蓮ノ空ヴィクロ✕キャプ翼サンシャイン! 〜 FUSION PARALLEL 〜   作:松兄

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第22話:電話

 

 

 晴也が試合後に電話した相手。それは、ドイツ留学で世話になり、苦楽を共にした友達。

 

 ヤノサだった。

 

ヤノサ『はい、晴也くん?』

 

晴也「ちょっと声が聞きたくなってさ……今大丈夫だった?」

 

ヤノサ『はい。大丈夫ですよ』

 

 久しぶりのヤノサの声に、安心する晴也。

 

晴也「良かった……ヤノサさんは高校はどんな感じ?」

 

ヤノサ『まあ、ボチボチですかね。"晴也くんに会いたい"と、結構な頻度で思っちゃいますね……』アハハ…

 

 電話越しに苦笑するのが聞こえるヤノサ。俺も会いたいな……。

 

晴也「そっか。こっちも学校のサッカー部入ってさ、地方予選を勝ち抜いて今、全国大会。1回戦に勝ったところ」

 

ヤノサ『おー、おめでとうございます。まあ、晴也くんなら余裕でしょうね』

 

 祝福してくれるヤノサ。

 

晴也「いや、それが1回戦の対戦相手に全日本ジュニアユースのDFいてさ。まあ、何とかなったけど。チームメイトがかなり吹き飛ばされたww」

 

ヤノサ『そうなんですね……チームメイトさんはどんな方たちですかね?』

 

晴也「えっと、俺含めて男子が3人と、女子が10人だな」

 

 それを聞いたヤノサさんの声のトーンが下がり、ドスの効いた声になる。

 

ヤノサ『……女子比率多くないですか?』

 

晴也「? なんか声怖くなったな……まあ、多いかもな。ってかそうそう。なんかヤノサさんと髪の色以外めちゃくちゃそっくりな先輩がいてさ! 正直初めて見たときビビった」

 

ヤノサ『私にそっくり……ですか?』

 

晴也「うん。体型も顔も、声もめちゃくちゃ似てる。髪の色は青だけども」

 

ヤノサ『ふ〜ん……』

 

晴也「? どした?」

 

ヤノサ『別に。声が似てるならその先輩の声聞けば良いんじゃないかなと思っただけです』

 

 ん? なんか拗ねてるような……。

 

晴也「な、何不機嫌になってるんだ。違うって。たしかに声もそっくりだけど、"ヤノサさんの声"を聞くことに意味があるんだ」

 

ヤノサ『つ! そ、そうですか……////』

 

 急に小声になったかと思ったら、恥ずかしそうなトーンに変わる。

 

晴也(……分からん)

 

 この男。いい加減痛い目に遭ったほうがいいかと思う。

 

晴也「まあ、ヤノサさんは俺の声なんか聞きたくなかったかもしれないけどさ……」

 

 晴也がそう言うと、ヤノサは焦ったように、

 

ヤノサ『バカなこと言わないでください!! 晴也くんの声なんて毎日聞きたいですよ!! は!? い、今のは……』

 

晴也「お、おう…そうか。なら良かった……////」

 

ヤノサ『うう……////』

 

 お互いに恥ずかしがる晴也とヤノサ。もう付き合っちまえよ……。

 

晴也「明後日には2回戦なんだ。絶対勝つから、応援してくれると嬉しい」

 

ヤノサ『もちろんです! 応援させていただきます!』

 

晴也「ありがと。じゃあそろそろ切るね」

 

ヤノサ『はい……//// 晴也くん!』

 

晴也「ん?」

 

ヤノサ『……頑張ってください!』

 

晴也「ありがと。じゃあまた」

 

 

 ピッ!

 

 

 そして晴也は電話を切った。

 

晴也「……で、そこに隠れてる人たち?」

 

?『!!???』

 

 晴也が振り返ると、チームメイトが勢ぞろいしていた。

 

晴也「覗き見ですかね?」

 

梢「こ、これは……その……お風呂に向かってる途中に晴也くんが見えて、話しかけようとしたら会話が聞こえちゃって……」

 

晴也「で、そのまま隠れて聞いてしまったと……」

 

梢「ごめんなさい……」

 

 素直に謝ってくる梢先輩。やれやれ……。

 

晴也「……はぁ。別に面白いモンでも無かったでしょ?」

 

 晴也が呆れた様子で聞く。だが、花帆先輩、姫芽、小鈴、慈先輩は目をキラキラ輝かせ、

 

花帆「そんなことより、晴也くん! 今の電話の人彼女!? 2人ともすごく初々しかったけど!」

 

 野次馬根性丸出しの花帆先輩。ウゼェ……。

 

慈「その子どこの学校? 対戦する学校にいるの!?」

 

晴也「そんなわけないでしょう……彼女は今ドイツに居ますよ」

 

さやか「ドイツ!?」

 

晴也「ええ。ドイツ人ですから」

 

 晴也の言葉に驚くチームメイトたち。

 

兵太「いや〜にしても相手の子絶対晴也のこと好きだったよな?」ニヤニヤ

 

 ニヤニヤしながらの木曽路の言葉に、ウンウンと頷くメンバー。

 

晴也「やっぱりそうなのかな……」

 

兵太「え、いやいや……え?」

 

姫芽「うわ〜マジか〜……」

 

 そのどうしようも無いものを見る目を辞めろ!!

 

 

晴也「まあ、その件はいいとして、俺も風呂入ってくるか……」

 

 そして荷物を取りに部屋に戻り、桜咲先輩、木曽路と風呂で男同士の付き合い(雑談)をして仲を深めた。

 

 

 

 ――、一方のヤノサはと言うと、実は学校の朝礼前の教室におり、今の電話と会話はクラス中に聞かれていた。

 

女子「ねえヤノサさん! 今のひょっとして彼氏!?」

 

ヤノサ「い、いや……」

 

女子「ハルヤくん……って、日本人の名前だよね? ヤノサさん日本人と付き合ってるの!?」

 

ヤノサ「"まだ"付き合ってません!!///」

 

女子たち『まだ!?』

 

ヤノサ「っ! そうじゃなくて〜!!///」

 

 顔を真っ赤にして恥ずかしがるヤノサ。――だが、その表情を見れば明らかに分かる。

 "まだ"付き合ってないが、明らかにヤノサが想いを寄せている男の子だと。

 

 野次馬根性丸出しでニヤニヤするクラスメイトの女子たち。

 

 ――一方、

 

男子「…………その男、いつかコロす!!」

 

 ヤノサに想いを寄せるクラスの男子からの恨みと怨嗟を、知らずのうちに買った晴也だった。

 

 

― つづく ―




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