ヒナちゃんと霊トレ
私と聖哉は、トリニティの書庫でシスターフッドのサクラコちゃんと、セイアちゃんの事件について話していた。
「サクラコ、百合園セイア襲撃事件の現場検証を教えてくれ。」
サ「はい。セイアさんの部屋が爆破されたのは、夜中の3時頃。その後、現場へ最初にたどり着いたのは『救護騎士団』のミネ団長でした。」
ミネちゃん!まだ会ったことがない生徒ね。
サ「ミネ団長は室内の状況を確認した後、すぐにその事実をティーパーティーに報告。ティーパーティーは情報の隠蔽工作や犯人探しが始まりました。」
「なるほど。それで、ミネはセイアを守るために、あいつを死んだことにしたという事か.....。それで、なぜ起きないのか、理由はわかるのか?」
「? 前もそうだけど、聖哉、セイアちゃんが起きないってどういう事?」
私の言葉に聖哉は、真剣な表情で
「あいつの傷は完治している。なのに、昏睡状態だという事だ。まるで起きることを拒絶しているようにな。」
「起きることを拒絶.......一体、セイアちゃんに何が....。」
聖哉の言葉に、サクラコちゃんは首を振った。
サ「爆発の傷は癒えたものの、ずっと眠り続けている状態......団長も、原因がわからないと言っていました。」
「.....そうか。」
聖哉は、残念そうに顔を俯かせた。
――こいつ、セイアちゃんが心配なんじゃなくて、セイアちゃんから情報が欲しかっただけじゃないの?
私が聖哉に疑惑の目線を向けていると、扉から誰かが入ってきた。
ハ「あまり面白くないサクラコさんに捕まって苦しんでいるのではないかと思い、先生を助けに来ちゃいました。ふふっ❤」
部屋から入ってきたのは、浦和ハナコちゃんだった。
ハナコちゃんの言葉に、サクラコちゃんの表情は引きつっていた
サ「.....冗談をいうタイミングではありませんよ、ハナコさん。」
「それで、何の用だ、ハナコ。」
ハ「先生は相変わらずですね.....セイアちゃんの襲撃事件、実行犯はご存じの通り、アズサちゃんだったようです。」
「やっぱり、そうなのね。」
ハ「.....セイアちゃんの部屋が爆破されたのは夜中の3時です。しかし、その部屋に侵入したのは夜中の2時頃。ここには、1時間の空白があります。侵入者.....つまりアズサちゃんはセイアちゃんと一緒に1時間、その部屋にいたんです。」
「え!? 1時間も喋っていたという事?」
「冷静に考えれば、偽装工作の作戦会議だが.....。」
ハ「アズサちゃんは、あまり詳しくお話ししてくれませんでしたが.....」
ハナコちゃんは、アズサちゃんとの会話の内容を話してくれた。聖哉の言う通り、空白の1時間は偽装工作のことを話していたらしい。
「なるほど。アリウススクワッド.....『サオリ』か。」
ハ「.....先生は、ミカさんの動機についてどう思いますか?」
ハナコちゃんの言葉に、聖哉はフンと鼻を鳴らし
「そんなことはどうでもいい.....他人の本心を理解することなどできないからな。」
ハ「......。」
聖哉の言葉に、ハナコちゃんは
ハ「『楽園にたどり着きし者の真実を、証明することはできるのか』」
「?」
「何だそれは?」
ハ「楽園にたどり着いた者は、楽園の外で観測されることが無い。存在することを観測できない....楽園の存在証明に関するパラドックスです。」
ハナコちゃんの言葉を聞き、聖哉は鼻を鳴らした。
「何とも、つまらない話だ。楽園?仮にあったとしても、それが楽園なのかも怪しい。それが楽園だと認識改変されているだけかもしれない。楽園の定義が曖昧だ。こんなもの、最初から証明不可能な問いである可能性が高い。」
「何その、疑心暗鬼な発言は.....。」
「そもそも、その楽園が人間のためのものなのかも怪しい。俺は前に言ったはずだ。自分の器に見合わないことをしようとしても、そこに残るのは悲しみだけだと。」
ハ「ですが、『
ハナコちゃんの言葉に、聖哉は呆れたように
「他人を完全に理解することはできない。そんなのは当たり前だ。人間は、自分の事でさえ、理解できないのだからな。ミカが例だ。」
聖哉は腕を組んで、仁王立ちをした
「だから俺は、簡単に理解するなんて言わない。理解したつもりになるやつが、一番危険だ。期待も、信頼も、油断も、そこから生まれる。」
ハ「それならどうすれば.....。」
聖哉は少し沈黙してから、低い声で言った
「だが、理解できないから、無意味という話でもないだろう。」
ハ「!?」
「相手が何を恐れているか。何を隠しているか。どんな時に声が震えるか。そういう理解しきれない断片を慎重に集める続けることはできる。」
そして、いつものように警戒した表情で
「だから俺は、理解したと思っても確認する。信じた後でも疑う。何度でも観察する.....他人を理解できなくても、他人と向き合うことはできる。理解できたからといって、油断してはいけない。理解できないからといって、遠ざけるのもよくない。あいつらには、それが出来なかったという話だ。」
ハナコちゃんは、聖哉の言葉に微笑み
ハ「どうして....先生はどうして、そんなに...。」
「俺は、エデン条約のためにやりたいことがある。行くぞリスタ。」
そして、私と聖哉は、ハナコちゃんに挨拶をし、部屋を出た。
「聖哉、あの発言.....。」
「あまり深く考えるな。今はエデン条約だ。神界に行き、特技を習得する。」
聖哉には、何か、考えがあるようだ。
「今回は、幽神ネフィテトの能力を身に付ける。」
「ね、ネフィテト様!?」
幽神ネフィテト様。イクスフォリアの死皇戦の時に「
「なんでゴースト? 敵はゴーストタイプなの?」
聖哉は少し沈黙し、口を開いた。
「わからん。だが、ドレイク伯爵はアンデットなどと予想できる。なら、ゴーストタイプに効く技は持っていたほうが良い....それに....。」
「それに?」
「...いや何でもない。」
聖哉には何か思う事があるのだろう。なら、今は口を出すべきではない。
「その前に、一旦、ゲヘナ風紀委員会に行く。」
「!? な、なんで?」
聖哉は、何も言わず、神界を経由してゲヘナに行った。ゲヘナ風紀委員会にアポも無しで言っていいのかと思ったけど、聖哉に任していたら大丈夫だろう。
聖哉は、風紀委員会の扉を雑に開けた。
(バンッ)
「邪魔する。」
「いや、無礼にもほどがあるでしょーが!!」
突然、入ってくる聖哉にヒナちゃんたちは目を丸くしていた。
ア「な、何なんですか、貴方は!!アポイントメントも無しに.....。」
イ「急にどうしたんだ?先生。」
チ「もしかしてエデン条約についてですか?」
ヒ「先生.....。」
ヒナちゃんは、聖哉を見た瞬間、そっぽを向いてしまった。この前の件があるからだろう。
「エデン条約と言えば、そうだな。」
聖哉はそう言い、ヒナちゃんの手を取った。
「行くぞ、ヒナ。神界に行って修行だ。」
ヒ「え?」
ア「はあああああああ!!!」
聖哉の意味不明な行動に、アコちゃんは叫んだ。
――何だか、最初に風紀委員会の子たちと会ったみたいになったわね。
ア「な、何を言ってるんですか、貴方は!? 委員長は忙しいんです。あなたに構っている暇はありません。」
「どけ、変態。俺はヒナに用がある。」
へ、変態って....子供に向ける言葉じゃないわね.....
ア「だ、誰が、変態ですか―――!!!」
アコちゃんと聖哉がいがみ合っていると、ヒナちゃんが
ヒ「.....先生。あなたがそう言うという事は、何かあるのでしょう.....分かったわ。」
ア「委員長!?」
「理解が早くて助かる。お前がいないときの治安維持のためにメカタルテを貸しておこう。アコの指示に従うようにしておいた。」
あの~、メカタルテを使う必要なくない!?普通のロボットで良いじゃん!!
何とかアコちゃんを説得して、私たちは神界に向かった。
ヒ「ここが神界....綺麗ね。」
初めてくる神界に、見惚れていたヒナちゃん。対して聖哉は、早速、ネフィテト様の神界墓場に行く準備をしていた。すると、アデネラ様が声をかけてきた。
「せ、聖哉、リスタ。ひ、久しぶりだな.....!?」
アデネラ様は、ヒナちゃんの方を見ると、俯き、不気味な笑みを浮かべた。
「あ、アデネラ様!?」
「せ、聖哉.....そ、その女は誰だ。」
「あ、アデネラ様、抑えて。」
ヒナちゃんを見た瞬間、嫉妬を向けるアデネラ様を落ち着かせようとした。すると聖哉が近づき、頭に手を置いた。
「せ、聖哉?」
ヒ「先生?」
「せ、聖哉、な、何を.....」
「アデネラ....」
聖哉は、爽やかな表情になり
「ヒナとの修行の邪魔をするな。お前がいると、邪魔だ。あっちに行け。」
いや、物凄く失礼なこと言ってるけど....まさか....!?
案の定、アデネラ様の目はハートになっていた。
「わ、わかった.....好き❤」
アデネラ様はそう言うと、去っていった。
ヒ「先生って、女神にもモテるのね.....」
気を取り直して、私たちは神界墓場に行くために歩き出した。その時、偶然、剣神セルセウスと会った。まあ、今は剣神というよりスイーツ神と化してるけど....
「せ、聖哉さん!!今日もいい天気ですね....あっ!!新作で作ったケーキがあるんですよ~。良かったらどうですか?」
「あんた、今日もケーキを作っているんだ.....」
「いらん。」
聖哉の早すぎる否定に、セルセウスは残念そうに驚いた。
「そ、そんな!?せ、せっかく作ったのに......ん?」
セルセウスは、聖哉の隣にいるヒナちゃんの存在に気づいたようだ。
「聖哉さんが、女の子を連れてるなんて珍しいですね.....それも.....いいな。」
「きも!?」
「キモって何だよ、リスタ!! 」
「そのままの意味よ、このロリコン神!!!」
「誰がロリコン神だ!! 俺は剣神だ!!!」
「剣を振るわないで、お菓子作ってるのに、何が剣神よ!! ヒナちゃんに手を出さないでね!!!」
私とセルセウスが、いがみあっていると、ヒナちゃんが
ヒ「せ、先生.....」
「そいつらは放っておけ。それより、時間がない。行くぞ。」
ヒ「わ、わかったわ.....」
「!? 聖哉、おいていかないで!!!」
何とか聖哉に追いついた私は、神界墓場を目指した。
神界墓場につくと、そこには真っ青な長い髪の女がいた。ネフィテト様だ。
ヒ「う、浮いてる!?」
「おい、ネフィテト。俺とこいつに霊力を教えろ。」
私たちに気づいたネフィテト様は、フワフワと浮遊し、近づいてきた。
「ひ、久しぶりなのね。いいよ。退屈してたところだからね。じゃあ、小槌を使うね。」
「あぁ。」
ヒ「小槌?」
ネフィテト様から、小槌を受け取った聖哉は、ヒナちゃんの頭めがけて、振り下ろした。
(ゴチーン)
「いや、女の子にナチュラルに暴力振るうなよ!!!ヒナちゃん、大丈夫?」
ヒナちゃんを心配したのだが、当の本人はあまり痛がっていなかった。
ヒ「大丈夫よ、リスタ。痛くないから。それより.....。」
「!?」
ヒナちゃんの体が、霊体になっていた。初めての感覚に、ヒナちゃんは少し楽しそうだった。
ヒ「凄いわね、これ。」
「うん、いいね。霊的マッチョ、目指すね。」
「うむ、成功だな。俺もやろう。」
聖哉も自分で自分の頭を小槌でたたき、霊体になった。
ヒ「えーと?こっからどうすればいいの?」
「うん、霊トレね。そこで、腕立て100回に腹筋100回ずつ、やるね。」
ヒ「え.....? 筋トレ?」
「わかった。」
聖哉は、突然筋トレをすることに驚いているヒナちゃんを横目に、腕立てを始めた。それを見て、ヒナちゃんは何かを納得したように....
ヒ「.....なるほど。先生が練習着で来るように言った理由が今、わかったわ。」
練習着....そう。今、ヒナちゃんはショートパンツに金色のラインが入ったジャージを着ていた。
――本当に、似合うわね。
「何をやっている?お前もやれ。」
ヒ「わ、わかったわ。」
聖哉の圧に負け、ヒナちゃんは筋トレを始めた。すると、ネフィテト様が白い液体が入ったコップを持ってきた。
「いい感じなのね。次はプロ霊ン、飲むね。」
ヒ「ぷ、プロ霊ン!?」
「健康的な霊体の形成に必要な必須網の霊酸が豊富に含まれているね。飲めば霊トレが捗るね。」
「うむ。」
前回、安全なものという事が分かっているからか、聖哉はノータイムでプロ霊ンを飲んだ。それを見ているヒナちゃんは困惑していた。
「む。お前も飲め。飲みにくいなら、飲ませてやろうか?」
ヒ「!? い、いいわ....///」
(ゴクゴクッ)
聖哉の申し出に照れたのか、ヒナちゃんはプロ霊ンを一気に飲んだ。
――いや、年頃の女の子が、白い液体を飲むって.....
すると、聖哉がこちらを見て....
「リスタ。お前がいるとヒナの気が散る。お前はキヴォトスの様子でも見てろ。」
――いや、あんたが気を散らしてるんでしょうが!?
聖哉の冷たい言葉に、反論したくなったが、ここにいても私のやることは無いので渋々、自室に戻った。
色々なことがあり、疲れていた私はそのまま寝てしまった。
翌朝、聖哉たちの様子を見ようと、神界墓場に向かった。
「どう、聖哉?」
今は休憩中のようだ。ヒナちゃんはネフィテト様とお茶を飲んでいた。だが、肝心の聖哉の姿が見えなかった。
「ヒナちゃん、聖哉は?」
ヒ「何かやりたいことがあるって、行ってしまったわ。」
「本当に、気まぐれね、あの勇者....。それで、修行の方はどうですか?」
「順調なのね。勇者はもう完璧なのね。君はもう少しなのね。」
ヒ「頑張るわ。」
相変わらず、習得速度が異次元ね、あの勇者。
「なんだ、リスタ。来てたのか?」
噂をすれば、その勇者が帰ってきた。
「何をしてたのよ?」
「無論。エデン条約に向けてだ。」
「.....そういえば、ずっと聞きたかったのだけど、何でエデン条約? 何か起こるってこと?」
私の言葉に、聖哉は呆れた表情で
「トリニティ、ゲヘナの重鎮が同時刻、かつ、一か所に集まることがあるとしたら、エデン条約調印式だ。襲撃には最適な日だろう。それくらい分かれ。」
「な、何よ!!」
私の言葉に目もくれず、聖哉はヒナちゃんの所に行った。
「ヒナ。休憩は終わりだ。仕上げに入ろう。先に行っててくれ。」
ヒ「分かったわ。」
「?」
ヒナちゃんを先に行かした聖哉の行動に理解できずにいた私だった。
「リスタ。話したいことがある。」
「話したい事?」
聖哉は、神妙な表情になり、話した。
「ヒナは、引退を考えているらしい。」
「い、引退!?」
ヒナちゃんが引退.....それって、風紀委員長をやめるってことよね?
「な、何でそんなことに....。」
「エデン条約が締結させれば、ゲヘナの治安も多少はよくなる。そうなれば、風紀委員会...いや、風紀委員長が居なくても、大丈夫だろうと考えているのだろう。」
それを聞き、私は感じた。
――確かに、ヒナちゃんは頑張りすぎている気がする。それなら、いっそ辞めて、違う事に時間を使ったほうが良いと思った。
「せ、聖哉!まさか、ヒナちゃんが自分で引退したいって言ってるのに、止めるんじゃないでしょうね!!」
私の言葉に、聖哉は首を傾げた。
「お前は何を言っている。あいつが自分で決めたことなのだろう?それなら、口を出す必要はない。」
「で、でも聖哉は、今回、ヒナちゃんを自分の戦力に加えようとしてるじゃないの?」
私がそう言うと、聖哉は呆れたように
「俺があいつを修行に参加させた理由は、自衛のためだ。いくらメカタルテだからと言って、全てを守れるということは無いからな。今回、あいつが前線に出て戦う必要はない。」
「そ、そうだったんだ....。」
それにしては、本気で会得させようとしてたけど......
聖哉は、話を終えると席を立ち、ネフィテト様の所に行った。
「ヒナちゃんが引退......。」
エデン条約......あのゲヘナが、それほどまでに治安が良くなる条約。その明るい未来を象徴した条約の影に潜む暗雲。
――大丈夫よね。聖哉が居るんだから.....
私は、2人の準備が整うまで、部屋で待機をした。
2日後
聖哉とヒナちゃんが、修行から戻ってきたようだ。
「も、もう修行は大丈夫なの?」
「あぁ。だが、まだやることがある。リスタ、ヒナを送り届けるぞ。」
ヒ「わ、私は先に帰るの?」
「明日はエデン条約。そのために、いろいろ準備があるのだろう。今日は自室に戻って寝ろ。」
ヒナちゃんは、帰りたくないようだったが、風紀委員会の所まで送り届けた。
「聖哉、やりたい事って?」
「エデン条約に向けて最終調整だ。今一度、作戦の見直しをする。」
聖哉はそう言い、どこかに行ってしまった。
「私も作戦に参加させてよ!?」
三日後、私は聖哉が召喚の間で閉じこもっている情報を聞き、向かった。そこには、
「聖哉....って、なんじゃこりゃ――!?」
部屋中に、銃や弾薬、コンテナがそこら中に散乱していた。
「リスタか。」
「な、何よ、これ!?」
聖哉は、誇った顔で
「無論。エデン条約襲撃に向けた。準備だ。銃などのスペア。弾薬などをオートマティック・フェニックスに持たせるつもりだ。そしてこれを見ろ。」
聖哉は、アンモ缶から、一つの銃弾を取り出した。
「これが今回作りたかったもの。霊力を付与した弾丸だ。『
す、凄い!!これなら、遠距離のゴーストタイプにも、対応できる。
「これを付与した銃を千丁ほど、準備した。」
「いや、多くね!?そんなに使う?」
「無論。スペアだ。それにメカタルテに持たせれば、多数の敵にも対応できる。」
いや、だから、何でメカタルテを使うの!? 普通のロボットで良いって言ってんじゃん!!
聖哉は、道具を土蛇に持たせた後、支度をしていた。
「リスタ、キヴォトスに戻り、仕込みをする。」
「まだ、準備完了じゃないの?」
「あぁ、必要になるかどうかはわからんが、やっておきたい事がある。」
私と聖哉は念のため、透明化をし、夜のエデン条約調印式の会場に来た。
「.....綺麗ね。」
夜のトリニティは、街灯に照らさて、とても神秘的な光景だった。本当にここに影があるとは思えなかった....いや、違うわね。このネオンに照らされているから、影に気づかない。
「何をしている。準備は終わった。」
「え!? もう終わったの?」
「お前が、物思いにふけっている間にだ。それより、明日、エデン条約開始と同時に作戦を開始するぞ。」
「つ、ついに!!」
聖哉は、この星のようにきらめくトリニティをまっすぐ見据えながら
「あぁ。『
「ヒナ。昨日、ピアノを弾いていたが、いつから弾けるようになった?」
ヒ「そ、それは、れ、練習したから......。」
「ほう。その言い分だと、元々趣味だったというわけではなさそうだが....」
ヒ「そ、それは......あなたのために...///」
「? よく聞こえなかったが、もう一回言ってくれ。」
「せ、聖哉、野暮なことしないの!! 困らせないで上げて。」
「お前は何を言っている。全く訳が分からん。」
「次回『この勇者が虚無の学園相手でも容赦なさすぎる。』」
「勘は鋭いのに、こういう事だけ、鈍いのよね、この勇者.....。」
読んでくださり、ありがとうございました。