そんなこっちに関しては2話の後半戦でサブタイトルからどういう話になるかは想像がつきますが、信義に動きがあります。どんな展開を迎えるのか⋯プリキュアが関わってるとなると変身!?どうなるのかは是非最後まで読んでってください!
それでは、また後書きにて。
side信義
「もしもし、あんな⋯聞こえる?」
『みくる?』
「ペンがなくなった時のことを師匠が今からエリザさんに聞くから⋯通信をしたままの状態にしてから探してくれる?」
『分かった。ノブお兄ちゃん、お願い!』
「ああ、了解。」
あんながペンとおばあさんを探しに行った時、俺はエリザさんからその時の状況を聞き出すことに⋯ひとまず、みくるはあんなのためにボイスレコーダーで俺とエリザさんのやり取りを流しっぱなしにすることにした。
「エリザさん、まず君が会ったおばあさんと何があったかを話してもらえるかな?」
「はい。ここで原稿を書いてたらおばあさんが来て、『あなたのファンです、握手してください!』って言われました。」
「それで、握手をしたと⋯」
「その時におばあさんがペンを盗んだりとかしてないですよね?」
「いや、分からない⋯その時、ペンはどこに置いてたの?」
「私は机の上に置いてましたけど⋯ただ、私のファンって言ってくれる人が初めていたことがとっても嬉しかったんです。」
「それで、君はその後にどうしたんだ?」
「その後に私がサインしようとしたらペンはなくなっていて、おばあさんもいなくなっていたんです。」
「すみません、私からも⋯そのおばあさんの特徴とかは覚えてますか?」
「緑の着物を着ていて、髪型はお団子だったかな?」
みくるがおばあさんの特徴についてを質問すると、エリザさんはおばあさんの特徴を答える。突然いなくなったおばあさんとエリザさんのペン。何のトリックがあるかは分からないが、もしかしたら⋯
『いた、特徴通りのおばあさん⋯すみません!』
『ん?』
ちょうどその時、ボイスレコーダーの向こう側であんなが特徴通りのおばあさんを発見したようだ。これは絶好機⋯とにかく、あんな1人で何とかなるかは分からないが仕掛けよう。
「あんな、そのおばあさんは怪盗団ファントムの人間だ!」
『ええっ!?』
『バレたか⋯またね、ベイビー♪』
『あっ!?』
しかし、ボイスレコーダーの声を聞かれたかおばあさんに変装した怪盗団ファントムの人間は一言言い残して逃げ去る。この口調はまさかニジーか!?
「怪盗団ファントム?」
「ごめん!俺達は犯人を追うから、ちょっと待っててくれ。みくる、ドギー、ジェットくん⋯行くぞ!」
「はい!」
『ああ!』
「分かった!怪盗団ファントム⋯また出たか!?」
俺達はあんなとニジーを追って現場へと向かう。とりあえず、あんながニジーの脚力に追いつけないのは想定内として何とか逃げ場のないところへ行ってくれれば良いのだが⋯
「あなた、ファントムを知ってるの?」
「まあな!」
「あんな、今どこにいる?」
『おばあさんが公園に入っていって⋯』
「公園だな?そこで待ってろ、俺達もすぐ合流する!」
俺達はあんなの場所を聞き、今いる公園での合流を図る。とりあえず、公園となると場所は時代が変わっても同じところだからな⋯その方向へと向かった。
(2分後⋯)
「あんな、お待たせ!」
それから走り続けること2分、俺達は公園であんなと合流する。それにしてもこの公園⋯昔も今もほとんど変わっていない。強いて言うなら遊具とかベンチが今は新しくなった程度だろうか。
「ノブお兄ちゃん、みくる、ジェットさん⋯おばあさん見なかった?」
「俺達は見ていない。お前の方はどうだ?」
「私も見失っちゃって⋯ごめんね。」
「あんなは気にしないで。私とジェットさんも一緒に探すから!」
「みくる⋯」
「僕達はあっちから来た!」
「私はこっち!」
ジェットくんとあんなはそれぞれ向かい側の出入口を指差す。それぞれそこから入ってきたわけだが、おばあさんとは会っていない⋯どうなってるんだ?
「師匠、おばあさんが公園に入ったにしても姿が見当たりませんね⋯本当にこの公園にいるんですか?」
「ああ。そうだとしたらいくつか考えられるパターンはある。茂みに隠れたか、柵の向こう側に潜んでいるとか⋯」
「それか別の人に変装したとか⋯」
『ニジーならそれができるな。でも、誰に変装したのかだ⋯』
そう言われて俺達は辺りを見渡して誰に変装したのかを確かめるべく公園の中にいる人達の様子を観察する。ここにいる人達をざっと見ると、ベンチに座ってあくびをしている休憩中の会社員の男性、若い男女のラブラブカップルに携帯電話で通話している金髪ギャルの女子高生⋯この3人が敷地内にいた。
「あっ、何か変わったスマホ!」
「スマホ?」
「ああ。あれは俗に言うガラケーってやつだよ⋯俺が小さい時の携帯電話はギリこれだったな。」
「それで今日暇?この後、遊びに行かね?うん、チョー楽しみにしてる!」
「繋がらない⋯通信障害か?」
「「「あっ⋯」」」
ニジーが変装しているのが誰なのかを観察していると、ある異変が目の前であった。今は通信障害⋯なのに、あの女子高生は通話をしている。
「「「見えた、これが答えだ!」」」
「ファントムは⋯」
「あの人だ!」
「そうと決まれば接触だ⋯すみません、そこの学生さん。ちょっと良いかな?」
「あ?無理⋯電話してるんだけど?」
「だからこそです。」
「は?」
「「「ペンを盗んだ犯人、ファントムは⋯あなたです(お前だ)!」」」
俺達3人は女子高生を呼び止めては彼女が今回の事件の犯人⋯ニジーであると迫る。決め手はもう目に見えていてバレバレだ⋯刑事の俺から見ても探偵になりたてのあんなとみくるにも分かる。
「は?」
「電話をしてるふり?今、電話を使えるはずがない。通信障害だから!」
「何を言ってんの?あたしだけ繋がるってこともあるじゃんか⋯マジで意味不明なんだけど。」
「言っておくが、この当時の携帯の電波はド〇モしか使えない。それがダウンするとみんな携帯も使えないんだよ⋯なのにお前は詰めが甘いな。」
「何で繋がらないんだ?」
「電話繋がらないみたい。」
「でも、僕達は繋がってるもん♪」
「「ねー♪」」
俺が補足の説明をすると、携帯が繋がらないで困ってる人達が通りかかる。まあ、あのカップルに関しては困ってはないどころかむしろラブラブしているが⋯ニジーの詰めの甘さが露呈した。
「あなたは逃げてたから気付けなかったんだ。」
「電話を振る女子高生の変装は完璧だった⋯だからこそ失敗に繋がった。」
「観念しろ、ニジー。さあ、ペンを返してもらおうか!」
「⋯お見事。いかにも僕はニジーさ、ベイビー!」
俺達に追い込まれたタイミングでニジーは変装を解いて元の姿に戻る。俺達の推理は当たった⋯あとはエリザさんのペンを取り返すのみだ!
「僕の変装を二度と見破るなんて⋯ご褒美をあげよう。」
「「「それは!?」」」
「嘘よ覆え!出でよ、ハンニンダー!」
「ハンニンダー!」
すると、ニジーはペンを媒体としてハンニンダーを召喚する。まさかとは思うが、このペンにはマコトジュエルが宿ってるのだろうか?そうじゃないと、ニジーは盗まないとは思うが⋯
「何だ、こいつは⋯」
「あれはハンニンダーって怪物だよ。ジェットくんは下がっててくれ⋯俺達が食い止める!」
「ノブお兄ちゃん、もしかして⋯変身するの?でも、ジュエルキュアウォッチは⋯」
「そうですよ!マコトジュエルがあったところで変身できないんじゃないですか?」
「あんなもみくるも黙って見てろよ。マコトジュエルがあるってことは俺もプリキュアになれるんだ⋯何か奇跡は起きるはず!」
『はずって⋯確証もないのにやるのか、お前?』
「あんなとみくるは奇跡の力でプリキュアになれたんだ、ペンは俺達が取り返す!⋯プリキュア・ウェイクアップタイム!」
俺が自分のマコトジュエルをかざして呪文を唱えるも変身する気配がない。これを見ていたあんなとみくるどころかドギーもジェットくんどころかニジーまでも開いた口が塞がらない状態である。
「プリキュア・ウェイクアップタイム!⋯プリキュア・ウェイクアップタイム!⋯ウェイクアップタイム!⋯ウェイクアップタイム!⋯あれ、おかしいな。」
それからも俺は変身ポーズを変えたり、声の出し方とか変えたり工夫はするものの変身する気配はなかった。やめてくれ⋯特にあんなとみくる、俺を哀れな目で見るな!
「ぷっ、あはは⋯何かと思ったら変身できてないじゃないか!君、マコトジュエルさえあればプリキュアに変身できるとでも思ったのかい?」
「くっ⋯」
「ノブお兄ちゃんはポチタンを連れてジェットさんやドギーと一緒に避難して!」
「ここは私とあんなで食い止めます。さあ、早く!」
「お、おう⋯」
「ポチ!」
俺はあんなとみくるとポチタンに言われるがままに後ろの安全な場所へと避難する。こんな肝心な時に戦力になれない自分が情けなく感じてしまう⋯推理では貢献してもここで貢献できなかったら何もしてないのと同じだ。
「「オープン、ジュエルキュアウォッチ!⋯プリキュア・ウェイクアップタイム!」」
そして、あんなとみくるがマコトジュエルをジュエルキュアウォッチにセットして2人はプリキュアへと変身していく。俺が失敗した目の前でこうも変身されると自分の無力感を感じるばかりだ。
「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」
「「名探偵プリキュア!」」
「私の答え、見せてあげます!」
(今回の決め台詞はミスティックが決めるのか⋯)
「あれが名探偵プリキュア!?」
「ああ、俺もあいつらも何度も言ったけどな⋯これで嘘じゃないと信じたか?」
「悔しいけど信じるに決まってるだろ。自分の心の中にあるマコトジュエルでプリキュアになるとは聞いてたけど、本当だったんだ⋯」
ジェットくんは目の前でプリキュアに変身したあんなとみくるを見てようやく2人が名探偵プリキュアであるという現実をやっと受け入れた。 目で見たものを信じる主義なら信じざるをえないだろうな⋯
「行け、ハンニンダー!」
「ハンニンダー!」
ハンニンダーはニジーの指示によって攻撃を仕掛け、それをアンサーとミスティックは二手に分かれて避ける。会ってまだ1日しか経ってないのにこのコンビネーションは凄いというか⋯たった1日でここまで協力できる仲になったんだな。
「「はあっ!」」
そこから2人は息を揃えてハンニンダーに飛び蹴りを食らわす。しかし、ここはハンニンダーも踏ん張った⋯息の合った攻撃は決まっているが、今回のハンニンダーは少し強い。
「ハンニンダー!」
「アンサー、避けろ!」
「アンサー!」
「うわっ!?」
そこからハンニンダーはカウンター攻撃としてインク攻撃をしかけ、アンサーに狙いを定めるもここはミスティックが身を投げてまでもアンサーを押し倒して回避する。そのインクが木に命中すると、木は黒く染まって元気を失っていく⋯こんなのが2人に命中したらどうなってたことだろうか。
「強力なマコトジュエルを嘘で覆えば⋯誰にも止められない力になるんだよ!」
ニジーは2人の前で堂々と自分の犯罪手口を誇らしく語る。こいつは何でも嘘を吐き、周りを利用して世界を嘘で染めるってわけか⋯仮にもファンだと言われたエリザさんのことを思うと俺は腹が立ってきた。しかし、プリキュアでも何でもない俺が吠えたってプリキュアにすらなれない負け犬の遠吠えにすらもならない。どうすれば良いんだ?俺はこの場から動く勇気が出ずにいた。
「エリザさんのペンで⋯」
「何てことするの!」
「違うよ?もう僕のペンさ!ファンと偽り近づきゲッチュ⋯嘘を使えば容易いものさ。」
ミスティックとアンサーは俺の代わりに怒るもニジーは堂々と顔だけおばあさんに変装したりして今回の手口を語る。そうだとしたら、ファンだと言われて喜んだエリザさんの気持ちはどうなるんだ⋯事実を知ったら間違いなく悲しむことだろう。ペンを盗んだことも込みにして⋯
「欲しいものは全部嘘で手に入る!」
「ハンニン、ドゥルルルル!」
「「きゃああ!?」」
そして、ハンニンダーは更なる攻撃を撃つべくペンの筆先を開いてはペン先ミサイルで攻撃を仕掛けてきてこれには手の打ちようもなく2人はモロに食らってしまった⋯
「アンサー、ミスティック!?」
「僕らファントムは⋯嘘で溢れて覆われた⋯素晴らしい世界を作る!そのためにはマコトジュエルが必要なのさ♪」
ニジーは2人が攻撃を食らう中で高らかに自分達の野望をおばあさんとあの女子高生に変装しながら語り、視界が晴れるとアンサーとミスティックはボロボロの姿で地面に倒れ込んでいた。こんな時に俺がプリキュアに変身できていたら⋯その後悔が頭の中を渦巻く。
「信義、信義!お前、何をぼーっとしてるんだ!?従妹と弟子がやられてるんだぞ!」
「ご、ごめん⋯考え事してて。」
「仕方ない、お前の代わりに僕が行くからポチタンを見ておくんだ!」
『俺も!』
「ジェットくん、ドギー!」
俺が考え事に耽っているとジェットくんとドギーが危険も顧みずにアンサーとミスティックのもとへと駆け寄る。しかし、こいつらはプリキュアの力もないのにどうして無茶ができるんだ⋯俺の中では理解不能だ。
「嘘の世界なんて⋯全然素晴らしくない!」
「そうかな?君達名探偵を倒すこんな力があるのに?」
アンサーは再び立ち上がり、ニジーに怒りをぶつける。この怒りはこれまで叔母さん(あんなのお母さん)や従兄である俺や兄貴とかにからわれた後の冗談半分のものではない⋯あんながここまでマジで怒るところは俺ですら初めて見た気がする。14年一緒にいても赤ちゃんの時に癇癪を起こした時ぐらいしかこんな嵐は起こさなかったのだが⋯あんなも正義感がいつの間にかこんなに強くなってたんだな。しかし、ニジーはそんな彼女を嘲笑う⋯
「好き勝手言ってくれるんじゃんか!」
「ん?」
そんなニジーに対して駆けつけたジェットくんとドギーが2人の前に立つ。ドギーはまだしも今まで素っ気ない態度を取ってきたジェットくんも正義感を燃やしていたとは⋯何だかんだで熱い心を持ってて見直した気がする。
「僕も一つ教えてやる!キュアット探偵事務所の使命は嘘を暴いて止める⋯ファントム、お前達からマコトジュエルを守ることだ!」
『俺もタイムパトロールという正義の立場としてどのような悪事を許すわけにもいかない⋯組織のボスでキュアマスターの変身者でもあるこの俺、ドギー・ケントが!』
ジェットくんとドギーはニジーに力強く自分の気持ちと正義を伝える。『キュアマスター』⋯これが俺が変身することになるプリキュアなのか。その変身者がドギーだったとは⋯だからあのマコトジュエルが必要だったんだな。
「随分と威勢の良いベイビー達だ。キュアット探偵事務所にタイムパトロール⋯無論、君達の使命は心得ているよ。」
「ハンニンダー!」
「でも、この状況で嘘⋯ハンニンダーをどう止める?」
「ドギー、ジェットくん⋯逃げろ!」
「『プリキュアがいる!』」
「歴史上、数人しかいなかったと言われ⋯」
『そして、この先未来しばらく出てこなかった名探偵プリキュアがこの時代に2人いる。俺も合わせれば3人だ!』
「でも、君はプリキュアに変身できそうにないじゃないか⋯現にマコトジュエルは刑事さんの手にあるし。」
『くっ⋯!せめて変身アイテムさえ手元にあったら⋯』
「ハンニンダー、そういうわけでこの2人を懲らしめるんだ!」
「ハンニン、ダー!」
「「ぐっ⋯!」」
ジェットくんとドギーがパンチを食らってしまいかけたその時、アンサーとミスティックはまた立ち上がって相手の攻撃を受け止める。彼らの勇気が彼女達の勇気になったのだろう⋯これに怖気ついたかハンニンダーは手を引いてしまった。
「まさか再び舞台に立つとは⋯」
「嘘をつかれてペンを取られたエリザさんは悲しんでる!」
「人を悲しませる嘘なんて⋯」
「「プリキュアが嘘を終わらせる!」」
アンサーとミスティックが高らかに嘘を終わらせると宣言すると、時計の長針を11に回して決め技を決めようとする。2人の答えと覚悟、見せてもらうぞ!
「「これが私達の、アンサーだぁ!」」
そして、2人はいつもの攻撃を決めていく。技名とかは特に決まってはいなくてワンパターンかもしれないけど、効き目は強烈で今日も決まった!
「「キュアっと解決!」」
「ハン、ニン、ダー⋯」
攻撃が決まりハンニンダーは浄化されて消滅。それに代わってエリザさんのペンが返ってくると共に青い星が刻まれたマコトジュエルも手に入り、それをポチタンの首のハートにはめる。
「ポチポチ、キュアキュア〜♪」
マコトジュエルの力によりポチタンは喜び、その力を取り込む。これでまた一つポチタンは成長して元の時代に戻るために一歩前進できたことだろう。
「次のショーでまた会おう!」
この敗北を受けたニジーは怪盗らしい去り際で撤退していった。そして、インクで汚れた木は元に戻り万事解決である。ただ、また逃げられてしまったけどな⋯
「木が元に戻った⋯証拠を残さず消えるってわけか。」
「だな。でも、いつかニジーというか怪盗団ファントムはこの手で俺が撲滅してみせる⋯プリキュアになれたらな。」
俺は自分がプリキュアになれない今を受けて、いつの日かニジーというか怪盗団ファントムを倒す決意を固める。こんなやつらのやっていることは逮捕で済まされることではない⋯ドギーがなっていたキュアマスターになれるとしたら、この力で俺は二度と悪事ができないようにあいつらを徹底的に地獄へ堕とすのみだ。
~~~~~~~~
「はい。」
「私のペン!」
「犯人は取り逃しましたけど⋯すみません。」
それからあんなとみくるが変身を解いた後にさっきまでいたケーキ屋さんであるパティスリーチュチュに戻って、あんながペンをエリザさんに返却してみくるはその一方でエリザさんに謝る。まあ、犯人をこうして取り逃すのは刑事しろ探偵にしろあってはならないことだからな⋯みくるは特に探偵を志してきたのだから尚更罪悪感を感じることだろう。
「でも、戻ってきたから⋯ありがとう!」
「新作頑張ってください!」
「うん♪」
あんながエリザさんにエールを送ると、彼女はとても晴れやかな笑顔で応える。本当にペンが戻ってきて良かったなと思う⋯しかし、俺は素直に喜べない。プリキュアになるためにはどうすれば良いのだろうか⋯自分だけ戦力になれてない感じがした。
「それ、やるよ⋯プリキットブック、探偵の証だ。」
そんなこんなで事務所に帰るとジェットくんはあんなとみくるだけじゃなくて俺にもある1冊の本を渡す。探偵の証となる本⋯あんなとみくるはまだしも俺も受け取って良いのだろうか?
「おい、あんなとみくるはまだしも1冊多くないか?俺はプリキュアじゃないんだが⋯」
「信義が名探偵プリキュアの1人になれると見て渡したんだよ。今はまだプリキュアになれてないけどいつかはなれると信じてるし、何よりもお前は刑事をあっちの時代でやってたから探偵に相応しい片鱗が見えていた⋯だからとでも言っておこう。3人とも、これからもよろしく頼むぞ?」
「ありがとう。やったね、みくる、ノブお兄ちゃん!」
「ええ。師匠もいつかプリキュアになったら一緒に戦いましょう!」
「あ、ああ⋯」
「ポチ♪」
あんなとみくるとポチタンは俺も探偵の仲間になったことを心から喜ぶ。ただ、こうやってみんなが後押ししてくれる中で俺はプリキュアでもないのに探偵になって良いのかと思ってしまう⋯まあ、探偵になると言い出したのは俺なんだが。
「私達で困った人達を助ける。マコトジュエルを守って、ポチタンを元に戻して、そしたらあんなと師匠は元の時代に!」
「うん!でも、私⋯決めちゃったんだ。みくるとノブお兄ちゃんと一緒にみんなを助けるって!」
「ん?」
「俺もか⋯?」
「そうだよ。嘘で覆われた世界なんて嫌だから私達で名探偵プリキュアを頑張る!戻るのはその後。」
「「あんな⋯」」
あんなは俺とみくるに寄り添ってから自分のやりたいことを伝える。みくるはまだしもまだプリキュアになれない俺も頭数に入れているとは⋯本当に俺は良い従妹を持ったのかもしれない。
「よし、お前ら⋯名探偵プリキュアとしての証をプリキットブックに書け。」
「「えっ?」」
「俺もか?」
「当たり前だろ。信義だっていつの日かプリキュアになれる⋯それに、お前は最初に言っただろ?この事務所で探偵になるって。」
「分かったよ。今の俺がどこまでやれるかは分からないけど、よろしく頼むぜ⋯ジェットくん。」
「あのなぁ⋯さっきから思ってたんだけど、『くん』付けが気になって仕方がないんだよ。もっと年上を敬ってくれないか?」
「じゃあ、『ジェットさん』ってのはどうかな?」
「もっとあるだろ⋯」
「先輩!『ジェット先輩』は?」
「まあ、それが無難だろうな⋯よろしく頼むよ、ジェット先輩。」
「ああ。よろしく⋯じゃあ、ブックの方に証を書いとけよ。」
ジェット先輩は照れたのか素っ気ない態度を取る。しかし、表情はどこか嬉しそうだ⋯そんな俺達がブックの模様とハートに合わせてペンで記すと、俺達の顔写真と名前が出てきて探偵の証となった。しかし、今の俺の不安が消えることはない⋯この先、プリキュアでもないのにこいつらの力になれるのだろうか?
~~~~~~~~
(眠れない⋯)
その日の夜、寮に帰ったみくると別れた俺とあんなは引き続き探偵事務所に泊まることになり、風呂も夜ごはんも済ませて寝ていたところだが⋯与えられた部屋のベッドに入ってからずっと今日のことを考えてしまい眠りが浅く夜中に目が覚めてしまう。とりあえず、俺はあんながよく寝れてるかどうかを確かめるべくあんなの寝室に入って寝相を確かめることにした。
(あんなの寝室の方が心なしか広く見える気がする。ジェット先輩もそれなりの部屋を用意したもんだな⋯)
俺は薄明かりがついている中であんなの部屋がどんな感じなのかを確かめた後に椅子を持ってきてから寝ている彼女と向き合う形で座る。しかし、彼女の寝顔を見たのはいつぶりなのだろうか⋯最近は別々の寝室で寝てたから気づかなかったけど、寝顔があんなの母親である叔母さんのような美人になっていた。やっぱり親子だから似るものなのだろうか?
「お母さん⋯会いたいよ。」
そんな寝顔を見ていると、あんなは涙を流し、寝言で自分の母親である叔母さんに会いたいと呟く。やっぱり、この時代に来て寂しい気持ちはあったんだな⋯いくら我慢しててもまだ14歳の少女にとって母親がいない環境というのはかなり辛いものなのだろう。
「大丈夫だよ、あんな⋯叔母さんがいなくても俺がずっとそばにいるから。俺がいつの日かプリキュアになったらお前のことは絶対に守ってみせる⋯だから、泣くなよ?」
俺は泣いているあんなの頭を撫でる。本当にあんなの髪の毛はサラサラしていて触り心地が良い⋯小さい時からそこは変わらずで撫でると気持ちが落ち着く。
「う、うーん⋯あれ、ノブお兄ちゃん?」
「目が覚めたか?ごめんな⋯俺も色々不安と心配があって。お前、叔母さんが恋しいんだな。寝言で言ってて泣いてたぞ?」
「うん⋯もうお母さんに2日も会ってないから寂しくて。ノブお兄ちゃんはやっぱり、プリキュアになれなかったことが不安なんだよね?」
「ああ、マコトジュエルは手元にあるのにな。それで、あんな⋯もしもお前が良かったら今日は一緒に寝たいと思ってるんだが、大丈夫か?お前の不安を消したいし、俺も不安を消したし⋯」
「良いよ。私もノブお兄ちゃんのそばにいたいと思ってたし⋯おいで?」
「ありがとう、お邪魔します。」
そうして俺はあんなのベッドに入り彼女の隣で添い寝をすることに⋯こうして一緒に寝るのはいつぶりだろうか?恐らく、あんなが小学校低学年の時に雷が怖いからと俺の部屋に来て一緒に寝た時以来だろう。
「ノブお兄ちゃんの手、温かいね。」
「お前の手も温かいよ。手を握ってると本当に安心するよな⋯」
「うん、それでね⋯ノブお兄ちゃんもいつか私達を守りたいという気持ちが強くなった時にきっとプリキュアになる力が目覚めると私は思うんだ。今はまだその時じゃないけど⋯もしも、私とみくるがピンチの時は助けてくれる?」
「もちろんだ。俺はお前のお兄ちゃん(従兄だけど⋯)だし、みくるは俺の弟子だからな⋯絶対に2人を助けてみせるさ。俺も叔母さんの代わりになれるかどうかは分からないけど、俺もできればずっとお前のそばにいると約束するよ。だから、寂しいからと泣くのはもうこれっきりにしろよ?ほら、涙はこれで拭け。」
俺は自分の部屋に置いてあったタオルをあんなに渡して涙を拭かせる。あんなにはいつまでもはなまる笑顔でいてほしいと思ってるし、何よりも実の妹のように尊い存在だから溺愛に近いぐらい愛を注がないとな。
「ありがとう、ノブお兄ちゃん⋯涙も落ち着いたしもう大丈夫だよ。」
「そうか、なら良かった。あんなの笑顔はお兄ちゃんの元気だからな⋯これからもはなまる笑顔を沢山見せてくれよ?」
「うん!それじゃあ、ノブお兄ちゃん⋯こっち向いて?お礼のぎゅ〜♪」
泣き止んだあんなから自分の方を向いてと言われ向き合うと、彼女は俺に抱きついてくる。こうして抱きつかれるのもかなり久しぶりだ⋯しかし、そうとなるともちろん俺もだがあんなの身体も比例して成長しており膨らんでる2つの山の感触が俺の胸板に伝わる。
「ノブお兄ちゃん、良い匂い。ボディーソープとフレグランスの香りがする⋯私の匂いはどうかな?しっかり身体はお風呂で洗ってきたし、パジャマも新品だよ?」
「あ、ああ⋯良い香りだ。」
「どうしたの、ノブお兄ちゃん⋯さっきからソワソワしてるけど。」
「そ、その⋯当たってるんだよ。む、胸が⋯」
「む、胸?⋯も、もう、エッチなこと言うのは禁止!離れて!!」
俺が胸が当たってることを指摘すると、あんなは顔を赤くしてから離れる。甘えんぼな彼女だったら気にしないかと思ったらまさか逆の結果になるとは⋯やっぱり思春期なのだろう。
「離れてって⋯お前からくっついたんだろ?」
「そうだけど!でも、エッチなことを言ったりそういうことをするのは禁止だよ?私が恥ずかしくなっちゃうから。だって、私の身体⋯見たり触ったりしても楽しくないし、ノブお兄ちゃんは従兄だし。」
「すまん、俺が気にしすぎた。でも、スキンシップを恥ずかしがる必要はないからな?好きなだけお兄ちゃんに甘えなさい。」
「ありがとう、ノブお兄ちゃん⋯大好きだよ。」
「俺も、あんなことが大好きだ。」
「嬉しい⋯ノブお兄ちゃんに大好きって言われて胸がポカポカしてきて眠くなってきたかも。このまま一緒に寝ようね?」
「ああ。起きるまでそばにいてやる⋯このまま手を握って、寝よう。」
「うん。それじゃあ、おやすみなさい⋯ノブお兄ちゃん。」
「おやすみ、あんな。」
そして、俺とあんなはお互いに手を繋いで眠りにつくのだった。本当にあんなと一緒に過ごす時間は楽しくて幸せでこの時間をこれからもずっと守っていきたいと思うものだ。いつの日かどっちかが結婚して離れ離れになる日が来るかもしれないが、その時まではあんなを幸せにしよう⋯そう心に誓った。
いかがでしたか?残念ながら信義はプリキュアに変身失敗しました。マコトジュエルを持っててもアイテムが出てこず⋯しかし、推理に関しては今回は信義だけじゃなくてあんなちゃんとみくるちゃんも流石に冴えてました。まあ、犯人が誰なのかは分かりやすかったですけども⋯でも、みくるちゃんは前回で解けずに落ち込んだことを考えると大きな前進に!信義の弟子として今は見極めの時期ですけど、そろそろ信義も師匠として手腕を発揮する時かと思います。
それでペンも取り戻してマコトジュエルを手に入れポチタンの成長に僅かながら前進をしました。しかし、信義の悩みはまだまだ続きあんなちゃんの寝室に入っては添い寝まですることに。そこでドキドキするシチュエーションもありましたけど、お互いに母親のいない寂しさやプリキュアになれないのではという不安も消えたのではないでしょうか?それで、翌朝⋯それはまた次回です。
そんな次回は3話分に突入します!信義は今度こそプリキュアになれるのか?彼が持ってるマコトジュエルはドギーの『キュアマスター』の力が宿っていますが⋯果たして?
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