名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。今回はこの作品についてのお知らせとお願いから入るのですが⋯今後の本作品の投稿ペースに関して、今日追加したタグにもあるように基本週1投稿ペースにすることにしました。

その理由に関しては最近、一部の読者の方からの催促が目に余るようになったからです。投稿からあんまり経ってないのに『続きまだですか?』と感想に書いていた非ログインユーザーがいたことを皮切りにこのような人達がぽつぽつ出てきたのが気になるようになりました。それもあり、投稿ペースを明確化すると共に今後はこのような催促するようなことを感想に書いた場合は即でブロックさせて頂きます。ハーメルンの感想の規約でも禁止されてますからね?

とりあえず、運が良かったら週に2回投稿される可能性もありますけど基本は週1であることをご理解ください。よろしくお願いいたします。

前書きが少し長くなりましたが、今回は15話分の後半戦です。それでは、また後書きにて⋯


#38 森亜るるかの真実

sideすみれ

 

「ポチ〜!」

 

 取水塔からしばらくポチタンに引っ張られていたあんなさんだったが、突然とポチタンがブレーキをかけて止まり私達も止まる。湖からそんなに離れてないところだが、こんなすぐにマコトジュエルが現れたのだろうか?

 

「もう着いたの!?」

 

「湖から結構近くだったな⋯」

 

『一体、誰がマコトジュエルを持ってるんだ?』

 

「マコトジュエル、ないない。」

 

「あの時の!」

 

 すると、ポチタンは目の前にいる何かを探してる人を見て『マコトジュエル、ないない』と言い出す。この人がマコトジュエルを宿してる何かを持っているのだろう⋯その人を見たあんなさんは知ってるような反応を示す。

 

「あんなさん、知り合いなんですか?」

 

「この人、私達の最初の事件の時にいた人なんです。話しかけてきますね?宇都見さん!」

 

 そうして、あんなさんは『宇都見』というカメラマンと思われる男性に声をかける。それに私とみくるさんとジェット先輩とボスも続く⋯

 

「ええっ!?」

 

「まりさんの結婚式の時に会った明智あんなです!」

 

「小林みくるです!」

 

「はじめまして⋯この度、キュアット探偵事務所に配属された織田すみれと申します。」

 

「キュアット探偵事務所⋯ああ、君達か。そういえば、男の人の探偵がいないんだけど、どうしたのかな?」

 

「ノブお兄ちゃん⋯いえ、主任探偵の織田信義はしばらく出張でして。すみれさんが今、代わりをしています。」

 

「そういうことなんだね。」

 

「ところで、宇都見さん⋯ですよね?何かお探しでしょうか?」

 

「うん⋯カメラがないんだ。カメラバッグの上に置いてちょっと目を離した隙に消えたんだよ。父親から譲り受けた大切なものなのに⋯」

 

 私が宇都見さんに何を探しているのかを訊ねると、彼はカメラをなくしていてそれを探していると答えた。この当時のカメラは大きいものだからズボンのポケットとかに気軽に入れれるものではなく管理も大変⋯本当にこの当時は不便なものだ。

 

「きっとファントムの仕業ね⋯」

 

「ええっ!?」

 

「私達に任せてください!」

 

「何かお気づきになったこととかはありますか?」

 

「うーん。あっ、そういえば⋯あっちに慌てて走って行く人が!」

 

 そうして、宇都見さんが反対側を指差してはその方向へ走った人を見たと証言する。しかし、この道は私達が通った道で誰ともすれ違わなかったのだが⋯

 

「あっちって⋯私達が来た道!?」

 

「すみれさん、誰とも会いませんでしたよね?」

 

「ええ、誰かと会ってたとしたら私達はそこで足を止めてたはずなんですけど。」

 

 あんなさんが宇都見さんの証言に疑問を抱き、みくるさんは私に誰とも会わなかったを訊ねる。私の認識かもしれないながらあんなさん達を除いて通った道の周りには誰もいなくて宇都見さんが笑ってコ〇えてのダーツの旅で言う第1村人みたいな感じのような気もするが⋯

 

「と、とにかく警察に直接行ってくる。ここ携帯の電波が届かなくて⋯あれ?」

 

 すると、宇都見さんはカメラがないというか盗られているはずなのにカメラバッグを押し込む動きをする。中は空のはずなのにどうして⋯そういうことね、なるほど。

 

「逃げ足の早い連中だ⋯めちゃくちゃ早く事件現場に着いたのに。」

 

「皆さん、犯人はまだ逃げてませんよ?」

 

「「えっ?」」

 

「すみれ、どういうことだ?ここにいるのは僕達と宇都見ってカメラマンだけだろ⋯」

 

「そうだよ。僕達の中の誰かが犯人だと言いたいのかい?」

 

「ええ、犯人は宇都見さん⋯あなた自身なんですから。」

 

 私は犯人がこの中にいるのかを訊ねる宇都見さんが犯人だと答えた。これに関してはあんなさんやみくるさんにジェット先輩も驚きを伴っているのだが、私にとってはいとも簡単な手口なのが目に見えた。

 

「はあ!?」

 

「すみれさん、どういうことですか?」

 

「宇都見さんはここにいてカメラを探してたんですよ?」

 

「2人の言う通りだよ、証拠があって言ってるんだろうね?」

 

「ありますよ。あなたはさっきバッグを押し込む動きをしていた⋯カメラの入れ方とかが分からないのでは?」

 

「そ、そんなことは⋯」

 

「あなたは手っ取り早くカメラを盗もうとしていましたけど、私達が早く来てしまってそれで盗まれたふりをして逃れようとしていた。だから、カメラはあのバッグの中にあるはずです⋯そうですよね、宇都見さん。いや、怪盗団ファントムの誰かさん?」

 

 私がこの事件のトリックを突きつけると、宇都見さんに変装したファントムの誰かはもう言い逃れができないのか絶句した表情を浮かべる。そして、観念したのかため息をついた⋯

 

「はぁ、チョベリバァ⋯」

 

 そして、宇都見さんと思われる人が衣服を脱ぎ捨てるとそこにいたのはあのドレスを盗んだ犯人であるギャルの女性怪盗だった。

 

「チョー早く来るからマジ最悪!」

 

「あなたは⋯ドレス泥棒!」

 

「げっ、あんたはキュアバイオレット⋯ってか、アゲの名前ぐらい覚えろし!あたしはアゲセーヌ、よく覚えときな?」

 

『お前、宇都見さんがいない隙に彼のカメラを!?』

 

「その通り。あんた達がもう来てしまうなんて予想外だったからビックリ⋯でも、カメラはこっちのもの。あんた達が負けるところを撮影するっしょ!嘘よ覆え、チョベリグにしちゃって〜?ハンニンダー♪」

 

「ハンニンダー!」

 

 そうして、アゲセーヌは宇都見さんから盗んだカメラからハンニンダーを生成する。カメラから生み出したということは恐らくフラッシュを駆使した攻撃をしてくるだろう⋯

 

「あんなさん、みくるさん!」

 

「「はい!」」

 

「「「オープン!」」」

 

「「ジュエルキュアウォッチ!」」

 

「ジュエルキュアライセンスフォン!」

 

「「「プリキュア・ウェイクアップタイム!」」」

 

(変身中⋯)

 

「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」

 

「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」

 

「気高く咲き誇る答えへの道標、名刑事キュアバイオレット!」

 

「「「名探偵プリキュア!」」」

 

「私の答え、華やかにお見せしましょう!」

 

「行くよ、ハンニンダー!はい、チーズ♪」

 

「「「うわあっ!?」」」

 

 変身を終えて向かおうとした時、アゲセーヌの指示でカメラのハンニンダーがフラッシュ攻撃を仕掛けてくる。やはりこう来るとは思っていたけど、本当に昔のカメラはいちいちフラッシュが光るから撮影するには本当に迷惑だ。本当にノブおじいちゃんの時代辺りから出たフラッシュがなくても撮影できるカメラが出てきたり、スマホカメラで統一するようになって良かったと思う。

 

「フラッシュか⋯」

 

「ポチ!」

 

『お前達、相手の動きに気をつけろ!』

 

「ハンニンダー!」

 

「「「ぐうっ!?」」」

 

 ボスの声は聞こえたもののあまりの光の強さに動きが取れず目を開けた時にはハンニンダーからのパンチ攻撃を許していた。私達は受け止めることができずに後ろに飛ばされる。

 

「あんた達が負ける写真、後で焼き増ししてあげるっしょ!」

 

「フラッシュが来るぞ!」

 

「ハンニン、ダー!」

 

「誰かフラッシュを⋯!」

 

「ここは私が⋯ミスティックリフレクション!」

 

「ハ、ハン⋯!?」

 

 誰かがフラッシュを止めなきゃいけない場面でミスティックが前に出てミスティックリフレクションでフラッシュを受け止め、相手のハンニンダーに撃ち返す。これには眩しさのあまり目を被ってしまい隙ができた。

 

「アンサーアタック!」

 

「ハンニンダー!?」

 

 そのままの流れで今度はアンサーがハンニンダーをアンサーアタックで吹き飛ばしていく。今回のハンニンダーは意外と呆気ないのだろうか?脅威が全然ないような気がした。アゲセーヌはそのまま飛ばされたハンニンダーを追いかけていく⋯

 

「ミスティック、アンサー、ナイスです!」

 

「ありがとうございます!」

 

「このままフライングスペクトルを決めよう!」

 

「そうはさせないわ⋯」

 

「るるかさん!?」

 

「⋯と師匠!」

 

「それと、マシュタン⋯いや、アルカナ・シャドウ?」

 

 アンサーが決め技であるフライングスペクトルを決めようとした時、森亜さんとノブおじいちゃんがやって来る⋯それに、アルカナ・シャドウの服を着たマシュタンも一緒にいた。

 

「どう、似合ってるかしら?信義が作ってくれたの♪」

 

「俺がマシュタンにアルカナ・シャドウの服を作ってやったんだ⋯可愛いだろ?」

 

「マシュタン、信義⋯そんな話をしてる場合じゃない。」

 

「そうだったな。とにかく、湖でお前らは何か見つけたのか?」

 

「「「⋯」」」

 

「答えなくても顔に書いてある。信義⋯」

 

「ああ!」

 

「「オープン!」」

 

「ジュエルキュアライセンスフォン!」

 

「ティアアルカナロッド。」 

 

「プリキュア・ウェイクアップタイム!」

 

(変身中⋯)

 

「百鬼夜行を斬り敵を撲滅、名刑事キュアマスター!」

 

「神秘と秘密で包み込む、キュアアルカナ・シャドウ!」

 

「「シルバーシャドウプリキュア!」」

 

「俺の答え、見せてやる!」

 

 そうして、森亜さんとノブおじいちゃんもプリキュアへと変身していく。2人は私達が湖で森亜さんに関する手がかりを手にしたことを知っているようだ⋯恐らく容赦はしないはずである。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideあんな

 

「何を見つけたの?」

 

 変身してすぐにるるかさん⋯アルカナ・シャドウは私に対して何を見つけたのかを訊いてきて、私を素通りしてからそのままミスティックとバイオレットに回し蹴り攻撃を仕掛ける。

 

「はああっ!」

 

 立て続けにお兄ちゃんがベガを持って攻撃を仕掛けてくるもここはバイオレットがヴィオラで受け止める。私とミスティックの前に立ち、守ってくれた。

 

「マスターは私が止めます!アンサーとミスティックはアルカナ・シャドウを⋯!」

 

「バイオレット!」

 

「ミスティック⋯!」

 

「アンサー、そうだね⋯行こう!」

 

 そうして、私とミスティックはバイオレットの言う通りにアルカナ・シャドウと向き合うことに。本当にこうやって常に剣を持っているバイオレットは頼りになる存在だ。お兄ちゃんと唯一相手できるのがとにかく憧れてしまう⋯

 

「それで、結局あなた達は何を見つけたの?」

 

「分からない⋯でも、あなたのことがきっと分かる何か⋯!」

 

「やああっ!」

 

「たああっ!」

 

 そこからミスティックと私はパンチを仕掛けるもそれはあっさりアルカナ・シャドウにそれぞれ受け止められる。簡単に勝てるとは思ってないけど、何かしないとアルカナ・シャドウからは何も知ることはできない。

 

「アルカナ・シャドウ、マスター、頑張れ〜!」

 

「ポチ〜!ミスティック、頑張れ!!」

 

 そんな私達の戦いの中でマシュタンはアルカナ・シャドウとお兄ちゃんに声援を送って、対するポチタンはミスティックの衣装を着てからミスティックに声援を送る。私も負けていられないかも!

 

「よそ見をしてる場合?」

 

「きゃあっ!?」

 

 私が思わずポチタンの方を見ていると、アルカナ・シャドウが襲いかかってきてパンチを受けて飛ばされてしまう。アルカナ・シャドウはやはりこういう隙を逃さないし、少しでも目を離すと攻撃されてしまう。

 

「アンサー!」

 

「⋯」

 

「ミスティックリフレクション!」

 

 そのままアルカナ・シャドウはミスティックに対してロッドから弾幕を放っていきミスティックもミスティックリフレクションで応戦する。とりあえず、このバリアならきっと弾き返せるはず!

 

「ぐっ⋯!」

 

 しかし、ハンニンダーが相手で攻撃を簡単に弾き返していたミスティックが苦しんでいる。それだけアルカナ・シャドウの力が強いのかもしれない⋯

 

「ミスティック〜!」

 

「アルカナ・シャドウ!」

 

「きゃあっ!」

 

 ポチタンの応援とマシュタンの応援が交わった末、アルカナ・シャドウがそのまま押し切ってバリアが破壊されミスティックは弾幕を受ける形に⋯アルカナ・シャドウ、どれだけ強いのか?

 

「随分と呆気ないわ⋯これで信義を取り返すとかよく言えたものね。」

 

(どうすればアルカナ・シャドウに勝てるの?何をしても押し切られてしまう⋯このまま終わるなんて。)

 

「はあっ、たあっ!」

 

 私が諦めて絶望しかけた時、背後を振り返るとそこには剣と剣でぶつかり合うバイオレットとお兄ちゃんの姿があった。バイオレットはお兄ちゃんに負けじとヴィオラを振るい抵抗しているし何よりも強いお兄ちゃんと互角に戦えている。

 

「やるな、バイオレット⋯弟子達よりも筋があって戦い甲斐がある!」

 

「私もあなたには負けられない、孫だとしても譲りたくない思いがあるから!」

 

(バイオレットはこんなにも頑張ってるのに私が先に倒れるなんて⋯そんなのはダメ、絶対に負けない!)

 

「まだ立ち上がるのね?だったら、これで仕留める⋯アルカナスターレイン!」

 

 アルカナ・シャドウはアルカナスターレインを撃ってきた。しかし、私はそれを避けて彼女に迫ってからロッドを握って動きを止めていく。私だってノブお兄ちゃんを取り返したいし、何よりもるるかさんに寄り添いたいのだ。

 

「何のつもり?」

 

「力になりたいの!」

 

「?」

 

「写真のるるかさん、笑ってた⋯何があったのか分からないけど、力になりたい!それが探偵でしょ?」

 

「いいえ、探偵は依頼があって動くもの。私、あなたには依頼してないけど?」

 

「!?」

 

 しかし、アルカナ・シャドウは私の気持ちに反して探偵は依頼されて動き、自分は頼んでないと言っては私を振り払おうとする。探偵としての気持ちの違いなのか⋯それともノブお兄ちゃんだけを信頼しているのか。

 

「「アンサー!」」

 

「アンサー、大丈夫?」

 

「うん⋯」

 

「言っておくがアルカナ・シャドウはウソノワールの嘘に覆われた訳じゃないぞ?彼女は自分の意思でファントムにいる⋯」

 

 すると、さっきまでバイオレットと戦っていたお兄ちゃんが私達の前へとやって来る。自分の意思でファントムにいるということはあの時の私のようにウソノワールに支配されたということではないということだ⋯

 

「だったら、あなたはどうしてファントムに⋯何が目的なんですか?」

 

「バイオレット⋯」

 

「無事だったんですね。」

 

「ええ、何とかマスターを凌ぐことはできました。ご心配をおかけして申し訳ありません⋯」

 

「それをあなた達に教える筋合いはない。これは私が決めたこと⋯キュアアンサー、あなたと同じ。自分の一歩は自分で決める!」

 

「ハンニンダー!」

 

 すると、私の攻撃で飛んでいたカメラのハンニンダーが戻ってくる。アルカナ・シャドウの方の答えも知りたい⋯でも、ハンニンダーの方も相手をしないと。

 

「とりあえず、アルカナ・シャドウのことは後回しにしましょう!」

 

「そうですね⋯今はマコトジュエルを取り返さないと!」

 

「うん!」

 

 そうして、私達はハンニンダーの攻撃を避けてから3つの方向に分かれてから攻撃を仕掛けていくことに⋯バイオレットとミスティックに言われ、私も動いてから挟み撃ちを狙った。

 

「「「はああっ!」」」

 

「ハンニンダー、アゲてくし!」

 

「ハンニン、ダー⋯」

 

「今です!」

 

「「はい!」」

 

「「「オープン、プリキットミラールーペ!ポチタン!」」」

 

「ポチ〜!」

 

「「「マコトジュエル!」」」

 

 そうして、私達はハンニンダーが倒れかけてるタイミングで決め技であるフライングスペクトルを決めようとする。バイオレットが加わった今だから撃てる技だ。

 

「見て⋯」 

 

「感じて⋯」 

 

「謎を解く!」

 

「「「これが私達のアンサーだ!プリキュア・フライングスペクトル!」」」

 

 そのまま呪文を唱えると鳥のような光線が飛び出し、それがカメラのハンニンダーに命中する。これが私達のフライングスペクトル⋯ノブお兄ちゃんがいなくたって私達はやれるんだ!

 

「「「キュアっと解決!」」」

 

「ハン、ニン、ダー⋯!」

 

「ポチポチ、キュアキュア〜♪」

 

 ハンニンダーが浄化した後、緑のマコトジュエルが現れてそれをポチタンに与える。ポチタンは喜んでマコトジュエルを受け取り、また着実に成長するのだった⋯

 

「アゲが使ってたイケてるカメラなら勝てたのに、チョベリバ!」

 

 アゲセーヌはいつものようにチョベリバと言ってから立ち去る。本当に私の住む時代では言う人がいないから本当にこの時代の雰囲気を感じてしまうけど、ジェット先輩が言うには1999年でも言う人はあまりいなかったとか⋯でも、これが平成レトロというものなのかもしれない。そして、私達はアルカナ・シャドウと向き合う⋯

 

「もういい。マシュタン、マスター⋯帰ろう?」

 

「ええっ!?」

 

「おいっ⋯!」

 

「待って!」

 

 帰ろうとするアルカナ・シャドウに対してマシュタンとお兄ちゃんが困惑する中で私が呼び止めると、アルカナ・シャドウは足を止めてから私達の方を振り向く。

 

「元名探偵から可愛い後輩達へアドバイス⋯」

 

「「「?」」」

 

「探偵では解決できない事件もあるの。」

 

「ちょっとぉ!?」

 

「とりあえず、お前達はアルカナ・シャドウのことを探ってるつもりだがこっちも同じく調べている。どっちが正解に辿り着くか勝負だ⋯」

 

 そうして、アルカナ・シャドウに続いてマシュタンとお兄ちゃんも追ってこの場を後にする。探偵では解決できない事件⋯それがあるにしても私としては諦めるつもりはない。何としてもるるかさんの謎を解き明かしてあの人を助ける⋯そして、ノブお兄ちゃんも助け出したいところだ。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

 アジトに戻った俺達は早速部屋に戻ると、るるかはベッドに座ってから俯いていた。あんなから言われたことがどうしても気になるのだろう⋯『力になりたい』、俺以外からこう言われて心が揺れているようだ。

 

「るるか、考え事か?」

 

「別に。信義には関係ない⋯」

 

「図星だな。お前、あんなから言われたことを気にしてるんだろ?」

 

「流石は名探偵で彼氏ってところね⋯あの子は本当に何者なの?」

 

「あいつは俺に似て諦めが悪いんだよ⋯探偵としての矜持はみくるにもだけど俺が刻み込んでいる。困ってる人を助けるのが探偵だって⋯お前も探偵だったから分かるだろ?」

 

「分からないわ。探偵は依頼人からの依頼で動くものでしょ⋯」

 

「確かにお前の言うことも一理ある。でもな⋯困っている人を放置することは俺にはできない。もちろん、あいつらもそうだろう⋯」

 

「探偵にも色んなタイプがいるってことね。本当に信義はまっすぐなんだから⋯それに続く弟子達も似たような感じになるものかしら?」

 

「ああ。俺にとっては誇らしい従妹と弟子だよ⋯」

 

 マシュタンはあんなの探偵としての矜持に納得する。しかし、納得をしていないのはるるかだ⋯キュアット探偵事務所の元探偵なのは分かっているもののどういう探偵だったのかは謎である。しかし、思考からして名探偵だったのではと思わせられる部分は多かった⋯間違いないだろうが、探偵としての方向性が俺とは違うのだろう。

 

「信義、お風呂に入ってきてくれる?ちょっとマシュタンとだけになる時間が欲しくて⋯」

 

「分かった⋯でも、行く前に一つだけ言っておく。」

 

「何?」

 

「探偵にも解けない事件はある⋯そう決めつけて良いのか?そうやって決めつけたら困ってる人を救えないぞ?」

 

「⋯」

 

「まあ、これはあくまでも俺の独り言だ。何度も言うがるるかは優しい子だと俺は思っている⋯自分を偽って何もかもを決めつけるのはどうかと思うぜ?じゃあ、先に風呂入ってくる。」

 

 俺はバスタオルや替えの下着とパジャマを持って去り際に独り言のような話を残し部屋を出た。るるかがこれを聞いてどう思うのか⋯彼女は優しい心を持った女の子だと俺は信じている。彼氏として俺を信じるか、それとも自分を偽り続けるのか⋯自分の出自を今日だけで話してくれたるるかならきっと、そう信じたいものだ。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

sideすみれ

 

「あれ、君達は?それと1人見ない顔が⋯」

 

 森亜さんとノブおじいちゃんが撤退してからしばらく待っているとカメラを持った本物の宇都見さんがやって来た。彼は私達を見つけては声をかける。

 

「宇都見さん!」

 

「私達、キュアット探偵事務所です。」

 

「この度入ってきた織田すみれと申します。実はもう1つのカメラが盗まれそうになってて⋯それを守ってました。」

 

「ええっ、カメラが!?」

 

「ああ、盗られるとこだったんだぞ?」

 

「ジェット先輩、相手は大人なんですから⋯」

 

「僕は大人だ、子供扱いするな!」

 

「いえ、別に気にしてないですよ。それにしても、珍しい蝶が飛んでたものだからバッグを置いたままもう1台のカメラで追いかけて行っちゃって⋯」

 

「なるほど、そういうことか!」

 

 宇都見さんの話を聞いてあんなさんはバッグが狙われた理由に対して納得する。あの隙にアゲセーヌが狙ってたということで⋯本当にファントムに対して隙を見せてはいけないことがよく分かる。

 

「蝶を撮影することが趣味なんですか?」

 

「はい⋯この辺には沢山蝶がいまして、ついつい夢中になっちゃうんですよね。そんなあなた達は何をしてたんですか?探偵事務所なものだから何かを調べてたりとか?」

 

「ええ、ちょっと探し物を⋯」

 

「カメラのお礼に探すのを手伝うよ。」

 

 みくるさんが探し物をしてることを宇都見さんに伝えると、彼はカメラを守ったお礼として私達の助っ人をすることに⋯宇都見さんだったらきっとかなりの力になるはずだ。

 

「それならもう見つけました⋯ただ、これが何なのかよく分からないんですけど。」

 

「写真?」

 

 あんなさんはそう言って取水塔で見つけた1枚の紙切れを宇都見さんに見せると、それが写真ではないかと眼鏡を調節してピントを合わせながら答える。

 

「これが写真なんですか?」

 

「はい、最近出たカメラで撮った写真をそのままプリントアウトできるんですよね。」

 

「これが⋯写真なの!?」

 

「うん、色褪せちゃってるけどね。」

 

「とりあえず、事務所に戻ったらこの写真が何か調べてみよう⋯」

 

「そうですね。宇都見さん、ありがとうございました!」

 

「いえいえ、皆さんも頑張ってくださいね?」

 

 そうして、私が宇都見さんにお礼を言うと彼は私達にエールを送ってからまた写真撮影へと向かっていくことに。見送ってからは進言したジェット先輩に続いて事務所に戻り、写真を調べることにした。

 

「どんなに色褪せててもきっとミラールーペなら見えるはずだ!」

 

 そうして、私とあんなさんとみくるさんでミラールーペを使い色褪せた写真を見て確かめていく⋯ミラールーペにかかればどんな記録もはっきり分かる。私達が念じるように見ていると、何やら青いものが浮かび上がった。

 

「これは⋯青い蝶ですね。」

 

『青い蝶?』

 

「それだけなのか?あんなとみくるはどんな感じに見えたんだ?」

 

「私もすみれさんと同じだよ。みくるもだよね?」

 

「うん⋯あの辺、ちょうちょが沢山出ると言ってたし。手がかりじゃないのかな?」

 

「うーん。あっ、ジェット先輩⋯口元にアイスがついてる!もしかして⋯」

 

「ゲッ⋯!?」

 

「まさか、我慢できなくて買ってたアイスを先に食べましたね?」

 

「し、仕方ないだろ!甘い物が食べたくなっちゃって⋯」

 

「ジェット先輩、ズルい!私達が調べてた間に先にアイスを食べて!」

 

「そうだよ、すみれさんからも何か言ってください!」

 

「ええっ⋯私!?」

 

『やれやれ⋯先が思いやられそうだ。』

 

 あんなさんがジェット先輩の口元からアイスの証拠を見抜いたことを皮切りにまたもやゴタゴタが起きる事務所内⋯その様子を見ていたボスは呆れるのだった。森亜さんの謎が解けるのは当分先かもしれない⋯諦めの悪い私達ならいつかはきっと分かると信じたいものだ。

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

side信義

 

「風呂から上がったぞ?」

 

「⋯!?」

 

 俺が風呂を終えて部屋に入ると、るるかがびっくりして唐突に何かをベッドの枕元に隠してからこっちを向く。一体、何を隠したのだろうか?

 

「もう上がったの?」

 

「ああ、お前も入ってこいよ。モヤモヤも洗い流されるだろうから⋯気分を変えるのに良いはずだ。」

 

「そ、そうね⋯行きましょう、マシュタン。」

 

「ええ。とりあえず、なるべく早く戻ってくるわね?」

 

 そうして、るるかは用意していた着替えとパジャマとバスタオルを持ってからマシュタンと一緒に部屋を出てから浴場へと向かった⋯その隙に俺は彼女が何かを隠した枕元を調べ、枕をどかすと1枚の紙があった。

 

(これは⋯とりあえず、裏返してみよう。)

 

 俺はるるかの枕に隠してあった紙を裏返す。そこには昔のるるかともう1人、青髪の女の子が一緒に写っていた。どうやらこの2人の2ショット写真のようであるが⋯この時のるるかは今よりも長い髪をしていて服装が少年探偵と思われるぐらいボーイッシュだ。この時のるるかも可愛く思えるのだが、その隣にいる女の子がどこか見覚えがあるような記憶が⋯

 

(この青髪の子、そういえば帆羽さんに似てるような気がする。髪は今よりも短いし顔立ちは今より幼いけど⋯帆羽さん?まさか、嘘だろ!?)

 

 俺はこの写真の青髪の女の子がパティシエの帆羽さんにそっくり⋯というか本人そのものっぽいことを受けて俺が聞いてた話に出ていたるるかの親友が帆羽さんではないかという仮説が俺の中で浮上した。でも、それなのにどうしてあの子はるるかに対して親友とは思えない態度で接してたのだろうか?観客と店員という関係を差し引いたとしても不自然すぎる⋯とりあえず、今度来た時に調べることにするのだった。




いかがでしたか?前書きでは重い話をしてしまい申し訳ありませんでした⋯今後はルールに気をつけて作品を楽しんでくださるようにお願いいたします。

次回は16話分に入っていくのでどうぞお楽しみに!感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてお待ちください。それでは、また来週。
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