聖哉の用意周到さで、危機を乗り越えたゲーム開発部は、差押品保管庫の前まで来ていた。
モ「やっとここまで来た。」
?「お、やっと来たね!」
モモミド「!?」
ア「ようこそ、ゲーム開発部。」
保管庫の前で待っていたのは、聖哉の言った通り、コールサインゼロワン『一ノ瀬アスナ』だった。
『うむ、予想通りだな。』
『いや、予想通りじゃないわよ!さすがにあの子たちだけじゃ、アスナちゃんに勝てないでしょ。』
すると、もう二人の影が、ここに来ていた。
ユ「私たちもいます。」
ア「マキちゃんとコトリちゃんには眠ってもらいました。」
なんと、ユウカちゃんとアカネちゃんまでもが、保管庫前に来ていた。
ユ「流石にやりすぎよ。こんなありとあらゆる方法を使ってまで生徒会を襲撃するなんて...」
『どうするの聖哉!?このままだと、モモイちゃんたちが.....』
『こいつらがここに来るのも予想済みだ。というか、わざわざここに来るようにしたというほうが正解だ。』
『どういうこと?』
私は聖哉の言ってる意味が分からず、困惑していると、聖哉が両手を掲げた。
『
全「!?」
聖哉がそう唱えると、青色の魔法陣が浮かび上がり、中から人間のようなロボットが現れた。
いや、それは私そっくりのロボットだった。
――はああああぁぁぁぁぁ!?
『ちょっと何なのあれ!?なんで私そっくりなのよ!!』
私が聖哉にそう問い詰めると、聖哉は自信満々の顔で
『これが、現段階で作れる、最強のロボット......『メカタルテ』だ!!』
『いや、私そっくりにする必要ある!?』
――ほんとこの勇者マジヤバイわ!?大タルテの時もそうだったけど、私に肖像権はないの?
モ「あれ、完全にリスタだよね。」
ミ「絶対、先生の仕業だよ。」
ゲーム開発部の子たちは、メカタルテを見て、引いてるのに対し、アスナちゃんは笑顔で笑っていた。
ア「あははははっ!!何それ!?」
ユ「魔法陣.....まさか、今回の件は、あの人が......!」
その刹那、いつの間にか、メカタルテがアスナちゃんとユウカちゃんの懐にいた。
ユ「は、速い!?」
ア「アハハ!これまずいやつだね。」
メカタルテは、2人に強烈なエルボーを食らわせた。
ア・ユ「ぐっ!?」
メカタルテの強烈な一撃を食らわせられた二人は、その場で、意識を失った。
『いや、強くない!?聖哉、能力値を見せて。』
『.......良いだろう。』
聖哉が見せてきた能力値は
メカタルテ
HP189452 MP0
攻撃力157894 防御力128756 素早さ98754
耐性 雷・火・水・氷・土・光・闇・毒・麻痺・呪い
即死・状態異常
特技
つ、強い!!なんで私の姿なのか、納得できないけど、これなら突破できる。
ア「何だかわかりませんが、今度はこっちです。」
アカネちゃんが、メカタルテに向けて銃を放った。だが、メカタルテの装甲にはびくともしなかった。
メ「あ、あぁ~。気持ちいい~!!!」
『喋った―――!?てかっ、私、あんな変態じゃないんですけど!!』
『なんだ、いつもと変わらないだろう。』
『いや、めっちゃ変わってるでしょ!!みんなからの私のイメージが......』
この一件で、私の神々しいイメージが完全に崩れたが、今はこのチャンスを逃すわけにはいかない。
『モモイちゃん。そのまま、保管庫に行って!!』
モ「なんだかわからないけど、分かったよ。」
モモイちゃんたちが、保管庫に向けて、走り出した。すべてがうまくいった。ゲーム開発部陣営(聖哉を除く)の誰もが思った。
その時、保管庫の前に、禍々しいオーラを放った魔法陣が現れた。
モ「な、何これ!?」
ミ「せ、先生じゃないですよね!?」
『どういうこと?聖哉。』
私が聖哉のほうを向くと、いつもより険しい表情になり、考え事をしていた。
『俺たちが2回目の廃墟に行ったときにどこからか視線を感じていた。いつか介入すると予想はできたが、今とはな』
――せ、聖哉の先見性が外れた!?これはとんでもなくやばい状況なんじゃない!!
すると、魔法陣から現れたのは、魔物とは思えない美貌の持ち主だった。漆黒のドレスを身にまとい、深紅の長い髪、金色の瞳、そして、その顔は常に微笑みを絶やさなかった。
?「んっー。ここに来れば、真の勇者 竜宮院聖哉に会えると思ったのだけど、どうやらいないみたいね。」
魔人は周囲を見渡し、状況を確認していた。
ア「あなたは誰ですか!!」
アカネちゃんの問いに、魔人は、さらに薄気味悪い笑い声を轟かせ
?「わたくしとしたことが、とても失礼なことをしてしまったわね。」
深紅の魔人は、ドレスをなびかせ、こう名乗った。
リ「わたくしは、魔王ネクロディウスの四天王が一人、色欲の公爵『リリス・ヴェルメイユ』ですわ。」
『魔王軍四天王!?どういうこと?ほかの世界の魔王がこっちの世界に来たってこと!?』
『うむ、しかも、俺の名前を知っているということは、やはり、カイザー同様、邪神が絡んでると考えたほうがよさそうだな。』
私は、透かさず、能力透視を行った。
リリス・ヴェルメイユ
Lv85
HP224578 MP24579
攻撃力 187643 防御力 158963 素早さ 128976
耐性 火・風・水・雷・土・闇・毒・麻痺・眠り・呪い・即死・状態異常
特殊スキル 魅力(LvMAX)全属性魔法軽減(LvMAX)魔王の加護(LvMAX)
特技
性格 誘惑的で魅惑的
な、なんて、ステータス!? 難度Sのゲアブランデ.....いや、難度Sプラスに匹敵するじゃない!!
――こんなの、あの子たちで勝てる相手ではないわ。
『聖哉、今すぐ助けに行かないと。』
『いや、まだだ。』
『どうして!?早くいかないとあの子たちが.......』
『能力値的には、そこまでではないが、重要なのは、スキルだ。』
『スキル?』
私は、もう一度ステータスをよく見ると、そこには、魅力と書かれていた。
『魅力?どういうこと?』
『おそらくだが、あいつの種族はサキュバス。相手を誘惑する能力を持っている。』
『で、でも、あなたなら勝てるはずよ。みんなを助けないと.....』
『いや、まずはメカタルテで奴の能力の全貌を確認する。助けに行くのはそれからだ。』
モニターを見ると、モモイちゃんたちの前にメカタルテがいた。
リ「ん?あれは、ロボットかしら。随分、面白い見た目ね。ゴリラかな?」
『誰がゴリラじゃコラー!!』
ミ「お姉ちゃん、どうしよう?」
モ「大丈夫。私たちには、先生がいる。絶対助けに来てくれるよ。」
リ「はぁー。ここに勇者がいないんじゃ、意味ないわね.......なら、こうしましょう。」
な、何を........!?
リ「勇者が来るまで、あなたたちで楽しむとしましょう。メインには引けを取りますが、前菜としてね!!」
『せ、聖哉!!』
リリスはそう言うと、ドレスを黒い刃に変形し、まるでシュレッダーのように、高速で回転をした。
リ「
高速で回転する漆黒の刃が、モモイちゃんたちを捉えようとしていたその時、メカタルテが間一髪で、間に入った。だが、10万以上の防御力のあるメカタルテが一瞬で粉々になってしまった。
『う、嘘!? メカタルテが.......』
『うむ、現状、俺が作れる最強のロボットだったが、豆腐のように切断されてしまったな。極めつけに、リスタ、気づいたか?』
『な、何のこと?』
『奴のドレスが纏っているオーラ。あれは、
『な、何で!? 』
メカタルテを瞬殺したリリスは、何かに気が付いたように、薄気味悪い笑い声を出した。
リ「そうか、そうね、なるほどね........素晴らしい!!」
モモミド「!?」
リ「このロボットを作ったのは、勇者ね。そうに違いないわ。ですが、これくらいでは、私は倒せません。勇者様、あなたが早く出てこないと、このちびっ子たちの断末魔を聞くことになるわよ。」
な、なんて、卑劣!! これがこいつの本性!!
すると、モモイちゃんたちを殺そうと、滲みよるリリスの横の部屋から、聞き覚えのある声がとどろいた。
ア「光よ!!!」
突然壁が砕け、青い閃光が、リリスを捉えた。
リ「くっ!?」
モ「!? アリス!!」
ミ「アリスちゃん!!」
この圧倒的な破壊力は、スーパーノヴァ!! そうか! アリスちゃんが閉じ込められていたところは、近くの部屋だったのね!!
壁から出てきたアリスちゃんは、まるで仲間のピンチに駆けつける勇者のようだった。
――なんか、聖哉より勇者してるわね、アリスちゃん。
この出来事に聖哉は、まるですべてを知っていたかのように
『うむ、相手が油断したところを死角から攻撃する。見ていて気分がいい。やはり、指示していて、よかったな。」
『!? やっぱり、あんたが、指示していたんかい!!』
ア「や、やったか?」
モ「ま、待って、アリス!それは言わないほうが......」
案の定、リリスは、まだ余裕の表情でそこに立っていた。
また薄気味悪い声を轟かせて
リ「ふ、ふ、ふっふっふっ。良いわ!!まだこんな子がいたなんて!!ドレイクが見たら、喜びそうね!!」
あの攻撃を受けても、ぴんぴんしているリリスは、さっきよりも興奮していた。
ア「!?」
リ「いいわ。あなたを先に食しましょう。あなたならいい前菜になりそうだわ。でもその前に、保険をかけておかないとね。」
ほ、保険!?
そう言うと、リリスは、モモイちゃんのほうに向き、体のラインを見せびらかすようになぞっていた。
『な、何!?あのいやらしい動きは!!何をするつもりなの!?』
リ「
リリスがそう叫ぶと、金色の眼光が光を発し、モモイちゃんたちを包み込んだ。
『みんな!!!』
『.........。』
まぶしい光が明けると、そこには
モ「リリス様~❤❤❤」
ミ「あなた様のためなら!!❤❤❤」
目を❤にして、リリスに欲情をしていたモモイちゃんたちの姿があった。
『あ、あれが、サキュバスの特殊スキル『魅力』!? 相手の理性を溶かし、服従させる魔法!!』
『うむ、厄介だな。』
あの場に行く全員が、リリスに堕とされていた。アリスちゃんを除いて
ア「モモイ、ミドリ、どうしちゃったんですか!?」
『あれ?アリスちゃんには効いてないみたいよ。』
私がそれを言うと、聖哉が何かに気づいたように、
『なるほど、アリスはアンドロイドだ。しかも、まだ感情もあまり理解できていない、いわば、子供のようなもの。だから、あいつの術が効かないのだろう。』
そ、そうか!!アリスちゃんはロボットだから.....
リ「ん?あなた、私の術が効いてないようね.......なるほどね。あなた人間じゃないでしょ。」
ア「!?」
リ「だがら、私の術が効かなかった。どの生物も必ずある性欲。性欲がある限り、私の術にかからないものはいないわ。」
た、確かに、アリスちゃんには、まだないと思うけど.....思春期の子供たちの前で性欲なんて言わないでくれる!?
リ「やっぱり、いいわ。最高ね。まぁ、効かなくても、問題ないわ。ほらしもべたち!!」
リリスがそう言うと、モモイちゃんたちが、アリスちゃんを掴み始めた。
ア「や、やめてください。モモイ、ミドリ。私たちは仲間です。目を覚ましてください!!」
アリスちゃんの必死の声も届かず、モモイちゃんたちに捕まってしまった。
リ「そうそう、良い子たちね。なら、早速、いただきましょう。」
リリスは、抵抗できないアリスちゃんにだんだんと滲みよっていた。
『せ、聖哉!!まずいよ、早く助けに行かなきゃ!?』
『........。』
こんなピンチなのに聖哉は一言も話さず、ただ腕を組んでじっとしていた。
『こんな時に、ふざけないでよ!!』
私は、何もしない聖哉に憤りを感じ、思わず殴ってしまった。
『あ、やってしまった.......あれ?』
そこには、土くれがあるだけだった。
『こ、これは土人形!!本当の聖哉は......』
私が聖哉を探していると、リリスがアリスちゃんに近づき、ドレスを変形させていた。
『ま、まずい!?』
リ「
う、嘘? あの子は、あんな地下に閉じ込められて、やっと、世界を見れたっていうのに!!
もっと、色んな、世界を見せてあげたかった。大きなことを成し遂げなくてもいい、ただ、仲間と笑いあえる世界を......
『聖哉!!』
リリスの刃が、アリスちゃんに向うとき、突如として降り注ぐ無数の剣撃が攻撃をしのいだ。
リ「なっ!?」
『な、何が!? ま、まさか、あれは.....!!』
「
そこには、髪が赤く染まり、赤黒い狂気のオーラを発散し、剣を構えた、聖哉がいた。
――あれは、アデネラ様の絶技、連撃剣!! し、しかも、狂戦士化の超絶速度もプラスされ、リリスの高速の刃をさばいたのね。
リ「ふーん、なるほどね。あなたが竜宮院聖哉ね。私の刃を片手でさばくなんて.....やっぱり、あの方の話通りの存在ね。」
リリスは、聖哉を見た途端、先ほどまでの余裕がなくなっていた。
「聖哉、みんな、あの悪魔に支配されているわ。元に戻さないと。」
「あぁ、そうだな。」
聖哉はそう言うと、私では近くできない速さでアリスちゃん以外の子を気絶させた。
リ「は、速い!? 私でも見えなかった.......けど、貴方のその強さも私の美貌の前には、無意味!!」
「せ、聖哉!あいつ、ドミネーションを使う気よ。」
「問題ない。さっき、こいつが能力のことをべらべらと話してくれたおかげで、対抗策を見つけた。」
「そ、それって......」
リ「お終いよ、竜宮院聖哉!!!」
リリスが金色の瞳から、光を発し、聖哉を包み込んだ。
リ「
ア「せ、先生!!!」
「聖哉!!!」
や、やばい!? いくら聖哉だからって、生物である限り欲求はあるはず、このままだと、本当にみんなが.......
光が明けると、リリスに支配された聖哉が立ってると思いきや、そこには、狂戦士化をしたいつもの聖哉がいた。
リ「な、何!? 私の術が効かない人間がいるなんて.....あの勇者でも効いたのに!!」
――あの勇者?
「せ、聖哉、どういうこと?」
「生物である限り、必ず性欲はあるだろう。だが、俺は今、狂戦士状態だ。狂戦士化は、常に理性が飛びかけている状態。そんな状態に色仕掛けなどしても、意味はない。」
な、なるほど!! バーサーカーになることで、リリスの色仕掛けの魔法を防いだのね。
リ「だがわたくしには、全魔法軽減があります。あなたの魔法はほぼ通用しないといってもいいでしょう。」
そう、あいつには、全魔法軽減のスキルがある。しかも、この世界は魔法の威力が減少している。魔法はほぼ効かないといっても過言ではない!!!
「リスタ、アリスに伝えろ。それと、これを渡せ!!」
「な、何を........」
聖哉から聞いた作戦は、思いもよらないものだった。
「アリスちゃん。」
ア「リスタ、アリスは.......」
「聖哉から伝言よ。あいつは俺が引き付けるからその間にスーパーノヴァで攻撃を与えろだって。」
その言葉を聞いたアリスちゃんは、不安の色を浮かべた。
ア「あ、アリスの攻撃は、あのモンスターには、効きませんでした。もう一回、撃ったところで倒せません。アリスでは、勇者になれませんでした。」
「いえ、貴方は勇者の素質があるわ。どんなに危機が迫っても、貴方は最後まで諦めず、仲間を救おうとした。だから安心して、次こそは倒せるわ。しかも、勇者と女神のお墨付きよ。」
私は、アリスちゃんに聖哉から託されたものを引っ張ってきた。
「ぐぬぬぬぬ!!これ、重すぎ!? よくこんな重いの持てるわね。」
ア「リスタ、これは........?」
聖哉が生成した物体は、スーパーノヴァに似ているが、すこし形状が変わっていた。
「これは、聖哉が光の剣をベースにして作った『光の剣 スーパーノヴァα』よ。聖哉が合図をしてくれるわ。その時に、貴方の出番よ。」
ア「アリスが........アリスは.......」
まだアリスちゃんは迷っているようだった。しかし、その時、聞き覚えのある双子の声が聞こえた。
モ「アリス!!」
ミ「アリスちゃん!!」
なんと、さっきまで、リリスに洗脳されていたモモイちゃんとミドリちゃんが目を覚ましたようだ。
モ「アリス。アリスは一人じゃない、私たちがいる。」
ミ「お姉ちゃんの言う通り、私たちも一緒に戦う。」
ア「モモイ、ミドリ..........アリス、戦います!!!」
アリスちゃんはそう言うと、スーパーノヴァαをモモイちゃんとミドリちゃんと構えた。その間、聖哉は、リリスの攻撃を片手だけで防いでいた。
リ「くっ!? まさかここまでの能力差があるなんて.......」
「お前は俺を殺すために来たといったが、それにしては甘すぎる。」
リ「な、何を!!」
「俺なら、まず勇者の能力を観察し、自分の能力に対抗してくる可能性を探る。お前の能力ならミレニアム....いや、キヴォトス全域を掌握することもできただろう。なのに、何も準備をしないでお前はここに来た。さすがの俺でも、この世界の生徒全員から奇襲を受ければ、解決策は片手で数えられるほどしかない。」
――いや、解決策はあるんかい.......
そう、この勇者は、自分よりステータスが弱いからといって、決して油断したりしない。それが完成された勇者『竜宮院聖哉』なのだから!!!
「それと、もしかしたら、リスタはもうお前の術にかかってるかもしれない」
「!? いや、私、かかってねーけど!!!」
「変態の女神なら、可能性はあるだろう。」
「誰が変態よ!!!」
リ「だけど、私には、貴方を殺す力がある。
「
聖哉の真・連撃剣がリリスのドレスを砕き、致命傷を与えた。
「今だ、お前ら!!!」
「「「光よ」」」
(ドカンっ)
アリス、モモイ、ミドリ。この三人が放った友情の光により、リリスはおろか、このミレニアムタワーに大きな穴をあけた。
「うん、絶命してるわね。」
「だが、念のため、後始末はしておこう」
「
後始末をする聖哉の横で、アリスちゃんたちが、喜びあっていた。
モ「やったね、アリス。」
ア「アリス、やりました!」
ミ「先生、ありがとうごさいます。」
「礼を言う必要はない。それより....「せ、先生!!」
全「!?」
声の先には、声を震わしたユズちゃんがいた。
モ「ユズ!!どこに行ってたの.....って......」
ミ「う、嘘!?」
ユズちゃんは橙色の短髪にスカジャンを着ている。いかにも、ヤンキーみたいだが、身長がアリスちゃんよりも小さい子に銃を突きつけられていた。
?「いやー、さっきの戦闘はしびれたぜ。あんたがシャーレの先生だな。」
「君は.......」
モ「ね、ネル先輩!?」
「ネル?」
それって、今は用事でミレニアムにいないっていう、ミレニアムの最高戦力!! どうしてここに......それより、能力透視を
美甘ネル
役割ストライカー 状態正常
HP225605 攻撃力 197592 防御力 156783
素早さ 203892 神秘 32682
耐性 貫通・爆発・即死・状態異常
特殊スキル 一騎打ち(LvMAX)貫通特攻(LvMAX)
特技
性格 猪突猛進
――強いけど......ヒナちゃんレベルではないわね。じゃあ、何でコタマちゃんはヒナちゃんと同格って言ったんだろう?
モ「な、何でここにいるの!?」
ネ「あぁ!? 用事が終わったから戻ってきたんだよ。それより、お前ら、こんなことして、ただで済むって思ってんのか!」
ネルちゃんの覇気のある声にゲーム開発部の面々は、委縮してしまった。聖哉はというと、何か思考をめぐらすように黙って、彼女のことを見ていた。
「うむ、土蛇が何匹か消滅していた。だが、お前が来ることは予想できていた。」
ネ「ふっ、やはり、ただ者じゃあねーな。いいぜ、やってやる。」
何この子!? どことなく雰囲気がヴァルキュレ様に似ているんですけど......
「誰に物を言っている、チビヤンキー。」
ネル「!? 誰がチビヤンキーだ!!!」
ネルちゃんがそう叫ぶと、体から炎のようなオーラを発した。
「な、何あれは!? まるで
「ふむ、あれが奴の特殊スキル『一騎打ち』によって生まれる『
つまり、能力値が上がっているという事ね。やっぱり、油断はできないわ。
「安心しろ、お前ら。ネルと戦うシュミレーションはミレニアムに来た時からしていた。」
全「!?」
聖哉の言葉を聞いたネルは、さらに高らかと笑い声をあげ
ネ「じゃあ、行くぜ!!」
ネルちゃんが、とんでもない速さで接近してきた。対して聖哉は、二丁拳銃で相対するかと思いきや、
ネ「んあ!? なんだこれは!!」
足元から土蛇が出てきて、ネルちゃんを拘束した。
「SMG相手に真面目に正面から撃ちあう奴なんていない。」
ネ「こんなこすいやり方で止められると思ったか!!」
ネルちゃんがそう言うと、土蛇を素手で引きちぎった。
――アルちゃんたちにも破られたのだから、あの子たちより強いネルちゃんを止められるわけないよね。
「それも想定済み。『
魔法陣からすごい数のオートマタが現れた。
ネ「なんだ、魔法が使えるって本当だったのか!? だが、しゃらくせー!!!」
(バンッバンッ)
ネルの放った無数の銃弾により、オートマタが一瞬にして、消し炭になってしまった。
――あれ? なんか一瞬、オーラが弱くなったような......
「なるほどな......よし、そろそろ終わりにしよう。『
「え!? わ、分かったわ。」
私は聖哉の言う通りにし、神界の門を開き、ゲーム開発部のみんなを神界に入れた。
ネ「へっ、隙だらけだぜ!!」
ネルの機関銃のような銃弾の雨が聖哉に当たった。
「聖哉!!」
土煙の中、私は聖哉の無事を祈った
ネ「何だ、もうおしまいかよ。」
土煙が晴れると、そこには、土くれになった聖哉がいた。
「あれは、土人形!? 本当の聖哉はどこに....げふっ!!」
なんと、聖哉が私にドロップキックをし、無理やり神界に戻された。
ネ「あっ!?......くそっ....どうすんだ、この状況.....」
―――――――――――――――――――
神界
「あんたには、普通に神界に戻るっていう思考はないわけ!?」
「急いでいたからな。」
「でも、あの状況ならあの子に勝てたのに.....」
「あそこでわざわざ倒す必要はない。目的は『鏡』の回収だ。」
そ、そうだ!? 結局、『鏡』回収することはできなかった。あんな奴が来なければ......
モ「そうだよ!! これまでみんなでやってきたのに、回収できなかったんだから!!」
ミ「これで、私たちは本当に終わりよね。こんなことまでしたんだから....」
ゲーム開発部のみんなが嘆いている横で、聖哉とユズちゃんが首をかしげていた。
ユ「先生、皆に言ってないんですか?」
「あぁ、言えば、作戦が意味なくなるからな。」
この二人は何のことを言ってるのだろうと私、含めみんなが思った。
ユ「みんな、『鏡』は回収したよ」
そう言って、取り出したのは、『鏡』だった。
「!?」
モ「ど、どうして?」
「作戦中に第三者による介入も想定して、俺たちが魔王軍四天王と戦ってるときにユズに一人で取りに行かしたのだ。」
「せ、聖哉、ユズちゃん一人に行かしたの!?」
「無論、サポートはしていたが、結果的には危ない目にあわしたな。もっと慎重にならなければ。」
――いや、今でも十分慎重だけど.......
モ「でかしたよ、ユズ。」
ミ「ユズちゃん、やったね。」
ア「ユズはやっぱり、すごいです。」
「あぁ、今回はよくやってくれた。」
聖哉はそう言うと、ユズちゃんの頭を撫でた。
ユ「あ、あうぅ、ありがとうございます。」
聖哉が女の子の頭を撫でている!! それにしても、よくやったわ、ユズちゃん。流石、ゲーム開発部部長。
モ「じゃあ早速、ヴェリタスのところに行って、解析をしよう。」
「いや、神界でやることがある。もし、またリリスのような奴が来る可能性がある。リスタ、まずは婆さんにこのことを聞きに行くぞ。」
「イシスター様に!?確かに何か知ってるかもしれないわね。」
私と聖哉は、子供たちをアリアに預けて、イシスター様のお部屋に行った。そこには、見たこともない険しい表情をしているイシスター様がいた
「これはこれはリスタルテ。良いタイミングに来ました。」
「おい婆さん。キヴォトスで魔王軍四天王と名乗るやつが現れた。何か知ってるなら話せ。」
いや、相変わらず、大女神さまに何つー態度!?
「.......リスタ、知っていますか? 貴方がキヴォトスに竜宮院聖哉を召喚する前に、難度Aクラス『アトランティス』の攻略を任された女神のことを......」
「えぇ、知っています。久しぶりの難度Aクラスの世界でしたから.....それが何か?」
私がそう頷くと、イシスター様が重い表情になり
「リスタ、残念ですが、アトランティスの攻略は失敗しました。」
「えぇ!?そんな難しかったんですか.....確かにAクラスは高い難度ですけど......」
私がそう質問すると、聖哉が口を開いた。
「なるほど。今、その話をしたということは、あのリリス・ヴェルメイユはその世界の魔王軍四天王という事か?」
「いや、ちょっと待って、聖哉!! あの強さは、難度Aクラスの四天王の強さよりはるかに強かったよ。」
「........そうなのです。あの世界は難度Aクラスだったはずですが、いざ世界に行ってみると、難度Sクラス....それ以上の難度でした。」
イシスター様は救済に向かった勇者のステータスを見せてくれた
佐藤直樹
職業 氷属性魔法剣士
Lv12
HP 1897 MP 1653
攻撃力 452 防御力 403 素早さ 502
魔力 397
耐性 火・氷・風・水・雷・土・毒
特殊スキル 氷結魔法(Lv5)能力透視(Lv3)・・・・・・・・・・
「こ、これって、聖哉の初期のレベルに匹敵するじゃないですか......」
「えぇ、本来ならこの勇者なら救済できる難度でした.....それが、最初の四天王で敗れてしまったのです。」
私はその言葉を聞き、思い出した。あの魔物には
「ということはまさか.....」
「えぇ、リスタの考えている通り、その勇者と女神は、真の魂諸共、殺されてしまいました。」
私は、息をのんだ。まさか、私がほかの世界に行ってる間、女神が殺されていたなんて.....
「それが本当なら、なぜキヴォトスにいる。」
そ、そうだ!! ほかの世界の魔王たちが、来たのか
「竜宮院聖哉。実は、救済に失敗した後、ほかの勇者を送ろうとしたのですが、突如として、魔王軍は世界からいなくなり、アトランティスは救われたのです。」
「ほう、つまり、何者かが、そいつらをキヴォトスに送り込んだという事か......」
「聖哉、その送り込んだ奴って........」
聖は少し考え、こういった
「十中八九、邪神の仕業だろう。これからは、魔王軍との戦闘もあるだろう。より一層、慎重に行かないとな。」
聖哉の言葉を聞くと、イシスター様が微笑み
「頼みます、竜宮院聖哉。為になるかわかりませんが、これがアトランティスの魔王軍の資料です。」
イシスター様が手渡したのは、難度Aクラスレベルのステータスだが、魔王軍の資料だった。
「ふむ、ドレイク伯爵、アーカリウム、パラサイト.....そして、ネクロディウス。」
「ありがとうございます。イシスター様。」
――――――――――――――――――
私と聖哉はゲーム開発部のところに戻った。
モ「先生、早く帰って、G.Bibleを開こうよ。」
ミ「何をしていたんですか?」
「お前たちには関係のないことだ。俺はやることがある。リスタ、こいつらを部室に戻してやれ。」
聖哉の言う通りにし、この子たちをいったんキヴォトスに戻した。
「リスタ、もう少し、この魔王軍について調べるぞ。」
私と聖哉は、イシスター様からもらった資料に目を通した。
次回予告
「ゲーム開発部って、結構いいメンバーそろっているわよね。」
「あぁ、特にモモイはいなくてはならない存在だろう。」
「モモイちゃん?」
「あいつは一見、のらりくらりしているが、あいつがいることによって、ゲーム開発部が支えられているのは間違いない。あの能天気さが、皆を救っているのだ。」
「確かに、ミドリちゃんはしっかりしていて、ユズちゃんは引っ込み思案だけどすごく頼りになって、そして、アリスちゃんは勇敢で諦めない強い心を持っている.......」
「今回の件が片付いたら、ゲームをしに行こう。」
「マジで!? 聖哉がゲームをするの!?」
「一度やってみたかったのだ、だが、ゲームだからと言って、加減はしない。慎重に準備し、クリアを目指すのだ。これはすべてのことに言える」
「.......そうね。この件が終わったら、遊びに行きましょう。」
「次回『ハッピーエンドのその先に』」