A.「自分たちを裏切った最低最悪のクソ男なんて会いたくないだろ。
何よりどんな顔して会えばいいかもわからないし。
まぁ、向こうから来た場合は無抵抗で首を差し出すしかないと思うけど」
「なぁ、ヴェルト。ふと思った事がある」
「……言ってみろ」
「もしかして、俺があの時にやった事って
俺が思っていた以上にまずい手だったりするか?」
「…今更じゃないか?」
だよなぁという彼の問いに答えたのは
元ネゲントロピー盟主であり、今は同じ星穹列車の一員である『ヴェルト・ヨウ』。
自らの部屋にやってきた彼の話を聞いていたが、実はそれなりの付き合いである。
かつてオットーの思惑を潰すために協力し合い、果てには魔王となった彼を止めるために命懸けで挑んだこともあった。
また、
そんな奇妙な関係の2人だが、今は同じ列車の一員として日々を過ごしている。
「というより、なぜ今更あの時の事を反省するんだ?被害者の1人である俺が言うのもなんだが、もう昔の話だろう?」
「いやぁ、少し思い出すというか、思い出させられるというか…」
そういう、彼は珍しくどこか苦々しい顔している。
まるで自分にとっての恥ずかしい過去を思い出させられている様な雰囲気だった。
「視線がさ、なんか怖いんだよ。怖い時のキアナみたいでさ…」
「……なるほどな」
彼のいう怖い時のキアナとは恐らく、偶に見せていた
確かにあれは怖い。
しかし、何故それを思い出す様な視線を浴びているのか。
考え始めると彼が口火を切った様に喚き出した。
「ホント最近視線が怖いんだよ!姫子さんは笑って見てるだけだし!丹恒は『貴方が蒔いた種です』の一言だし!パムはまぁいつも通りにパムパムしてるとして…星となのかの目がなんか怖いっ!」
「首輪だとか手錠とか聞こえるんだけど!」という喚きを無視しながら
既に思考を巡らせているヴェルトの脳内には一つ、それらしきものがあった。
「おそらく、そんな目をし始めたのは3日前くらいからだろう?」
「えっ、なんでわかるんだよ」
えぇ…と引いた目をしている彼にため息をつきながら告げる
「3日前、腕が無くなったまま帰ってきた事。それが原因だ。」
「……いやでも、腕がもげただけだろ?そんなの前から偶にあったろ。
なんで今更……」
「壊滅の使令と戦った際に星を庇った結果、胴体に大穴を開けられた後だとしてもか?」
「……そっかぁ…」
出されたコーヒーを飲み、頭を抱え始めた彼に少しの愉快さを覚える。
あの時は、呑気に話をする機会は無かったのだから。
そう思うと、彼もだいぶ性格や在り方が変わったと思える。
「大体、偶にの頻度が多すぎるんだ。反省することだな」
「はぁ⁉︎そんなに腕をもぐ様な、サイコパスじゃない!」
「カカリア氏を救出した際は?」
「…指先の凍死や、星核を引き剥がす際の侵食で右腕を2回です…」
「ステーションヘルタで繁殖の使令との際は?」
「空中にいる際に右足を喰われて、親玉を殴り殺す際に両腕をズタズタにしました…」
「…………」
「…口答えしてすいませんでした」
べちゃりという効果音が出そうな雰囲気で机の上に頭を落とす彼。
あまりに哀れであり、それ以上に滑稽な様である。コーヒーが旨い。
…本当に良い方向へ彼は変わったのだろう。
「まぁ、いい教訓だと思えばいい。これからは立ち回りを考えればいい。そうだろう?『カイン』」
カインとはこの話を始めた本人の名前であり、かつて魔王として人類の前に立ちはだかった者。
高校生ほどの青年の見た目をしているが、その肉体はしなやかに鍛えられており、雰囲気もどこか壮年な気配を醸し出している。それが彼だ。
尤も、今はそんな雰囲気を全く感じ取れないのだが。
「…まぁ、善処はする」
そういうカインだが、きっと近いうちにまた同じ事をするだろう。
タチが悪いのは彼がこの様な行動を行う際には、
毎回『そうした方が被害は少なくなる』などのあまり口を出す事ができない様な理由がある。
理由は分かるが仲間として、ヴェルトだけでなく皆が苦い顔をしている。
昔からこれだけは変わらない。
幾ら、肉体が再生するとはいえ見てる側としては心配な気持ちで一杯なのだ。
「…善処してくれ」
「わかってるよ。そんじゃ、コーヒーご馳走様。丹恒と遊んでくるとしよう」
視線の理由が理解できたからか、スッキリした表情で部屋を後にしようとするカイン。
チラリとヴェルトを見れば、窓辺で少し難しい顔をしている。
ふと、自分たちの声は気にするほどでもないとでも思われているのではないかと、そう考え込むヴェルト。
そう考えれば、彼の態度も分からなくはない。
部屋を出る直前、ふと足が止まる。
「ヴェルト、一ついい事を教えてやる。さっきまで話に乗ってくれた礼だ」
静かに、けれどもよく聞こえるほどの声でカインが呟く
「数多の世界、数多の場所を旅してきたが──」
振り返り、笑いながら告げる
「『カイン』っていう名前を知っていて、呼んでいるのは、案外少ないぞ?」
じゃ、またなーと言い残し、部屋を出て行った彼の後を見つめるヴェルト。
しばらくすると部屋からは静かな笑い声が聞こえてくるのであった。
「全く、あの様な態度は相変わらずか。だからこそ、彼女らは彼を慕ったのだろうな」
「もっとも、俺も彼女らと同じく傷つき続ける姿を見るのは御免だ。精々、彼ができるだけ自己犠牲をしない様に支えるとしよう」
「其の旅路に、開拓の祝福あれ──」
尚、丹恒との鍛練の最中にまた腕が飛び、なのかと星に首輪を付けられた。
『彼』改めて『カイン』
2話目で名がわかった、元魔王系男子。
再生能力が高く、腕どころか頭を吹っ飛ばされても普通に殴りかかってくるほど。
本人的には自己再生持ちのアタッカー件タンクって便利だよなとの事
ただ普通に千切ったりする前提で動く事があるので、見てる方は気が気じゃない。
星を庇った後は「使令ぶっ殺したらぁっ!」って思考でいっぱいだった。
魔王時代はもっと凄かった。アホ。
別世界などでは人間用としての別名を名乗っている。
星/開拓者
スタレの主人公。カインとはヤリーロ-Ⅵで出会った。
ゴミを持ってくといいリアクションをするカインに懐いており、一緒にいると少し大人しくなるらしい。
庇われた際には飛び散った血痕と人体の中身を見てしまった事で
SAN値チェック案件。腕が千切れるのは何回か見た事があったが
臓器ごとは見た事なかった+仲間が自分のせいで大怪我を負ったが合わさっての大惨事である。
私たちの言う事を聞かないのだから首輪くらいはしょうがないよね?
ヴェルト・ヨウ
昔のカインをよく知る人。物静かで好奇心旺盛、どこか空気が読めず、人一倍仲間を、友達を大切にしていた。
だからこそ、魔王になってしまったのだろうなと思っている。
誰よりも年上で、純粋であって、人を信じてた彼を魔王にしてしまった事を密かに悔やんでおり、よくこうやって場を設けてはくだらない話をしている。
幼いヴェルトを助けたのは間違いなくカインです。
ただ、人間性を得る前の◼️◼️として数多の世界線を練り歩いていたの時期だった為、
記憶がない状態です。
その頃の彼からしたら雑草を踏んだ程度の出来事です。
そういえば、お気に入り1000人突破記念を書いてなかったので
-
一般降臨脳焼きクソボケ崩壊戦士
-
「女性遍歴が分かる奇物?」「そうだよ」
-
もしもキアナ達が、彼の始まりを知ったなら
-
大魔王は逃げられない!!(捕食ルート)
-
早く、本編を進めろ