本編に関しては今回からアニメ本編に戻り14話分に入ります。ポチタンが深く関わるお話ですが、ここではどうなるのか⋯どうぞお楽しみに!
それでは、また後書きにて。か
sideあんな
「チュンチュンポチ〜!」
学校へと向かう道中、ポチタンは鳴いているスズメを指さして『チュンチュン』と反応する。私達の名前を言えるようになった時からポチタンは急激なスピードで喋れるようになっていて物凄い成長だ⋯まだ単語ごとしか話せないけど、着実に成長を遂げている。きっといつかは私を1999年に送った理由や私達を名探偵プリキュアに選んだ理由を話せる時が来るかもしれない⋯
「そうだね〜。」
「チュンチュンだね〜♪」
「ブーブーポチ!」
「ポチタン、お喋り上手!」
「いっぱい言葉を覚えて凄い!」
「しゅごい♪」
今度は黒塗りのセダンを見ては『ブーブー』と指さして反応し、さらに私とみくるが褒めると『しゅごい』と自画自賛する。本当にこの成長をノブお兄ちゃんに見てほしかったと思ってしまう⋯でも、この成長を見てると私もみくるも自然と笑顔になるものだ。
「えへへ⋯ポチタンが可愛すぎてニコニコが止まらない♪」
「そうだね。1999年7の月、私は大王となり世界を嘘で覆う⋯ウソノワールにそう言われてどこか不安になったけど、ポチタン見てると元気になるね♪」
「7月まで時間あるし、それまで対策を練ろう!」
「そうだね。ポチタンに負けないように私達も頑張ろう!」
「お〜っ!」
「ポチ〜♪」
そうして私達は7月の予言に向けての対策を練る決意を固めるのだった。大王になって世界が嘘で覆われることは怖いかもしれないけど、今から何かをすればきっとその予言は撤回されるはず⋯とにかく、前を向いて頑張らないとね!
「ポチ?」
「せ、生徒会長!?」
すると、ポチタンの声に反応したのか緑髪で眼鏡をかけたこの学校の女子生徒が私達を睨む。みくるは彼女を見て『生徒会長』と反応した。この人が生徒会長かは私はよく知らなかった中で前からたまに見かけてたけど、前から怖そうな表情をしてたから苦手だったんだよね。
「この人が生徒会長さん?」
「3年生の金田れいさんだよ⋯」
「塞いでます。」
「「えっ!?」」
「みんなの通行を妨げてます。」
生徒会長の金田さんは私達に対して通行を妨げていると指摘する。それで後ろを振り返ると、私達の後ろで生徒の流れが止まっていた。思わずポチタンのことで動揺していて、気づいてなかったとは⋯
「気づかなくって⋯」
「すみません!」
「ません!」
「あっ!?あはは⋯」
「それ、許可は取ってますか?」
私とみくるが金田さんに謝ると、それをポチタンが真似をした。これに気づいたのかどうかは分からないけど、彼女はポチタンを持ってくるにあたって許可を貰ったかどうかを確かめる。
「えっ、許可?」
「鞄は学校指定のものだけ、許可のないものを持ってくるのは違反です。」
「そうなんですか?」
「それが学校の決まりです。」
そう言われて私とみくるは何も言い返せなくなってしまう。今回は大目に見てくれたのだが、次はないと釘を刺された⋯本当にあの人は怖いというか厳しい人である。私の時代の中学校だったらポチタンのようなポーチは鞄に付けても問題はないのだが⋯時代が違うからなのだろうか?それとも、まことみらい学園の校則が厳しいのか⋯
「明智さんも捕まってしまったか、鬼の生徒会長の金田れい先輩に⋯」
「渡辺くん、あの人のこと知ってるの?」
「もちろん。金田先輩はこの学園の理事長の孫娘で頼りになるしバックにある権力も権力だから逆らえやしねえもんだ⋯」
「へぇ、凄い人なんだね?」
「そういえば、喜人はもう何回も生徒会長から怒られてるんだよね?おまけに憲司もセットで⋯確か前にポ〇モンを持ってきたりしてたよね?」
「まあな⋯どうしても151匹集めたいと思い憲司も一緒に持ってきて会長にバレなきゃ良いと思ってたんだが、昼休みにやってたら金田先輩にバレて没収されちまったよ。まあ、放課後に返してもらってそれ以降は持ってきてないがな⋯なあ、憲司?」
「僕に振らないでよ!言い出しっぺは喜人なんだから⋯ゆみちゃんも明智さんの前で余計なことを言わないで!」
「ああ、ごめんごめんw」
ゆみは渡辺くんと泉くんに前にポケモンのゲームを校内に持ってきたことを話して、これに渡辺くんは振り返って反省するも泉くんは怒ってしまいゆみが謝る。渡辺くんがヤンチャしそうなのは解釈一致ではあるが、まさか泉くんも⋯少し驚きを伴っている。
「でも、生徒会長⋯凄すぎて近寄り難いんだよね。校則や決まり事に凄く厳しいし。」
「そうそう⋯私なんか生徒会長を見たらすぐ逃げちゃう。」
「私も。何か注意されそうで⋯」
「俺もあれ以来トラウマだな⋯あの人の前では何もできねえ。」
「だから常に真面目にした方が良いって僕は言ったんだよ。明智さん、僕は真面目だよね?」
「うん、泉くんはとても真面目だと思うよ?ねっ、みくる?」
「そうだね。成績は優秀だし、このクラスの学級委員長もやってるし⋯」
「明智さん、小林さん⋯ありがとう。やっぱり真面目な男が良いよね?」
「調子に乗んなっての⋯俺と一緒にポ〇モン持ってきた癖に。」
「だから、あれは喜人が151匹コンプリートしようって話をしたから持ってきただけで⋯普段はこんなことないからね?」
「憲司も随分と必死なんだから⋯」
泉くんは渡辺くんやゆみやりえの前で必死に誤魔化そうとする。本当に彼は前から私の前で強く頼りになるところをアピールをしているけど、やっぱり私を意識しているのだろう⋯ただ、私が未来人ということを泉くんを含めて周りは知らない。隠すのも限界が来た時は話さないといけないのだろうか?
「今日は知らなかったからって注意で済んだけど⋯」
「うん、決まりは守らなきゃね。」
私とみくるは隠しているポチタンの方に目をやる。今回は注意で済んだもののこの感じだともうポチタンを学校に持って行くことはできない。でも、ポチタンがいないと学校にファントムが現れた時にどうすれば良いのか⋯そこが悩ましい問題だ。
(翌日⋯)
「それじゃあ、すみれさん⋯学校に行ってきます!」
「行ってらっしゃい⋯ポチタンは私とジェット先輩で面倒を見ますから安心してくださいね?」
「よろしくお願いします⋯」
次の日、私達はとうとう決断して学校の間はポチタンをすみれさんとジェット先輩(とドギー)に面倒を見てもらうことにした。ポチタンだけお留守番にするのは気が引けるけど、次に破ったら生徒会長から没収されて二度と戻ってこない可能性もあるし。
「ポチタン、お留守番しててね?」
「ポチ⋯」
私が頭を撫でてポチタンにお留守番するように言うと、悲しい顔をして私の方を見つめる。今まではずっと一緒だったのに突然離れ離れになるのは辛いことだろう⋯私もみくるとこの前経験したばかりだから気持ちはよく分かる。
「そんな顔しないで!」
「私達も寂しい!」
「あらあら⋯」
「お前達、さっさと行かないと遅刻するぞ?」
ポチタンを抱き締めて別れを惜しんでいると、ジェット先輩がやって来ては早く行くようにと進言する。もちろん、彼にはドギーも一緒だ⋯
『ポチタンはすみれとジェットと俺で何とかするから⋯心配しないでくれ。』
「そういうことなので⋯私達にお任せください!お二人は学校頑張ってくださいね?」
「分かりました、行ってきます。」
「すみれさん達と仲良くね?」
そうして、私達はすみれさん達の意思を受け入れて学校へと向かった。残ってポチタンの面倒を見てくれる人はみんな頼りになる人だからきっと大丈夫⋯寂しい気持ちもあるけど、そう言い聞かせるのだった。
side out
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sideすみれ
「『1999年7の月⋯真の地で真実の石を抱く者、大王となる。』、どういうことなんだ?」
あんなさんとみくるさんが学校にいる頃⋯ポチタンの面倒を見ている私、ジェット先輩、ボスは様子を見ながらもこの前にウソノワールから予言されていたことについてを調べていた。真の地の大王⋯あの時の意味は果たして何なのだろうか?
「なんだ?」
「ポチタンはまだ読んでも分からないんじゃないかな?それにしても、ボス⋯私達が見ていた1999年の大王の予言の内容が事あるごとに細かく変わってる気がしますけど、これは歴史が変わった影響でしょうか?」
『少なくともその影響があるのは確かだ。しかし、歴史を変えている原因がファントムなのかジャックなのかはたまた2027年から来たあんなと信義なのか⋯それは俺でも分からない。』
「とりあえず、誰が歴史を変えた原因にしても大王は止めないといけない。プリキュアだけの力じゃダメだ⋯僕も力にならないと!」
その中でジェット先輩は誰よりも気合を入れて予言に関する資料を念入りに調べる。彼は普段は無愛想な感じで振る舞っているが、誰よりも名探偵プリキュアの力になろうと一生懸命なのだ⋯そんなところを見ているとプリキュア側の私も負けてはいられない。
「ヤギメール!」
(白ヤギの郵便員さん!?)
すると、郵便局員の制服を着た白ヤギが荷物を持って事務所を訪れる。それにしても⋯この時代にも変わった郵便局員がいたなんて驚いた。私の住む時代はロボットが郵便物を運んでくるのだが、このときでは当たり前の認識で何とも思っていない⋯ただ、ヤギは流石に考えられなかった。
「メール♪」
「ヤギメールさん、こんにちは!」
「こんにちは、ロンドンからお手紙です。」
「ありがとう。」
白ヤギの郵便局員⋯ヤギメールさんはジェット先輩に封筒を手渡す。送り先はロンドンからということは国際郵便ということになる。何者か気になるものだ⋯
「それでは、ヤギメール。」
「ジェット先輩、誰からのお手紙なんですか?」
「ああ、ロンドンのキュアット探偵事務所にアルカナ・シャドウというかるるかについての詳細を問い合せたんだ。」
「森亜さんについて⋯ですか。彼女がアルカナ・シャドウでノブおじいちゃんの恋人だというのは分かるのにそれ以外は謎が多いですよね?」
「とりあえず、あんなとみくるが帰ってきたら⋯「すみませーん!Pretty Holicやってますか?」」
「はーい、今行きまーす!」
手紙の話をしていると、Pretty Holicの方にお客さんが来てジェット先輩はその封筒を置いてからお店の方へと向かった。本当にジェット先輩は研究をしたり、事務所やPretty Holicの経営をしたりで忙しいものだ⋯私としてもどれかは手伝いたいところである。
「ポチ?」
「ポチタン、どうしたの?」
「あんな、みくる⋯渡す!」
「えっ?」
「ポチ〜♪」
ポチタンがあんなさんとみくるさんに手紙を渡すと言い出すと、その手紙の封筒を取り込んでは開いてる窓から外へと出ていく。外に出たら大変なことになるのに⋯止めないと!
『すみれ、ポチタンを追え!あのまま外で動いてるところを見かけられたら大変なことになるぞ!?事務所には俺が残る⋯頼んだぞ?』
「はい!」
そうして、私はポチタンが飛んだ方向を確認してから扉を経て正規ルートでポチタンを追っていく。ポチタンからしたらあんなさんとみくるさんに手紙を届ける大冒険かもしれないけど、私からしたら絶対失敗できないミッションである。とりあえず、ポチタンが無事に手紙をあんなさんとみくるさんに届けられば良いのだけれど⋯何も騒ぎを起こさずに。
side out
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side信義
「ホーホー。」
アジトの中に入ってきた1羽のフクロウがニジーに1枚の巻かれた紙を落として渡す。俺達の周りの方で何か動きがあったものと思われるが、そのまま彼はその紙を開いては立ち上がった。
「ウソノワール様、知らせです。ロンドンからキュアット探偵事務所に秘密の手紙が送られたとのことです!」
「秘密⋯どういう内容かニジーは知ってるのか?」
「そんなの僕には分からないよ。でも、君の周りの誰かの秘密をあの事務所は調査してたかもしれないね⋯重要なことが書いているに違いない。」
(俺の周りの秘密?だとしたら、るるかの秘密⋯なのか?)
俺はニジーに言われたことを受けてるるかの方を見つめる。キュアット探偵事務所がるるかの素性についてを調べにかかってるのだろう⋯あの事務所のやつらのことだ、すぐにでも動いていたのかもしれない。
「その手紙、私が手に入れて参りましょう⋯」
「いえ、この私めにお任せください。」
ニジーが手紙の回収の任務を請け負おうとしたその時、ブラキッドが横槍を入れる。彼もまた任務を成功させて立場を上げたい人間⋯ただ、ニジーも前回というかこの前失敗していて名誉挽回をしたいところで譲れない。
「ブラキッド⋯悪いけど、君にこの任務は任せられないよ。そこまでしてウソノワール様から認められたいのかい?」
「俺の方こそ、落ちこぼれのあんたに任務を託されるのが納得いかねえな⋯ウソノワール様、手紙の回収程度なら私にとっては容易です。ニジーはこの前失敗したとなると私を選ぶのは賢明かと思われますよ?」
「ふむ⋯行け、ブラキッド。ライライサー!」
「ライライサー!」
「⋯」
そうして、手紙の回収の任務は横槍を入れたブラキッドが懸命の説得により請け負うことに⋯仕事を奪われたニジーは悔しそうに苦虫を噛み潰したような表情をして立ち尽くした。
「手紙⋯」
「るるか、もしかしてお前のことが書かれてあるのか?」
「ええ、占いにもそう出てるわ⋯るるかにとっては知られたくない秘密の書かれたものだと。」
るるかも手紙と聞いて危機感を覚えていると、マシュタンが既に何かを占っておりその結果はやはり彼女に関する手紙であるということだ⋯しかし、知られたくない秘密とは一体何なのだろうか?
「やっぱり、あの子達が読む前に手に入れないと!」
「そうは言うけど、知られたくない秘密って何だよ?例えばスリーサイズとか体重とか好きな食べ物とか⋯」
「別にそれは⋯体重とかスリーサイズを他の人に知られるのは恥ずかしいけど、別に信義になら。」
「るるかも信義もふざけないの!良いから行くわよ?」
「ああ⋯行くぞ、るるか。」
「うん。」
そうして、俺達もブラキッドの後を追って手紙の回収へと向かうことに⋯しかし、体重とかスリーサイズを知られるのではと不安になって恥ずかしがるるるかは本当に可愛い。俺の住む現代だったら間違いなくスマホを取り出してるるかのことを撮影してSNSに載せてただろう⋯
side out
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sideすみれ
「ポチターン、どこなの?」
「ポチ〜、すみれ!」
私がポチタンが飛んだ方向を辿って探し回っていると、そのポチタンが私を見つけてから勢いよく飛び込んでくる。本当に甘えんぼさんでまだ触れ合いが少ない私にもかなり懐いていた⋯本当に可愛くてあんなさんとみくるさんが骨抜きになるのも納得だ。
「それじゃあ、この手紙をあんなさんとみくるさんに届けようね⋯ポチタン。」
「ポチ!チュンチュンポチ〜♪」
これから手紙を届けようとしたその時、ポチタンは例のごとくスズメを見かけてはそれに飛び込む。本当に好奇心旺盛なのは赤ちゃんたる所以なのだろう⋯しかし、スズメはポチタンから逃げてしまった。
「ポチ⋯」
「チュンチュンは怖がりさんだから仕方ないよ。ほら、一緒に行こう?」
「ポチ!」
そうして、私とポチタンは改めてあんなさんとみくるさんに今回の調査結果が記されてある手紙を届けるべく改めて学校へと向かうことに⋯森亜さんの素性が明らかになった時、あんなさんとみくるさんはどんな反応をするんだろうか?1番はジェット先輩とボスとも共有するのが1番だが、これを1番知りたがってたのはあの2人だったことだし。
「ポチ〜?」
「あら、バラの花が咲いてる⋯綺麗だし良い香りだね。」
向かう道中でまたポチタンが止まると、そこにはバラの花が辺りに咲いている花畑が広がっていた。そんなバラを見ていると、私の中で封印していた宝塚への憧れが戻ってくるような感じだ⋯
「(バラか⋯私も順調に宝塚の男役役者になってたら今頃はベル〇イユのばらでオ〇カルを演じてたのかな?ちょっと、やってみよう⋯)自由であるべきは心のみにあらず! 人間はその指一本、髪の毛一本にいたるまで、すべて神の下に平等であり自由であるべきなのだ!」
「ポチ〜!すみれ、しゅごい♪」
「ありがとう、ポチタン⋯ちょっと照れるけどね。」
私がオ〇カルを演じてみると、ポチタンがその演技を見てか拍手をして凄いと褒める。ちょっと照れるかもしれないが、これでも私は宝塚を目指してた時はこの作品を何度も読んだし、宝塚歌劇団のこの演目も何度も観て研究してきた。その成果をまさかここで発揮するなんて⋯客はポチタンだけでも役者を目指していた自分に自信を持てるような気がした。
「アンアン!」
「ポチ?」
「おや、ワンちゃんだね⋯こんにちは。」
「こんにちは♪」
「アンアン!」
「ポチィ〜!?」
「ぬいぐるみさんが喋った!?」
「あっ、驚かせてごめんね?待って、ポチタン!」
ポチタンは犬に吠えられて驚き、それを見た飼い主の女の子は同じぐらい驚く。とりあえず私は一言謝ってからポチタンを追うことに⋯動くポチタンを見られたらこんなことになるとは想定していたが、実際に起こってしまうとかなり大変なのが身を染みて理解した。こんな感じであんなさんとみくるさんやノブおじいちゃんはポチタンと行動してたんだ⋯
「あっ、ポチタン⋯いた。探したよ?」
「ポチ、すみれ⋯」
「怖かったね、よしよし。もう怖くないよ?そういえば、今日は土曜日だから学校は午前中まで。とりあえず、どこかゆっくりできる場所は⋯」
私がどこかゆっくりできる場所を探そうとした時、プリキットボイスメモの着信音が鳴る。それを受けて私はそれをズボンのポケットから出してから起動した。
『すみれ、聞こえるか?ポチタンは見つかったのか?』
「ジェット先輩⋯今、ポチタンと一緒にいます。」
『ポチタンと一緒か。とりあえず、僕も今外で探してるところだけどどこにいるんだ?』
「よく分からないですけど、確かこの近くに図書館があった記憶があります⋯私もこの時代に派遣されて間もないので。」
『分かった、そこにあんなとみくるを向かわせる。とりあえず、お前とポチタンはそこで待っててくれるか?僕はまた事務所に戻って接客をしながら待ってるから⋯よろしく!』
「分かりました。2人にもその場所、伝えておいてくださいね?」
『もちろんだ。また後で⋯』
そうして、ジェット先輩は交信を切った。ひとまず私とポチタンは今いる場所から近いところにある図書館へと向かうことに⋯あんなさんとみくるさんはジェット先輩から居場所を伝えられることになるだろう。
「ここが図書館か。初めて来たかも⋯」
それから移動すること10分、私とポチタンは近くにある図書館の前へとたどり着く。とりあえず、来るまでの間はこの中で本を読んだりして待つことにしよう⋯
「ポチ⋯」
「大丈夫だよポチタン。あんなさんとみくるさんはきっと来るから⋯中に入ってから待ってようね?」
「ポチ!」
「迷子になってしまったマルちゃんはとても心細くて泣きたくなりました。」
私達が図書館の裏を通りかかると、開いていた窓の向こうから絵本を読み聞かせる声がした。その読み聞かせをしていたのは緑髪で眼鏡をかけてあんなさんとみくるさんと同じまことみらい学園の制服を着た女の子である⋯そんな彼女の語り声はどこが心地が良くて思わず聞き入ってしまった。
「『寂しいよ、怖いよ⋯誰かお家へ、ママのところに連れて行ってよ!』、大きな声で泣いてしまおうかと思った時に1羽の小鳥が飛んできて言いました。『チュンチュン、一緒に遊ぼう?』、マルちゃんは嬉しくなって言いました。『良いよ、遊ぼう♪』⋯」
(この子、キャラに合わせて声色を使い分けていて抑揚のある演技が上手い⋯きっと声優とか向いてそうね。)
私も思わず演技経験者として読み聞かせをしている彼女の演技に聞き入ってしまう。それだけの演技力がこの子にはあるのだろう⋯目の前で聞いている2人も目を光らせていた。
「『あっ、お家だ⋯ママ、ただいま!』、『マルちゃん、おかえりなさい。シチューがあるわよ?』、お家に帰ったマルちゃんは出会った友達のことを嬉しそうに話しました⋯おしまい。」
そして、絵本が終わると2人の聞いていた子は凄く喜んでいた。本当に彼女の読み聞かせは上手いというか途中から聞いてても引き込まれて素晴らしい⋯こういう子こそ宝塚とか色んな劇団を目指すべきではなかろうか?
「面白かった?」
「うん♪」
「面白かった!」
「2人とも、帰るわよ?」
「あっ、ママだ!」
「バイバーイ!」
2人の子供はお母さんと合流してこの場を後にする。どうやら兄妹のようで絵本を読んでいた子も手を振って見送る。そんな彼女だが絵本を戻そうと立ち上がった時に私達と目線が合う。
「こんにちは⋯どうされましたか?」
「あっ、ついあなたの読み聞かせを聞き入ってしまいまして⋯」
「ポチ?」
「あっ!?」
「えっ、あっ⋯ぬいぐるみが、喋ったああああ!?」
そんな時にポチタンが喋って動き出し、絵本を読み聞かせていた彼女は大きく驚いた。それもそうだろう⋯非現実的なことが目の前で起きたのだから。とりあえず、この騒動をどう収拾つかせようか⋯ポチタンの存在がバレた以上誤魔化しようもないのだが。
side out
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おまけ『戦艦るるかと演技力』
side信義
時を戻して昨夜のこと、俺とるるかは寝る前に自分の部屋での時間を過ごしていてちょうどるるかがお風呂を上がって戻ってきたところ、俺はある1冊の本を読んでいた。
「お風呂上がったわ⋯何を読んでるの?」
「おかえり、るるか。今日、図書館で借りた本を読んでるんだよ⋯戦艦図鑑。第二次世界大戦とかまでに大日本帝国の戦争を支えてきた戦艦の写真とかデータとかが載ってるんだ。」
「信義が戦艦好きだなんて初耳。どれが好きなの?」
「強いて言うなら俺は金剛型戦艦の金剛、比叡、榛名、霧島辺りかな?お前も見てみろよ。」
そうして、俺は風呂上がりのるるかに金剛型戦艦のページを見せる。それを見ていた彼女は何かと目を光らせて見ていた⋯そして、何かを閃いたかのような表情になって俺を見つめる。
「ねえ、もしもこの戦艦が人間になったらどんな感じのキャラになると思う?」
「ええっ⋯いや、よく考えたことないな。るるかはどんな感じだと思うんだ?」
「金剛から順にするとこんな感じね⋯金剛部隊1番艦、英国で生まれた帰国子女!金剛デース!!」
(何か既視感を感じるな⋯俺の学生時代がフラッシュバックされる。)
「同じく2番艦、恋も戦いも負けません!比叡です!!」
(恋も戦いも負けない⋯あの比叡は今のるるかそのものだな。)
「同じく3番艦、榛名全力で参ります♪」
(うおっ、るるかの榛名可愛すぎる⋯てか声似てるなおい!)
「同じく4番艦、艦隊の頭脳⋯霧島!」
そうして、るるかは俺が好きな軍艦の擬人化イメージを俺の前で披露する。しかし、これには既視感があった⋯キャラがもう完全に艦〇れであるからだ。学生時代は軍艦マニアの父さんのオススメでやってたものだが、金剛四姉妹の榛名がクソ可愛かったからハマってたのだが⋯まさかるるかと声がそっくりだとは気づけなかったし、るるかもその榛名の演技が上手かった。この時代に艦〇れはないはずなのに想像力豊かだな⋯
「何か見た感じみんな女の子ね⋯ありえないでしょ?」
「いや、それが俺の時代ではありえるんだよ。軍艦が擬人化して人間の女の子になるやつ⋯」
「何となくだけどその艦隊をコレクションするみたいな感じかしら?」
「マシュタン、その匂わせはアウトだからやめとけ⋯」
「ごめんなさい。」
「こんな感じだけどどうかしら⋯私のあなたの好きな軍艦が人間になったイメージは?」
「まあ、既視感はあったけどとても可愛かったよ。流石はるるかだな⋯俺の自慢の彼女だ!」
「ありがとう⋯そう言われると少し照れる。でも、可愛いって言ってくれたのは嬉しい♪」
「それなら良かった。るるかって本当に演技力が高いよな⋯変装してる時もボロがあんまり出ないし、ニジーとかアゲセーヌよりも上手いなら女優になったらどうなんだ?」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、私はきっと役者は向いてないと思う⋯私は他の役者のように人を喜ばせることができないから。探偵としても真実を突きつけて人を悲しませ、今はマコトジュエルを奪って人を悲しませてるこの私が舞台に立つ資格はないわ。」
「そんなことないって。お前は現に俺に楽しい時間を提供してくれてるじゃないか⋯みんなじゃなくても誰かを喜ばせてるなら人を喜ばせる資格はあるんじゃないかと俺は思うんだ。」
「確かにそうだけど⋯でも、私がその世界に行ったらあなたはきっとそこで輝く家入しるくに目が行くはず。あなたの初恋相手と言ってたし⋯」
「確かにしるくさんが俺の初恋相手なのは認めるよ。でも、今の俺はるるかが大事なんだ⋯お前を守りたいし、お前と楽しい時間を過ごしたい!だから心配すんなよ?」
「本当に?信義のこと、信じて良いの?」
「当たり前だろ。俺は絶対にるるかのことは裏切らない⋯だから、これからもずっと俺のそばにいてくれ。俺達は一生パートナーだからな?」
「信義⋯ありがとう。私、これからもずっとあなたのそばにいたい⋯これからもよろしくね。」
「ああ。今日は歯磨きしたらもう寝ようか⋯俺もお前に甘えたい気分だから。行こうか⋯」
「うん♪」
俺とるるかはそれぞれ愛を伝え合い、歯磨きとかをしてから眠りにつくのだった。もちろん、一緒にくっついて寝たのは言うまでもない⋯本当にるるかも俺もお互い甘えんぼだ。しかし、るるかの演技力はやっぱ凄いものだからこれでどれだけの人達を騙せるのかは注目である⋯それでいてこの日の彼女は可愛かった。
いかがでしたか?ちなみに、最後のおまけのアレに関してはるるかちゃんの中の人ネタですが⋯まあ厳密に言えば東山さんは他のキャラもあの作品で演じてますね。ここまで楽しんでいただけたでしょうか?
次回は後半部分です。感想、お気に入り登録、高評価をしてまた次回もお楽しみに!