⋯自分まで洗脳されてしまったら元も子もないからな。
「ひれ伏せ、プリキュア⋯お前の行く末は私が決める!」
「あなたの言うことなんか聞かない!」
「全ては私の手の内だ⋯」
「嫌だ、私は自分の足で進むんだ!私の答えは⋯私が出すんだあああああ!!」
「何、だと⋯!?」
すると、あんなは自らの気持ちだけでウソノワールからの洗脳を解く。何という力なのだろうか⋯この気持ちの強さ、やはりただ者とは思えない。
「ダメ、力が⋯」
しかし、あんなはこれで力を使い果たしたのか光のドレス姿から元の服装と髪型に戻り変身が強制的に解除されてしまいその場に座り込んでしまう。
「何だ⋯お前の力はそこまでか。何ともつまらぬ⋯さらばだ、名探偵プリキュア!」
「⋯!?」
「あんな!」
「ぐうっ⋯!」
ウソノワールがあんなにとどめのパンチを食らわせようとしたその時、俺は咄嗟にそのパンチをベガで受け止めた。俺は確かにファントムの人間かもしれないが、従妹が殺されそうになるピンチを見ては流石に本能的に助けないとと思って動いた。
「お兄ちゃん!」
「マスター、何故私の邪魔をする!?」
「従妹を殺すやつは誰だって許さない⋯あんなは、るるかと同じぐらい俺にとっては大事な存在なんだよ。それに勝とうが負けようが俺は何とも思わない⋯でもな、それを殺そうとするやつは誰だろうと俺が始末する!」
「くっ⋯ならば!」
「アルカナスターレイン!」
そうして、ウソノワールは空いた手からみくるに向けてビームを放つもこれはアルカナがアルカナスターレインで中和する。何だかんだで彼女も助けに入るとは⋯
「貴様ら⋯何の真似だ!」
「未来自由の書が示していたわ。まだその時ではないと⋯」
「何だと?」
「ウソノワール様、こちらです⋯」
アルカナがウソノワールの問いに答えると、ニジーが開いていた未来自由の書を彼に見せる。すると、彼はその予言を見ては納得したような感じで書を閉じた。
「なるほど。今はこのまま去れと記してある⋯全ては未来自由の書のままに。プリキュア、近いうちにまた会うことになるだろう⋯」
「どういうこと?」
「それは予言なの?ハッキリ言いなさい!」
「良いだろう⋯」
あんなはその予言についてを訊ね、彼女に駆け寄ったみくるが問い詰める。すると、ウソノワールは去り際に2人の方を向いて何かを話そうとした。
「『1999年7の月、真の地で真実の石を抱く者大王となる。そして、世界は嘘の影で覆われる』と記してあった。私は大王となり、世界を嘘で覆う⋯次に会う時は世界とお前達の終わりとなるだろう。」
「やれやれ⋯」
「私達も帰りましょう?」
「ああ⋯」
「待って、お兄ちゃん⋯アルカナ・シャドウ。」
俺とアルカナもウソノワール達と共に去ろうとしたその時、あんなが俺達のことを呼び止める。その彼女の表情には笑顔があった⋯
「さっきはありがとう、助けてくれて。」
「いや、大したことじゃない。俺はお前が⋯」
「勘違いしないで。ただ、予言が出たから⋯それに私達にはやりたいことがある。邪魔をしないで?」
「待って、お兄ちゃん!私⋯嬉しかったの、私のことも大事だって伝えてくれて。またいつか戻ってきてね?待ってるから。」
「あんな⋯」
「⋯」
そうして、俺はあんなの気持ちを聞いたところでこの場からは消えることに。敵の立場になっても俺のことを待ってくれるあんなの優しさに俺は思わず涙が出てしまい申し訳ない気持ちで胸が苦しくなった⋯ごめんよ、あんな。
side out
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sideすみれ
「はあ、はあ⋯」
それから私はブラキッドとかなりの技の撃ち合いと肉弾戦を繰り広げた。衣装はボロボロ、かすり傷もあちらこちらにできて戦いの激しさを物語る⋯相手の方もかなり息が上がっているようだ。
「ウソノワール様が退却された⋯残念だが、時間切れだ。またバトルしようぜ⋯それじゃあな。」
しかし、ブラキッドは時間切れと言ってはこの場から退却して同時に周りに張られていた空間が消える。その辺りを見てもウソノワールやその仲間に加えておじいちゃんと森亜さんもいなくて壊されていた街並みも元に戻っていた。
「すみれさん!」
「あんなさん、みくるさん⋯」
「薫風さんも戦いが終わったんですね?」
「はい。あなた達も無事で何よりです⋯」
『すみれ、もうそろそろこいつらに話してやれ。あんなはもうジャックから聞いてお前のことを知っている⋯もう潮時だ。』
「ボス⋯分かりました。それでは県警本部の方で⋯」
そうして、私達は県警本部の応接室へと移動することに⋯その道中でこの時代の流行である裁縫戦隊グルミンジャーのぬいぐるみを持ち主の男の子へと返したのだが、本当にあんなさんとみくるさんは2人だけでも事件を解決できるようになって確実な成長が見えている。
「お二人とも、今日はお疲れ様でした。科学者さんとボスも⋯コーヒーと犬用のミルクを入れましたよ。苦かったらお砂糖やミルクで調節してくださいね?」
「「ありがとうございます。」」
「サンキュー。」
『おい、犬用のミルクって俺のなのか?』
「そうですけど?今はそういう姿をしてるんですから諦めてください♪」
『くそったれ⋯』
応接室に着いてから飲み物をみんなに提供する中でボスは犬用のミルクを出されてかなり不機嫌になる。この人は犬扱いされるといつもこんな感じだ⋯でも、人間でいる時は強面だったから秋田犬になってくれたことで少し印象はマイルドになったのではと思っている。
「薫風さん、先ほどからドギーのことを『ボス』と呼んでいるんですけど⋯本当に何者なんですか?県警本部の刑事であることが仮の姿のように思えるのですが。」
「みくる、すみれさんは実はタイムパトロールの人で多分だと思うけどこの1999年の県警本部に派遣されてるとか⋯そうですよね?」
「はい。あんなさんの言う通り、私はジャックを捕まえる為にこの時代の県警本部に派遣されました⋯ですが、私の『薫風』は偽名で本名は織田すみれと申します。」
「「「織田!?」」」
私が本名を名乗ると、あんなさんとみくるさんと科学者さんが声を揃えて驚く。それも仕方ないかもしれない⋯今まで馴染んでた名字が偽名とか言われたら驚くのも仕方ないだろう。
『ああ。こいつの本当の名前は織田すみれ⋯信義の孫娘だ。』
「師匠の⋯」
「ノブお兄ちゃんの⋯」
「「孫!?」」
「はい。私はノブおじいちゃんの孫であんなさんは従祖叔母(じゅうそしゅくぼ)にあたりますね⋯もちろん、今のあんなさんとも会ったことがありますよ?」
「そうなんですか!?未来の私⋯どうなってるんだろうなぁ♪」
「それはそうと⋯すみれさん、あんたはどうして今回のあらゆることを黙ってたんだ?僕達、名探偵プリキュアもジャックを捕まえることは一致している。何故、同じプリキュアなのに一緒に戦おうとしようとしないんだ?」
あんなさんが未来の自分を楽しみにしていると、科学者さんが私に何故協力して戦わないのかを質問してくる。しかし、私の中でその答えは1つしかない⋯
「あなた達を巻き込みたくないからです。」
「巻き込みたくないとはどういうことですか?」
「ご両親や前に話していた妹さんがジャックの手によって命を奪われたから⋯ですよね?」
みくるさんが私のみんなを巻き込みたくないという発言に対して疑問を投げると、あんなさんがそれに続けて両親と妹の命をジャックから奪われたからだと推測して問いかける。どうしてこのことを彼女が知ってるのだろうか?私はそこまで話していないのに⋯
「あんなさんがどうしてそれを?」
「あの時、ジャック本人から聞きました。ジャックはノブお兄ちゃんが体調を崩していた時にお出かけをしていたところでご両親と妹さんの命を奪った。それで、あなたは彼を捕まえる為にタイムパトロールに⋯そうですよね?」
「その通りです。私は家族を殺したジャックを捕まえる⋯いや、そんな生ぬるい言葉では済まされません。やつを始末する為にタイムパトロールに入って、ボスが率いるプリキュア部隊に入隊しました。そこで鍛えた末に私はキュアバイオレットになり⋯ジャックが潜んでいる1999年の県警本部に刑事として派遣されました。」
『すみれは本当にジャックを捕まえる為に死ぬ気で訓練を耐えてプリキュアになったんだ。本当に執念の強いやつだよ⋯』
「そうなんだ⋯でも、私達のことは心配しないでください!むしろ、あなたがいてほしいんです。だから、私達と一緒に戦ってください!」
あんなさんは私に仲間になってほしいとお願いする。1度は断った身ではあるが、私はこの人達を巻き込むわけにはいかないのだ。
「お気持ちは嬉しいのですが、私はあなた達を巻き込めません⋯ただでさえファントムの相手で大変で負担をかけたくないですから。だから、あんなさんからのお願いだとしても⋯申し訳ありません、」
「そうですか⋯」
「ポチポチ!」
「あんな、ポチタンがマコトジュエルを⋯」
「そうだった⋯ごめんね。」
「ポチポチ、キュアキュア〜♪」
あんなさんはみくるさんに言われて、ボチタンにマコトジュエルを与える。ポチタンは今日も今日で喜んでいる様子だ⋯本当によく2人でウソノワールから守り抜けたからプリキュアとしても立派である。
「あんな、ジェット、ドギー、すみれ!」
「喋った⋯というか私達の名前を呼んでる!」
「マコトジュエルの力で成長したってことか!?」
『しかも俺とすみれの名前まで呼ぶとは⋯良かったな、すみれ。』
「はい。これからもよろしくね、ポチタン!」
「ポチ〜♪」
「ちょっと待って?私がまだ呼ばれてないんですけど!?ポチタン、みくる⋯みくるって呼んで?」
「みくる!」
「ぐふっ!?」
私、あんなさん、ボス、ジェットさんの名前は言えたのにみくるさんだけは『みるく』と言ってしまったポチタン⋯喋れるように成長したとはいえまだまだ喋りたてなのだろう。でも、いつかはきちんと呼んでくれるはずだ⋯
「みるく、みるく!」
「だからみるくじゃないってば〜!」
みくるさんはポチタンに対してちゃんと呼んでほしいと思い強く訴える。それにみんなは笑っているのだが、腕時計を見てみるとジャックが起こしたのとは別の殺人事件の捜査会議の時間を迎えていた。
「すみません。盛り上がってるところですけど、私⋯そろそろ捜査会議の時間なのでここら辺で失礼しますね。ノブおじいちゃんとかジャックのことは何とかできるように私も力を尽くしますから⋯別行動だとしても任せてください。それでは⋯」
「待ってください!」
「どうしましたか、あんなさん?」
「あの⋯この年の7月にウソノワールが大王になって世界を嘘で覆うと予言してましたけど、それを何とか止めることはできるんですか?未来から来たのならその為にやるべきこととか知っていますよね?」
私が応接室を去ろうとした時、あんなさんはこの年の7月に起こるであろうウソノワールからの予言についてどうすべきかを訊ねる。そう聞かれても私は未来から人間とはいえ1999年の7月に起こることまでは把握していない⋯
「申し訳ありません。それに関しては私も分からないです⋯ただ、きっと何とかなるでしょう。だから⋯自分の未来は自分で切り開いてください。そうすれば、ノブおじいちゃんも帰ってくるはずですしウソノワールの予言も止めれるはずです⋯」
「すみれさん⋯ありがとうございます!お仕事頑張ってくださいね?」
「はい。」
そうして、私はあんなさんにアドバイスを送り感謝されてから応接室を後にする。きっとみんななら何とかやれるはず⋯私も勇気を貰うことができてまた前に進むことができそうだ。でも、本音を言えば私もあのようにみんなと楽しみたいしみんなと戦いたい⋯1人で戦うのもかなり辛い。私も仲間になるべきなのだろうか?自分の気持ちに素直になるべきなのかな⋯私。
技紹介
マジカルスターレイン
アルカナスターレインの派生技。ブラキッドがシルバーマジカルロッドから繰り出す無数の弾幕技で技の根本的な仕組みはアルカナスターレインとは変わらない。
いかがでしたか?今回は原作と違いが結構多くてかなりアレンジが入りましたから大変でした。それをいかに調整して原作と同じような結末にできるかで一苦労でしたね⋯そもそも光のドレス姿で戦うって相当ヤバいですよ。力に関してはまだ半変身解除状態につき技とかは使えるんですよね⋯それで何とか戦えてはいましたが、最後はウソノワールに屈してしまいました。
バイオレットに関してはブラキッドを足止めする為に戦いましたが、見事に互角に戦ってました。ブラキッド側の強化が入ったとはいえそれでも対抗した彼女はアンサーミスティックより強いのは明確に出たかなと⋯前回の足止めできなかった汚名返上はできたかなと。
その中でマスターとアルカナ・シャドウは立場も立場ながらアンサーミスティックを助けました。アルカナ・シャドウに関しては助けた真意とかそういうのを今思うと相当やばいなと思いますけど、マスターに関しては本心ではありました。あんなちゃんのことも大事に思ってたことを受けてあんなちゃんも嬉しかったと思います⋯マスターというか信義は申し訳ない気持ちになりましたね。そこからすみれの出自が明かされ、マコトジュエルを集めたポチタンも喋れるようになったり⋯物語も前進してます。これからどうなるのか、期待しててください!
次回はオリジナル回となりますが、すみれ視点で話が進んでいきます。どんな話になるのかはどうぞお待ちくださいね?
感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをして次回もお楽しみに!それでは⋯