そんな今回はアニメも17話分に突入です。ざっとアニメの現在の半分ぐらいですかね?今回は結構アレンジポイントが多いので原作と比べたらかなり違う印象の話に思えるかと。どうぞお楽しみに!
それでは、また後書きにて⋯
side信義
「るるか、入るぞ?」
俺はるるかが寝てる寝室に声をかけてから入る。そこにはそんな彼女を看病していたマシュタンの姿があった⋯実はあれからるるかは風邪をひいてしまってノックダウンしていたのだ。幸いにも俺には感染してなかったもののひとまず今はマスクを付けてからさっきキッチンで作ってきたお粥を持ってきた。
「信義⋯会合の方は終わったのね?」
「ああ、その間ずっとマシュタンに看病を押し付けてごめんな⋯るるかの今の状態は?」
「とりあえず、熱がまだ下がらないわね⋯37.8度。インフルエンザではなかったにしてもどうしたのかしら?」
「本当だな⋯とりあえず、お粥を作ってきたからこれを食べて元気を出せよ?」
俺はれんげでお粥をすくってからるるかの口の前に差し出す。今日作ったお粥はミルクがゆでコンソメを出汁として牛乳のスープで白ごはんを煮込んで作り青ネギと刻んで炒めた玉ねぎを入れた。もちろん、俺の手作りである⋯
「お粥嫌だ、アイスが食べたい⋯ごほごほ!」
「アイスは身体を冷やすからダメだ。甘いもの好きのお前のことを考えてミルクがゆを作ってきたんだよ⋯食べてくれ。」
「でも⋯あーんされるの恥ずかしい。」
「そんなことを言ってられないだろ!とにかく、食欲が辛うじてあるうちに食べないと⋯身体に悪いぞ?」
「信義もこう言ってるんだから大人しく食べた方が良いわよ?風邪が治らないとアイスが食べれなくなるわ⋯それは嫌でしょう?」
「アイスが食べれないのは嫌だ⋯信義、お粥食べる。」
「分かった。ほら、ふーふー⋯あーん。」
俺はレンゲに掬ったお粥を息で冷ましてからるるかの前に差し出す。彼女もマシュタンから治らないとアイスが食べれないという言葉に負けたのか大人しく従い、お粥を食べた。俺も俺でどうして慣れてるのかというのはあんなが風邪をひいた時で俺が非番の時はいつもこんな感じで看病していたからだ⋯何度もやってれば慣れるものなんだよな。
「美味しい⋯」
「それは良かった。とりあえず、あとは自分で食べれるか?」
「うん⋯何とか。私の為にお粥を作ってくれてありがとう。」
「気にすんなっての。とりあえず、俺が何かスイーツでも買ってこようか?アイス以外なら何でも買ってくるからさ⋯」
「パティスリーのケーキ。」
「了解。買ってくるからお粥、全部食べるんだぞ?」
そうして、俺は部屋を出てからパティスリーチュチュへと向かった。帆羽さんのことだからきっとるるかに美味しいケーキを振る舞ってくれることだろう⋯ただ、彼女とるるかの関係は本当に謎である。るるかが見ていたあの写真では仲良さそうに帆羽さんと写っていたのだが、今の2人は客と店員という立場とてどこか距離感があるというか帆羽さんがるるかをるるかとして認識していないように見えた。それと、マシュタンの横にいた水色のたぬきみたいな妖精は何者だろうか?
side out
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sideあんな
学校休みのある日、私達はうさぎのぬいぐるみを探してほしいという女の子の依頼を受けてぬいぐるみを探しているところである。しばらく一緒に探したものの今のところは見つかっていない。
「通ったのはこの道?」
「うん⋯うさちゃん見つかる?」
「大丈夫、任せて!」
「私達はキュアット事務所の探偵⋯何としてもあなたのぬいぐるみは見つけます。ねっ?あんなさん、みくるさん!」
「そうですね。」
「あっ⋯待って、見つけた!」
女の子に決意を固めたその時、私は鉢植えの角に置いてあるうさぎのぬいぐるみが目に入ってそれを取りに行っては女の子に届ける。
「はい、どうぞ。」
「あっ、うさちゃん!どうして分かったの?」
「物を落とした時は下を見て探すよね?でも、可愛い物が道に落ちているのを見つけた人は安全なところに置いてくれるんじゃないかと思って。」
「このお人形、とても可愛いね!」
「お母さんが作ってくれたの。」
「お母さんですか⋯このお人形さんは世界一の宝物ですから大事にしてくださいね?」
「うん♪」
「なみちゃーん!」
私達がぬいぐるみが見つかって喜んでいる女の子と話をしていると、そのお母さんと思われる女性が女の子の名前を呼ぶ。お母さん⋯か。
「ありがとうございました!」
「探偵さん、ばいばーい!」
「ばいばーい!」
「気をつけて?」
「ばいばーい!」
「ん?」
「あっ⋯いえ、何でもないですよ?ばいばーい!」
女の子は喋ったポチタンを気にするもここはすみれさんが何とか誤魔化した。本当にポチタンはいつ喋るのか本当に分からない⋯すみれさんのおかげで何とか気にせずお母さんに連れられて帰ったけど、かなり危なかった。
「お母さん⋯私、(荷物を)持つ!」
「ありがとう、ちょっと重いよ?」
「大丈夫、任せて!」
「⋯」
『私、持つ!』
『ええっ?』
『誕生日パーティー間に合わないよ?』
『そんなに急ぐと崩れるって、あんな!』
『分かってるって!』
女の子は彼女のお母さんの持ってる手荷物を持つと言ってお手伝いをする。そのやり取りを見て私は1999年にタイムスリップする前、私の14歳の誕生日の日のお母さんとのやり取りを思い出してしまう。そして、胸の奥が切なくなった⋯
(お母さん⋯)
「あんな、どうかした?」
「ううん、何でもない!」
「大丈夫ですか?何か悩み事とかがあったら私とみくるさんに話してくださいね?」
「ありがとうございます。みくるもごめんね⋯ちょっと私、お買い物に行ってくる。ジェット先輩から頼まれてたから⋯2人は先に帰ってて?」
「そういえば⋯分かりました。あんなさんにお任せしますね?私達は先に帰りましょう。」
「はい⋯あんな、気をつけてね?」
「うん、行ってきます!ポチタンのことお願いね?」
そうして、私はポチタンをみくるとすみれさんに預けてからジェット先輩から頼まれていたお買い物へと向かうのだった。でも、その中で私は1人になりたくて逃げた面もある⋯お母さんが恋しいなんて悩みを知られたらきっとみくるやすみれさんを傷つけるから。
side out
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side信義
「今日も良い天気だな⋯」
ファントムのアジトを出てチュチュへと向かう道中のこと、俺はそこへの道を歩いていた。今日は本当に空気も澄んでて日差しが暖かく快晴で過ごしやすい1日だ⋯るるかの体調が良かったら今日はデートをしたかったのだが。本当にもったいないと思うばかりである。
「はあ⋯」
そんな時、橋の向こうを見てため息をついていたあんなの姿があった。この落ち込み方は過去の傾向からしてかなり深刻と言える状態である⋯今は敵とてこいつのことを放置はできない。今日だけは従兄妹同士に戻るとしよう。
「あんな。」
「ノブお兄ちゃん!?まさか、またマコトジュエルを!」
「いや、今は戦う気はない。ちょっとチュチュに行こうと思ってたんだよ⋯お前はここでどうしたんだ?」
「うん。ちょっとお母さんが恋しくなって⋯最近はみくるとすみれさんが一緒にいたから平気だったけど、親子が仲良くしてるところを見てたら寂しくなっちゃったんだ。」
「お母さん、か⋯叔母さんが元気にしてるのか俺も気になる時がたまにあるからあんなの気持ちはよく分かるよ。本当にあの人はもう1人の俺の母さんみたいな存在で俺も叔母さんのことが好きだからな⋯」
「そうだよね。ところで、ノブお兄ちゃんってお母さんのことをいつから好きになってたの?私が小さい時から凄く仲良しだったけど⋯」
「ああ、それはお前が生まれるずっと前の俺が小さい時のことだ。」
俺はあんなの前で叔母さんを好きになった話を初めて話すことに⋯過去にどうして仲良しなのかをあんなは叔母さんに質問してたりしていたが、答えをはぐらかされていた。その出来事は俺が5歳になる年まで遡る⋯
~23年前~
「兄ちゃんチャンネル返して、今からデカレンジャーを観んねんから!」
「何を言うてんねん、この時間はN〇Kのニュースを観なきゃアカン時間や。いつまでも戦隊のようなガキが観る番組を観とったら大人になれへんで?」
「兄ちゃんだって子供やろ?大人ぶんなて!」
「大人ぶっとらんわ!信義はホンマに大人になる気があるんか?大人になるにはニュースを観て勉強せなアカンって父さんから言われとるやろ?」
「でも、父さんはデカレンジャーは観てええって言うてたもん!チャンネル返せ!!」
「もう、2人とも喧嘩したらアカンよ?困ったなぁ⋯」
俺と兄貴がチャンネル権で喧嘩をしていると母さんが仲裁に入って優しく俺達を諭そうとする。普段の父さんがいる時だったらこの時の戦隊が警察を題材にしたデカレンジャーということもありそれだけは観せてもらえたのだが、この日に限って父さんは仕事で不在だった。
「仁美お姉ちゃん、大変そうね?私に任せて!」
「お願い!」
母さんが困惑してるとこの時ちょうど家族単位で帰省していた当時大学1年生の叔母さんが俺達の前にやって来る。ちなみに、叔母さんは俺のじいちゃんの妹の娘で親戚ではあるがじいちゃんの妹はまことみらいに嫁いでいた為、叔母さんはまことみらい出身で親戚ーズの中で唯一この一族(叔母さんの母親を除く)のみ関西弁を話せなかった。
「信義くんはデカレンジャーが観たいのね?」
「うん⋯でも、兄ちゃんが観せてくれないんよ。」
「叔母ちゃん、大学生になったのなら分かるやろ?大人になるにはニュースを観て世の中を勉強せなアカンって⋯戦隊なんかから何が学べんねんて。」
「確かに⋯信幸くんの言うことは一理あるかな。」
「ほら見ろ、叔母ちゃんは俺の味方なんや!分かったらチャンネル権を俺に譲らんかい!」
「待って信幸くん⋯話はまだ終わってないよ?確かにニュースを観て世の中を勉強するのは大事なことかもしれない。でも、戦隊ヒーローはね⋯仲間というかお友達の大切さを教える番組でもあるの。それに、今は警察がテーマなんでしょ?警察のことが勉強できるし信幸くんの言う勉強になってるんじゃない?」
「せやけど俺はもうそんな子供ちゃうねん!戦隊なんて⋯」
「じゃあ、私と一緒にデカレンジャーを観よう?信義くんもそれで良いよね?」
「うん、ありがとう⋯叔母さん!」
そうして、俺は叔母さんと兄貴と一緒にその日のデカレンジャーを観て楽しんだ。この日以降から叔母さんの働きがけもあり、日曜の朝7時半から8時までは俺にチャンネル権が与えられるようになり、そんな風にしてくれたからこそ俺は叔母さんを慕うようになったのだ。もちろん、当時から美人だったからってのもあるが⋯
~現在に戻る~
「そんなことがあったんだ⋯」
「それから俺は叔母さんによく頼ったり遊んでもらったりしたよ。デカレンジャーのおもちゃ遊びにも付き合ってくれたし、お盆の時は一緒に虫捕りにも付き合ってくれて⋯今よりも若かったものだから結構活発な人だったな。」
「それ分かるかも!お母さん⋯いつも私の運動会の保護者競技の時、一生懸命だったもん。昔からそうだったんだね⋯」
俺があんなに叔母さんのことを慕うようになった時のことを話すと、そこから思い出話に花が咲いた。本当に叔母さんは活発な人でもあったし、何よりもそれでいて俺やあんなや兄貴に優しかった⋯本当にあの人のことは美人さも相まってもしも親戚じゃなかったら俺は間違いなく彼女と結婚してたぐらい好きだったのだ。こういう話はあんまりあんなの前ではするべきじゃないから秘密にしておくけどな⋯
「織田さんとあんなちゃん!」
そんな時、たまたま買い物をしてたであろう帆羽さんが俺達に声をかける。ちょうど俺がチュチュに向かおうとしたタイミングでそこのパティシエと会うことになるとは⋯グッドタイミングだろう。
「くれあさん!」
「帆羽さん⋯こんにちは。」
「こんにちは。織田さんとあんなちゃんが一緒というのは久しぶりな気がしますね⋯何をされてたんですか?」
「ちょっとあんなと会って話をしてたんだ。君はお仕事で買い物をしてたの?」
「はい、買い出しに行っててその帰り道です。あんなちゃんは何をしてたの?」
「私もジェット先輩から頼まれたお買い物をしてました。」
「そう。良かったらウチのお店に寄って行かない?織田さんもご一緒にどうぞ。」
「ちょうど俺もチュチュに行こうと思ってたんだよ。あんなも折角の誘いだし、あいつのことだからスイーツでも頼まれたんだろ?だったらここで済まそうぜ?」
「うん!」
そうして、俺とあんなは帆羽さんに導かれてチュチュへと向かうことに。俺としては好都合だし、あんなにとってもジェット先輩にスイーツをプレゼントできる絶好の機会だ⋯それなら好機を活かさないという手はないだろう。
side out
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sideみくる
「ポチ〜⋯ごくごく。」
あんなの帰りを待つ中、私は彼女に代わってポチタンにミルクを飲ませる。ポチタンはすんなりと飲んではくれているものの私の頭の中はなかなかスッキリしない⋯
「すみれさん⋯」
「みくるさん、どうしましたか?」
「今日のあんな、どこか変な気がするんです。物凄く寂しそうな表情をしていました⋯私と喧嘩したあの時と一緒に見えたんですよね。」
「私も同じくそう見えました。でも、あんなさんは話そうとしない⋯私としては向き合うことが1番だと思いますけど、ジェット先輩はどうすれば良いと思いますか?」
「そうだな⋯話を聞けるのが1番だと僕は思うのだが、あんなが話そうとしないってことは何か悩んでるにしても言いたくないってことじゃないのか?」
すみれさんがジェット先輩にどうすれば良いのかを訊ねると、ジェット先輩はあんなは私達に悩みを言いたくないのではと分析する。そう言われると、あんなはあれからある程度は自分のことを話せるようにはなったものの依然としてどこかに私とかすみれさんに気を使ってる部分もこれまでにあった⋯こんな時に(あんなから見て)従兄の師匠がいたら状況は変わってたかもしれない。
「まあ、確かに⋯私、頼りないのかな?」
「みくる、よしよし。」
私が自分の不甲斐なさで落ち込んでいると、ポチタンが小さな手で私のおでこを撫でる。こういう時にポチタンは私のことを癒してくれて⋯心が温まるような気がした。
「ポチタンはそんなことないよってみくるさんを励ましてますよ?元気を出してください、あなたはあんなさんにとって頼れるパートナーですからね。」
「すみれさん⋯ポチタンもありがとう。考えてばかりじゃなくて行動しなきゃ!私が頼りがいのあるパートナーになれば良いんだよね?」
「ポチ〜!」
すみれさんとポチタンに励まされて私はまた前を向く。あんなからもっと頼られるようにならないとね!その為に頑張らないと⋯そう思うばかりだ。
「すみれさん、ちょっとお願いがあります!」
「はい、何なりと⋯」
side out
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sideあんな
「うわぁ⋯ピアノだ!」
パティスリーに着いてから私とノブお兄ちゃんは店頭に並ぶケーキを見つめていた。その中でピアノの形をしたチョコケーキを見つけ、私はそれが気になってしまう。本物のピアノのような仕上がりで食べるのがもったいないと見てて思った。
「これって本当にケーキなのか?」
「はい、このケーキは店長がオーダーメイドで作ったものですよ⋯いかがですか?」
「凄すぎる、まさに芸術の域だ⋯食べるのがもったいないぞ。」
「オリジナルのケーキは腕の見せ所ですからね。帆羽さんが作るケーキも評判が良いらしいですよ?」
「そうなんですね、なるほど。」
ノブお兄ちゃんもピアノのチョコケーキに目を光らせると店長のたいらさんが反応してくれあさんのことも褒める。たいらさんがこう言うぐらいだからくれあさんのケーキも食べてみたくなったよ⋯
「くれあさんもこういうのを作るんですか?」
「うん!誕生日のケーキ、よく頼まれるの。今までに作ったのは⋯サッカーボールケーキ、ドレスケーキ、パンダケーキ、ライオンケーキも作ったわ。」
私がくれあさんに質問すると、1枚のチラシを取り出してから彼女が作ったケーキを自ら紹介する。こんなにも沢山のおしゃれなケーキを作っててしかも誕生日のケーキ⋯それを任されるくれあさんははなまる凄い。
「良いなぁ⋯」
「オリジナルケーキはね⋯お客さんとお話ししてどんなケーキにするのかを考えるの。食べる人がどんな人で、今どんな気持ちなのか⋯考えて想像してその人が喜ぶケーキを導き出すの。」
「至ってシンプルだけどお客さんのニーズに応える精神、流石はプロだよ。まるで探偵が推理するみたいだな⋯」
「そうかもしれないですね。でも、織田さんには及びませんよ⋯織田さんは直感が鋭いだけじゃなくて物事の整理もできる今やまことみらいで有名な名探偵ですから。私がこうして探偵らしくいるのは烏滸がましいです⋯」
ノブお兄ちゃんがくれあさんのケーキの導き出し方が探偵みたいだと言うと、くれあさんは謙遜した態度を取る。でも、私もくれあさんがまるで探偵みたいだと思っていてそれでケーキ作りも上手いというのは本当に凄いことだと私も思った。
「そうだ⋯もし良かったらあんなちゃんのケーキ、作らせてもらえないかな?もちろん、織田さんの分もお作りしますよ?」
「でも、私⋯誕生日1月ですよ?」
「折角だし作ってもらったらどうだ?俺もるるかにケーキを買ってくるように頼まれてたからな⋯お前はジェット先輩やみくるやすみれを喜ばせて俺はるるかを喜ばせる。それでWin-Winだ!」
「ノブお兄ちゃん⋯」
「私もあんなちゃんのことを喜ばせたいと思っているの。まずは何のケーキを作りたいか⋯私に教えて?織田さんも。」
「はい!」
「ああ。よろしく頼む⋯」
私とノブお兄ちゃんはくれあさんに案内されてどんなケーキを作って欲しいのかを聞き出されることに⋯私は今、何を思っているのか。どんなケーキを作ってほしいのかを頭の中で整理するのだった。
side out
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sideすみれ
「1、2、3、4⋯」
みくるさんは事務所の庭で準備運動をしている。あれから彼女は決断して私に相談を持ちかけたのだ⋯『体力作りを手伝ってほしい』と。
「それじゃあ、すみれさん⋯よろしくお願いします!」
「分かりました。みくるさん強化プログラム、スタートです!」
そうして、最初に課したトレーニングは腹筋。私が足を押さえてからみくるさんが上体を起こしていき、それを横でポチタンが見守っている。
「ポチ〜!みくる、頑張れ!」
「8、9⋯まだまだですよ!」
「ぐぬぬ、ダメ⋯」
「まだ9回ですよ?ほら、続けましょう!」
『お前達、何をしてるんだ?』
みくるさんのトレーニングの最中に私達の様子を見ていたであろうボスがやって来る。正直な話をすると彼にはこのトレーニングに関わってほしくないと思っていたのだが⋯
「ドギー、実はトレーニングをしてて⋯体力作りをしてたの。」
『トレーニング?』
「はい、あんなさんのパートナーとして相応しい人間になれるように体力からつけて頼りになる人になろうとしているんです。これがトレーニングメニューですけど⋯」
私はボスに今回のトレーニングメニューを記した紙を見せる。みくるさんに私から課したトレーニングは腹筋20回、腕立て伏せ20回、背筋20回の3セット。これを毎日やることで体力アップは確実にできると私は見ている。
『甘いな、すみれ⋯こんなものでは鍛えられないぞ。』
「どうすれば良いのでしょうか?」
『とりあえず腹筋、腕立て伏せ、背筋は50回で5セットにしろ。そして、敷地内のランニング10周も追加だ。』
「ええっ!?それは流石に厳しすぎるんじゃない?軍隊みたいだよ⋯」
『弱音を吐くな!みくる、お前はあんなから頼られるパートナーになりたいのだろう?それなら俺が課すメニューをこなせないとまず無理だ!言っておくが、すみれはプリキュアになる為にこれよりも厳しい訓練を乗り越えたんだぞ?それよりは易しいと思え!』
「は、はい⋯」
『返事が小さい!』
「はい!」
みくるさんが思わずメニューが厳しすぎるのではと指摘すると、ボスは突如として教官モードのスイッチが入って彼女に厳しい言葉をぶつける⋯この人はトレーニングのことに関して一切の妥協を許さない。だから、私は内心ボスを近寄らせたくなかったのだ⋯教官モードのスイッチが入ったボスはみくるさんをビシバシと鍛えて行った。
『気合いが足りないぞ、お前ならもっと身体は上がるはずだ!』
「はい!」
『腕立て伏せはしっかり肘を曲げろ!そうじゃないと俺は1回と数えないからな?』
「無理だよぉ⋯」
「お馬さんポチ〜♪」
「ぐえっ⋯」
こんな感じでトレーニングが始まったもののみくるさんはボスからの厳しいメニューに苦戦するどころか全くついていけていない⋯しかも腕立て伏せの中でポチタンに乗っかられて崩れてしまうのだった。ポチタンは楽しそうではあるが、みくるさんはかなりキツそうである。
『何をやってる、休んでる暇はないぞ!次は背筋にランニングもあるからな?』
「すみません!」
それからもみくるさんはボスからかなり厳しくしごかれていくことに⋯こうでもしないと強いプリキュアになれないということを私にも教えてきたのだから、本当にこの人は厳しいし何よりもみくるさんに妥協の気配を見せない。まさに、私が見てきた鬼軍曹が復活したと言える⋯とにかく、みくるさんにはこのトレーニングについていってほしいと願うばかりだ。
side out
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side信義
「それでは、よろしくお願いします。」
「ああ、よろしく。」
そして、俺達は店の外のバルコニーへと移動して席に座っては帆羽さんと向き合ってどんなケーキが欲しいのかを聞き出されることに。しかし、ただ話を聞いて聞き出すのではなく彼女曰く『煌めきと直感』で答えを導き出すとのこと⋯まずは俺の番である。
「まずは深呼吸をしてください。」
「すぅ、ふぅ⋯」
「そのまま力を抜いて⋯リラックスしましょう。」
「こんな感じかな?」
「はい⋯そのまま目を閉じてください。失礼しますね?」
身体の力を抜いて目を閉じると、俺の手の上に帆羽さんの手と思われるものが重なる。その感触はとてもスベスベしていて心地よい⋯るるかの手と同じような温かい感触である。
「今、織田さんの頭に浮かぶ色は何色ですか?」
「チョコミントの緑⋯」
「チョコミント、あなたの彼女のるるかさんの好きなアイスのフレーバーですね。」
「でも、それだけじゃない。チョコミントのように甘くもそして爽やかというか⋯そんなるるかとのことも浮かんでくる。」
「分かりました、ありがとうございます⋯目を開けてください。」
帆羽さんからそう言われて俺は目を開ける。その時にはもう俺とは手を離していて彼女の表情はとても優しい笑顔だった⋯それにしても、こうやって真正面から向き合うと帆羽さんって美人だよな。るるかよりも大人びていて恐らく年下だろうがお姉さんに見えてしまうぐらい魅力的でしるくさんと同じものを感じた。
「これで終わりなのか?」
「はい、ご協力ありがとうございました。次はあんなちゃんの番ね⋯」
「お、おう。あんな⋯交代だ。今の俺のようにどんなケーキを作ってほしいのかを頭に浮かべとけよ?」
「う、うん。くれあさん、よろしくお願いします。」
そうして、俺はあんなに席を譲って今度は彼女が帆羽さんと向き合うことに。あんなが求めるケーキとは⋯帆羽さんは俺にした流れと同じ感じで思考を引き出していく。
「よろしくね。それじゃあ、深呼吸して?」
「すぅ⋯」
「そのまま力を抜いて、リラックス。」
「リラックス⋯」
そうして、リラックスしたあんなの手を帆羽さんが握る。俺の時と同じだ⋯こうやって相手の思考を直感とかを用いて引き出すのだからちょっと今からしたら古いかもだが、メンタリストって感じである。
「目を閉じて。今、あんなちゃんの頭の中に浮かんでる色は何?」
「白⋯雪の白。」
目を閉じたあんなは頭の中で雪の白を浮かべる。雪が関わるとなると思い浮かべた情景は冬なのだろう。彼女が思う冬と来たら恐らくは誕生日か、それ以外に何かあるのか⋯そこら辺は本人のみぞ知るという感じだ。
「じゃあ、寒いのかな?」
「ううん、寒いんだけど暖かい⋯雪みたいに積もってるけど暖かい。」
「OK、ありがとう。」
「これで本当に私の考えてることが分かるんですか?」
「うん。そうだ⋯あんなちゃんと織田さん、一緒にケーキを作ってみませんか?」
「俺も?まあ、仕事が休みの時は簡単なケーキをあんなに振る舞ったことはあるけど⋯流石に本格的なケーキ作りとなると大丈夫なのか不安だよ。」
「それならご心配なく。私がしっかりサポートしますから!待ってるだけじゃ退屈だと思いますからね⋯あんなちゃんはどうかしら?」
「はい、私もケーキ作ってみたいです!」
「決まりね。それじゃあ、店長にお願いしてエプロンを用意してもらうから⋯」
「待って、帆羽さん。ちょっと君に訊ねたいことがあるけど⋯良いかな?」
「私にですか?良いですよ⋯あんなちゃんは先に待っててくれる?」
「分かりました⋯ノブお兄ちゃんも待ってるね。」
あんなはそう言ってから先に店内に入って俺達を待つ。2人きりになると俺はまた帆羽さんと向き合って話を切り出すことに⋯話の内容に関してはもちろん決まっている。
「ごめんね、突然君を呼び止めてしまって。」
「気にしないでください。それで、私に訊ねたいこととは何でしょうか?」
「ああ⋯突然だけど、君は名探偵プリキュアというのを知ってたりする?」
「名探偵…プリキュア?知らないですね。そういう探偵小説とかアニメですか?」
「いや、それは⋯」
俺はあの時見た写真からるるかと帆羽さんは知り合いと見て名探偵プリキュアも知ってるのではないかと思い切り込んだが、彼女は知らないと答えた。しかもあの写真の背景はロンドンでるるかの話していた過去と一致する⋯るるかが嘘をついているとは到底思えない。
「とりあえず、質問を変えようか。この写真を見てほしい⋯君はるるかと知り合いだったそうだけどどういう関係だったのかな?」
「⋯」
ただ、それでも諦めず俺は話題を変えてるるかが大事にしていた写真のコピー(無断)を帆羽さんに見せる。この当時はPhotoshopなんてなかったものだからこの写真が無加工であるのは言うまでもない⋯ここまで確固たる証拠が残っている以上、隠しようがないはずなのだが。
「これ、本当に私なんですか?見たところロンドンですけど私はるるかさんと一緒にいた覚えはありません⋯」
「いや、覚えがないと言われても写真が残ってるんだから誤魔化しようがないと思うけどね。とりあえず、これ以上あんなを待たせるのもアレだから今回はここまでにするよ⋯何か思い出せたらこの名刺の携帯の番号にかけてほしい。ごめんね、俺の調べ事に君を巻き込んで⋯」
「いえ、大丈夫ですよ。調べ事が解決するように私もなるべく協力しますね⋯」
「ありがとう。それじゃあ、行こうか⋯」
「はい。」
俺は帆羽さんに自分の名刺を渡してからあんなを待たせてる店内へ2人で入ることにした。写真という立派な証拠が残ってるのに何故このことを覚えていないのだろうか⋯彼女とるるかの関係とは一体?
いかがでしたか?次回は後編です。感想、お気に入り登録、高評価をしてまた次回までお待ちください!
それでは、また来週。