-追記-
次回予告の題名を変えさせてもらいました。
補習授業部
ナ「こんにちは、聖哉先生、リスタルテさん。アビドスの一件以来ですね。改めて、ティーパーティーのホスト、桐藤ナギサと申します。そしてこちらは、同じくティーパーティーのメンバー、聖園ミカさんです。」
ミレニアムの一件が終わった後、私と聖哉は、トリニティ総合学園の生徒会、ティーパーティーのホスト、桐藤ナギサちゃんに呼ばれて、来ている。
すると、ピンク髪で、女神のような羽をもったかわいい生徒が聖哉のことをジロジロ見ていた。
ミ「へー、これが噂の勇者先生かー。このキヴォトスで剣を腰に携えてる....しかも、騎士見たいな鎧までつけてるし.......でも、ふーん.....うん、私はすごくいいと思う!!ナギちゃん的にはどう?」
ナ「.....ミカさん、初対面でそういった話はあまり礼儀がなっていませんよ。」
「いや、初対面の相手の印象を分析するのは悪くない。装備、行動パターン、容姿から様々なことが推測できる......ふむ、だが、言葉として発するのは、良くないな。」
全「........え?」
――この人、何言ってんの!? ナギサちゃんが言ったのはそういう事じゃないでしょ!!
「それより、この会談の場は安全なのか? 重要なことを話し合うには、開けすぎている。誰かが聞く耳をたたている可能性は?」
ナ「い、いえ、ありません。ドア付近の警備はもちろん、外の警備も厳重に行っています。」
「しっかり、警備を行っていても、小型の盗聴器などが仕掛けられている可能性もある。一切油断はできない状況だな。」
「聖哉、いい加減にして! 今回は、トリニティとの対談なのよ!!」
ナ「!?」
ミ「!?」
私としたことがこのような場で、いつものような突っ込みをしてしまったのだ。
ナ「あのリスタルテさん?」
「ホ、ホ、ホ、何でもありませんわ。」
ミ「そ、それならいいんだけど.....」
「ついでに、リスタはこの会議を盗聴するスパイかもしれない。」
「!? 誰がスパイよ!!あたしゃ、女神やぞ!!!」
私たちのやり取りに、2人は困惑の色を浮かべていた。
ミ「やっぱり、噂通りの病的な慎重さだね。」
ナ「ま、まぁ、これくらいの方が頼りがいはあるでしょう。」
私は聖哉を説得して、再び、席に戻った。
ナ(コホンッ)「こうして先生たちをご招待したのは、少々お願いしたいことがありまして。」
「あぁ、前回、こちら側の要件を吞む代わりに、一つお願いを聞くことを約束したな。」
ナ「えぇ、そのお願いの内容が決まりましたので、お伝えしたいと思い、招待させていただきました。」
ミ「おおっ、ナギちゃんいきなりだね!? もうちょっとこう、アイスブレイクとか要らないの?ちょっとした小粋な雑談とかは?」
ミカちゃんの言葉に、ナギサちゃんは、鋭い目つきになった。
ミ「そんな綺麗な目で睨んでも、これはティーパーティーとしての在り方の問題なんだからダメー!きちんとしないと!」
ナ「ミカさん、そういったことはあなたがホストになった際に追及してください。今は一応私がホストですので、私の方法に従ってくださいな。」
ミ「.....。」
2人の間に漂う、異様な雰囲気。その光景を見て、私は聖哉に言われたことを思い出した。
2時間前 トリニティ上空
「リスタ、今回のトリニティの件で、話したいことがある。」
「話したい事?」
私たちは飛翔しながら、トリニティに向かっている途中、聖哉が話しかけてきた。
「今から、お前の脳に直接、喋る。」
「? どゆこと?」
『聞こえるか?』
「!? びっくりした!!!」
口を動かしていないのに、聖哉の声が聞こえた。
『これが、伝達の神から、習ったスキル『
す、すご! これなら、こそこそしなくても、会話でき.....なくない!?
「私の声は直接飛ばせないけど!?」
『安心しろ、お前は心で思えばいい。試しに、心の中で何かを言ってみろ。』
心の中ね。うーん、今本当にしたいのは........聖哉に抱き着いて、キスしたいかもぉ。
『抱き着いた時点で、叩き落とす。』
『!? 本当に心を読んでるの!?』
『これが、相手の心の声を読む、『強制以心伝心』だ。これがあれば、誰かに聞かれることなく、作戦を立てられる。翌々はお前にも、覚えてもらう。』
す、すごいけど、私のプライバシーはどこに行ったのかしら......
『能力の説明は終わりだ。本題にいこう。今回、俺がなぜ、ナギサの招待に乗ったのかだ。』
『 ? 前に聖哉が、ナギサちゃんと約束したからじゃないの?』
私の答えに聖哉は、呆れたような様子で
『違うな。ぶっちゃけ、俺としては、エデン条約なんてどうでもいい。』
『!? じゃあ何で、エデン条約の参加の招待を呑んだのよ。』
『無論、その陰に潜む敵を倒すため。そのためには、トリニティに潜入する必要があったからな。』
『で、でもエデン条約って、ゲヘナとトリニティの仲を取り繕う条約なんでしょ?それがなかったら、戦争とかになるかもしれないじゃん。』
『......確かにな。』
やけに素直ね.......
『
『いや、そこかよ!?』
生徒に優しいのか、優しくないのか、わからない人だわ、ホントッ!
『それより、今回の敵は、ベアトリーチェ。黒服が話していたゲマトリアの一人だ。』
『あぁ、聖哉がボコボコに尋問した。あの......』
アビドスの件を解決しているときに、ホシノちゃんにとんでもない契約をしようとした『黒服』。
――確かに、聖哉の能力で、ゲマトリアのことを色々、吐かせたわね。
『黒服が言うには、ベアトリーチェは、アリウス自治区という所を支配しているらしい。』
『アリウス自治区?』
『その昔、トリニティ領内に自治区を有した、数ある分派の一つらしい。その後、トリニティ総合学園と対立があり、自治区を追放されたらしい。』
トリニティ総合学園と対立......いったい、何があったの......
『ひとまず、ナギサの依頼を遂行しながら、もっと情報を集める。』
そして、現在。
ナ「トリニティの生徒会長は、代々複数人で担っているものなのです。昔.....『トリニティ総合学園』が生まれる前、各分派の代表たちが紛争を解決するため......「ちょっと待て。」
全「!?」
ナギサちゃんがこの学園について説明してくれてるのに、突然、聖哉が話を静止した。
「ちょっと聖哉! せっかくナギサちゃんが前置きとして、説明してくれてるのに――。」
「トリニティの歴史など、ここに来る前....いや、キヴォトスに来てから、もう調べてある。それより、本題に入れ。」
いやいや、ミカちゃんがせっかく、空気を読んでくれたのに.....相変わらず、無神経にもほどがある!
ナ「話してるとこちらの調子が崩れそうですね.......。」
ミ「変わってるって、噂だけど、相当だね。」
ナギサちゃんが(コホンッ)と咳払いをし、本題に入った。
ナ「私たちが先生にお願いしたいことは、簡単なことです。」
ミ「簡単なことだけど、重要なことですよ。」
ナ「はいそうですね。」
いや、ミカちゃんの言葉、軽く受け流されてるし.....やっぱり、派閥同士の争いがあるのかな?
ナ「.....補習授業部の、顧問になっていただけませんか?」
「.......え?」
凄い依頼をしてくるかと思ったが、つまり、補習対象生徒に教鞭をとるってこと?
盛大な肩透かしをくらい、私はあまり言葉が出なかった。
「せ、聖哉.......えぇぇぇ!!」
聖哉の反応を見るために、顔を向けるとそこには、怪訝そうな顔で聞いていた。
ナ「わかりやすく、嫌がっていますね。安心してください。先生に担当してもらう、成績不振の生徒は四人。」
ミ「よりにもよってこの時期になんて、私たちにとっては困ったタイミングというか......。」
エデン条約ね.....ゲヘナもトリニティもこの条約にかける思いは大きいようね。
ミ「今は、エデン条約の件で人手も時間も足りなくって....その時にちょうど見つけたの!新聞に載ってた『シャーレ』の活躍っぷりを!」
た、確かに前、モモイちゃんが聖哉の情報が新聞やニュースで取り上げられているって言ってたわね。
ミ「あのゲヘナの風紀委員長でも勝てなかった化け物を瞬殺したり、ミレニアムに現れた魔王軍を倒したりと大活躍!!この「シャーレ」になら、きっと面倒ごとを任せられそうだなって!」
面倒ごと.......てかっ、私たちがこの世界で成したことって、ここまで知れ渡ってるのね。
『ふん、流石に目立ちすぎているな。つまり、ゲマトリアには俺の情報は知れ渡っていると考えるのが妥当か。』
ナ「『面倒ごと』なんて言ってはいけませんよ、ミカさん。」
ミ「まあでも、ある意味本当のことでもあるし.....。それに、「先生」なんでしょ?先の道を生きると書いて『先生』....つまり、『導いてくれる役割』ってことだよね?」
まあ、本人に先生の自覚はあるか、問題があるところだけどね。
ミ「尊敬の対象........。」
ミカちゃんは、何かを言いかけると、そっぽを向いてしまった。
ナ「まあ、報告書では、先生じゃなくて、傍若無人な勇者と挙がってきていますが......。」
ミ「ナギちゃん。流石にそれは言わなくていいんじゃない? 先生の名誉のためにも......。」
まあ、この勇者、普通に生徒に暴力振るうしね、合理的過ぎて.....
いつもの聖哉の日ごろの行いに驚かなくなった私は、自分自身に恐怖していた。
ミ「とにかく!今はちょっと忙しいこともあって、ぜひ先生に、この子たちを引き受けてほしいの!」
ミカちゃんの言葉を聞き、聖哉は少し、思考を巡らせていた。すこしの間、沈黙が流れたが、聖哉が口を開いた
「いいだろう。」
「いいんだ......」
ミ「やった!ありがとー先生。」
ナ「ふふっ、きっと断らないでしょうとは思っていましたが.....。」
「だがいくつかの質問と一つだけ条件がある。」
全「!?」
「トリニティでの仕事をするということは、今後は許可なく敷地内に入れるという事か?」
ナ「え、ええ。シャーレから通うのが手間なら、お部屋を貸しますが.....。」
「いや、いらん。リスタの門で帰るからな。そもそも他人が用意した部屋をすぐに泊まるなど、危険極まりないからな。」
ナ「ん........。」
聖哉の失礼極まりない言葉にナギサちゃんが少し引きつったような表情を見せた。
「せ、聖哉、用意してもらえるのにそれは.....。」
「要らないと言ったら、いらん。それより、条件の話だ。」
ミ「そ、それは.......」
聖哉の表情が一層、真剣になり、
「条件はひとつ、この件に関する隠し事は一切するな。」
全「!?」
「隠し事をしていると判断した場合、今回の件はなかったこととし、エデン条約にも一切、参加しない。それでトリニティがどうなろうがどうでもいい。」
「ちょ、ちょっと、聖哉!!」
聖哉の言葉に、ナギサちゃんはそれまで、笑顔で接していたが、真剣な表情になり
ナ「えぇ、それで構いません。ほかに質問はありますか?」
「あぁ、これは俺が調べても出なかった内容だが、もう一人のティーパーティはどうした?」
「もう一人のティーパーティ?」
聖哉の質問に、2人は険しい表情になり
ミ「セイアちゃんは今、トリニティにいないの。入院中で.....。」
ナ「本来であれば、今のホストはそのセイアさんだったのですが......そういった事情で不在のため、私がホストを務めている所です。」
「入院? いつからだ。」
ナ「少し前くらいからですかね。」
入院....こんな時に大変ね。重い空気が流れる中、何とか変えようとナギサちゃんがあるものを手渡してきた。
ナ「先生、これは補習対象生徒の名簿です。お使いください。」
『ふむ、アロナ、この生徒の情報を整理しといてくれ。』
「? 聖哉、何してるの?」
聖哉がタブレットを操作しているので、覗いてみると
「げええええ!?」
そこには、今まで会ってきた生徒のステータス、性格などが細かく書いてあった。
「む、見るな。」
聖哉はそう言い、電源を切った。
「聖哉、こ、これは?」
「無論、生徒の情報だ。あいつらのステータスや性格、行動パターン、一日のスケジュールなどを細かく載ってある。」
「そ、そんな情報をどうやって.....」
「あいつらに土蛇を付け、ずっと監視していただけだ。」
「......え?」
こ、こいつ、まさか私生活まで監視してたんじゃないでしょうね。いくら合理的だからって、やばすぎでしょ!!
ナ「せ、先生。よろしくお願いしますね。」
「あぁ。」
私たちは、ティーパーティを後にした。
『リスタ、ティーパーティとの話を整理する。まずリスタ、これを見ろ。』
そう言い、私にタブレットの画面を見せてきた。そこに書かれていたのは
聖園ミカ
役割:アタッカー 状態:正常
HP237954 攻撃力186592 防御力167904
素早さ196492 神秘43782
耐性:貫通・振動・状態異常・即死
特殊スキル:確定会心(LvMAX)貫通特攻(LvMAX)振動特攻(LvMAX)
特技:Kyrie・Eleison
何この、とんでもステータス!? ネルちゃんたちに匹敵するわ!! あんなかわいい姿から想像できない。
『ステータスもそうだが、肝心なのはそこじゃない。特殊スキル「確定会心」だ。』
『「確定会心」......つまり、すべての攻撃に会心バフが付くってことね。』
『あぁ、バフが乗れば、攻撃力は30万近くなる。ヒナにも匹敵する攻撃力だ。』
『あんなに真っ直ぐでいい子そうなのに.....』
私がそうこぼすと、聖哉は憐みのような眼差しで私を見た。
『本当にそう思ってるなら、お前の目は節穴だな。』
『ちょ、ちょっと!これでも目はいい方なんだけど!!』
『それともう一つ、百合園セイアのことについてだ。』
百合園っていうんだ......どんな子なんだろう。
『その前にトリニティについて説明しよう。』
『!? さっき説明しようとしてくれてたのに、話遮ったの聖哉じゃん!!』
『あんなところで、長々と話してると良くないからな。トリニティには、三つの派閥がある。パテル、フィリウス、サンクトゥス。それらの三つの学園の代表が手を取り合い、作ったのが「トリニティ総合学園」だ。』
『へえ~。でも、何でそれが、セイアちゃんと関係あるの?』
私の質問に、聖哉は
『派閥があるということは、その間に権力争いがあるということだ。』
派閥.....権力争い......それって.....
『そうだ。百合園セイアは何者かに襲撃された可能性はある。』
『ちょっと待って、その犯人があの二人の誰かだっていうの?』
『あぁ。まぁ、自分で手を汚すとは思えない。ほかの誰かに指示をしたという事のほうが可能性があるがな。』
さ、流石に考えすぎじゃない? で、でもエデン条約の件もあるし.....
『とにかく、あまりあいつらを信じないほうが良い。だが、依頼は遂行しよう。補習授業部のメンバーに会いに行くぞ。』
そうして私たちは、待ち合わせの教室に赴いた。そこにいたのは.....
「嘘!? まさか.....」
?「あははは。えっと、その....お久しぶりです、先生、リスタさん。」
「ヒフミちゃん!!」
そこにいたのは、以前、アビドスの一件でブラックマーケットでいっしょに行動し、カイザーの件にも協力してくれた阿慈谷ヒフミちゃんだった。
「もしかして、ヒフミちゃんが落第寸前の生徒?」
ヒ「そ、そうなんですけど、これはその、やむを得ない事情がありまして.....。」
やむを得ない事情?
ヒ「事実は、ペロロ様のゲリラ公演に参加するために、テストをサボってしまって.....それで....。」
「.........え?」
「はぁぁ。」
ペロロ様.....ゲリラ公演?......そ、それで落第寸前になったの!?
困惑する私の横で、聖哉は軽蔑した表情でヒフミを見ていた。
ヒ「そ、そんな冷たい目で見ないですくださいぃ....!ちゃんと試験の日程は確認していたはずなんですっ。何かの間違いと言いますか、手違いと言いますか.....。ご、ごめんなさい....。」
「つ、次から気をつけようね......。」
もしかして、ほかの三人もこんな理由じゃないでしょうね。
ヒ「その....ナギサ様に、先生のサポートを頼まれまして....。」
「サポート?」
ナギサちゃんから聞いたことをヒフミちゃんが話してくれた。
「へえ~。ヒフミちゃんが部長なんだ。」
ヒ「臨時ですけどね。ぜ、全員が落第を免れたら、自然に部はなくなるはずです。それまで、よろしくお願いします。」
「よろしくね、ヒフミちゃん。」
ヒフミちゃんに挨拶をしている横で、聖哉は名簿を見ていた。
「次は正義実現委員会か.....ひとまず行くぞ。」
私たちは、正義実現委員会の教室に向かった。
正義実現委員会・教室
「ここは?」
ヒ「あ、あぅ....あんまり来たくはなかったのですが.....。えっと、失礼します.....どなたかいらっしゃいますか?」
ヒフミちゃんがそう呼ぶと、ピンク髪のツインテールで頭部に黒い羽が生えた可愛らしい子が現れた。
――ん? なんであの子、体に黒いラインがあるだろう?
ヒ「こ、こんにちは。」
?「......。」
ヒ「え、えっと....。」
「少し、人見知りなのかな?」
私がそうこぼすと、その子が、反論した。
コ「......だ、誰が人見知りよ!?た、ただ単純に知らない相手だったから、警戒してるだけなんだけど!?
「それを人見知りというのだろうが。」
聖哉の言葉に、その子は、恥じらいを見せた
コ「....そ、それで、正義実現委員会に何の用?」
ヒ「え、えっと.....探してる方がいまして.....。」
ヒフミちゃんの言葉に、その子は、目を丸くして
コ「はぁ!?正義実現委員会に人探しを依頼しようてこと?私たちのこと、ボランティア団体か何かだと勘違いしてるわけ?そんなに暇じゃないんだけど?」
け、結構、元気な子ね.......
ヒ「いえ、えっと、ここに閉じ込められているって聞いて......良くないことをした人が.....」
コ「え、それってもしかして....?」
その子が、何かに気づいたように後ろを向くと、そこには、ピンク髪のロングでスタイル抜群な子がいた。
――す、凄い子が現れた......それと一つ、気になったのが......何で水着なの!?
ハ「こんにちは。もしかして、私のことをお探しですか?」
全「!?」
コ「え、は、何で!?あ、あんたどうやって牢屋から出てきたの!?ちゃんと鍵を閉めたのに!?」
「俺が開けた。この変態は、浦和ハナコ。二人目のメンバーだ。水着姿で学校を徘徊し、正義実現委員会に捕らえられたらしい。」
コ「何してるのよ!?」
いや、いきなり生徒を変態呼ばわりって、確かに場違いな恰好してるけど......てかっ、水着姿で徘徊って......
ハ「開けてくださり、ありがとうございます、先生。噂は本当のようですね。」
コ「ま、待って!!そのかっこで出歩かないでよ!?ちょっとぉ!!」
正義実現委員会の子がハナコちゃんを止めようとすると
ハ「.....?何か問題でもありましたか、下江さん?」
コ「あるに決まってるでしょ!?何で学校の中を水着で徘徊するの!?」
ハ「ですが、学校の敷地内であるプールでは、皆さん普通に水着になられますよね?もしかして下江さんは、プールでは水着を着ないタイプですか?」
コ「え、は?それってどういう......。」
ハナコちゃんは、揶揄うように笑みを浮かべ
ハ「下江さんは全裸で泳ぐのがお好きなんですね。流石は正義実現委員会、そういった分野まで網羅されているなんて。」
ハナコちゃんたちのやり取りに、今まで黙ってみていた聖哉が口を開いた。
「コハル。いくら授業だからって、何があるかわからない。無防備で行うのは危険だ。」
コ「先生は、ややこしくなるから、入ってこないで!!」
何この状況.......
コ「と、とにかく早く戻って、早く!もうすぐ先輩たちが来ちゃうから!」
コハルちゃんに押されて、ハナコちゃんは一旦、戻った。
コ「はあ、はあ.....。」
ヒ「え、えっと....。」
聖哉以外の生徒は、状況に困惑していた。
ヒ「今はハナコさんとはお会いするのは難しそうなので、一旦、次のメンバーに会いに行きましょうか.....。」
「もう一人は、白洲アズサちゃんね」
その時、教室の扉が開いた音がした。出てきたのは、最初に聖哉があった生徒の一人、羽川ハスミちゃんだった。それともう一人、黒の短髪の可愛らしい子がいた。
ハ「ただいま戻りました。」
マ「任務完了です!現行犯で白洲アズサさんを確保しました!」
.....え、現行犯?
ヒ「はい....はいぃっ!?」
コ「あっ、ハスミ先輩、マシロ。」
2人はこちらに気づいたように
マ「コハルさん、お疲れ様です。あれ?」
ハ「聖哉先生、リスタルテさん?」
――ちょっと待って!?
私は気づいた。二人の後ろになぜかガスマスクを装着した生徒がいることに......
ア「.....惜しかった。弾丸さえ足りてれば、もう少し道ずれにできたのに。もういい、好きにして。ただ、拷問に耐える訓練は受けてるから、私の口を割るのはそう簡単じゃないよ。」
「アズサ。弾薬は、大量に用意しておけ。各所に罠を設置し、慎重に準備したら逃げ切れるだろう。」
ア「なるほど、勉強になる。」
「!? 聖哉は、ややこしくなるから、黙ってて!!」
名簿によると、この子は、白洲アズサちゃん。校内での暴力行為の疑いで正義実現委員会に捕まったらしい。
ハ「せ、先生。本日は正義実現委員会にどんなご用件で.....。」
聖哉は、補習授業部について説明をした。
ハ「.....なるほど、お話は理解しました。先生が、補習授業部の担任の先生になられると。......残念です、できればお手伝いをしたかったのですが。」
「ハスミちゃん、あの二人、連れてってもいいかな?」
私が、ハスミちゃんにそう言うと、コハルちゃんが声を荒らげ
コ「はぁ!?ダメに決まってるでしょ!?絶対ダメ、凶悪犯なのよ!?」
ハ「コハル。先生とリスタさんはシャーレの方として、ティーパーティーからの依頼を受けてこちらにいらっしゃったのです。規定上は何の問題もありません。補習授業部の顧問、担任の先生になるのですから。」
コ「え、えぇ.....まあでも、先輩がそう言うなら.....。」
コハルちゃんは解せぬといった表情だったが、納得してくれたようだ。すると
コ「あははっ!いいんじゃない、悪党と変態の組み合わせ!そこに「バカ」の称号だなんて、私なら一緒にいるだけで羞恥心で死んじゃいそう!」
「それより、もう一人はどこに......」
ナギサちゃんは確か.....4人って言ってたわよね。
「何を言っている。そこにいるだろう」
「......?」
聖哉が指をさした先には、コハルちゃんがいた。
「そこのうるさいのが、四人目のメンバー。下江コハルだ。」
コ「.....え、私っ!?」
「すでに、三回連続で赤点を叩き出している。要するに、留年目前だ。」
――.......え、その成績で、さっきの他人事のような、振舞ってたの?
......と、メンバー全員がそろい、教室に向かうことにした。
ハ「では、ここにそろっているのが補習授業部のメンバーという事ですか?」
コ「は、はい.....えっと、これで何とかみんな集まりましたね。補習授業部.......。」
水着で校内を歩くハナコちゃん、校内で暴力行為をするアズサちゃん.....そして、その二人に挟まれる、成績不良のコハルちゃん。
――中々、個性的な子たちが集まったわね.....色が濃すぎる気がするけど。
私が心の中でそう思っていると、聖哉が前に出て、今回のことを説明した。
ア「これからは普通の授業に加えて、毎日放課後に特殊訓練があるってだけでしょ。」
ヒ「私たちが目指すのは、これから行われる特別学力試験で「全員同時に合格する」こと。」
「その特別試験って、一回だけなの?」
私の質問に、ヒフミちゃんは顔を横に振り
ヒ「いえ。特別学力試験は第三次まで、つまり三回あるようですが.......そのうち一度でも全員同時に合格すれば、そこで補習授業部も終わりとのことです!」
三回もあるのね。それなら、しっかりと勉強すればいけそう.....
意外と優しい処置に安堵しようとした時、突然、聖哉が口を開いた
「いや、ダメだ。試験は一回でいい。三回チャンスがあると思っている時点で、論外。その一回で徹底的に対策し、満点を取る。まずは、高校三年間、全ての教科を履修する。」
全「!?」
こ、こいつ、勉強、教えるの向いてね―――!!!! しかも、こいつ......
ヒ「せ、先生、満点って言いました?」
「勿論だ。俺が教えるのだ、満点以外認めない。」
「いやいやいや、しかも、高校三年間履修する必要なくない? 各々の学年の範囲をやればよくない?」
「いや、その範囲だけとは限らない。捻った問題なども出るだろう。それに対策するためには、一からやるのがいい。」
だ、ダメだ。こいつに教鞭をとらせちゃ.......
「聖哉なら、いけるかもしれないけど、みんながそうじゃないわ。少しずつ点数を上げるのよ。」
「違う。確かに着実と点数を上げるのは、同意だ。だが、問題がある。」
「問題?」
私は聖哉が言った問題というのが、わからないでいると、ヒフミちゃんが
ヒ「と、取り合えず、今日はこの辺にして、明日、開始しましょう。」
ヒフミちゃんがそう言うと、各々は、自分の部屋に帰っていった。
「せ、聖哉、問題って?」
「無論、今回の補習授業部についてだ。ナギサは何かを隠している。」
「ナギサちゃんが.......。」
「いったん神界に行くぞ。そこで、ある神と修行する。」
ある神?
「聖哉、トリニティって、私たちみたいな子がたくさんいるね。」
「あぁ。あの翼はどういう素材なのかが気になる。もしかしたら、合成に使えるかもしれないしな。今後は、トリニティの生徒の生態調査も同時にやっていこう。」
「いや、生態調査って......まさか、監禁するつもりじゃないでしょうね!!」
「..........。」
「図星!? 本当にやめてよ。」
「次回『この神が頭が良いのに面倒くさすぎる』」