ソラユメ 餘部透 【タツタサンドな日々 (元ネタEver17)】 作:あまるーん
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皐月「…大好き」
餘部「あらあら?嬉しいけど、そう伝えてくるの珍しいね。…まぁいっか」
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皐月は相変わらず、タツタサンドとゲームの生活を繰り返し、引きこもり生活状態を続けていた。
しかし……。
皐月(……ふう。最近はゲームをやり過ぎてるかな。これじゃ、無職のニート同然だよね)
少し前までは夢中になっていたが、今は我に返ったように心の中で反省している。
皐月「餘部先輩、最近外に出てないので、気分転換に外に出てきますね?」
餘部に声をかけて、出ていく準備を始めようとした。
だが、そんな彼女に対して彼は次の言葉を発した。
餘部「ん?どうして外に出る必要があるの?」
彼は笑顔だが、凍りつくような声色で伝える。
皐月(なんだろう、笑ってるけどふざけてなさそう。じゃあ…)
皐月「…そりゃ、花の女子高生ですよ。無職ニートみたいな生活はできないです」
餘部「あはは。花のとか、自分で言っちゃうの?」
皐月「たまには、私もふざけたいです」
皐月(これで、いつもの調子に戻ってくれるかな?)
皐月「じゃあ、行ってきます」
餘部「外に出るのはダメだよ」
彼女の身体を捕らえる。しっかりと、逃げられないように。
皐月(通用しなかった、どうしよう)
皐月「…っ!」
餘部「言ったでしょう?危機一髪の状況になるって」
皐月「何故ですか?」
餘部「……んー。教えられないかな。まあ、諦めてよ」
氷のような声とは裏腹に、餘部の瞳の色が夕焼けのように思えた。
皐月(瞳の色が…。まさか、ヘリオトロープに取り憑かれて?)
皐月「それでも!引きこもりになりたくないです。タツタサンドしか食べれないのも嫌!!」
皐月は恐怖を感じながらも、説得をしてみる。
それに反応するように、彼の瞳の色は赤味がほんの少し抜ける。
そして、彼は外の方向を向く。
餘部「…そう。分かった。じゃあ、ボクが外に食べ物を買い出しに行ってくるよ」
餘部「行ってきます」
皐月(なんだろう。見送ったらいけない気がする)
皐月「待ってください!」
餘部「え?」
皐月「…先輩にも、ここから出てほしくないです」
彼女の瞳の色も赤味がかっていた。
皐月「どこかへ行くなんて、許しません」
彼女は身体を捕らわれつつも、彼の身体を逆に捕らえつつ、真剣な声色で伝えていた。
2人とも、離れる様子は一切無い。
餘部「さっちゃん…」
餘部「ボクを求めてくれて嬉しいな」
餘部透はとても幸せそうだった。
皐月「餘部先輩独り占め券の持ち主ですから」
守永皐月もとても幸せそうだった。
2人とも、瞳は更に赤く染まっていた。
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BGM:Karma
少し前から外の音が増えていた。だが最近、更なる騒音が聞こえる。ドンドンと響く音が止まらない。
餘部「ほんとは、死ぬつもりだったんだよ?」
彼は自分がしようとしていたことを、彼女に明かした。
皐月「なんとなくそんな気がしていました」
餘部「だから止めたの?」
皐月「はい。…死という存在に、餘部先輩を渡すつもりは無いです」
餘部「わー。すごい愛だね」
皐月「先輩こそ。様々な愛を持ってますよね」
餘部「ボクは皐月愛が強いからね。どのルートでも、さっちゃんの為に頑張ったんだよ?」
餘部、またメタ発言。
皐月「メタすぎますが、その通りですね」
餘部「あははっ。ところで、さ…」
彼の雰囲気が変わる。
皐月「え?」
餘部「今、キミがとても欲しいんだ」
皐月「むしろ、あげますよ」
彼女は、その言葉を待っていたのかもしれない。
餘部「いいの?」
皐月「はい。…私も先輩に対して、同じ気持ちを持ってますし」
2人の思いは全て一致していた。
外の音は更に強まる。
餘部「じゃあ、他の存在に奪われる前に、あれをしようか」
皐月「餘部先輩…私達を脅かす驚異に気づいてたんですね」
餘部「おやおや、さっちゃんも気づいたんだ。外には、ヘリオトロープ病が蔓延してるんだよ。みんな狂気に染まっている」
ずっと秘密にしていたが、これが外の現状だと、真実を話す。
皐月「あの音はここに侵入しようと…」
餘部「そう、もうこの家は崩壊しそうだよ」
皐月「外という現実に気が向かないよう、私にEver17を渡して没頭させたんですね」
餘部「うんうん。この世の終わりからの現実逃避だよー」
皐月「先輩ったら…ほんとに手の混んだことを」
餘部「楽しかったでしょ?」
皐月「最高でした」
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あれを2人は始めた。
ヘリオトロープに染まった状態での吸血だ。
狂気は持っている。だけど大切に、とても愛おしそうに、お互いの血を手に入れる。
餘部「キミの血は最高だな。誰にも渡したくないよ」
皐月「私も同じことを思っています」
皐月「…お互いの独り占め券が発動していますね」
餘部「この町の人々はみんな好きだけど、渡す訳にはいかないね」
皐月「はい。1番好きなのは先輩ですし、他の狂気に譲る気は無いです」
2人は愛を語り合っていた。
過度になり過ぎているが、これはこれで、1つの愛情なのかもしれない。
外からの音が最大にまでなっていた。
もう限界かもしれない。
餘部、皐月「「愛してる。また後で。『ボクは』『私は』死なない」」
そして、2人は願いを込めて、血を吸い尽くした。
抜け殻になっていく。
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外にいた、ヘリオトロープに染まった人々が建物を破り、ついに侵入してくる。
…だが、そこには何も存在していなかった。
タツタサンドの具だけがあった。
Fin
END1 2人だけで閉じこもる愛