ソラユメ 餘部透 【タツタサンドな日々 (元ネタEver17)】   作:あまるーん

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【タツタサンドな日々 4話 END2】

「天国はどこにある? 空の上と、あなたの足元に……」

 

──

 

───

 

前回のあらすじ。なんとかする為に、願いを込めました。

 

時空間が歪む。不可思議な映像が窓の外で流れているような感覚。何が何やら訳が分からない。

凄まじい速さで移動をしているのか、そういった体感もある。

……うぅっ……うぅっ……うぅっ……。

…酔いが回ってきたかもしれない。

 

突然、色が消えた。代わりに真っ暗な景色に変化する。

先程よりは、身体のバランスが保てる。

 

餘部「さっちゃん、大丈夫?」

 

皐月「はい。真っ暗になると、少し良くなりました」

 

近くで彼の声がする。よく感覚を研ぎ澄ませてみると、彼女の目元には温もりがあった。

 

餘部「目を閉じると、酔いもマシになるかなと思ってさ」

 

愛しの恋人の目元を、手で目隠し状態にしていた。グッジョブ!

まぁ、皐月よ。普通に目を閉じれば解決したんじゃ…←

 

──

 

───

 

餘部「さぁ、着いたよー。ここだ」

 

皐月「ここは…」

 

青系統の色彩の世界。

 

餘部「海の中」

 

皐月「そうですね」

 

餘部「どうしたの?さっちゃん、もっと驚くかなと思ってたよ」

 

彼にとって、意外にも驚かない彼女は予想外だったらしい。

 

皐月「この作者の思考なら、Ever17と同じフィールドに向かわせるだろうなと」

 

平和じゃないシナリオに対して、彼女はメタ思考で先読みをすることが、対策だと考えた。

決して、電波な彼に影響された訳ではないんだからね!

 

餘部「そっかー。うんうん。恋人は相手に似るって言うもんね」

 

餘部「ボクも予測してたよー」

 

同じ読みをしていて嬉しそうだ。良かったね。

 

皐月「まあ、この作者のせいで、尚更似てしまったのかもしれません…」

 

嬉しいような悲しいような。多次元の気持ちになっていた。

 

──

 

───

 

1時間は窓から外を見ていたかもしれない。

ひたすら、海の景色を見つめるカレカノ。

青い空間には、魚……魚……魚……。

泳いでいる、生きている、新鮮そのものだ。

 

皐月「狂気の人々という脅威からは、逃れることができましたが…」

 

餘部「ん?どうしたの?」

 

皐月「この状況は、これはこれで、ある意味絶体絶命ですね」

 

青の中の魚を目で追いながら呟いた。

 

餘部「なんで?」

 

皐月「家から出たら溺れてしまいます」

 

見たまんまで予測可能な状況を伝えた。

家は海に包囲されている。一歩外に出た途端、命取りになるだろう。

 

餘部「そんなことないよ?」

 

そう言いながら、彼は外に向かう。

…玄関のドアにめり込む。

!?

そのまま外側へ向かって、飲み込まれた。

 

皐月「え!?」

 

彼女は無我夢中で後を追った。

もちろん、同じ場所にめり込む。

めり込む条件がある等で、失敗したら、壁ドン(単体で激突)だったが、成功したので良し。

……グイッ!内側とドアと外側の狭間、彼女は左腕を引っ張られる。

 

皐月「うわっ!?」

 

餘部「やあやあ、ついさっきぶりだね。50m走の如く、本気で追いかけてくれて嬉しかったよ」

 

彼は右腕で恋人の左腕を引っ張りながら、歓喜の感想を告げた。

 

皐月「そ、そんな例えって…」

 

餘部「大袈裟だけど、実際その勢いでしょ?」

 

皐月「…はい」

 

変な発想だが、本気度としては正しい。洞察力があるので、的を得ている。

 

餘部「さぁさ!さっちゃんに突撃問題コーナー!」

 

皐月「…!?はい!」

 

彼の、いきなりのぶっ飛んだ謎の導入。

それに対し、いつもなら、こんなに勢いよく返事はしないだろう。

だが、予想の斜め上だ。条件反射。

 

餘部「深海の中、ボクらは息も会話もできてるよね?どうしてだと思う?」

 

皐月「確かに知るべき疑問ですね。………海に見えるだけで、実は地上の空気と変わらない。でしょうか?」

 

餘部「まあ、地上の空気と変わらないというのは正解かもね。あ、海ではあるよー」

 

皐月「…魚がいますもんね」

 

あちこちに存在する魚を、2人は眺める。

テレビ番組等で海の中の景色を見ることもあるが、それそのものである。

 

餘部「ではもう一つ…だよ?何故、地上の空気と一致した海がここにあるの?」

 

皐月「え?えー?」

 

彼女は頭を抱える。2連続で頭が痛くなるような質問だからだ。

 

皐月「もう頭が働きません。…そうだ、甘い物を食べたらこの1問ぐらいなら」

 

そう、限界だった。思考を巡らす際に必要とする物を摂取すれば、多少は頑張れるかもしれない状態。

 

餘部「お菓子な子だねぇ。タイトル上、タツタサンドしかないよ。忘れたの?」

 

皐月「…こんな世界嫌だ。ギブアップ」

 

バタンキューorz

ヒロインは倒れた。

 

BADEND1 甘い物がある世界に戻りたい

 

──

 

───

 

ロード

 

餘部「ではもう一つ…だよ?何故、地上の空気と一致した海がここにあるの?」

 

皐月「え?えー?」

 

彼女は頭を抱える。2連続で頭が痛くなるような質問だからだ。

 

皐月「もう頭が働きません。以上」

 

デジャブ?何故か、余計なことを言った途端、取り返しがつかなくなる予感がした。

 

餘部「つまんないのー」

 

そう言われても気にしない。

今は安全圏な選択肢で進むべき。

 

餘部「じゃあ答えを言おっかな」

 

皐月「どうぞどうぞ」

 

餘部「私を喰べたい、ひとでなし」

 

皐月「はい!?はい!?」

 

予想外の答えに驚愕する。

 

餘部「アニメ化したよね?」

 

皐月「……放送されてましたね」

 

2人は毎週、仲良く配信サイトで見てました。

元土地神が、土地神がメインで出るアニメを見ると、色々と思い出しそうな。

 

餘部「OP」

 

皐月「好きなので、何回も視聴しました」

 

餘部「どこが1番印象深いかな?」

 

皐月「サビの始まりで、海中をグルグルと」

 

話していると、OPが頭に流れ出す。

 

餘部「うん、そうだね。…あれ、海の中なのに、人間である主人公は息苦しそうじゃないよね」

 

皐月「…確かに。あの海とこの海は同じ?」

 

餘部「そうだよ」

 

皐月「あの世界の海がやってきた?私達が逆に辿り着いた?」

 

餘部「…分からない。まぁ、ヘリオトロープがこの状況にしてくれたとしか」

 

ヘリオトロープのみぞ知るのかもしれない。

 

餘部「とりあえず、OP通りグルグル回ろうか!」

 

皐月「え、えぇえ!?」

 

彼のペースに巻き込まれる。

グルグル……グルグル……グルグル回る。これは無限ループだ。

 

皐月「あははっ!なんだか楽しいです!」

 

餘部「そうでしょう、そうでしょう」

 

回転する内に段々と楽しさが増し、回りつづけている。

………数分後、流石に回り終えた。

 

皐月「ふぅ…遊び疲れました」

 

餘部「ボクもー。楽しかったね」

 

2人は幸せそうだった。地上での平和な日常は消え去ったが、これはこれで悪くない人生なのかもしれない。

 

終わり。

 

………だったら良かったけど。

 

パクッ!

皐月は食べられていた。

まさか、餘部透が突然狂気を発動して食べたのか?

 

BGM:Karma

 

皐月「た、助けて…」

 

餘部「さっちゃん!」

 

とても巨大なクジラがそこにいた。

彼女のことをクジラの食べ物である魚だと勘違いしたのか、何故か口にしている。

もがいても逃れられない。

 

皐月「………ここでお別れみたいですね」

 

餘部「そんなことにはさせない!」

 

2人は、おそらく涙ぐんだ状態で会話をする。瞳から流れた水分は、海水に溶けて同化していく。

 

皐月「逃げれそうにないので。…でも、私は死なない」

 

Ever17のあのセリフを言う。

 

餘部「じゃあ、ボクも共に…!」

 

彼はクジラの口元、いや、彼女の側に向かった。

そして、彼女を抱きしめる。

 

皐月「先輩は生きてください!」

 

餘部「キミのその願いは分かってる!だけど…ね。それに、こんな困難なんとかしてみせる!」

 

彼は諦めてはいない。そして宣言をする。

 

餘部「大丈夫、ボクらは死なない」

 

──

 

───

 

深海にある守永家。

その建物の中には、サンドイッチのパン。ただそれだけが存在していた。

 

Fin

 

END2 ボクらを喰べた、クジラ

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