蓮ノ空ヴィクロ✕キャプ翼サンシャイン! 〜 FUSION PARALLEL 〜 作:松兄
クラブユースのその日の練習が終わり、晴也がヤノサと帰り支度をしていると、
晴也「お姉ちゃん?」
中学生カテゴリーのトッププレイヤー、ツサノ・カラムが妹を迎えに来た。
ヤノサ「お姉ちゃんの方も練習終わったの?」
ツサノ「うん。今日は特に連絡なかったから……そっちの子が例の?」
ヤノサ「うん。大海晴也くん」
晴也「どうも」
挨拶する晴也。すると、
ツサノ「? なんかヤノサ嬉しそうだね?」
ヤノサ「あ、分かった? ようやく真面目にサッカーやってくれる人が来てくれたと思うと……。実力も申し分なかったし」
ツサノ「え?」
ヤノサの言葉に驚くツサノ。妹が日本人を認めていた。何かあったのかと当然気になる。
すると、
ツサノ「……ねえ、晴也くんって言ったっけ? 少し勝負しない?」
ツサノの提案。ヤノサは慌てて、
ヤノサ「ちょっ、お姉ちゃんにはさすがに勝てないでしょ……晴也くん、受けなくていいですからね?」
だが、
晴也「ん〜と、やってみたいかな。ルールはどうします?」
ヤノサ「晴也くん!?」
驚愕するヤノサ。すると、
ツサノ「そうだなぁ……じゃあ、3本勝負で必殺技あり。そっちは1本でも抜けたら勝ちでいいよ」
破格の条件。舐めてるのか?と、思うが…ヤノサの姉だ。そんなことはしないだろうと思い直す。
晴也「準備するので待っててください」
晴也が準備する。聞きつけた見物人が集まってきた。
「ツサノさんが直々に手を下すとは思わなかったな…いい気味だ」
「バカ、ツサノも妹と一緒でそういうの嫌いなタイプだぞ? 何考えてるんだ?」
ヤノサ「お姉ちゃんは、2年後高校生になったらドイツの代表になる人なんですよ……? さすがに……」
晴也「マジ? まあ、やるだけやってみるさ」
そして準備ができたので、
晴也「準備できました!」
ツサノ「よし、じゃあやろうか」
ツサノと晴也がフィールドに出てお互いに構える。攻撃が晴也。防御がツサノだ。
晴也「いきます!」ダッ!!
晴也がツサノに突っ込む。ツサノ冷静に動きを見て観察する。
ツサノ(!? へえ? ヤノサが認めただけはあるみたいだね。なら―――!)
シュウオォオオンッ!!
ツサノが背後にマジンを出現させる。
晴也(………!)ゾワッ!
本能的に何かを感じ取ったのか、急いでバックステップで距離を取った晴也。
ツサノ(!? まさか、この技の性質を知ってる?)
ヤノサ(晴也くん……お姉ちゃんの技を知ってるんですか?)
ほかの見物人も違和感を持っていた。ツサノの出た試合はドイツ国内のユースリーグのみ。
当然中継などされず、来たばかりの日本人が知っているはずなどない。
―――ならばなぜ?
ツサノ(まあいいや。こっちから奪いに行く!)
ツサノはマジンを出現させた状態で晴也に突っ込んでいく。
ツサノ「ふっ!!」ドゴオオオォォン!!
マジンが地面を叩きつける。そして、晴也の周囲がグラグラと揺れ出す。
晴也「くっ…うまく動けない…!」
突破しようにも震動が強く、とても走れる状態ではない。そして、足元が赤くなっていく……!
ツサノ「[ビッグイラプション]!!」
ドバアアアア!!
晴也「ぐっ!!」
噴火に巻き込まれてボールを奪われる晴也。1本目はツサノ勝ちだ。
ツサノ(ん〜そんなにレベルは高くなさそうだけどなぁ……ん?)
晴也「なるほど、振動で動けなくしたところを奪う技か……なら……」ブツブツ
何やらブツブツ言っていた。
ツサノ「もしも〜し?」
晴也「あ、すみません。2本目やりましょうかね」
ツサノ「え、う、うん……」
そして2本目が始まり、
晴也「つ!」ダッ!
晴也は突っ込む。
ツサノ「何度やっても同じだよ!」
シュウオオンッ
ツサノはマジンを出現させ、晴也を迎え撃つ。
ツサノ「[ビッグ……」
ツサノのマジンが地面を叩きつける瞬間、
晴也「……」クンッ!
ツサノ「なっ!?」
晴也の突っ込むと見せかけての
ツサノ「くっ!」
ツサノは急いで[ビッグイラプション]をキャンセル。追走する。
ツサノ「舐めるなあっ!!」ズザアッ!!
晴也「くっ!」
ツサノのスライディングタックル。ボールを弾き飛ばされた晴也。
ツサノ(もう、対応され始めてきた……この子、まさかとんでもなく頭がいい?)
見物人も、
ヤノサ「お姉ちゃんが一瞬対応が遅れた……!?」
「おい、なんだよ今の……!」
「あの日本人、[ビッグイラプション]を一度見ただけで対応したのか!?」
「次が最後だったよな? こりゃ分かんねぇぞ?」
3本目―――。
晴也「行きますよ!」ダッ!
晴也が突っ込む。今度はツサノも下手に[ビッグイラプション]を出すわけにはいかず、確実に射程範囲に入れにかかる。
晴也がステップで様子を見るが、ツサノは先回りして進路をふさぐ。
晴也「つ!」ダッ!
ツサノ(釣かった!)
シュウオォオオンッ!!
ツサノは背後にマジンを、出現させる。
ツサノ「[ビッグ……!」
ツサノの必殺技が炸裂する……が、
晴也「ふっ!」バッ!
ツサノ「なっ!?」
晴也はその瞬間に1本目で見せたバックステップで範囲外に逃れ、そここら2本目で見せた
ツサノ「つ!」
ツサノはまたしても必殺技をキャンセルして止めに行く――が、
晴也「………」トンッ
ツサノ「……え?」
晴也は明後日の方向にボールを蹴る。味方のいないこのルールでやっても意味はない。ならなぜ?
晴也「!!」バッ!
ツサノ「なっ!?」
晴也はツサノが呆気に取られている間にツサノ抜き去る。すると、ボールが……
ギュルルルッ! ビュンっ!
ドイツ人たち『!!???』
なんと、ボールには凄まじい回転がかかっており、晴也に向かって戻ってくる。ソレを晴也が確保したところで、ツサノ抜いたと判断された。
晴也の勝ちだ。
晴也「っ、しゃあ!!」
ヤノサ「うそ……お姉ちゃんが……負けた?」
コーチ「マジか〜………監督」
監督「これ、今度の試合でアイツを使ってみようかな……」
一方―――、
ツサノ「…………」
呆然とするツサノだったが、
ツサノ「あ〜負けた……つよいね君。ヤノサが認めたのも分かったよ……」
晴也「ありがとうございました! ツサノさん!」
頭を下げる晴也。ツサノもこの礼儀正しさには好感を持ったようで、
ツサノ「うん。いいね君」
すると、
ヤノサ「お姉ちゃん! 晴也くん!」
晴也「ヤノサさん……」
ヤノサが走ってきた。
ヤノサ「晴也くん、お姉ちゃんに勝つなんて……凄すぎますよ!」
晴也「ありがと。でも、2本は止められてるんだよなぁ……」
ヤノサ「それでもすごいですよ!!」
2人の様子を見ていたツサノは、
ツサノ「晴也くん、よかったらどんな自主練してるかとか教えてくれない?」
晴也「良いですよ? じゃあ明日土曜日ですし、午後は練習ないそうなのでその時にでも」
ツサノ「うん。分かった」
ヤノサ「楽しみだね。お姉ちゃん」
それを見ていたチームのメンバーたちは、
『『ヤバい、ヤノサ(ツサノ)さんが取られる!!』』
サッカー以外の危機感を抱いていた。
― つづく ―
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