ソラユメ 餘部透 【タツタサンドな日々 (元ネタEver17)】   作:あまるーん

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【タツタサンドな日々 3.5話】

──

 

───

 

皐月「じゃあ、行ってきます」

 

餘部「外に出るのはダメだよ」

 

彼女の身体を捕らえる。しっかりと、逃げられないように。

 

皐月(通用しなかった、どうしよう)

 

皐月「…っ!」

 

餘部「言ったでしょう?危機一髪の状況になるって」

 

皐月「何故ですか?」

 

餘部「……んー。教えられないかな。まあ、諦めてよ」

 

──

 

───

 

皐月「どうしても?」

 

餘部「うん。どうしても、だよ」

 

皐月(……怪しい。だけど本編では、私を助ける為に、ストレートに事情を伝えることができなかった先輩のことだ)

 

皐月「分かりました。じゃあ、家にいますね」

 

餘部「そうそう!楽しくゲームをして過ごそうね」

 

彼女が自分の言うとおりにしてくれて、嬉しそうにしている。

…しっかりと捕らえたまま。

 

皐月「……そろそろ離してください」

 

餘部「えー。こんなにギュウギュウと捕獲されるなんて、レアだよ?喜んでよ。さっちゃんつまんないなー」

 

彼はふざけてみせた。いつもの調子だ。

 

──

 

───

 

翌日、本日は皐月が大量のタツタサンドを作った。

愛おしい彼が喜んでくれるよう、たっぷりと愛情を込めて。

 

皐月「はい、どうぞ」

 

餘部「わー。さっちゃんお手製、餘部透大好きラブラブラブラブサンドだね」

 

皐月「あははっ…。そんな名称ではないですが。あと、ラブが多いですね」

 

餘部「うん!ボクが名付けたからね。それに、Ever17は同じ言葉を繰り返す場面が多いじゃない?」

 

ゲームからの要素も取り入れて、名付けたらしい。

そんな発想が浮かびやすいのも彼の特徴。

 

皐月「確かにこのゲームの特徴ではありますが」

 

彼女は、電源がオフになっているPSP本体をジーッと見つめた。

今から食事なので、その状態にしている。

 

──

 

───

 

2人はタツタサンドを食べ終えた。

 

餘部「ごちそうさま。愛情が伝わって美味しかったよ!17個食べたけど、腹七分未満ってとこかなー」

 

皐月「割と足りてないんですね…」

 

餘部「うん。だから…食後の甘いお菓子も食べよっと」

 

パクッ。モグモグ。

 

皐月「た、食べないでくださいー!」

 

…なんと、皐月は髪を食べられていた。

ジタバタと抵抗をする。

 

餘部「どうして?甘みがあって美味しいからいいじゃない」

 

ニコニコとした表情を浮かべ、髪の毛を食べながら感想を言っていた。

 

──

 

───

 

餘部「ごちそうさまー。さっちゃん食べたら眠気が……zzz」

 

食後、餘部は皐月という甘いお菓子を食べた影響か、寝てしまう。

んな訳あるかい。ありましたとさ。

 

皐月「…!?寝ちゃった…」

 

自分が甘いお菓子になれた。そして彼を眠らせた。我ながらすごいと実感した女子高生がそこにいた。

 

皐月「…寝ていることだし、外に出るんじゃなくて、この家の中から様子見を開始してみようかな」

 

作戦開始!

 

──

 

───

 

外の様子を窓から伺った。

餘部によって、窓のほとんどは見えないよう、封鎖されていた。

だがしかし、隠し窓が皐月の部屋にはあった。

 

皐月「…あ、これは餘部先輩が正しかったかも」

 

皐月「家から出たら生きて帰れないよね」

 

外にはヘリオトロープに侵食されたであろう人々。

狂気に支配された存在だ。引きこもる前の町は、もうどこにもない。

 

──

 

───

 

皐月「おはようございます」

 

餘部「んー。おはよう?」

 

眠っていた彼は、ようやく目が覚めた。

 

皐月「私、知りました」

 

餘部「ん。何を知ったのかな?」

 

皐月「家の外の世界です」

 

彼女は向こう側を指差す。

 

餘部「あー、バレちゃったか…。もちろん、外に出ないよね?」

 

外の世界を知った彼女に対して、少し驚くが、留まるようにしっかりと圧をかける。

 

皐月「はい。…だけど、どうにかしたいです」

 

餘部「どうにかできるなら…ね。どうする?」

 

皐月「どうしましょうか?」

 

餘部「どうにかしたいね?」

 

皐月「どうしましょう?」

 

質問が行き交う。

 

餘部「…実はさっちゃんも質問返しが好きなんだね」

 

皐月「…こういうのも悪くないですけど、ほんとに【どうしよう】そう思ってるだけです」

 

餘部「その言動しか出ない状況って訳なんだね。じゃあ、部活【会議】をしよう!」

 

皐月「分かりました」

 

天文部の会議活動開始。

 

──

 

───

 

餘部「別の空間へ逃げ込むとか?」

 

皐月「コールドスリープして、外が滅ぶのを待つ…というのは?」

 

餘部「画面の向こう側に引っ越そうか?」

 

皐月「過去にタイムスリップはどうです?」

 

…通常ではありえない案ばかり、飛び交っていた。

傍から常人が見ていたら、その人は呆れているだろう。

 

餘部「…まぁ、いいや。実は、とりあえずはどうにかできるんだよね」

 

皐月「え?そうだったんですか?」

 

餘部「…だって、ボクの身体にもヘリオトロープがいるからさ」

 

突然、衝撃的なことばかりを告白してきた元神様。

流石、ソラユメでの重要人物。

 

皐月「え?そんな…」

 

彼女はとても驚いた。

 

餘部「引きこもる前、つまり外にいた時点で、避けられなかったんだよねー」

 

皐月「…先輩まで。それで、まさかヘリオトロープの願いを使う…とかですか?」

 

餘部「うん。だけど、願いを叶えると代償に狂人化しちゃうよね?」

 

皐月「…はい」

 

餘部「じゃあ、代償が小さくなるようにしてしまおう」

 

皐月「そんなこと、可能なんですか?」 

 

彼女は疑問に思い、尋ねてみる。

 

餘部「うん。どうしてだと思う?」

 

皐月「うーん…うーん…うーん…」

 

──

 

───

 

しばらく、会話が進まない状態が続く。

思考を巡らす彼女に対して、彼はその状態を突破しようと。

 

餘部「…中々、答えが出ないようだね。まだ頑張る?」

 

皐月「……」

 

餘部「あまり意固地になるのもよくないよ。ごめん、難しすぎたかな。…知りたい?」

 

皐月「はい。…解答をお願いしたいです」

 

彼女に出す問題が難しかったかと、彼は少し反省していた。

そして彼女も諦めたので、答えが判明する場面だ。

 

餘部「それは…」

 

彼は真面目な顔に切り替わる。

 

餘部「ヘリオトロープ、なんとかして!」

 

─瞬間、何かが起き始めた!

 

皐月「え?それが答えなんですか?」

 

餘部「うん。具体的に言わずらヘリオトロープに任せることで、代償を小さくする」

 

皐月「そんな仕組みが可能だったんですか!?」

 

餘部「二次創作だからね」

 

真面目な顔から一転、ニコニコした顔に切り替わる。

 

皐月「またそんな発言を!?」

 

餘部「いいのいいの。二次創作なんだから、ボクを原作以上に弾けさせてよ?」

 

皐月「先輩ったら…。まあ、その設定のおかげで、なんとかなりそうですが」

 

状況が突破できそうなので、なんやかんや彼女も嬉しそうだった。

 

餘部「あ、代償として少し狂気が」

 

ガブッ。彼は隣にいる彼女の首筋を噛む。

 

皐月「痛っ…くもないです」

 

餘部「うん、0.000017%ぐらいの狂気だもん」

 

皐月「それは狂気とも言えないんじゃ…」

 

さてさて、ヘリオトロープがなんとかしてくれるだろうか。

 

To Be Continued

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