一般通過脳焼きクソボケ大魔王   作:Nemusugi

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評価バーに色付きました。ありがとうございます。


銀髪素足機械工学系無垢少女 クラーラ

 

 

「うわぁ…、こりゃ酷いな…」

 

ベロブログ地下の一角

知能機械達が過ごす集落に彼はいた。

見つめていたのは、装甲が剥がれ落ち中の基盤が見えている程、ボロボロになった自動機兵である。

 

「取り敢えず外見だけでもセンサーカメラと装甲が大破で…、多分関節部も取り替えだな」

 

よくここまで頑張ったなと一言掛けると、慣れた手つきで装甲を剥がし始めた。

そして中身の状態を確認し、あまりの惨状に顔を歪める。

 

「あぁ…、基盤ごと逝ってるし、配線も滅茶苦茶だ…。脚部はこれ関節部どころじゃないな。メモリも見ておいた方が良いなこれは…」

 

慎重に基盤を取り外し、配線は解いていく。

メモリは”虚数空間”から取り出したPCに接続し、解析を待つ間に作成しておいた新品の脚部に取り替える。

そして脚部を取り替えた後、解析完了まで暇になった彼は、同じく虚数空間から取り出した水筒からコーヒーを呑み、時間が経つのを待つ。

 

そして解析が完了したPCの画面を見つめる彼に1人の少女が近づく。

 

「…シルドさん、この子の怪我は治りますか…?」

「ん?あぁ、この怪我は裂界造物か何かにやられたものだろう。メモリ自体は無事らしいから、それでなんとかここまで帰ってきたのだろうな。基盤と脚部を含めた装甲を換えれば問題ない筈だ」

「──!。そうですか!それはよかったです。クラーラじゃ、どうにもできなかったので…」

 

彼の言葉に白い長髪を揺らしながら、喜びの感情を表す少女。

少女の名を『クラーラ』。

下層部の一角にて機械達と暮らす子供で、幼いながら目を見張るほどの機械工学の才を持つ。そして臆病でありながらも、自ら困難に立ち向かえる強い心を持つ子である。

そしてその隣には彼女の2倍はあるであろう巨体を持つロボット『スヴァローグ』が2人を見つめている。

今日もクラーラの成長を絶賛記録中らしい。

 

「別に気にしなくて良い。クラーラが応急処置をしてくれたおかげで今日まで持ち堪えられたんだ。寧ろ、誇るほどのことだろう」

「…そうでしょうか」

「そうだとも、なぁスヴァローグ?」

「回答…その通りだ。クラーラが応急処置をした為、この機械は今日まで機能を保つ事ができたと言えるだろう」

 

いつもの様にその赤い単眼を光らせながら、淡々と語る彼に安心感すら覚える。全くもって、クラーラは良い家族を持ったとシルドは思う。

 

「クラーラの修理技術は日々成長している。いずれ、クラーラの技術はあなたの技術をも超えていくだろう」

「ハハハッ。俺を超えると来たか。ならば未来ある子の礎になれる様にしなければな」

「もうっ!スヴァローグったら!」

 

スヴァローグの発言に嬉しそうに笑うシルド。そして、恥ずかしそうにスヴァローグに抗議するクラーラの姿は側から、見ればまるで兄妹の様だった。

 

「それに、何時までもこの星にいる訳にはいかないからな」

「…っ!」

「俺は旅人だ。この星だってあくまで通りすがっただけ。また、時が来たらこの星を去るさ」

 

シルドの発言に先程とは一変して、悲しそうな表情をしながらスヴァローグのコート裾を掴むクラーラ。不安と哀情を抑えながら、震える声でクラーラは

シルドに問う。

 

「…シルドさんはこの星の事が嫌いなんですか?」

 

いつの日か、この星を去ってしまう事は分かっている。彼はこの星の者では無いのだから。

それでも我慢できずに少し意地悪な質問をしてしまった事にクラーラは後悔するが────

 

「────まさか。それは無い」

シルドは即答する。

 

それだけは無い。

確かに初めは並行同位体のブローニャ達がいたから、手を貸していた部分もあった事は否定しない。

しかし、吹雪の中、それでもと抗う多くの者達がいた。星核に惑わされながらも、星を、娘を思う守護者がいた。

その様な者達に手を貸すのは、人として良い事だと学んだのだから。

 

「確かにどうしようもない愚か者だっていたが、それは何処でも同じだ。

寧ろ、クラーラ達と出会えた事を考えれば感謝しかないな

「〜〜〜っ!」

 

嘘偽り無いシルドの答えを聞き、嬉しい様な誇らしい様な、何とも言えない気持ちに頬を染めるクラーラ。そしてその様子を見たシルドは笑みを溢す。

 

「まぁ、少なくともいきなりは消えないさ。去るとしても挨拶ぐらいはしときたいからな」

 

そう呟くシルドであったが、それでもクラーラの表情は何処か晴れない部分があった。

その時、集落に雪が降り始める。今はまだ小降りだが、おそらく段々と大降りになっていき、気温も下がるだろう。

何時も素足で行動しているクラーラとはいえ、これから気温が更に下がるとなると考えると、シルドは少し心配になってくる。

 

(流石にこのままで帰すのはな…。せめて、何か防寒できる様なものを渡してやりたいが…)

 

数秒考えると、思いつくものがあったのか虚数空間を漁るシルド。

暫くして、シルドが虚数空間よりマフラーを取り出す。そして、そのマフラーをクラーラの首元にかけると、

 

「それ、やるよ」

「───────」

 

クラーラの中でキッカリ10秒、時が止まった。実際はそこまでの時間は経ってはいなかったが。

 

今、シルドさん、何した?

私、マフラー、かけてくれた。

 

「〜〜〜〜っ⁉︎シッシッシルドさん⁉︎」

「これから更に冷えるだろうからな。まぁ俺のお下がりだから、気に入らなかったら捨てても構わないぞ」

 

そう言うシルドだが、残念ながら現在のクラーラには聞こえていない。

今のクラーラはシルドにマフラーをかけてもらった事とマフラーから仄かに感じる彼の匂いに体がゾクゾクと痺れる様な感覚に襲われている。

顔は既に真っ赤に染まり、口からは言葉にならない声が漏れ始め、体はプルプルと震えている。

 

「あうぅぅぅ…」

 

ぐるぐると頭の中がパンクし始めたクラーラはいよいよ何も考えられなくなる。

そして────

 

「───あぅあぅぁぁぁぁぁ!!

「気をつけて帰れよー」

 

選んだ選択はその場から走り去る事だった。

いつもとは違う、何処かバタバタと走り去っていったクラーラ。

ポツンと残されたスヴァローグに行ってやれと目線で合図をすれば、

 

「クラーラの追跡及び複数の依頼を受理。…感謝する、シルド」

「あぁ、また今度な」

 

意図を汲んだスヴァローグもクラーラを追いかけ、この場を去っていく。

初めて会った時は何処か一つ、線を引いていた彼女らがあの様な光景を見せてくれると、それ程に信頼してもらっていると実感ができた。

 

そして、1人残されたシルドは冷えてしまったコーヒーを一気飲みすると再び修理中だった機械に向き合う。

 

「さて、俺も頑張るか」

 

途中だった修理作業を再開するのであった。

 

───幼子すら惑わす、クソボケの明日はどっちだ。

 

 





シルド
機械系もいける元魔王。別名の一つとしてシルドを名乗っている。
名前の由来は3番目を意味するthirdの読み方を少し変えたもの。
機械工学の知識は旅の途中で身につけたものらしい。
クラーラに未来ある子供としての期待を向けている。

普段、武器や使用するものは虚数空間に閉まっており必要になったら即座に取り出せる。やる気になったら雨の様に武器を放出する事も可能。
ヤリーロ-Ⅵから出ていく際にはクラーラがギャン泣きして焦るが、スヴァローグが本気で足止めに来たのでそれどころじゃなかった。

クラーラ
雪道も裸足で歩く機械工学系少女。
シルドがヤリーロ-Ⅵに来て、最初に出会った人間でもある。
日々を過ごしていくうちに頭を焼かれた。
最近は彼に貰ったマフラーをしながら寝るのが日課らしい。
シルドがこの星から出ていく際にはギャン泣きした。が、界域アンカーにより、度々帰ってこれる事を知り、月に2、3回は帰ってくる事を条件に許した。

スヴァローグ
クラーラの保護者件ボディガード。
シルドの事はクラーラの師匠件要注意人物として見ている。
要注意の理由は初めてカインが集落に来たとき、
故障した自動機兵・グリズリーとヴォルクがカインを襲ったが、一瞬で脚部のみ(• • • •)をビームライフルで撃ち抜いた為。
シルドがこの星を出ていく際はギャン泣きしたクラーラを見て、シルドを足止めする為、行動した。

そういえば、お気に入り1000人突破記念を書いてなかったので

  • 一般降臨脳焼きクソボケ崩壊戦士
  • 「女性遍歴が分かる奇物?」「そうだよ」
  • もしもキアナ達が、彼の始まりを知ったなら
  • 大魔王は逃げられない!!(捕食ルート)
  • 早く、本編を進めろ
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