蓮ノ空ヴィクロ✕キャプ翼サンシャイン! 〜 FUSION PARALLEL 〜 作:松兄
晴也のシュートが突き刺さり2-3。尚もドルトムントユースが優勢だが、守りに入るヤノサたちではない。そんなことは、かつてチームにいた晴也が一番分かっていた。
ヤノサ「1点差はセーフティじゃありません! 攻め落としますよ!」
ドルトムントユース『おう!』
ピィイイイーーーッ!!!
RESTART!!!
ドルトムントユースは、ボールを一度ヤノサに戻し、中盤の
ヤノサの激しい鼓舞・指示を受け、ドルトムントユースは狂気的なまでの総攻撃を仕掛けてくる。
ヤノサ「お姉ちゃん!」
ツサノ「よし来た!」
ツサノさんも、完全にセンターハーフの位置までポジションを上げてきた。
瑠璃乃「行かせない!」
MATCH UP!!
瑠璃乃 vs ツサノ
ツサノ「私たちの力を、舐めないで!」
ツサノさんは重戦車の様な重みのある突進を開始。瑠璃乃先輩と激突する。
ツサノ「[真・直線的ドリブル《剛力》]!!」ドゴォオォオオオッ!!
瑠璃乃「うぁああぁああっ!!??」
ふっ飛ばされ、宙を舞う瑠璃乃先輩。地面に叩きつけられた。
瑠璃乃「ぐうっ!!」
慈「るりちゃん!」
姫芽「るりちゃんせんぱい!!」
瑠璃乃「ルリの事は良い! 止めて!!」
瑠璃乃先輩の声で我に返る2人。ボールを奪いに行く。
姫芽「こんの〜〜っ!!」
姫芽の怒りのスライディングタックル。だが、ツサノは中へとパスを折り返す。
ツサノ「そこっ!」ドッ!
8番「ナイスツサノさん! 行けっ!」パス
10番「っし! 貰っ……!」
さやか「させませんっ!」バシィっ!
センタリングをさやか先輩がカットする。すぐに綴理先輩に渡し、カウンターを狙おうとするが、
ヤノサ「[爆・バードキャプチャ]!!」バシィ!
さやか「っ!」
さやか先輩のパスは読まれ、ヤノサに取られてしまう。
ヤノサ「あなたのプレーは読みやすすぎますよ! 行ってください! パス!」
7番「よしっ!」
ドルトムントユースは、厚みのある波状攻撃で蓮ノ空陣内を包囲してくる。
花帆「やばいって…! これ誰にマーク着けばいいの!?」
大混乱に陥る蓮ノ空。だが―――、蓮ノ空のピッチには、静かに牙を研ぐ「二つの頭脳」があった。
この試合ずっと、泥臭くピッチを駆け回り、ドルトムントの全プレースタイルを脳内にインプットしていた小鈴。
そして、かつてドイツでカラム姉妹と共に汗を流し、その身をもって二人のプレーを体感していた晴也。
二人の思考が、今、極限の集中状態で
小鈴「瑠璃乃先輩! 相手の左サイド、ツサノさんが上がるスペースの裏が完全に空きます! ソジくん、そこを狙ってクリアを!」
兵太「分かった!」
ドカッ!
7番からの中へのセンタリングを空中でパスカットしたソジ。
兵太「[ジャンピングフロントパスカット・V3]!! いけぇええっ!!」ドッ!!
ツサノ「なっ!?」
ソジからのクリアがツサノの背後の
晴也「瑠璃乃先輩!」
瑠璃乃「りょ〜かい!」
瑠璃乃先輩はダッシュでボール確保に向かう。――が、
3番「こっちが先だ!」バシィっ!
相手にタッチの差で先に奪われてしまう。
3番「ヤノサ!」パス!
ここでボールはヤノサに渡る。
花帆「綴理センパイ! 止めますよ!」
綴理「かほ、連携して追い込もう!」
ヤノサ「貴方達に私は止められません!」
すると――、
晴也「花帆先輩、綴理先輩! ヤノサは次、必ず左にフェイクを入れてから中央にカットインしてくる! 予測して挟み込め!」
ヤノサ(っ! 読まれてる!?)
花帆「分かった!」
綴理「奪う!」
ヤノサ「くっ!」
晴也の的確な
ヤノサ「お願いします!」パス!
6番「っし! パスは……っ!!」
だが、この二人の頭脳に連動し、さやか先輩と慈先輩のセンターバックコンビと、小鈴、ソジと姫芽のディフェンス陣がことごとくドルトムントのパスコースを遮断。
蓮ノ空は全員守備で猛攻を耐え凌ぎ、虎視眈々と一撃必殺のカウンターの機会を伺う。
晴也「時間は――!?」
さやか「残り5分です!」
ヤノサ「このまま逃げ切り……は、私の
ヤノサは仕掛ける構え。だが、
小鈴(こういう時、ヤノサさんが一番使うのは……)
ヤノサ「お姉ちゃん!」パス!
晴也「瑠璃乃先輩!」
瑠璃乃「オッケー!!」バシィ!
ヤノサ「えっ!?」
ツサノ「読まれた!?」
2人の読み通りに、ヤノサのツサノへのパスを、瑠璃乃先輩がインターセプトした。
瑠璃乃「晴也くん!! 走ってーーーっ!!」
ここでついに蓮ノ空の電撃カウンターが発動。ボールを持った瑠璃乃先輩は少しドリブルで進むと、中央の花帆先輩へとボールを入れる。
花帆「行けぇえええっ!」
ドッ!!!
花帆先輩から、相手ディフェンスの裏へ完璧なロングフィード。そこへ爆走する晴也。
しかし、ドルトムントはツサノだけ、この状況を見越して初めから晴也のシュートポイントに一直線で走っており、間に合った。
ツサノ「行かせない……晴也くん!!」
晴也「ツサノさん!!」
ドガァアァアアアッ!!
ボール越しに、二人の足がぶつかり合う。ツサノは自慢のフィジカルを全開にして押し切りにかかる。
晴也「っ!」
トンッ
ツサノ(………へ?)
晴也「ツサノさん、そんなに一点に力を集中して蹴ってたら、少し力のポイントをずらされたらその力は全部反動になって返ってきますよ?」
ツサノ「うわあっ!?」ドシャアッ!!
晴也の言葉通り、込めてた力が生き場を失い前のめりに倒れるツサノ。笛は鳴らない。
晴也はペナルティエリア内に侵入。右足を振り抜く、瞬間――!
ヤノサ「させません晴也くん!!」
晴也「なっ! ヤノサ、ここまで追いついてきたのか!?」
自陣ゴール前まで戻っていたヤノサが、バックプレスで執念のスライディング。
晴也のシュートはヤノサの伸ばした足に当たり、跳ね返る。ボールは無情にも、ドルトムントのカウンターへと裏返ってしまった。
ツサノ「ナイスヤノサ!」ダッ!
急いで立ち上がり、ボールを確保したツサノさん。今度はドルトムントの高速カウンター、ドリブルで攻め上がる。
小鈴「っ! 止める!」
MATCH UP!!
小鈴 vs ツサノ
2人のマッチアップ。小鈴は今までの傾向から粘ってスキを見せた瞬間奪おうと思っていた。
――だが、
ツサノ「さっさと抜かせてもらう! [爆・直線的ドリブル《剛力》]!!」ドゴォオォオオオッ!!
小鈴「うわぁあぁああっ!!??」
吟子「小鈴!」
姫芽「小鈴ちゃん!」
慈「ウチの後輩に何してくれとんじゃー!!」
完全に激怒し、おこめぐになった慈先輩。必殺技で迎え撃つ、
慈「[
慈先輩が、ツサノさんの足元にブラックホールを発生させて引きずり込みにかかる。
ツサノ「お願い!」パス
9番「オッケー!」トンッ
慈「げっ!?」
ツサノは味方とのワン・ツーで慈先輩を躱す。蓮ノ空のディフェンス陣の裏に、ツサノさんが完全にフリーで抜け出した。
しかし、ここで蓮ノ空の絶対的守護神、梢先輩が立ち塞がる。
梢(ここっ!)バッ!
ツサノ「っ!」
梢先輩は絶妙な間合いで飛び出し、ツサノさんのシュートコースを完璧に限定した。誰もがツサノのシュートを確信し、止めた!と思った。
ヤノサ「お姉ちゃん!」
さやか「なっ!?」
ツサノ(ヤノサ……!)
ツサノ「お願い!」パス
その瞬間、ツサノはシュートを打たず、追走してきたヤノサへと、ノールックのヒールパスを送る。
ヤノサ「……チェックメイトです。蓮ノ空」
ボールを受けたヤノサの前には、遮るディフェンスが誰もいない。
ヤノサ「はあぁああっ!」ドッ!
バシュウンッ!!
牙を剥くヤノサのシュートは、梢の決死のセーブも届かないゴールの右上隅、絶対的な軌道を描いて突き刺さった。
GOOOOAL!!
蓮ノ空 2 ー 4 ドルトムントユース
そしてここで、
ピッ、ピッ、ピィイイイーーーッ!!!
―
実況『ここで試合終了のホイッスル! 2−4で、日本王者、蓮ノ空学院敗れるーーっ!!』
晴也「くっそ!」
晴也(アレを決めてれば……!!)
花帆「負けた……っ!」
綴理「世界は広いなぁ……」
梢「くっ……整列よ……」
フィールドで倒れ込み、涙を流すメンバーを起き上がらせて整列させる梢先輩。
審判「2−4。ドルトムントユースの勝利。礼!」
選手『『ありがとうございました!』』
ヤノサ「……惜しかったですね、晴也くん。あなたのあの指示、本当に冷や汗が出ましたよ。ちゃんと日本で成長していてくれたようで、嬉しかったです」
晴也「負けたのは不満だけどな。まあ、仕方ないさ。」
ヤノサと、晴也が少し息を荒げながら、不敵に、しかしどこか嬉しそうに微笑み合う。
ツサノ「蓮ノ空の中には、もっと技術を磨けば世界でも通用しそうな選手がいっぱい居たよ。頑張って!」
梢「はい!」
小鈴「悔しいなぁ……! でも、最高の試合だったね!」
吟子「小鈴……」
姫芽「悔しいけどね〜」
ヤノサ「あ、後で梢さんとさやかさんには話があるので。後でスタジアム裏に来てもらえますか?」
梢「? ええ……」
さやか「分かりました……?」
そして後の試合のために控室を引き上げ、スタジアム裏に向かった梢先輩とさやか先輩。何故かさっきまで戦ってたドルトムントユースのメンバーまで一緒にその場面を盗み見てる。
晴也(怒られても知らねぇぞ……)
ヤノサ「時間を割いてくださりありがとうございます」
さやか「いえ……」
梢「それで、何の話かしら?」
ヤノサ「お二人に聞きますが、晴也くんのことをどう思ってるんですか?」
さやか&梢「「っ!!/////」」
一気に顔が真っ赤になる2人。ドルトムントユースのメンバーは、ヤノサさんが2人に合わせて日本語で喋っているため何と言ってるか分からない事に気が焦れていた。
梢「ど、どうって言うと……?」
ヤノサ「私は、彼がドイツに留学してきて、一緒にサッカーしてきた頃から、彼のことが男性として好きです。だからこそ、こうして日本語も身に着けましたし、はっきり言って恋愛対象として見てます。貴方たちはどうなんですか?」
ヤノサの発言に蓮ノ空のメンバー全員が俺を見る。そんな目で見られても困るんだけど!?
梢「わ、私は……好きよ。誰に言われても、絶対に譲らないわ」
さやか「わ、私は……。私も、好きです!」
二人とも言い切った。おいおいマジか……。
頭を抱える晴也。おい、ソジ、来夏先輩もからかうんじゃねぇ。
ヤノサ「……そうですか。はっきり言えるようで安心しましたよ。なら、遠慮なく争えますね」ニヤッ
梢「ええ。これからは別の意味でもライバルね」
さやか「負けませんよ!」
そして、蓮ノ空は1回戦で敗退し、石川に戻ることになった。
ドルトムントユース『なあ、アイツらなんて言ってたんだ!? なあ!!』
晴也「はあ、どうなるんだろ……」
― つづく ―
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