そんなこんなで今回から16話分に突入します!エリザちゃんがやって来た事務所はどうなるのか⋯
それでは、また後書きにてお会いしましょう!
sideすみれ
ある日の事務所、今日もポチタンはあんなさんの膝の上でミルクを飲んでいる。本当にこういう平和な時間が来るのはいつぶりだろうか?平日は毎日、私は事件の依頼を受けてノブおじいちゃんがいかに大変だったかを身をもって知った⋯でも、その度に彼がいないことを疑問に思う人が多い。それだけノブおじいちゃんが周りから慕われてるってことだろうが、ファントムにいることを正直に答えられない今がもどかしい。
「ポチタン、ミルク美味しい?」
「ポチ!⋯すう、すう。」
「寝ちゃいましたね。それだけ満足ってことじゃないですか?」
「良かった⋯ところで、みくるは何を読んでるの?」
「あっ、これ?来栖エリザさんの推理小説なんだ⋯凄く面白いの!」
「来栖、エリザ⋯?あっ、あの時パティスリーにいた作家さんだ!」
「来栖先生は私の時代の人達もみんな知ってますよ?後世にも語り継がれてる名推理小説家ですね。」
「そんなに凄いんですか!?エリザさんの作品がますます楽しみになるよ♪」
「みくるは推理小説が大好きなんだね?」
「うん!探偵を目指すと決めた時から勉強の為に読んでたらハマっちゃって⋯それで、この作品は主人公のエリーがとってもかっこいいの!」
「私は諦めない!」
「「「?」」」
「諦めない心が真実のページを刻む!」
みくるさんが来栖先生の作品の魅力を語ると、噂の張本人が事務所にやって来た。私はおばあさんになった時の顔写真しか知らなかったけど、若い時の先生はとても可愛くて元気で太陽のような女性である。
「エリザさん!」
「ちょうど小説を読み終えたところです。」
「あれ、そういえば織田さんは?」
「織田は私で織田すみれですけど⋯もしかして、信義の方ですか?」
「はい。そうですけど⋯」
「ノブお兄ちゃんはしばらく事務所に帰ってなくて、その代わりですみれさんが探偵をしています。」
「そうなんだ、それでね⋯あなた達にお願いがあって来たんだ。」
すると、来栖先生はみくるさんが持ってる自身の書いた作品の裏表紙に自分のサインを書きながら依頼があると言い出す。推理小説家である彼女からの依頼とはどんなものなのか⋯
「依頼?」
「推理小説家である先生が私達にどういうご依頼でしょうか?」
「はい、私をこの事務所の探偵として雇ってほしいんです。お願いします!」
「「「ええっ!?」」」
そんな先生からのご依頼とは探偵として雇ってほしいという志願だった。でも、推理小説家として色んな事件を組み立ててトリックを解明してきた来栖先生ならきっと即戦力になると思うのだが⋯妙に私達、キュアット探偵事務所の存在が歴史を変えているのではという疑念点も浮上するのだった。
side out
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side信義
俺は県警本部にて自動車運転免許を受け取ってからアジトへの帰り道を歩く。実を言うと、俺はマコトジュエル集めの中で空いた時間を利用してこの時代でも運転免許を取るべく自動車学校に通っていたのだ。もちろん、あっちの時代での運転経験がモノを言って試験はスムーズに合格してついに今日免許を取得したのだ!これにはサルさんと八重樫係長が共に喜んでくれた。そんな中でのことだ。
「ミーコ、どこにいるの?ううっ⋯」
そんな中で『ミーコ』という何かを探している男の子と遭遇する。とりあえず、俺もるるかに困ってる人を助けるのが探偵と言った手前だ⋯とりあえず、彼に声をかけてみることにした。
「こんにちは、何を探してるのかな?」
「あ、あなたは⋯キュアット探偵事務所の織田さん?」
「俺のことをよく知ってるね。どこで知ったのかな?」
「この前のテレビで⋯」
「そうか。君、名前は?」
「虎太郎。」
「虎太郎くんか⋯とりあえず、近くに俺の相棒を待たせてるからそこで話を聞くよ。君が探してるミーコのことを教えてくれるかな?」
「うん⋯」
「それじゃあ、行こうか。」
それから俺はるるかとマシュタンが待っているチュチュへとミーコを探している虎太郎くんを連れて行くことに。今の時代でこういうことをするのはグレーではあるが、まあこの時代で怪しい人が相手じゃなかったらセーフだろう。
「それで、この子を連れて来た⋯ということ?」
「ああ、お前にも手伝ってほしいと思って⋯何よりも待たせるのは悪いしな。」
「織田さん、この人が相棒なの?」
「うん、この子は森亜るるかといってウチの誇る天才名探偵だよ。彼は虎太郎くんだ⋯お前も挨拶しろよ?」
「森亜るるかよ、よろしく。」
「う、うん⋯」
るるかは真顔で虎太郎くんに対して手短に挨拶をする。本当に彼女は口数が少ないというか⋯素っ気ないと思われてしまいがちだ。俺に対しては口数はまあ普通なのだが。相手はかなり困惑していた。
「とりあえず、君が探しているミーコの特徴についてを俺達に教えてくれるかな?」
「この子がミーコなんだ⋯三毛猫のミーコ。」
そう言うと虎太郎くんは俺とるるかにミーコの写真を見せる。なるほど、彼が飼ってる三毛猫だったのか⋯『三毛猫』だけに縮めて『ミーコ』、可愛らしい名前である。
「あら、織田さん⋯いらしてたんですね?それと、その子は⋯」
「やあ、帆羽さん。この子は俺達の依頼人で虎太郎くんって言うんだ⋯飼い猫のミーコが行方不明になって探しているらしい。」
「そうなんですか、大変ですね⋯」
「店員さん、店員さんはこのミーコを見なかった?」
「うーん、私はずっとお店の外から出てないから見かけてないわね。ごめんなさい⋯あなたの力になれなくて。」
「ううん⋯僕もごめんなさい。」
虎太郎くんは帆羽さんにミーコを見かけなかったかを写真を見せながら訊ねるも、彼女は見かけなかったと証言。帆羽さんが見かけていたら事件は即解決だったかもしれないが、そう簡単に物事は上手く進まない。
「とりあえず、帆羽さんは見かけてないって感じか。どこではぐれたのかは覚えてたりする?」
「昨日からいなくなったけど、時間は分かんない⋯お母さんが美容室に行ってその後にいなくなったんだ。」
「美容室か。だとしたら昼ぐらいだな⋯」
「虎太郎くん、そのミーコちゃんはどういう子なの?」
「えっと、3歳の女の子でとても大人しいよ。そんなミーコが勝手に逃げ出すなんて⋯」
るるかがミーコの特徴についてを訊ねると年齢、性別、性格を何とか幼い彼なりに説明する。猫の年齢で3歳は人間だと28歳、俺と同い年ぐらいで大人しい女の子。そんな子が勝手に逃げるとは俺も虎太郎くんと同じで考えづらい⋯そんな感じだからこそ彼は悔しいし辛いという感じである。
「とりあえず、深く考えるのは一旦やめにしようか。帆羽さん、虎太郎くんにショートケーキを1つと紅茶。俺はブラックコーヒーだけで良いから⋯お願いね?」
「あと、私はアイスの盛り合わせをもう1つ⋯」
「かしこまりました、少々お待ちください。」
そうして、帆羽さんは俺とるるかの注文を聞いてから店の奥に下がっていく。しかし、るるかに関してはもう既に盛り合わせを1皿食べたのにもう1つ⋯アイス過多ではないかと思ってしまう。
「ねえ、織田さん⋯さっきから気になってたけど机の上にあるキツネさんってぬいぐるみなの?」
「そうだよ、この子はマシュタン⋯るるかのお友達だ。」
「虎太郎くんも触ってみる?」
「うん、とてもフカフカしてる。ミーコみたい⋯」
虎太郎くんはるるかから渡されたマシュタンを撫でていく。それにしても、マシュタンは本当にぬいぐるみのふりが上手いものだ⋯ポチタンだったら絶対ここまでの演技はできないし、何よりも虎太郎くんはマシュタンを触ってみてミーコを思い浮かべている様子だ。
「ミーコちゃん、見つかるといいね。」
「うん、ありがとう⋯森亜さん!」
「るるかで構わないわ。マシュタンに優しくしてくれてありがとう⋯きっと喜んでるはず。」
「るるかさんには分かるの?」
「ええ、信義も言ってたけどマシュタンは私のお友達だから⋯大事にしている仲間の気持ちとかはよく分かるの。」
「そうなんだ⋯」
「お待たせいたしました、ショートケーキと紅茶とブラックコーヒーです。アイスは後でお持ちしますね?」
「ありがとう。るるか、先に頂いても良いか?」
「うん。虎太郎くんには元気になってほしいから⋯先に食べてて?」
「ありがとう、るるかさん。頂きます!」
そうして、虎太郎くんはるるかよりも先にショートケーキを食べる。本当に彼女は口数は少なくて表情がほとんど変わらないから無愛想に見られがちだけど、本当は心優しい子だ⋯それが虎太郎くんに伝わることだろう。
「美味しい!ここのケーキ初めてだけど初めてかも?」
「それは良かったよ。元気出してね?」
そうして、虎太郎くんはそれからも出されたショートケーキを食べていき、るるかも後に来たアイスを食べていく。本当に甘い物を食べてる若い子達を見てると癒されるものだ⋯俺もそんな様子を見ているとコーヒーも自然と進んでいく。
「美味しかった⋯ごちそうさま。」
「ありがとう、織田さん、るるかさん⋯元気出たかも!」
「それは良かった。とりあえず、聞いた特徴を頼りにミーコを探しに行こうか⋯」
「そうね。虎太郎くん⋯」
「うん!」
完食完飲した俺達はしばらく休んだ後にチュチュを出てからミーコ探しに向かうのだった。とりあえず、るるかがいるなら百人力と言えるだろう!きっと見つかると俺は信じている。
side out
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「なるほど、新たなマコトジュエルの在り処が分かった⋯」
その頃、信義とるるかがもう既にいないファントムのアジトではウソノワールが未来自由の書を開き、その中でマコトジュエルの在り処が書に浮かび上がった。
「ウソノワール様、それはどこにあるのでしょうか?」
「ニジーが行く気か?お前さんもカリカリしてんなぁ⋯マスターとアルカナ・シャドウを見習えよ、あいつらはやることはやるが何にも縛られずに楽しそうじゃねえか。まあ、気楽に行こうぜ?」
「君も随分とお気楽だな⋯悪いけど、僕の心はそこまで楽しめる余裕がないからね。」
ニジーがマコトジュエルの在り処をウソノワールから聞き出そうとするが、ゴウエモンは信義とるるかを引き合いに出して気楽に行くように進言する。しかし、ニジーはもう一度ウソノワールから奈落の底に落とされかけており気を休める余裕などない。
「はいはーい、アゲが行くっしょ!」
「いや、ブラキッドに行ってもらう⋯行けるな?」
「ライライサー!私にお任せください⋯今回こそは必ずやウソノワール様にマコトジュエルを。」
「うむ。」
(ブラキッド⋯ウソノワール様の前だけ良い顔をしてチョームカつく!)
そんな中で今回のマコトジュエル回収の任務に関してはブラキッドに任されることに⋯アゲセーヌは信義もるるかもいない中でまた名乗りを上げようとするも連続のミスは許されない背景もあって任されることはなかった。そんな彼女はウソノワールの前のだけ良い顔をするブラキッドのことを良く思っておらず、苛立ちが顔からも出ていくばかりである。果たして、ブラキッドはどのようにマコトジュエルを回収するのか⋯
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sideすみれ
それから私達は事務所にやって来た来栖先生を招き入れてから話を聞くことに⋯何故、彼女がここへやって来たのか。その話の中で来栖先生は口を開いた。
「次回作の執筆の為?」
「今、探偵エリーの続編を考えててね⋯」
「続編!?楽しみ〜♪」
「それで、実際に探偵になってみたら良いアイデアが浮かぶんじゃないかと思ったんですか?」
「その通り!だから、3人にも色々と教えてもらいたくて。」
「任せてください!あんな、すみれさん⋯私達が先輩ってところを見せましょう?」
「うん!」
「そうですね。」
「おーい、依頼人だぞ?」
すると、ボスの散歩も兼ねて外に出ていたジェット先輩が戻ってきた。その横にはあんなさんやみくるさんと同い年ぐらいの男の子も一緒である⋯
「明智さん、小林さん⋯助けて!」
「泉くん!?」
「知り合いですか?」
「はい、私とあんなのクラスメイトの泉憲司くんです。」
「ようこそ!あんな、みくる、すみれさん⋯お茶の準備を。」
「いきなり仕切ってる⋯」
「教えてほしいと言ったのにね。」
「どうなってるんだ?」
「実は来栖先生が小説のアイデアが欲しいから探偵になりたいと言い出したんです。」
「よろしくね♪」
「なるほどな⋯」
ジェット先輩が何故来栖先生がいるのかを疑問に思っている中で私が事情を話すと彼は納得する。本当に推理小説家はネタの為なら何でもするもので今回は探偵になりたいと言い出した⋯私が知る他の推理小説家は事件現場や警察署にも押しかけるらしいのでこういう人達の貪欲さにはタイムパトロールの立場として憧れる部分がある。
「明智さん、小林さん⋯大変だよ!実はルシアが昨日からいなくなってて。」
「「ルシア?」」
「とりあえず、落ち着いて?話はゆっくり聞くからね。」
「えっ、探偵エリーシリーズの来栖先生?分かりました⋯」
そうして、私達はあんなさんとみくるさんのクラスメイトである泉くんを事務所の中へと案内する。『ルシア』⋯どこかで聞いたことあるような名前のようでまるで特級呪物を連想させるものであるが、たまたまだろう。
「この子がルシアちゃんなんだね。」
「うん、三毛猫のルシア。3歳の女の子なんだ⋯」
(三毛猫でルシア⋯ちょっと悪意のあるような名前だけど、それがいない時にこんな名前をつけれるなんてどういうセンスをしてるの?)
ジェット先輩が紅茶を持ってくると泉くんはルシアの写真をあんなさんに見せる。私は歴史的な認識で三毛猫とルシアの組み合わせに危機感を感じていたが、あんなさんはしれっとしていて気にならないのだろうか?あんなさんからしたらその事件のインパクトを鑑みて比較的記憶に新しい話だと思うのだけれど⋯
「昨日からずっと探しているそうだ。」
「大丈夫だよ、泉くん!」
「私達が見つけるから!ですよね、すみれさん?」
「はい、キュアット探偵事務所にお任せください!」
「みんな⋯ありがとう。」
「早速調査開始よ!」
そうして、来栖先生は立ち上がってから気合を入れて調査を開始する。本当にこの人の行動力は実に探偵向きと言える⋯彼女が事務所の探偵だったらノブおじいちゃんがいなくともどんな謎もすぐ解決したことだろう。
「それで、ルシアちゃんってどういう性格をしてるの?」
「はい⋯基本は甘えんぼですけど、少し暴れるぐらい元気すぎる子で。多分、何かあって逃げ出したんじゃないかなと⋯」
「そう。いついなくなったかは分かる?」
「ジェットくんの言ってた通り昨日からで⋯何時からとかは覚えていません。でも、僕が学校に行ってた間だったのは確かで朝まではいましたよ?それで帰ってきた時にはもう⋯」
「そうなると。お昼ぐらいね⋯ルシアちゃんがいなくなったのは。」
「エリザさん、調査は?」
「これも立派な調査よ。ルシアちゃんのプロファイリング!」
「プロファイリング?」
調査と言いつつも泉くんからルシアちゃんの特徴を聞き続ける来栖先生に対してあんなさんは調査をいつまでもしないと見て調査をしないのかを訊ねる。しかし、これも調査の一環⋯何もかもを外に出て調べるものじゃないのだ。先生の方法はかなり理にかなっている。
「データを分析して犯人の行動を予想するってやつね!」
「そうです。この場合だとルシアのことを知ることでどこにいるのかを推理するんですよ⋯あんなさん?」
「はい、そう言われると分かった気がします。」
「プロファイリングから導き出される移動範囲。猫の集まる場所といえば公園だけど、餌やり禁止だし可能性としては低そうね⋯となると、ここよ!」
「「おお〜っ!」」
そんなこんなでまことみらい市の地図を見て来栖先生がペンで記したルシアがいるであろう場所はまことみらい市の南の海の近く。その先を見たあんなさんとみくるさんは思わず感心の反応を見せた⋯果たして、この勘は当たっているのか?私達はすぐにその先へと向かうことに。
「「行ってきま〜す!」」
「ジェット先輩は街の人へのチラシ配りをお願いしますね?」
「ああ、任せろ!」
こうして、私、あんなさん、みくるさんに来栖先生⋯そして泉くんでルシアを探すことになってチラシ配りはジェット先輩へ託すことにした。これだけ万全ならきっと見つかるに違いないだろう⋯その期待が膨らむばかりだ。
side out
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「ここか?いや、ここか?」
時同じくしてウソノワールからマコトジュエル回収を任されたブラキッドは記された予言の通りのものを探して回る。今回の予言での鍵は『猫』とのことで、彼はそのマコトジュエルを宿しているっぽい猫を探すのだった。
(しかし、予言の内容がザックリしすぎているぜ⋯猫に宿りしマコトジュエルとあっても、猫にどう宿るんだ?未来自由の書は書いてる内容がアバウトすぎて頭を使わせられるぞ⋯)
それからもブラキッドはゴミ箱の蓋を開けたり、道の隙間を見たりと目当ての猫を探し続ける。未来自由の書のアバウトさに彼もまた手を焼いている様子だ⋯
「ニャー。」
そんな時、彼は猫を発見する。虎模様で大将のようにふてぶてしい様子だ⋯とにかく、マコトジュエルを集めたいと思った彼はとう様子を見てはいられなかった。
「こいつにマコトジュエルが宿ってるのか?とにかく、待ってられねえ⋯回収させてもらうぜ?」
「ニャッ、ニャッ!」
「ふぎゃああああああ!?」
ブラキッドが虎模様の猫を抱き上げたその時、猫は突如として怒りを爆発させては爪を出してそれで彼の顔を引っ掻いた。やられたブラキッドは思わず悶絶してしまい猫にも逃げられる。
「くそっ⋯俺様の顔に傷をつけやがって、この野郎!」
そうして、ブラキッドは文句を吐きながらも路地裏から移動してマコトジュエルを宿した猫探しを再開する。彼はこれで生き物の理不尽さを痛感するのだった⋯
(猫ってみんな人に懐くもんじゃないのか?この世は残酷だぜ⋯)
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side憲司
そうして、僕は明智さんや小林さんにもう1人の織田さんとは別の探偵さんに加えて来栖先生と一緒に僕の飼い猫である三毛猫のルシアを探すことに⋯
「ルシアちゃんはここに来たはず!そして、この後の行動を辿るには⋯」
「エリザさん!?」
「まずは猫になって考えれば良いにゃん♪」
「「「はぁ⋯可愛い!」」」
すると、来栖先生は猫耳と尻尾を付けてから猫になりきってみせる。明智さん達も反応してる通り本当に可愛すぎだ⋯これが明智さんだったらと想像したくもなるばかりだ。
「なりきり閃き、なりきればルシアちゃんの行動が分かるにゃ♪」
「そうそう、小説のエリーもこうやってなりきることで事件を解決してた!」
「そうでしたね⋯あれ、泉くん?どうしました?」
「いえ、何でも。(どうしよう、来栖先生を明智さんに置き換えて妄想してた⋯それにしてもこの新しい事務所の探偵の人、恐らく女性なのにかっこいいし美人だな。)」
僕が妄想をしていると、宝塚歌劇団の男役スターにいそうな探偵さんから声をかけられる。本当に近くで見てもこの人は明智さんとは別方向で素敵な人だ⋯話の流れからして『すみれさん』と呼ばれてるだろうが僕もそう呼んで良いのか悩む。
「シャー!」
そんな時、僕達を威嚇する猫が目の前に現れる。恐らくは猫の格好をしている来栖先生に対してだろう⋯その中で彼女も譲らず退こうとはしなかった。
「きっとルシアちゃんもこうやって威嚇されたにゃ。そして⋯」
「にゃああああ!!」
「うわああああ、こっちに逃げたはずにゃ〜!」
来栖先生はこのまま立ち向かうかと思いきや、相手から襲われるたまらず逃げてしまった。いくら推理小説家とてこんな感じで大丈夫なのだろうか?
「はあ、はあ⋯」
「大丈夫ですか?」
そうして、僕達は公園へと逃げたものの手がかりは何も掴めず⋯さっきまでの来栖先生はかなり頼もしかったのだが、一瞬にしてその信頼性は崩れてしまった。
「すみれさん⋯本当に来栖先生に任せて大丈夫なんですか?」
「まあ、これからでしょう⋯って泉くん、今『すみれさん』って私のことを呼びましたよね?」
「ええっ、嫌でしたか?」
「いえ、むしろ嬉しいです。気軽にこれからも呼んでくださいね?」
「は、はい⋯すみれさん!」
こうして、僕はすみれさんから名前呼びの許可をもらって仲良くなることに⋯明智さんは可愛い女の子として、すみれさんは美人だし何よりも美少年のような感じでこっちもこっちで素敵だ。とりあえず、別腹ってことでも悪くないよね?
「泉くん、顔が赤くなってるけどもしかしてすみれさんのことが気になってたりとか?」
「ええっ、いや⋯」
僕がすみれさんと仲良くなろうとしていると明智さんが僕の方を見てからすみれさんが気になってるのかを訊ねてくる。この場面、僕はここで明智さんに告白して良いものだろうか?
「分かるよ!すみれさんってキラキラしててそれでいてクールでかっこいいお姉さんだよね〜。泉くん、センス良いよ!」
「そ、そうかな?」
「みくるさん、そう言われると照れますよ。」
「あっ!私の推理によれば⋯こうして色んなところを移動して、にゃーん!⋯分かったにゃ、こっちに行ったにゃ♪」
「「エリザさーん!」」
「「来栖先生!?」」
突然思いついた来栖先生はいきなり走り出してどこかへと向かっていく。僕達ももちろんそれを追うしかないけど、こんな時に限って明智さんとゆっくり話せないなんて⋯すみれさんのことももちろん気になるけど、1番は明智さんであるといつかは言えるようになりたいものだ。
「そして、ルシアちゃんはここにたどり着いたにゃん!」
そんなこんなでたどり着いた先は河川敷⋯ここにルシアがいるのだろうか?来栖先生が突き止めた場所なら間違いないと見てるのだが果たして⋯
「本当にここにいるんですか?ここ、野良猫の集まる場所ですよ?」
「泉くん、先生の推理を信じましょう?」
「は、はい⋯(すみれさん、本当に素敵な人だ⋯ってダメだ!僕は明智さんのことが好きなのに。浮気なんてするもんか!)」
「間違いない、あそこにいるにゃん!」
そうして、来栖先生は叢をかき分けてから三毛猫を見つける。恐らくこれはルシア⋯にしてはやせ細っているようにも見えるし、何よりも付けてた緑の首輪がない。
「いた!?」
「ルシアちゃん?」
「ちょっと待って!毛の色は一緒だけど首輪をしてないよ?」
「本当だ⋯人違い、いや猫違いでしょうか?」
小林さんと来栖先生はこの三毛猫をルシアと思うも、僕と共に明智さんとすみれさんは違和感を抱く。毛色と毛の長さは一致しているし、痩せ細ってるかどうかに関しては食事の都合とかもあるだろう⋯その中で舞い降りた違和感。ここを探偵達はどう乗り切るのか⋯
「にゃお!」
「あっ、逃げた!?」
しかし、ルシアに似てるであろう三毛猫は何を思ったのか僕達の前から逃げ去って行く。それも無理はないかもしれない⋯何しろ来栖先生の格好が猫で大きな猫と思い込んだのだろうから。
「この子じゃないみたいね。」
「絶対ここにいるはずなのに⋯」
「あんなさん、こういう時はアレを使いましょう!」
「そうですね、ここら辺の猫に訊いてみます。オープン、プリキットグミ!」
そうして、すみれさんの進言で明智さんは突如としてグミを取り出す。そのグミはまるで鍵の形をしていて何味なのやら⋯ピンクだからいちご味なのだろうか?
「もぐもぐ⋯泉くんとすみれさんも!」
「ありがとうございます。泉くん⋯」
「どうも、頂きますね。」
僕達は明智さんから渡されたグミをじっくりと味わってからここら辺の猫と向き合うことに。すみれさんの言う通りであれば猫からルシアの居場所を聞き出すことができるはずなのだが⋯
「ちょっと良いですか?」
「ん?」
「私達、この子を探していて⋯」
「どれどれ?」
「うわああっ、猫が喋った!?」
明智さんが相手の猫に対してルシアの写真を見せて話しかけると、突如として猫が日本語を喋りだす。これには僕も驚きでもしかしてこれは洋画の吹き替えなのかと思ってしまった。
「これはジェット先輩が作ったプリキットグミでこれを食べた人は動物とか海外の人が話す言葉が日本語に訳されて聞こえるんですよ?」
「そうなんですね⋯」
「でしょでしょ、ウチのジェット先輩は天才科学者なんだから。こんなの朝飯前よ!」
「みくるさん⋯あなたが作った訳じゃないですからね?」
「それで、この子はどんな子なの?」
「ほら、泉くん。答えてあげて?」
「う、うん⋯この子は僕の飼ってる猫のルシアって言うんだ。三毛猫で3歳の女の子だよ⋯ここら辺で見かけなかった?」
「知らないわね。ごめんなさい、あなた達の力になれなくて⋯」
「そっかぁ⋯」
「明智さん、小林さん⋯まだ諦めるのは早いよ!とりあえず、君達の一生懸命な姿を見てて僕も胸を打たれたし全面的に協力するから。僕の飼い猫だからね⋯必ず見つけよう!」
「うん、そうだね。ありがとう⋯泉くん、はなまる元気になったよ!」
「泉くんの依頼は必ず果たすから!すみれさん?」
「はい。私達、キュアット事務所にお任せください!」
「みんな⋯」
「それじゃあ、ルシアちゃん探し続けるにゃ〜!」
「「「「おー!」」」」
来栖先生の掛け声で僕達はまた一致団結してルシアをまた探すことに⋯明智さんは少し落ち込みかけたが、それまでの彼女達から貰った勇気を僕が分けて勇気づけることができた。まだまだ大変だけど、必ず見つけるから⋯待っててね、ルシア!
いかがでしたか?次回は16話分の後半戦です。次回もお楽しみに!感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回もよろしくお願いします。
ちなみに、今日はたんプリの映画を観てきますね。では、また来週!