名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。まず、この度はお盆の間更新が止まって申し訳ありませんでした!前回の前書きにも書きましたが、今年はおばあちゃんが亡くなった後の初盆だった為に実家に帰って来客対応や親戚との時間を過ごしていたので執筆の余裕がありませんでした。もちろん、更新の余裕もなくです⋯心よりお詫び申し上げます。

また、9月12日はおばあちゃんの一周忌がある為にこの日も更新とか執筆が止まります。とにかく大変な時期であることをご理解頂きたかったのですが、それが伝わらなかったのはこちらの責任です⋯心よりお詫び申し上げます。

今日からは色々再開していきますのでこれからもよろしくお願いします!今回は前回の後編ですみれの決断と人事に動きが出てきますのでお楽しみに!

それでは、また後書きにて。


#34 決断と人事異動

sideすみれ

 

「う、うーん⋯もう朝?」

 

 朝の日差しが差し込み、私を目を覚ます。ビジネスホテルの一室にいて目の前には安らかに寝ているノブおじいちゃんがいる⋯どうやら昨日のことは夢ではなかったようだ。

 

(ノブおじいちゃん、まだ起きないんだ⋯寝顔も素敵♪)

 

「んん、何かくっついてて⋯すみれ?」

 

 私がノブおじいちゃんの寝顔をじっと見つめていると、すぐに私がくっついてる気配に気づいて目を覚ました。ノブおじいちゃんは眠たい瞼を擦って私の方を見つめる。

 

「ノブおじいちゃん、おはよう。眠れなかったらくっついちゃった⋯私、小さい時はノブおじいちゃんにくっついて寝ることもあったの。その時を思い出しちゃって⋯」

 

「お前も甘えんぼさんなのか。しょうがないやつだな⋯でも、もうちょっと見た目に見合った行動はした方が良いぞ?前まではできてたんだから。俺がおじいちゃんと知っての本性か?」

 

「うん⋯だけど、私だってたまに甘えたい時はあるんだよ。もう少しくっついて良い?」

 

「その気持ちは嬉しいんだが、そろそろ朝食の時間なんだよな⋯ホテルを予約した際に朝食付きにしたんだよ。すみれが安心して朝ごはんを食べて元気にチェックアウトできるようにと思って⋯」

 

「そうなの?ありがとう!それじゃあ、朝ごはんに行こうね⋯ノブおじいちゃん♪」

 

「お、おう⋯」

 

 そうして、私達はそれぞれ備え付けのパジャマから着替えを済ませてホテルのレストランへと向かう。このビジネスホテルには朝食用であるが、レストランが付いていて色んなメニューが用意されているのだ。ノブおじいちゃんと朝食を食べるのはいつぶりだろうか?かなり楽しみだ。

 

「お前、もう取り終えたのか⋯」

 

「ノブおじいちゃんも取り終えたんだね。それじゃあ、朝ごはんを見せ合いっこしよう♪」

 

 そうして、私が座ってる席の向かい側にノブおじいちゃんも座ってからそれぞれバイキングで取ってきた朝ごはんを見せ合うことに⋯

 

「ノブおじいちゃんはウインナーとベーコンエッグなんだね。白ごはんも大盛り⋯若い時からこういう感じだったの?」

 

「当たり前だろ。俺は部活をやってきた時からスタミナをつける為にめちゃくちゃ食べてたけど、その感じだと今の俺もこんな感じなのか?」

 

「うん。今もたまに帰ってきた時にノブおじいちゃんはお肉とか食べてるんだ⋯私のはどうかな?結構野菜とか多めだけど。」

 

「美容とかには良いと思うな。でも、パワーがちょっと足りないかも⋯肉ももう少し増やしても良いんじゃないか?」

 

「それ、今のノブおじいちゃんからも言われるんだ⋯『すみれはもっと肉を食べろ』って。養成学校にいた時も訓練が激しかったから肉料理が多めに出てたけど⋯ノブおじいちゃんの時代の警察学校もこんな感じだったの?」

 

「まあ、俺はキャリア組だったから警察学校は行ってないけどな⋯でも、同期で警察学校卒業組のやつからは話を聞いたことがあって警察学校も訓練がハードだったから肉とか魚とかタンパク質やら何やらが多い料理とか結構出てたって聞くよ。」

 

「そうなんだ。おじいちゃんの時から変わってなかったんだね⋯」

 

「まあな。とりあえず、俺からまず一言言わせてくれ⋯」

 

「どうしたの?」

 

「まず、こういう人前で俺のことを『おじいちゃん』と呼ぶのはやめてくれるか?他のお客さんがさっきから変な目で見てるから⋯頼む。」

 

「でも、ノブおじいちゃんはノブおじいちゃんだから他に何て呼べば良いのか分からないよ⋯どう呼べば良いの?」

 

「前みたいに『織田さん』で良いだろ。特にこんなところをサルさんとかに見られたくないぞ⋯俺が何かのプレイをさせてるように思ってしまうからさ。」

 

「そうだね。じゃあ、他の人の前では今まで通りにするよ⋯」

 

「それで良いんだ。じゃあ、朝ごはんを食べよっか⋯長話するのもアレだしさ。頂きます⋯」

 

「頂きます。」

 

 そうして、私達は朝ごはんをそれぞれ食べてから歯磨きとかを経てチェックアウトまで済ませる。本当にノブおじいちゃんとの朝ごはんの時間は楽しくて何よりも料理が美味しかったし、若い頃ではあるけど一緒にいれたことが何よりも息抜きになった。

 

「ありがとう、ノブおじいちゃん⋯私の為にここまでしてくれて。」

 

「気にすんな。とりあえず、すみれが元気になって良かったよ⋯もう無理をしたらダメだからな?」

 

 チェックアウトを済ませてホテルの外に出た後、私はノブおじいちゃんに今回のお礼を言う。それを受けて彼は無理をしたらダメだとアドバイスを送った。無理をしたらダメなのは分かってはいる⋯私にも本当に休める日が来るのだろうか?

 

「うん。それで、最後に一つだけノブおじいちゃんに訊きたいことがあるんだ⋯」

 

「何だ?」

 

「私、やっぱり名探偵プリキュアの仲間になった方が良いのかな?あんなさんからは来てほしいと言われてるけど、やっぱり私は誰かが犠牲になるのを見たくないから⋯どうすれば良いの?」

 

「なるほど、それがお前の本心か⋯だが、すみれはあんなとみくるを軽視しすぎだ。あいつらはそう簡単にやられるほど弱くないよ⋯」

 

「でも、あの2人はプリキュアとしての経験値が足りてない。このままではジャックに勝てるはずが⋯」

 

「プリキュアとしての経験値は足りないのは事実だ。しかし、あの2人は諦めが悪くてね。どれだけ戦況が悪かろうとも諦めはしない⋯そして、追い込まれれば追い込まれるほど2人のコンビネーションは上がっていって最後には戦況逆転ってわけだ。長く一緒に戦ってきたから分かるんだよ⋯だから、賭けてみないか?あんなとみくるの勇気と未来に。」

 

「ノブおじいちゃん⋯」

 

 ノブおじいちゃんはあんなさんとみくるさんを信頼して良いか悩む私の背中を押す。この人が見てきて育ててきた人達だし、その師匠である彼が太鼓判を押すのだから⋯ここは信じるしかないだろう。

 

「そうだね。ノブおじいちゃんがずっと見守ってきた2人だもん⋯私、2人と一緒に戦う!私は警察で立場は違うかもしれないけど、探偵と警察が力を合わせたらきっとどんな事件もはなまる解決だよね♪」

 

「いや、それはあんなの台詞だな⋯俺も大概だが人の台詞は奪わない方が良いぞ?」

 

「ごめんなさい⋯それと、昨日は本当に私のことを助けてくれてありがとう。ノブおじいちゃんに助けられなかったら私、あの時に死んでたと思うから⋯」

 

「気にすんなよ。次に会う時は敵同士かもしれないけど、俺はすみれのことを応援してるからな⋯前から見てて思ってたけど、お前は俺の最高の孫だ!」

 

「ノブおじいちゃん⋯次会った時は容赦しないからね?私、負けないから!」

 

「ああ⋯」

 

 そうして、ノブおじいちゃんは私としばらく話をしこの場から去る。ありのまま私でやっとノブおじいちゃんと話せた⋯そのことがとても嬉しくて胸が弾みそうである。そんな彼を見送ってから私は県警本部に戻るのだった。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideあんな

 

「皆さん、お忙しい中集まってくださりありがとうございます。あんな⋯」

 

 この日に新しく開店した喫茶店の中でのこと⋯私とあんなは来店特典のキーホルダーをなくしたから探してほしいという若い女性の依頼を受けて調査を行い、その中で犯人と思われる容疑者が3人に絞られ、みくるはその3人を集めた。

 

「うん。今回のキーホルダーの事件に関しては集まってもらった3人の中に犯人がいます⋯この人達があなたと店内で話をした人達ですよね?」

 

「はい⋯」

 

 私は依頼人の女性に容疑者がこれで合っているのかを確かめる。今回集めたのは30代ぐらいの男性の店員さん、目がよく見えないと言ってはメニューを訊ねてきた70代ぐらいの隣の席に座ってたおじいさん、そしてもう1人はないとは思うかもしれないながらも迷子になってお母さんを探していた5歳ぐらいの女の子でそのお母さんも一緒である。

 

「まず、店員さんはこの人とどんなやり取りをしてその後何をしましたか?」

 

「私はあなた達の依頼人のお客さんの注文を聞いて、来店特典に貰っていたキーホルダーを手にして見るだけ見ました。それからはコーヒーとケーキをお持ちしただけですよ?」

 

「そうですか⋯おじいさんは何をしてたんですか?」

 

「ワシは目が悪いからそこのお嬢ちゃんに何があるのかメニューを読んでもらったんだ⋯ただ、ちょっと立ち上がろうとした時にふらついてちょっと支えてもらったりはしたな。」

 

「はい、おじいさん⋯ちょっと目が悪いから机に当たって転びそうになってて。私が支えました。」

 

「そうですか。それで⋯あなたはこのお姉さんと何をしてたのかな?」

 

「迷子になってママを探してもらったの。」

 

「そう⋯その時にキーホルダーとか触らなかった?」

 

「ううん、何も触らなかったよ。」

 

「探偵さん⋯もしかして、ウチの娘を疑ったりしてるんですか?」

 

「いえ、そのつもりは⋯」

 

 女の子のお母さんは私に対して怒りを帯びたような声で疑っているのかと迫る。犯人扱いしているつもりはこっちとしてはなく、探偵の仕事としての一環として訊いているだけなのに⋯本当にノブお兄ちゃんがいない中での探偵活動は本当に大変だ。

 

「そこのお母さん⋯時計がズレていやしないのかい?今の時間は昼の2時なのに1時50分になっているよ?」

 

「あっ、すみません⋯ありがとうございます。」

 

 そんな時、おじいさんが女の子のお母さんに腕時計の時間がズレていると指摘してそれを受けて女の子のお母さんが直していく。しかし、そのおじいさんは視力が悪かったはず⋯そうか!

 

「「見えた、これが答えだ!」」

 

「皆さん、今回の事件の犯人が分かりました!」

 

「分かったんですか!?」

 

「ええ、あんな⋯」

 

「うん!」

 

「「犯人はあなたです!」」

 

 私とみくるは今回の事件の犯人を依頼人の女性に指し示す。その犯人とは⋯女性にメニューを読ませた目があまり見えないと言ってたおじいさんだ。

 

「ちょっと待て⋯ワシがいつ盗んだと言うんだ?これだから探偵ごっこの小娘は信用ならんのじゃ!」

 

「いいえ。私達は真面目に探偵をしています。」

 

「ほほう、ならば君達の推理を聞かせてもらおうじゃないか。」

 

「おじいさんは目があまり見えないからメニューを読んでほしいとこの人に頼んだ⋯でも、さっきあなたは女の子のお母さんの時計を見て正しい時間を伝えました。」

 

「目が見えないのなら時計も見えないはずなのにどうして今が2時だと分かったんですか?」

 

「いや⋯ああ、何となくその時間だと思ってたんじゃよ。それだけで疑うのか?」

 

「それだけじゃありません。あなたのその右のズボンのポケットの膨らみ⋯それが熊の形をしている。」

 

「来店特典のキーホルダーは白熊。つまり、これが犯人があなたであるということの証拠です!」

 

「お客様、失礼いたします。」

 

「あっ、こら!」

 

「これは⋯!?」

 

 店員さんがおじいさんのズボンのポケットの中に手を入れて中を調べると、そこには来店特典である白熊のキーホルダーが2個も入っていた。1個は自分のものだとして、2個目は間違いなく依頼人の女性のものだ。

 

「それ、私のです!どうしてあなたが⋯」

 

「ふふふ、バレちゃったら仕方ないね⋯ご名答だよ、ベイビー達!」

 

「「ニジー!」」

 

 キーホルダーを盗んだことが発覚して開き直ったおじいさんが衣類を投げ捨てると、そこにいたのはニジーでおじいさんに変装していたのだった。そうなると、このキーホルダーにはマコトジュエルが宿っているということだろう⋯

 

「とりあえず、これは返してもらうよ。」

 

「あっ、ちょっと!」

 

「逃がさない!行くよ、みくる!」

 

「ええ。とりあえず、あなたはここで待っていてください⋯」

 

「は、はい⋯」

 

 そうして私達は店の外に出てからまたニジーを追いかける。しかし、その中で私には迷いがあった⋯すみれさんをこんな時に呼んで良いのかと。彼女は今頃警察のお仕事で忙しいはずだ⋯どうすれば?

 

「すみれ、すみれ!」

 

 ニジーを追いかける中でポチタンが『すみれ』と言い出してからすみれさんを呼ぶ。私が迷う中でポチタンがすみれさんを求めてるのだろうか?

 

「ポチタン⋯もしかしてすみれさんを呼べってこと?」

 

「でも、どうやって呼び出すの?」

 

「私、昨日すみれさんにプリキット一式を渡したんだ⋯それでボイスメモで連絡すれば繋がるかも。」

 

「分かった。とりあえず、あんな⋯呼んでみて?」

 

「うん!オープン、プリキットボイスメモ!」

 

 ポチタンとみくるに言われて私はボイスメモを起動してからすみれさんに呼びかける。この呼びかけは果たして届くのだろうか?仲間として信じてるのならきっと来てくれるはず!

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideすみれ

 

「いやぁ⋯すまないね。君が過労で倒れたと織田さんから聞いた時は心配したけど、本当に無事で良かったよ。とりあえず、そんな中で俺のところに来てくれてありがとう。」

 

 県警本部に戻ると、私は諸葛管理官を通して八重樫係長に呼び出され、彼のいる係長室へと足を踏み入れる。彼は一体何を話すのだろうか?

 

「それでご用件は何でしょうか?管理官からはどういう話なのかとか聞いておりませんが⋯」

 

「実は昨日、君の上司であるドギーさんから配属先の変更の申し出があってね。要は人事異動ってところだ⋯」

 

「ボスから⋯もしかして、私が何か不手際を?まさか、昨日のことでなにかご迷惑をおかけしたのでしょうか?」

 

「いや、すみれさん⋯君は悪くないよ。昨日の件に関しては俺達が無理をかけすぎてしまったものだから本来はこっちが謝らなくちゃいけないことだ。本当に申し訳ない⋯俺も含めて警察の上層部は昭和の人間なものだから今の時代にそぐわない働かせ方をさせてしまった。すみれさんは謝らなくて良いからね?」

 

「分かりました。それで私はどこへ向かえばよろしいのでしょうか?そうなると、私は警察の人間ではなくなるんですよね?」

 

「まあ、そうなるな⋯異動先に関してはこの紙に書いてある。後でゆっくり見てから今持ってる荷物を持って行きなさい。必要なものは宅配業者を手配して異動先に送ってるからね⋯新天地でも頑張りなさい。」

 

「ありがとうございます。短い間でしたがお世話になりました!」

 

 そうして、私は係長に一礼してから部屋を出る。ひとまずここで異動先を確かめてから警察手帳やバッチを人事の方に返却することにしよう⋯警察の立場でジャックを逮捕したかったところではあるが、人事異動はボスの意向だから逆らうことはできない。そんな時、何かの着信音が鳴って音源を確かめると⋯昨日、あんなさんから貰っていたボイスメモで私はそれを起動して声を聞くことにした。

 

『すみれさんですか!?』

 

「あんなさん、どうしました?」

 

『ファントムが現れてマコトジュエルを盗んだんです。今、行けますか?』

 

「はい。ちょうど私、警察を辞めることになったので⋯今から行けます!」

 

『警察を辞めた!?どういうことですか?』

 

「詳しい話は後でします。どこへ向かってるか場所を教えてください!」

 

『今、まことみらいに新しくできた喫茶店を出て北の方に向かってます。目印とかはその時に伝えますね?』

 

「分かりました、お願いします!」

 

 そうして私はあんなさんの情報を頼りに随時向かってる場所の目印を教えられつつその場所へと向かうことに⋯とりあえず、返却すべきものは全て事務方に渡してから向かった。どうか無事でいてほしいところだ⋯

 

「あんなさん、みくるさん!」

 

 それから走ること数分、私はあんなさんとみくるさんがいる公園へとたどり着いた。その公園は例によって県警本部近くの公園である⋯その2人の目の前には緑髪にシルクハットを被った怪盗らしき男がいた。

 

「すみれさん!」

 

「薫風さん⋯もしかして、覚悟を決めたんですか?」

 

「はい、私も戦います⋯名探偵プリキュアとして!あんなさんとみくるさんの可能性、信じますね。」

 

「ふんっ⋯マスターがこっちに来たかと思ったら新しい仲間かい?確か、君はキュアバイオレットと聞いてるけど⋯一匹狼だった中でどういう風の吹き回しかな?」

 

「気が変わったんですよ⋯あなた、そのマコトジュエルの宿るキーホルダーを素直に返してください。」

 

「悪いがそれはできない相談だ。これは僕が目の悪い老人のふりまでして手に入れたものだからね⋯とりあえず、ここは噂の君のお手並みでも拝見しようかな?嘘よ覆え、出でよハンニンダー!」

 

「ハンニンダー!」

 

 すると、怪盗は白熊のハンニンダーを生成する。確か、今日開店した喫茶店の来店特典は白熊のキーホルダーだとは聞いていたが、まさか本当に白熊になるとは⋯

 

「みくる、すみれさん!」

 

「ええ!」

 

「名探偵プリキュアの出番ですね!」

 

「「「オープン!」」」

 

「「ジュエルキュアウォッチ!」」

 

「ジュエルキュアライセンスフォン!」

 

「「「プリキュア・ウェイクアップタイム!」」」

 

(変身中⋯)

 

「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」

 

「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」

 

「気高く咲き誇る答えへの道標、名刑事キュアバイオレット!」

 

「「「名探偵プリキュア!」」」

 

「私の答え、華やかにお見せしましょう!」

 

 そうして私達はプリキュアに変身してハンニンダーを迎え撃つ。こうやって3人で変身して名乗るのは初めてであるが、初めてのような感じが妙にしない。やはり、プリキュアというのは自然に仲間になるものなのだろう。

 

「そっちが華やかに決めるなら僕達もより華やかに決めないとね、ハンニンダー!」

 

「ハンニンダー!」

 

「アンサー、ミスティック⋯私に続いてください!」

 

「「はい!」」

 

 そうして、私達は白熊のハンニンダーに襲いかかる。とにかく、仲間になったからには私が先頭に立ってアンサーとミスティックを守りつつ戦わないといけない⋯私はかなり先の未来から来た関係でこの2人よりも後輩だから。

 

「ハンニン、ダー!」

 

 白熊のハンニンダーは拳を振るってパンチを仕掛ける。しかし、これを私は自分のケイボードであるヴィオラで両手を使って受け止めた。

 

「アンサー、ミスティック…今です!」

 

「ありがとうございます。行くよ、ミスティック!」

 

「うん!」

 

 アンサーとミスティックは私が攻撃を受け止めた隙を突いて攻撃を仕掛ける。本当にこの2人は私とも息を合わせるのが上手いものだ⋯

 

「「はあああああ!」」

 

「ダー!?」

 

そのまま2人は息を合わせてハンニンダーに飛び蹴りを浴びせる。ハンニンダーは私の方に集中していたこともあってかアンサーとミスティックの存在が死角になっていた⋯それを引き出せたのは大きい。

 

「何!?立つんだ、ハンニンダー!キュアバイオレットが加わったところで何も恐れることはない!」

 

「ハンニンダー!」

 

 ハンニンダーは立ち上がるや否やビームを放ってくる。近距離攻撃で無理なら長距離攻撃という算段だろう⋯しかし、ファントムが繰り出すハンニンダーはジャックが生み出したネオハンニンダーよりも至って思考はシンプルである。

 

「ミスティック、ミスティックリフレクションを!」

 

「はい、ミスティックリフレクション!」

 

 ミスティックは私の指示を聞いてミスティックリフレクションでビームを防ぐ。そのままビームは跳ね返って白熊のハンニンダーに命中⋯ハンニンダーが怯んだところで私も仕掛ける。

 

「バイオレットフラワリング!」

 

「ハン!?」

 

 私はそこからバイオレットフラワリングですみれの花びらの弾幕をハンニンダーに浴びせる。これで完全に動きが止まり、これで大きな隙ができた。

 

「アンサー!」

 

「はい、アンサーアタック!」

 

 そのままの勢いでアンサーと入れ替わり、彼女がアンサーアタックを決めると白熊のハンニンダーは吹き飛んでから倒れる。あの時から本当に連携がピッタリだったけど、アンサーが加わっても連携のラインは崩れていなかった。

 

「何をしてるんだ、ハンニンダー!早く立つんだ!!」

 

「ハンニンダー⋯」

 

「まだ立ち上がるの!?」

 

「バイオレットの指示は的確だったのに⋯」

 

「アンサー、ミスティック⋯あの技で決めましょう!」

 

「あの技⋯でも、大丈夫なんですか?」

 

「そうですよ。師匠の代わりになれるかどうか⋯」

 

「とにかく、やるしかありません!ポチタン⋯お願い。」

 

「ポチ〜!」

 

「「「オープン、プリキットミラールーペ!ポチタン!」」」

 

「ポチ〜!」

 

「「「マコトジュエル!」」」

 

 そうして、私達はプリキットミラールーペを起動してからポチタンから出されたマコトジュエルをセットしてから決め技を放とうとする。マスターじゃなくてもどうやら私でも決めれるようだ。

 

「見て⋯」 

 

「感じて⋯」

 

「謎を解く!」

 

「「「これが私達のアンサーだ!プリキュア・フライングスペクトル!」」」

 

 私達が呪文を唱えるとフライングスペクトルが放たれてそれが白熊のハンニンダーに命中する。相手に関しては無抵抗で技をそのまま受けてしまった。

 

「「「キュアっと解決!」」」

 

「ハン、ニン、ダー⋯!」

 

「ポチポチ、キュアキュア〜♪」

 

 白熊のハンニンダーが消滅すると、白いマコトジュエルが現れてはそれを私がポチタンの首元にセットした。すると、ポチタンは今回も喜んでマコトジュエルを吸収していく⋯これでまたポチタンは成長するのだった。

 

「面白いものを見せてもらったよ。次はもっと華麗に勝ってみせるからね⋯ベイビー達!」

 

 緑髪の怪盗の男はそう言ってから現場を後にする。それと同時に壊された街並みが元に戻り、領域も解除された⋯こうしてアンサーとミスティックで協力して戦うと何となくだが、ジャックにも勝てそうな気がした。

 

「バイオレット⋯本当に助けに来てくれてありがとうございます!」

 

「こうして戦うってことは私達と一緒に戦ってくれるんですよね?」

 

「えっと⋯そうするつもりですけど、これから新しい配属先に向かわないといけないので。一旦失礼しますね?また落ち着いたらまた向かいます。それでは⋯」

 

「「あっ⋯」」

 

 そうして、私達は2人の前から去って新しい配属先へと向かうことに。本当だったらこの後もアンサーとミスティックと一緒にゆっくり話したかったが、私にも仕事があるのだ⋯新しい配属先の先輩とかに挨拶をしないといけないし、とりあえず全てが落ち着いたらまたあんなさんとみくるさんに会いに行くとしよう。

 

「住所からしてここね⋯」

 

 それから私は手荷物を持って新しい異動先にたどり着く。この近くには引越し業者のトラックが止まっていて私の荷物が次々と運ばれていく⋯どうやら2階建ての立派な建物で何らかの事務所に思える。

 

(ここって⋯嘘、キュアット探偵事務所!?どうして?)

 

「よう、カオル!」

 

 これから事務所の敷地内に入ろうとしたタイミングで猿田さんが声をかける。異動によってもう警察の人間ではなくなったのにも関わらずここまで見送りに来てくれるなんて⋯本当に良い先輩だ。

 

「猿田さん、もしかして私をここまで見送りに来たんですか?」

 

「ああ。短い間だったがお前と一緒に働けて楽しかったぜ?これからはこのキュアット探偵事務所に派遣されるだろうが、新天地でも頑張れよな?探偵になっても刑事のいろはは忘れるんじゃねえぞ?」

 

「はい⋯わずか1ヶ月でしたがお世話になりました!」

 

「おうっ、またな⋯カオル。」

 

 そうして、私が猿田さんに頭を下げて感謝すると彼はこの場を後にしながら手を振る。本当にこの人というか周りにいる県警本部の人達は優しかった⋯この短い間でも面倒を見てくださったことに感謝しなくてはいけない。

 

「お邪魔します。」

 

「「ようこそ、キュアット探偵事務所へ!」」

 

 私が事務所へ足を踏み入れると、クラッカーを鳴らしてからあんなさんとみくるさんが歓迎する。その中では科学者のジェットさんとボスも待っていた。

 

『突然呼び出して申し訳ない。実はこの人事をちょうど一昨日、県警本部の方に掛け合って決めてもらってな⋯』

 

「とりあえず、これを受け取ってくれ。」

 

 ボスが今回のことで謝罪をした後にジェットさんが私に1冊の本と1本のペンを渡す。これから何をすれば良いのだろうか?何も聞かされていないからこっちは困惑するばかりだ⋯

 

「これは?」

 

「プリキットブックです。」

 

「薫風さんにはこの事務所の探偵であるという証をこれから刻んで頂きます。」

 

『織田すみれ⋯本日付けをもって〇〇県警本部捜査一課4係の職を解き、キュアット探偵事務所への異動を命ずる。タイムパトロール日本支部支部長ドギー・ケント。』

 

「とりあえず、1ページ開いて隣のページのハート模様をペンでなぞってくれ。」

 

「分かりました⋯」

 

 そうして、私はジェットさんに言われて1ページ開いてから隣のページに刻まれてあるハートの模様をペンでなぞる。すると、1ページ目に私の名前と私の顔写真が浮かび上がった⋯これが探偵の証、今日から私はこの事務所の探偵としてあんなさんとみくるさんと一緒に頑張ることとなった。

 

「あんなさん、みくるさん、ボス、そしてジェットさん⋯これからもよろしくお願いいたします!」

 

「ああ。よろしく⋯それと、僕のことは『ジェット先輩』とできれば呼んでほしい。」

 

「あの⋯私もあなたのことを『すみれさん』と呼んで良いですか?」

 

「ええ⋯構いませんよ。これからもよろしくお願いしますね?」

 

「「はい!」」

 

 これで私は無事にキュアット探偵事務所の探偵となり、一員の皆さんと握手を交わした。これで私も探偵としてみんなと一緒の時間を過ごせる⋯もちろん、プリキュアとしても。この2人と一緒にみんなの笑顔を守れる探偵になりたいと心から思うのだった。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

「ただいま、るるか⋯」

 

「おかえり。昨日からずっと帰ってこなかったけど何をしてたの?」

 

 俺がアジトに戻ってきて部屋に戻ると、るるかは俺を睨みつけて静かながらも怒りの形相を見せる。表情が何よりも怒りに満ち溢れていて変に口答えをすると余計にまずい事態になってしまう⋯ここは素直でいつつ言葉を選んで乗り切るしかない。

 

「ちょっと散歩してたらすみれが倒れてるのを見かけて助けたんだけど、それからビジネスホテルで一夜を過ごしてた。」

 

「『すみれ』⋯もしかして、浮気?」

 

「マシュタン、違うって!すみれは俺の孫だ⋯あの時、ジャックが言ってただろ?」

 

「薫風さんのことね。それで、信義は何も変なことは本当にしてない?」

 

「まあ、話をして夜ごはんを食べてから寝たぐらいかな⋯後はサービスの朝ごはんを一緒に食べたぐらいだ。別にやましいことはしてないよ⋯」

 

「それなら良かった。孫だとしてもあの人は異性だから気をつけて?もしも、次に変なことをしてたらその時は許さないから⋯覚悟しなさい?」

 

「分かりました⋯」

 

「本当にるるかは信義のことが好きで仕方ないのね?可愛いんだから♪」

 

「照れるからやめて⋯とにかく、昨日からずっと寂しかったんだから⋯お願い。」

 

「分かったよ⋯大好きだ、るるか。」

 

「ありがとう、私も大好き♪」

 

 そうして、俺とるるかは唇を重ねてキスを交わしてからお互いに抱きしめ合って身体をくっつける。とにかく、るるかは昨日から寂しい気持ちだったんだな⋯いつもよりもホールディングが強く感じる。そんなこんなで今夜はるるかの甘えに応えるのだった⋯本当に可愛い俺の自慢の彼女である。




いかがでしたか?ついにすみれはキュアット探偵事務所と名探偵プリキュアの一員になりましたが、信義の背中のワンプッシュでしたね。そして、人事異動を告げられてからあんなちゃんとみくるちゃんがいるニジーが逃げた先に合流⋯そして、一緒に変身して戦ってマスターの欠けた策略家ポジションを見事に継ぎました。すみれはこうして仲間となって信義の穴を埋める活躍を見せるという⋯今後が楽しみですね!

一方で信義はるるかちゃんから浮気を疑われるもここは難を逃れました⋯冷や汗ですね。孫相手とて気をつけないとです⋯

次回はアニメ本編に戻り14話分をお届けします!金田れいさんとポチタンの関わりが描かれますが、それと同時に届いたロンドンからの手紙も運命の鍵を握ります⋯果たして?

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをして次回もお楽しみに!

また、前書きと後書きはたまに重大なお知らせがあるので絶対スルーしないでください。お願いします!
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