名探偵プリキュア! -銀の正義と黒の秘密-   作:寿垣遥生

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遥生です。たんプリが始まって2ヶ月経ちましたけど皆さんは楽しんでますか?アルカナ・シャドウの登場、そしてエクレールの正体⋯気になることは沢山ありますね。謎が多くてその謎解きを楽しむ⋯それがたんプリの人気の秘訣なのではと僕は思います。

挙げた2人はまだ謎が多いですよね⋯あと、みくるちゃんもあんなちゃんのお母さんとそっくりだから実はお母さんでしたって説もありますし。仮にお母さんだとしたら未来はどうなるんでしょうか?

そんな今回は8話で4話分の後半戦に入ります。ゴウエモン(withるるかちゃん)と名探偵プリキュアの3人の謎解き対決。先にマコトジュエルを手にするのはどちらか⋯最後に物語において信義とるるかちゃんの関係に進展が見られる場面があるのでそこまでじっくり読んでくださいね?

それでは、また後書きにて。




#8 漫画家の未来とマコトジュエルを守れ!

side信義

 

(怪盗が足止めされてる⋯今だ!)

 

 純一さんのバッグを盗んだ怪盗が足止めされていた中、俺らはこれを好機にやつを追い詰めようとする。しかし、焦りが出たのかトランポリンを置く位置をミスってしまった。

 

「「「うわあああああ!?」」」

 

「なっ!?」

 

 しかし、間一髪のところで地面近くに大きなトランポリンを作ってそこに着地して落下の危機を回避する。無事に降り立てて良かった⋯寿命が10年縮んだ気がしたぞ。

 

「これはお前が求めていたものではない、手がかりのために返してもらうぞ!」

 

「ははん⋯分かったぞ?なるほどな!」

 

「あっ!?」

 

 怪盗の男は中身を察してたのかバッグを俺達のところへ投げ返す。どうやらこいつにも気づかれていたのだろうか⋯まあ、あの中身の中にマコトジュエルが紛れてるなんてありえるわけがないよな。

 

「恐らくマコトジュエルはその漫画の原稿に宿っている⋯」

 

「「「えっ!?」」」

 

「どっちが先に見つけるか⋯勝負だ名探偵!」

 

 そう言うと怪盗は扇子を振るってから桜吹雪と共に消え去る。マコトジュエルが漫画の原稿に宿ってるとしたら尚更先に確保しないといけない⋯この戦いは絶対に負けられないようだ。

 

「怪盗が何で僕の原稿を?」

 

「安心してください、あなたの原稿は僕達が守ります!」

 

「だから、純一さんは安心してください!」

 

「何としても先に見つけますから!」

 

「もう、良いですよ⋯十分です。」

 

「純一さん、何を言って⋯!?」

 

 俺達が原稿を見つけて守ることを宣言するも、純一さんはもう十分だと言って捜査を打ち切らせようとする。大事な原稿が必要と言ってたのに急にどうしたのだろうか?

 

「僕はみんなを笑顔にしたくて漫画を描いています。なのに、僕の漫画のせいで探偵さんが危ない目に遭うなんて⋯それが嫌なんですよ!」

 

 純一さんの気持ちを聞いて俺達は絶句する。俺達のことまでこの人は考えていたのか⋯しかし、ここまで気を遣われてしまっていたとなると尚更俺達は彼の依頼を断るわけにはいかない。

 

「私達も同じだよ!」

 

「困った人を笑顔にしたいの!」

 

「⋯」

 

「僕達はこういう人間なんですよ⋯だから、純一さんから受けた依頼は必ず成し遂げます!どうかお任せください!!」

 

「探偵さん⋯」

 

「純一さんは事務所で待っててください。みくる、ノブお兄ちゃん!」

 

「うん!」

 

「了解。それと、純一さんの漫画⋯解決したら僕達にも読ませてくださいね?」

 

「はい、もちろん!待ってますよ。」

 

 純一さんには事務所で待ってもらうことにして俺達は再び彼の原稿の入ったバッグのありかを探す。何としてもあの怪盗よりも先に手にしないと⋯マコトジュエルもかかってるとなれば絶対に譲れない。そして、純一さんの漫画を戻ったら読みたいところだ。

 

「その女の人⋯どこにいるんだろう?」

 

「みくるの絵だけじゃ(色んな意味で)ヒントは少ないからな。ただ、こっちに来てたのは確かなはず⋯」

 

「でも、あのバッグの中身のリンゴ、じゃがいも、玉ねぎ、パン、エプロン⋯その女性はどうしてこれらを持ってたんでしょうか?」

 

「俺にもまだ分からない⋯あんなはどう思うか?」

 

「多分、レストランか食べ物屋さんの人かも⋯」

 

「だとしたら、お店が沢山ありすぎる。」

 

 あんなは外食店でないかと予想する。しかし、ここら辺はそんなお店が多すぎる⋯というか、昔は結構お店があったんだな。俺が来た時ですら店主さんの高齢化とか原料高騰を引き金とする赤字が理由で閉店していくところが続出だったし、何よりも2020年のコロナ禍によって閉店ラッシュにブーストがかかってしまった。そんな今を見ると当時はこんなにも栄えてたんだなと思ってしまう。

 

「あっ、カレーだよ。リンゴを入れると味がまろやかになるんだって!」

 

「それ、あるかも!」

 

「いや、待て。カレーだとしたら食パンは何のために使うんだ?カレーにしては辻褄が合わないんだよな⋯」

 

「恐らくカレーを食パンに浸して食べるとか⋯そういう食べ方をしてる家庭もあるみたいですし。とにかく、調べてみましょう!」

 

「そうだな、行ってみよう。」

 

 俺はあんなのカレーではないかという考えに食パンからして辻褄が合わないと思った。しかし、みくるの言った通りにカレーを食パンに浸して食べる人も実際にいるからな⋯とりあえず、近くのカレー屋さんへと聞き込み調査をすることにした。

 

「あなたはこの似顔絵の女性をご存知ですか?」

 

「うーん、知らないなぁ⋯」

 

 お店に入ってから早速、店主のおじさんに似顔絵の女性のことを訊ねるも知らないと返ってくる。この女性はカレーとは関係ないのだろうか?

 

「カレー屋さんだと思ったのに⋯」

 

「だったら他のお店?」

 

「とりあえず、このエプロンに見覚えはありませんか?」

 

「ノブお兄ちゃん、ちょっと待って!これ⋯ケチャップのシミじゃない?」

 

「「ケチャップ!?」」

 

 俺が店主のおじさんにエプロンを見せると、あんながそれに付いているシミを見て、ケチャップではないかと勘づく。ケチャップか⋯そうなると、カレーとは無関係だろうな。カレー屋さんでケチャップは使わないだろうし⋯

 

「ケチャップを使う料理といったら〜?」

 

「パスタじゃない?」

 

「オムライス!」

 

「ハンバーガーやポテトもあるだろ。」

 

「どれも違うな⋯」

 

「「「えっ?」」」

 

「じゃがいもと玉ねぎは芽が出てるし、リンゴも新鮮じゃない⋯こんな食材を使う店はないって。」

 

「そんなぁ⋯」

 

 俺達がケチャップを使う料理を挙げていると、黙って聞いていた店主のおじさんがじゃがいもと玉ねぎに芽が生えていることとリンゴが新鮮ではないことを指摘する。そう言われればこんな状態で料理にするとか普通考えられないよな⋯冷静に考えられなかった見落としである。ひとまず店を出てからまたまことみらい駅前に戻ることに⋯

 

「とりあえず、行き詰まったら初めから考える⋯これは俺の推理の師匠から教わったことだ。肝に銘じておくように!」

 

「はい、心得ております。探偵の鉄則ですね!」

 

「まあ、俺も師匠も刑事だけどな⋯」

 

「それで、純一さんはここでぶつかってバッグを落とした⋯落として汚れたかと思ったけど、アスファルトだよ?」

 

「本当だ!」

 

 あんなは純一さんが女性とぶつかってバッグが入れ替わった状況を考える中で地面がアスファルトだったことに気づく。そうだとしたら落として汚したわけではないようだ。

 

「ポチ〜!」

 

「こらっ、ポチタン!ダメだろ⋯ペンキ塗りたてなんだから。とりあえず、ハンカチで拭いてみるけど落ちるのか?」

 

 そんな風に考えていると、ポチタンが駅にあるベンチの塗りたての水色のペンキを触っては手を汚してしまう。とりあえず、俺のハンカチでポチタンの手を拭くことに⋯次から次へと手間を増やして本当に厄介なポチタンだ。

 

「師匠、何か落としましたよ?」

 

「すまない⋯あっ!」

 

「そういうことなんだ⋯」

 

「なるほど!」

 

「「「見えた、これが答えだ!」」」

 

「バッグはきっと⋯」

 

「あそこだ!」

 

「よし、そこに向かうぞ⋯ありがとな、ポチタン!」

 

「ポチ?」

 

 そうして俺達はポチタンの手にペンキがついた点、ズボンポケットから落とした紙、これらからバッグのありかがどこなのか閃いた。まさかこんな形で分かってしまうとは⋯謎解きはこれだから楽しい。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから俺は絵画教室の建物の前に戻ってきてからインターホンを鳴らす。俺達の推理が当たっているとすればここに目当ての女性がいるはず⋯その人を待った。

 

「はーい?」

 

「間違いない、この人だ!」

 

 そうして中から出てきたのはみくるの描いた似顔絵通り、セミロングのウェーブがかかった髪型の女性⋯髪の色は紫で眼鏡をかけている。この人で間違いない!

 

「あっ、私のバッグ!持ってきてくださったんですね?」

 

「ええ。実は僕達、探偵をしておりまして⋯依頼者のとあなたのバッグが入れ替わったそうらしいんです。もし良かったら、依頼者のバッグもあるか確かめさせて頂けますか?」

 

「もちろん。どうぞ中へ!」

 

 そうして俺達は女性に案内されて教室の中に入る。そこには何とやはり純一さんのバッグと思われるのが飾ってあった⋯もうここまで来たら間違いないだろう。

 

「これが純一さんの⋯」

 

「本当にそっくりだね。間違えるのも仕方ないかも?」

 

「とりあえず、良かったですね。」

 

「ああ、これで解決ってところだな。」

 

「皆さん、よくここにあるって分かりましたね?」

 

「バッグについてる汚れは土じゃないし、エプロンもケチャップではない⋯あの汚れはペンキではないのかって思いました。」

 

「でも、師匠が落とした絵画教室のチラシで分かりました。あの汚れは絵の具だって!バッグに入ってたものは食材として不適切⋯」

 

「でも、絵の練習には使える。そうですよね?」

 

「その通りです。本当によく分かりましたね?」

 

「僕達⋯」

 

「私達⋯」

 

「「「名探偵ですから!」」」

 

「何が名探偵だ⋯」

 

 純一さんのバッグを取り戻し、絵画教室の講師と思われる女性にバッグを返却しようとしたその時⋯またあの怪盗がやって来る。しかも手にはいつの間にか純一さんの原稿を持っていた。

 

「ほう、なかなか面白い漫画だ⋯頂いていくぞ!とうっ!」

 

「逃がすか!あんな、みくる⋯」

 

「うん!」

 

「はい!」

 

 そうして俺達も原稿を盗んだ怪盗を追いかけて行く。この原稿にマコトジュエルが宿っているのなら尚更奪われるわけにはいかない⋯しかし、あっさりと俺達は怪盗に追いついた。

 

「(見つけた⋯)いたぞ!」

 

「待て〜!」

 

「くっ!?」

 

「逃がさないよ!」

 

 とりあえずは建物を出てすぐに路地裏にみくるをスタンバイさせ、俺とあんなは反対側から追い込んで挟み撃ちにする。この阿吽の呼吸ができる俺達もプリキュアになってから連携が極まってきた。

 

「ほう、まさか追いつくとはな⋯」

 

「お前、何者だ⋯名を名乗れ!」

 

「こりゃあ申し遅れた。俺の名はゴウエモン⋯怪盗団ファントムの怪盗だ。まあ、お前らがさっきから名を出してたニジーやアゲセーヌとは一応仲間ってところだな⋯」

 

「あなたは何故、絵画教室に原稿があると分かったの?」

 

「おいおい、次々と怒涛の勢いで質問しなさんな⋯簡潔に答えるとパンだよ。」

 

「「パン?」」

 

「ああ、新人が気づいたんだ。パンは絵を描く上で消しゴムとして線を消すために使うってな!」

 

「そういえば、そんな話を聞いたことがある⋯って、ちょっと待て!その新人って⋯まさか、ファントムにはお前の他にもあと1人怪盗がいるのか!?誰だ!」

 

「それはお前さんがよく知ってるやつだろうよ⋯まあ、それは今どうでも良い。この俺に追いついたご褒美をお前達にあげよう!嘘よ覆え⋯来やがれ、ハンニンダー!」

 

「ハンニンダー♪」

 

 ゴウエモンが扇子で桜吹雪を原稿に浴びせると、宿っていたマコトジュエルが黒く染まって純一さんの漫画原稿を媒体としたハンニンダーが生成される。今日もまたか⋯休む余地が全くありゃしない。

 

「あんな、みくる⋯行くぞ!」

 

「「うん(はい)!」」

 

「「「オープン!」」」

 

「「ジュエルキュアウォッチ!」」

 

「ジュエルキュアライセンスフォン!」

 

「「「プリキュア・ウェイクアップタイム!」」」

 

(変身中⋯)

 

「どんな謎でもはなまる解決!名探偵キュアアンサー!」

 

「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵キュアミスティック!」

 

「百鬼夜行を斬り犯罪撲滅!名刑事キュアマスター!」

 

「「「名探偵プリキュア!」」」

 

「俺の答え、見せてやる!」

 

 変身を終えるとそのまま俺がまたもや台詞を決める。これは無意識かもしれないが、まあ順番だな⋯今までが2人だったしその分俺も主張しないとだ。

 

「ハンニンダー!」

 

 名乗りも終えたところでハンニンダーはパンチ攻撃を仕掛けてきて俺達は息を揃えてジャンプで避ける。しかし、ハンニンダーが殴った時に漫画のような『THUMP!』というエフェクトが出てきた。やはり漫画原稿をハンニンダーにしてるだけあって演出も漫画チックなのか⋯

 

「「「はああ!」」」

 

「ハンニンダー!」

 

「「「うわああっ!?」」」

 

 そこから俺達も息を揃えて反撃の飛び蹴りを食らわせようとするも見事に弾かれてしまい防がれた。その際にもまたもや漫画のようなエフェクトとして『POW!』と出てくる。こういうのはどうでも良いとしてなかなか手強い⋯

 

「あっぱれだ、これがハンニンダーか⋯流石はウソノワール様から授かった力だ!」

 

「ウソノワール⋯お前らの組織の親玉か?」

 

「ああ、そうだ⋯我が怪盗団ファントムの偉大なるボス、ウソノワール様だ!マコトジュエルはウソノワール様のために持ち帰る⋯だからお前達には消えてもらう!」

 

「ハンニンダー!」

 

 ハンニンダーはゴウエモンの指示に従い、俺達を数の攻めで追い込む。それを何とか下がりながら避けていくもこれでは攻撃の余地がない。

 

「人を楽しませたいという気持ちを込めて純一さんが書いた漫画をこんなことに使うなんて!」

 

「知ったことか、ウソノワール様がお喜びになればそれで良い!」

 

 アンサーが前に出てきては純一さんの描いた原稿を悪事に利用するゴウエモンに対して怒りをぶつける。本当に彼女は強い正義感があって真っ直ぐな子だ⋯しかし、俺もこのゴウエモンの発言には怒りを抑えられない。

 

「今のを聞いて頭に来たぞ⋯原稿のことを気遣っていたが、もう我慢も限界だ。ベガをここから使わせてもらう!」

 

「武器を抜いたところでどうなると言うんだ?攻撃を続けろ、ハンニンダー!」

 

「ハンニンダー!」

 

 ハンニンダーがエフェクトを用いた弾幕攻撃を仕掛けると、俺は腰の鞘からケイボード・ベガを抜いてからそれを振ってエフェクトを一刀両断する。しかし、相手も数多く攻めているので斬るので手一杯だ⋯

 

「これならどうだ!」

 

「ハンニン、ダー!」

 

 そこからハンニンダーはパワーを溜めてから渾身のビームを放つ。こればかりは流石にベガでも凌げそうにない⋯これまでなのか!?

 

「お兄ちゃん!」

 

「ミスティックリフレクション!」

 

 絶体絶命かと思われたその時、ミスティックがジュエルキュアウォッチの長針を11に回して俺の前で四角を形成するとバリアが出てきて俺をビームから守る。ここで弟子に命を救われるとは⋯俺もまだまだ負けられないな!

 

「な、何ぃ!?」

 

「ミスティック!」

 

「師匠、大丈夫ですか?」

 

「ああ、お前のおかげで助かったよ。ありがとな!」

 

「えへへ♪」

 

「次は私!⋯アンサーアタック!」

 

「ハンニン⋯ダー!?」

 

 これに負けじとという感じでアンサーもジュエルキュアウォッチの長針を11に回していき、ハンニンダーに向かってジャンプしてから右の拳に込めたエネルギーをぶつける。これに相手は何もできずに吹き飛ばされた⋯なんて威力だ。こうなったら俺もとりあえず技を打ち込みたいところである。

 

「ハンニンダー!」

 

「しぶといやつめ⋯でも、むしろこっちには好都合だ!」

 

 この2人に負けじと俺もジュエルキュアライセンスフォンを出して『181』のコマンドを打ち込んでケイボード・ベガから雷撃を繰り出してはそれが手錠の形になり拘束される。

 

「マスターアレストショック!」

 

「ダダダダダダ!?」

 

 そして、俺が呪文を唱えるとハンニンダーにかかってる電気の手錠から電気ショックが広がり痺れて座り込んでしまった。これが俺の技なのか⋯どうやら先代のキュアマスターであるドギーは剣術使いにして電気の使い手でもあったようだ。

 

「漫画の原稿と純一さんの笑顔は俺達が取り戻す!」

 

「お、おい⋯ハンニンダー、立て!」

 

「凄いよ、お兄ちゃん!」

 

「師匠、かっこいいです!」

 

「ありがとな。じゃあ、一気に決めますか!」

 

 アンサーとミスティックから褒められた俺は礼を返して、ハンニンダーと向き合ってから『100』のコマンドを打ち込んで力を溜めていく。

 

「これが俺のアンサーだ!」

 

 そして、俺はハンニンダーの悪をケイボード・ベガで斬って反対側に着地する。渾身の技は今回も決まったことだろう!ミスティックとアンサーの作ってくれた流れは無駄にはしない。

 

「キュアっと解決!」

 

「ハン⋯ニン⋯ダー⋯」

 

 ハンニンダーは俺の攻撃によって浄化されて消滅し、マコトジュエルも元に戻るのだった。それをアンサーが受け取ってはポチタンの首のハートにはめていく。

 

「ポチポチ、キュアキュア〜♪」

 

 ポチタンもこれに喜び、黄色のマコトジュエルは溶け込んだ。また一つポチタンは成長していって元の時代に戻るためにさらに前進し、原稿も辺りも元に戻り万事解決である。

 

「俺も楽しませてもらったぞ、プリキュア⋯また相見えよう!」

 

 そして、ゴウエモンは桜の花吹雪と共に去っていく。本当に歌舞伎の千両役者級の悪役だなと見てて感じた⋯とりあえず、思うことは色々あるが原稿を事務所で待たせてる純一さんに届けるとしよう。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「ありがとうございます、探偵さん!」

 

 そして、俺達は事務所に戻ってから原稿を純一さんに届けると彼は今にも泣きそうなぐらいに喜んで感謝する。それだけこの漫画に込めた想いは大きいんだろうな⋯取り返せて本当に良かった。

 

「こちらこそ。純一さんの夢を取り返せて探偵冥利に尽きますよ。困った時はまた僕達に頼ってくださいね?」

 

「はい!」

 

「『ジュンジュン・コマッツ』?」

 

「えっ?」

 

「そうなんだ、僕のペンネームだよ。」

 

「嘘だろ⋯純一さんがあの、ジュンジュン・コマッツ先生!?」

 

 あんなが思わず封筒に書いてあった『ジュンジュン・コマッツ』という名前に反応すると、純一さんは自分のペンネームだと答える。俺もどこかで『小松崎純一』という名前を聞き覚えがあると思ったらジュンジュン・コマッツ先生の本名だったのか!なるほどな⋯

 

「師匠はご存知なんですか?」

 

「ああ、先生の作品は俺もあんなも大好きでいつも読んでるんだよ。なっ、あんな?」

 

「うん!純一さん、有名な漫画家さんになるよ?」

 

「えっ、本当なの!?それって名探偵さんの推理?」

 

「推理じゃなくて分かってるの。何て説明して良いのか⋯」

 

「あなたの人柄とかを見てそう思いました。漫画に対して真摯で周りに優しくできる人ですから⋯僕達は売れると思ったんですよ。」

 

「そうなんですか。」

 

「そんな凄い漫画家さんなら私も読みたい!」

 

「僕も読みたい!」

 

「待って、私が先だって〜!」

 

「いやいや、俺だろ?ここの主任は俺なんだからお前らは指くわえて待っとけ!」

 

「ぶぅ⋯ノブお兄ちゃん、大人気ないよ?」

 

「こうなったらじゃんけんで勝負だ!」

 

 こうして、俺達は純一さん⋯ジュンジュン・コマッツ先生の前で誰が先に作品を読むのかじゃんけんをして争う。それを見ていた彼は笑っていたのは言うまでもない⋯これでジュンジュン・コマッツ先生の未来とマコトジュエルは無事に守られたわけである。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから夜の寝る前、夜ごはんも風呂も歯磨きも何もかもを済ませた俺は自分の部屋でこの当時最新OS、Windows98が搭載されたパソコンのWordを用いて今回の事件の記録書を作成している。とりあえず、今のやつからすれば古いパソコンとて根本的な操作方法は昔から変わらないから扱いやすさに変わりはない。むしろ、こっちの方がシンプルかも。

 

(しかし、ファントムにいるもう1人の怪盗⋯ゴウエモンは『お前さんが知ってる人』と言っていたけど、それって誰なんだ?もしかして⋯)

 

『師匠、みくるです。中に入ってもよろしいでしょうか?』

 

「ああ、問題ない。」

 

 俺がゴウエモンの言ってた『新人』のことについてを考えていると、入口のドアをノックする音がすると外からみくるが中に入って良いかを確かめる。何か用でもあるとしたら師匠として話を聞くべきだろう⋯そう思って彼女を招き入れた。

 

「失礼します。文書を入力中だったんですね?」

 

 そんな彼女が部屋に入ってきた訳だが、俺は思わず見入ってしまった。服装がパジャマなのはまあ当然としてなのだが、髪を下ろしてみるとただでさえ叔母さん(あんなの母親)に似てたのがより似ていたのだ。

 

「あの⋯さっきから私の顔を見てどうされましたか?」

 

「いや、別に。それで俺に何か用?」

 

「はい。実はあんなのことで相談があるのですが⋯あの子、たまに悲しそうな表情をする時があって。何か師匠はその理由をご存知ですか?」

 

「あんながか⋯あいつ、この時代に来てから母親のことが恋しい時がたまにあって。ついこの前、あいつと添い寝した時も寂しくて泣いてたんだよ。」

 

「そうですか⋯添い寝のことに関してはまあ従兄妹同士だから置いといて、まだ私と同い年ぐらいなのに親と離れるって辛いでしょうね。しかも、時代まで離れ離れとなったら⋯」

 

「そうだな。だからこそ、みくる⋯お前があんなのそばにいてやってくれ。従兄の俺もなるべくそばにいたいたけど、こっちは殺人事件とかのエキスパートな犯罪を専門として別行動になることが多い⋯そんな時はお前が相棒として支えるんだ。」

 

「でも、私も近いうちに学校の始業式が⋯あんなはまだ学校に通えないですよね?」

 

「それはまあ、仕方ないよな。とりあえず俺とジェット先輩でここら辺は何とかしておく。だから、お前は何も気にすんな⋯今日はゆっくり休め。」

 

「分かりました⋯あと、寝る前に1つよろしいでしょうか?」

 

「何だ?」

 

「師匠は私の顔を初めて見た時、『叔母さん』って呼んでましたけど⋯私ってそんなに師匠の叔母さんというかあんなのお母さんに似てますか?」

 

 みくるは部屋に戻る前に一旦立ち止まってから自分が叔母さんに似てるのかを訊ねてくる。しかし、これは答えに悩むものだ⋯それを認めてしまうとみくるは自分のことを老けてると思う可能性もある。ただ、叔母さんはもう既に40を過ぎてはいるものの20代後半~30代前半辺りでも通用する美貌の持ち主だ⋯そんな人に似てるならむしろ誇らしいことだと俺は思う。

 

「ああ、凄くそっくりだよ⋯むしろ、同一人物かと思ってしまったぐらいだ。言っておくが、俺の叔母さんというかあんなのお母さんはかなり美人だぞ?」

 

「そうなんですね⋯私も是非会ってみたいです。」

 

「28年後の未来でまた会えたらな⋯」

 

「はい。それでは⋯おやすみなさい、師匠。」

 

「ああ、おやすみ。」

 

 そうして、みくるは自分の部屋へと戻って行った。彼女の表情もどこか色々と悩みが晴れたのかスッキリした表情にも思える。とりあえず、始業式は近いかもだがそれまではいつもそばにいてくれれば⋯きっとあんなは安心できるだろう。とりあえず、俺も書類をまとめたらとっとと寝るか⋯それまで頑張るぞ!

 

side out

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「⋯」

 

「るるか、そろそろ寝るわよ?」

 

「うん。」

 

 その頃、るるかは自分の部屋で寝る前にこの先戦うことになるであろう名探偵プリキュアが戦ってる様子の動画をパソコンで観て研究をしていた。そんな時、マシュタンからそろそろ寝るように進言され、るるかは動画を閉じてパソコン自体もシャットダウンしてからベッドに入ることに⋯

 

「それで、名探偵プリキュアを研究してみてどうだった?」

 

「キュアアンサーとキュアミスティックは怖くない。1番怖いのはキュアマスターかも⋯」

 

「怖い理由は?どうせ織田信義が大好きだから戦えない、だから怖いとかじゃないの?」

 

「違う、からかわないで⋯」

 

「冗談よ。彼の剣術とあの電撃を使う拘束技でしょう?確かにあれは脅威よね⋯でも、やけに弱気じゃない?あなたの技なら何とかやれるはずじゃないかしら?」

 

 るるかは痛いところを突かれて顔を赤くし、信義が好きだから怖いということを否定する。彼のことが好きであることは事実だが、マシュタンはそれを冗談だと茶化しつつ思ってたことを読んで代弁した。

 

「確かに⋯私の攻撃は遠距離が多いから攻撃をさせないようにできるかもしれない。でも、彼は遠距離からでも電気の手錠をつけることができる。そこからの剣術は怖いかも⋯」

 

「かなり分析したようね。でも、あなたの頭の良さなら実戦で何とかできるはずよ?」

 

「その時次第かな⋯ねえ、マシュタン?」

 

「何かしら?」

 

「私って織田さんのことをどう思ってるの?」

 

 るるかはマシュタンに自分が信義のことをどう思っているのかを訊ねる。彼女の中ではどうにもこうにも信義のことが頭から離れず、ドキドキしたり集中できなかったりで自分らしさを失っていたのだ⋯それが何故なのか、パートナーのマシュタンなら知ってるだろうと思って質問した。

 

「知らないわよ。それを1番知ってないといけないのはあなたでしょう?本当に最近のるるかはらしくないわね⋯もしかして、彼に恋をしてるの?」

 

「分からない。でも、織田さんのことを考えるとドキドキが止まらないの⋯この気持ちが何なのか、答えを出したい。」

 

「それなら明日、探偵事務所に押しかけて織田信義を誘ってみたら?彼もあなたのことを気に入ってるし、きっと乗ってくれるはずよ。」

 

「そうなんだ⋯私、勇気を出して誘ってみる。」

 

「その意気よ。頑張りなさい、るるか♪」

 

「ありがとう、マシュタン。ねえ、寝る前に頭撫でて良い?」

 

「良いわよ。あなたの気持ちが落ち着くならあたしの頭、いくらでも撫でちゃいなさいな⋯ほら。」

 

「うん⋯よしよし。」

 

「るるかから撫でられると癒されるわ♪」

 

「私も⋯マシュタンを撫でると心が落ち着く。」

 

 るるかは寝る前にマシュタンの頭を寝る前に撫でると、彼女の表情はさっきまでの悩みが消え、癒しと安心感が出て心から落ち着く。無表情だった顔も自然と笑顔が出ていた。

 

「ねえ、るるか。折角誘うんだったらあなたの好きな気持ちを織田信義に伝えてこのまま⋯」

 

「すぅ、すぅ⋯」

 

「あら、寝落ちしちゃって⋯本当にるるかは可愛いわね。このあたしが恋のアドバイスをしようと思ったのに⋯」

 

 しかし、るるかはマシュタンの頭を撫でて凄く安心したのか寝落ちしてしまった。マシュタンも信義との恋に関してアドバイスを送りたかったのだが、眠られてしまっては話の進めようがない。

 

(とりあえず、あたしにできることはこの子のサポートをすること⋯織田信義との接触は場合によっては組織に反逆することにもなりかねないけど、るるかのことが大事だもの。どうなろうともあたしがこの子を守ってみせる!)

 

 マシュタンは心の中でるるかを必ず守ると覚悟を決めてから眠りにつく⋯るるかは信義と出会ってからモノクロだった世界に色がつき始めた。彼女は組織への反逆も覚悟して信義といかに接触するのか⋯そして、マシュタンはいかにして後押しするのか?行動は翌日に迫るのだった。




技紹介
マスターアレストショック

キュアマスターの個人技。技コードは『181(端の1は腕、8は手錠を意味する)』、敵を両腕に電気の手錠を生み出しては拘束して電気ショックを与える。『アレスト』は英語で『逮捕』を意味する『arrest』から来ている。


いかがでしたか?ゴウエモンはるるかちゃんの力を借りて原稿の入ったバッグというか原稿そのものを横取りする中で自力の推理でたどり着いた名探偵プリキュアの3人⋯これはどっちが偉いのかは一目瞭然でしょうけど、そこに至るまでの3人の絶妙な掛け合いはまさに探偵同士の駆け引きらしいという感じです。しかし、根としては諦めかけた純一さんの夢を叶えようと突き進む気持ちは同じ⋯同じチームですもんね!

それでハンニンダーが出てきて最初は苦戦するも個人技をみんな出してもちろんキュアマスターの信義も技を出しました。この技に関してはこの作品が本格的に始まる前後からBURNING先生にアイデア提供をお願いした末に頂いた技で技名と効果とかは僕が考えました。コマンドとかは先生から頂いております⋯他にも技のアイデアを頂いておりますが、技をかなり出すとキミプリの方のキュアブレイキンのように技がありすぎて使いどころがバラバラになる点も懸念されるので⋯どうしようか迷ってます。ただ、刑事らしい技で真っ先に使えそうなのがこれだと思って採用してアレンジしたのでね⋯今後の展開はまた考えます。

それで、原稿とバッグを取り戻した3人は純一さんに返却するもその中で純一さんが有名漫画家の『ジュンジュン・コマッツ』になる人物だったと判明。これには信義とあんなちゃんが大盛り上がりでみくるちゃんもジェット先輩も便乗する展開に⋯こうやって喜ぶみんなを見て純一さんも満足でしょう。

その中で夜、信義に相談に来たみくるちゃん⋯彼女はあんなちゃんのことを相談。とりあえず、あんなちゃんのそばにいるようにと進言。しかし、近いうちに学校が始まるという。ここから闇展開ですね⋯あと、信義が彼女のことを『叔母さん』と呼んだことも追及してガッツリ信義も答えましたね。視聴者が気にしてることを代弁するという⋯みくるちゃんはあんなちゃんのお母さんの28年前なんですかね?前書きにも書きましたけど、そこら辺は気になります。

一方でるるかちゃんは名探偵プリキュアのこともその中の信義のことも気になって仕方がない様子⋯マシュタンに相談して翌日に事務所に押しかけることに。そこで自分の気持ちの正体を掴むことでしょうね。ただ、マシュタンのアドバイスを聞く前に寝落ちしちゃいましたが⋯とりあえず、次回がオリジナル回なのは既定路線です。

その回ではついに信義とるるかちゃんが本格接触!この2人の関係が前に進みますのでね⋯2話に渡って前後編でお送りいたします。まさかこの段階でオリジナル回をやることになるとは⋯キミプリの時のようにオリジナル回がコケなきゃ良いんですが。皆さんの反応も楽しみにしてますよ?

感想、お気に入り登録、高評価の3点セットをしてまた次回の更新もお楽しみに♪
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