ソラユメ 餘部透 【タツタサンドな日々 (元ネタEver17)】   作:あまるーん

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【タツタサンドな日々 3話 END1】

──

 

───

 

皐月「…大好き」

 

餘部「あらあら?嬉しいけど、そう伝えてくるの珍しいね。…まぁいっか」

 

──

 

───

 

皐月は相変わらず、タツタサンドとゲームの生活を繰り返し、引きこもり生活状態を続けていた。

しかし……。

 

皐月(……ふう。最近はゲームをやり過ぎてるかな。これじゃ、無職のニート同然だよね)

 

少し前までは夢中になっていたが、今は我に返ったように心の中で反省している。

 

皐月「餘部先輩、最近外に出てないので、気分転換に外に出てきますね?」

 

餘部に声をかけて、出ていく準備を始めようとした。

だが、そんな彼女に対して彼は次の言葉を発した。

 

餘部「ん?どうして外に出る必要があるの?」

 

彼は笑顔だが、凍りつくような声色で伝える。

 

皐月(なんだろう、笑ってるけどふざけてなさそう。じゃあ…)

 

皐月「…そりゃ、花の女子高生ですよ。無職ニートみたいな生活はできないです」

 

餘部「あはは。花のとか、自分で言っちゃうの?」

 

皐月「たまには、私もふざけたいです」

 

皐月(これで、いつもの調子に戻ってくれるかな?)

 

皐月「じゃあ、行ってきます」

 

餘部「外に出るのはダメだよ」

 

彼女の身体を捕らえる。しっかりと、逃げられないように。

 

皐月(通用しなかった、どうしよう)

 

皐月「…っ!」

 

餘部「言ったでしょう?危機一髪の状況になるって」

 

皐月「何故ですか?」

 

餘部「……んー。教えられないかな。まあ、諦めてよ」

 

氷のような声とは裏腹に、餘部の瞳の色が夕焼けのように思えた。

 

皐月(瞳の色が…。まさか、ヘリオトロープに取り憑かれて?)

 

皐月「それでも!引きこもりになりたくないです。タツタサンドしか食べれないのも嫌!!」

 

皐月は恐怖を感じながらも、説得をしてみる。

それに反応するように、彼の瞳の色は赤味がほんの少し抜ける。

そして、彼は外の方向を向く。

 

餘部「…そう。分かった。じゃあ、ボクが外に食べ物を買い出しに行ってくるよ」

 

餘部「行ってきます」

 

皐月(なんだろう。見送ったらいけない気がする)

 

皐月「待ってください!」

 

餘部「え?」

 

皐月「…先輩にも、ここから出てほしくないです」

 

彼女の瞳の色も赤味がかっていた。

 

皐月「どこかへ行くなんて、許しません」

 

彼女は身体を捕らわれつつも、彼の身体を逆に捕らえつつ、真剣な声色で伝えていた。

2人とも、離れる様子は一切無い。

 

餘部「さっちゃん…」

 

餘部「ボクを求めてくれて嬉しいな」

 

餘部透はとても幸せそうだった。

 

皐月「餘部先輩独り占め券の持ち主ですから」

 

守永皐月もとても幸せそうだった。

 

2人とも、瞳は更に赤く染まっていた。

 

──

 

───

 

BGM:Karma

 

少し前から外の音が増えていた。だが最近、更なる騒音が聞こえる。ドンドンと響く音が止まらない。

 

餘部「ほんとは、死ぬつもりだったんだよ?」

 

彼は自分がしようとしていたことを、彼女に明かした。

 

皐月「なんとなくそんな気がしていました」

 

餘部「だから止めたの?」

 

皐月「はい。…死という存在に、餘部先輩を渡すつもりは無いです」

 

餘部「わー。すごい愛だね」

 

皐月「先輩こそ。様々な愛を持ってますよね」

 

餘部「ボクは皐月愛が強いからね。どのルートでも、さっちゃんの為に頑張ったんだよ?」

 

餘部、またメタ発言。

 

皐月「メタすぎますが、その通りですね」

 

餘部「あははっ。ところで、さ…」

 

彼の雰囲気が変わる。

 

皐月「え?」

 

餘部「今、キミがとても欲しいんだ」

 

皐月「むしろ、あげますよ」

 

彼女は、その言葉を待っていたのかもしれない。

 

餘部「いいの?」

 

皐月「はい。…私も先輩に対して、同じ気持ちを持ってますし」

 

2人の思いは全て一致していた。

外の音は更に強まる。

 

餘部「じゃあ、他の存在に奪われる前に、あれをしようか」

 

皐月「餘部先輩…私達を脅かす驚異に気づいてたんですね」

 

餘部「おやおや、さっちゃんも気づいたんだ。外には、ヘリオトロープ病が蔓延してるんだよ。みんな狂気に染まっている」

 

ずっと秘密にしていたが、これが外の現状だと、真実を話す。

 

皐月「あの音はここに侵入しようと…」

 

餘部「そう、もうこの家は崩壊しそうだよ」

 

皐月「外という現実に気が向かないよう、私にEver17を渡して没頭させたんですね」

 

餘部「うんうん。この世の終わりからの現実逃避だよー」

 

皐月「先輩ったら…ほんとに手の混んだことを」

 

餘部「楽しかったでしょ?」

 

皐月「最高でした」

 

──

 

───

 

あれを2人は始めた。

ヘリオトロープに染まった状態での吸血だ。

狂気は持っている。だけど大切に、とても愛おしそうに、お互いの血を手に入れる。

 

餘部「キミの血は最高だな。誰にも渡したくないよ」

 

皐月「私も同じことを思っています」

 

皐月「…お互いの独り占め券が発動していますね」

 

餘部「この町の人々はみんな好きだけど、渡す訳にはいかないね」

 

皐月「はい。1番好きなのは先輩ですし、他の狂気に譲る気は無いです」

 

2人は愛を語り合っていた。

過度になり過ぎているが、これはこれで、1つの愛情なのかもしれない。

 

外からの音が最大にまでなっていた。

もう限界かもしれない。

 

餘部、皐月「「愛してる。また後で。『ボクは』『私は』死なない」」

 

そして、2人は願いを込めて、血を吸い尽くした。

抜け殻になっていく。

 

──

 

───

 

外にいた、ヘリオトロープに染まった人々が建物を破り、ついに侵入してくる。

…だが、そこには何も存在していなかった。

タツタサンドの具だけがあった。

 

Fin

 

END1 2人だけで閉じこもる愛

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