蓮ノ空ヴィクロ✕キャプ翼サンシャイン! 〜 FUSION PARALLEL 〜 作:松兄
あれから数日後、ユニバーサルユースに向けて、全日本ユースは開催国であるドイツへと旅立った。
ドイツへのフライト中、飛行機の中で――
ピロン♪
晴也(?)
晴也のケータイに1件の着信が。ケータイを見ると、ヤノサからのメールだった。
晴也「なんだろ……」
メールには…………、
ヤノサ『晴也くん! 私とお姉ちゃん、ユニバーサルユースを戦うドイツユースに選ばれましたよ!! この間晴也くんは全日本に選ばれたと言ってましたよね? 試合が今から楽しみです!!』
文面からしてもうヤノサの嬉しそうな顔が見て取れる。晴也も笑顔になった。
晴也(そっか……それは楽しみだな)
晴也はヤノサに返信した。
晴也『楽しみにしてる』
ヤノサ『負けませんよ!』
ヤノサとメールでやりとりし、ニヤニヤしていた晴也を見て、松山が話しかけてきた。
松山「晴也、どうした?」
晴也「ああ、海外の友達からです。なんかこの大会に出る代表に選ばれたらしくて……試合が楽しみだねって話です」
晴也の言葉に、翼さんも聞く。
翼「へえ、晴也くんは海外に友達がいるんだ? どこの国?」
晴也「ドイツっすね」
JYメンバー『!!???』
かつて、フランス国際JY大会でドイツと死闘を繰り広げたメンバーが驚く。
晴也「え、そんなに驚きます? 俺小学校、中学校とドイツにいたんですよ?」
晴也の言葉に、まだ晴也と対戦したことのない葵が、
葵「へ〜? 大海はドイツにいたのか。てことは若林さんのことも知ってる?」
晴也「うん。対戦したことあるよ? 0ー0の引き分けだったけど」
日向「さすがに若林はやっぱり破れなかったか」
すると―――、
さやか「あっ!」
その話を聞き、すぐにケータイで調べたさやか。するとすぐに情報が出てきた。
さやか「この試合、『東洋の知将大海晴也擁するドルトムントユース、引き分けながらもドイツの若き皇帝シュナイダーにボールを一度も握らせずにドルトムントユースシュナイダーの被シュート0本』って!!」
石崎「なにぃっ!?」
若島津「シュナイダーがシュートを撃てなかった……? 1本も?」
驚く全日本メンバー。ドイツのエースストライカー、シュナイダーをシュート0本に抑えるなどとんでもない事だ。
瑠璃乃「調べた限りでは0本って書いてあるから1本も撃たれなかったんじゃないかと……」
皆が晴也を見る。晴也は「そうですけど」と、頷く。
見上「全日本の試合、晴也と翼が鍵になりそうだな………」
そして全日本ユースを乗せた飛行機はドイツに到着。ドイツの風が、長旅を終えた全日本の選手たちの肌をかすめる。
フランクフルト国際空港の滑走路に滑り込んだジャンボジェット機。
タラップを降りる日本代表の面々には、長時間のフライトによる微かな疲労と、それ以上の静かな高揚感が漂っていた。
全日本のジャージ姿の彼らは、待ち構えていた現地スタッフや報道陣のカメラに軽く会釈を交わしながら、空港に横付けされた専用の大型チームバスへと乗り込んでいく。
バスのエンジンが低く唸りを上げ、空港の喧騒を離れて走り出した。
車内は驚くほど静かだ。窓の外に広がる、ドイツの街並みと、日本とは異なる乾いた質感の青空。
ある果南さんはヘッドホンを耳に当てて音楽に没頭し、三杉さんはタブレットで次の対戦相手のデータを熱心に見つめている。
時折、翼さんや岬さん、松山さんが蓮ノ空や浦の星の選手に声をかけ、小さな笑い声が起きる。
リラックスしているように見えて、その視線の奥にはすでに「世界」と戦う覚悟の火が灯っていた。
バスが緩やかにスピードを落とし、市街地郊外のホテルへと滑り込む。
ここが数週間にわたり、彼らの「城」となる場所だ。
出迎えたホテル支配人の温かい拍手に迎えられ、全日本の選手たちはロビーへと足を踏み入れる。
クラシック調のインテリアと、どこか凛とした静けさが、旅の緊張を優しく解きほぐしていく。
そしてスタッフから手渡される、それぞれの部屋の鍵。
「いよいよ始まる」という無言の空気の共有各自、割り当てられた部屋へと続く廊下を歩く。
絨毯が足音を吸い込み、館内にはかすかなアロマの香りが満ちていた。
カードキーをかざし、重い木製のドアを開ける。
整理整頓された清潔なベッド、窓の外に広がる美しいドイツの街並み。
晴也「ふう………」
ベッドの脇にスーツケースを置く。どさりと重い音が響き、ようやく長い移動が終わったことを実感する。
一度ベッドに腰掛け、一度深く息を吐き出す。
部屋の静寂の中に身を置くことで、移動モードだった脳が、徐々にアスリートの「戦闘モード」へと切り替わっていく。
荷解きは後回しだ。まずはこの数ヶ月、己の肉体と精神を極限まで追い込んできた相棒であるスパイクを、一番最初に見える場所へとそっと並べた。
すると、
吟子「晴也くん! 練習するそうですよ?」
晴也「分かりました!」
― グラウンド ―
石崎「そーら翼!」パス!
石崎から翼へとパス。そこに綴理が飛び出した。
綴理「とる!」バシッ
ボールを奪われる相手チーム。しかし、着地の隙をすぐに翼が狙った。
翼「ここだっ! [サブマリンディフェンス]だあっ!」ドカッ!
綴理「わあっ!?」
着地の瞬間、手を地面についてそれを軸に体を振り回すように回転。両足の真横からのタックルでボールを奪い取った。
翼「よし!」
晴也「行かせませんよ!」
晴也と翼のマッチアップ。翼と晴也の鍔迫り合いが始まる。
―――が、
松山「うそだろ!? 翼が抜けない!?」
花帆「晴也くんも中々奪えないね………」
それぞれの実力をよく知るものが驚愕する。するとそこへ、
岬「翼くん!」
翼「っ! 岬くん」パス
翼は岬へとパス。[ゴールデンコンビ]だ!
だが、
さやか「狙い通りですっ![爆・スケーティングカット]!!」バシィ!
翼「なにいっ!?」
さやかの柔道特訓の間合いの取り方はここにも生かされる。パスをカットできるギリギリの位置に陣取り、晴也が
さやか「ダイヤさん!」パス!
さやか先輩はダイヤさんにパス!
ダイヤ「良いですわよお二人とも! [フライングドライブシュート・V3]ですわ!!」ドゴォオオォオオ!!
空へと間合い上がると、縦横無尽の読めない軌道で空から襲いかかるダイヤのシュート。
若島津はキャッチの体勢だ。
若島津「キェエエエーー!」ガコォンッ!
バシィ!
若島津の三角飛び。ボールをキャッチした。
若島津「まだまだ甘いぞ!」
と、このように今まで組んだことのないメンバー(いろんなチーム出身がいるとはいえ一部は同じ)を順番にランダムでミックスしてチームを組みゲーム形式で合わせる。
まずは誰とでもある程度の連携をできるようになる事が課題だ。
三杉「初戦の相手は韓国でしたよね?」
見上「ああ……どうするかこの練習の結果を見て考えようと思う」
三杉「でも、大海の視野の使い方上手いですね。気づいた時にはもう居ないんですよ。ボール確認する一瞬の死角を突いて逆方向に視界を切られてるんです」
見上「晴也はMFで使いたいんだがな……。翼と被るんだ……」
三杉「……いっそのこと、ミッドフィルダーを横に4人置いて、真ん中2枚をそれぞれ晴也と翼くんを置くのはどうです?」
見上「それもありだな」
そして次は走力チェック。蓮ノ空のメンバーは、ジャパンカップのあとで異世界の自分たちと試合して未熟さを思い知らされて異種競技の特訓を積み重ねてきた。
それにより、身体能力だけでなく、判断力やスキルまで上がっていた。
見上(蓮ノ空のメンバーのこのステータスの上がり幅はなんなんだ………)
そしてその日の夜、いよいよユニバーサルユースの開幕式が行われる。
全日本ユースは決勝の舞台にもなる、〈スタークラウンスタジアム〉へとやってきた。
翼「行くぞ!」
全日本ユース『おう!』
そして全日本ユースの入場。世界各国の代表チームがグラウンドに並び、全日本ユースのすぐ後にはドイツユースが入場してきた。
するとどうなるか、ドイツユースが全日本の隣に並ぶ。
晴也「…………」
クイクイ
誰かにユニフォームが引っ張られた。
晴也「?」
晴也が見ると、
ヤノサ「晴也くん!」
ツサノ「やっほ!」
晴也「2人も元気そうだね」
俺たちがコソコソ話してると、ドイツユースのメンバーや全日本のメンバーからジロリと見られてしまい辞めた。
晴也「先に話しかけてきたの向こうなんだけどな………」
そしておえらいさんの挨拶も終わり選手宣誓。やるのは開催国ドイツのキャプテン、シュナイダーだ。
シュナイダー『宣誓! 我々選手一同、正々堂々、真正面から戦うことをここに誓う!』
開会式が終わり、全チーム今日は宿舎に戻る。
俺は宿舎で開会式のことをメンバーから怒られてしまった。翼さんと岬さんは「向こうから話しかけてきたからね……?」と言ってくれたが。
ドイツユースの宿舎でも、ツサノとヤノサはシュナイダーやシェスターたちから程々にしろと怒られていたのを後から知るのだった。
― つづく ―
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